<「給与計算の月次締め」に関する実態調査>システム間の“データ断絶”により、86.6%の企業で「Excel等での二重管理」が常態化している実態

〜給与計算システム導入企業であっても、不足機能を人力で補完する「目視・検算」のアナログ業務により、 約半数が締め完了に1週間以上〜

<「給与計算の月次締め」に関する実態調査>システム間の“データ断絶”により、86.6%の企業で「Excel等での二重管理」が常態化している実態

株式会社LayerX(本社:東京都中央区、代表者:代表取締役CEO 福島良典、以下「LayerX」)は、企業の給与計算担当者500名を対象に、「給与計算の月次締め」に関する実態調査を実施しました。

調査背景

近年、企業のバックオフィス業務の一部として、給与計算システムの導入が広く一般化しています。しかし、システムを導入しているにもかかわらず、給与計算の現場では期待されたほど業務負荷が軽減していないのが実態です。※1

その背景には、現在のシステム環境が抱える構造的な課題があると考えられます。「人事労務」と「給与」のデータが分離していることによる連携の壁や、システムが特定の業務フローに最適化されていることで生じる機能上の限界などが、現場の業務を複雑化させる要因となっています。

そこでLayerXでは、こうしたシステム環境が、現場の給与計算業務にどのような弊害をもたらしているのかを明らかにするため、本調査を実施しました。

※1:2026年3月24日 株式会社LayerX プレスリリース「【調査】システム導入が普及する中でも、約7割が給与締め業務を『負担』と回答。変動情報の収集から支給後の対応まで、全工程で7〜8割が属人化」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000603.000036528.html

 

調査結果サマリー

1. 給与計算システム導入済みでも約半数の企業が、月次締めに1週間以上を要する

給与の月次締めに5営業日以上要する企業は48.3%に上る一方、即日〜2営業日で完了する企業は12.2%にとどまる

2. 月次締めが早い企業と遅い企業で、月次締め長期化原因の最も大きな差となるのがシステム間の“データの断絶”

月次締めが5営業日以上かかる企業と未満の企業を比較すると、「外部データを取り込むための手作業集計」が原因となる割合の差が21.0ptと最も大きい

3. “データの断絶”を人が埋める。86.6%がExcel等で「データの二重管理」を実施

給与計算システムを導入していても、86.6%の企業がExcel等で二重管理を実施。3大二重管理Excelは、システム計算を検証する「検算Excel」(45.0%)、異動等の将来の変動情報を適用月まで管理する「備忘録Excel」(43.6%)、自治体別の住民税や履歴を管理する「住民税・変更履歴Excel」(32.0%)

4. 社員情報変更もシステム外で管理。48.6%がシステムの機能不備を人力で補完

給与計算に必要な社員情報変更について、48.6%がシステムの機能不備を人力で補完(36.4%が「Excel等に蓄積し適用月に手動転記」、12.2%が「メモ等に記録し月末に入力」)

5. 確定前チェックのシステム完結はわずか1割。89.4%が目視などのアナログ業務を実施

給与計算結果の確定前チェックが「システム内の確認のみで完結」する企業はわずか10.6%。89.4%がアナログでのチェックを行っており、主に「CSV出力してExcel関数で突合」(67.1%)や「全社員分を目視確認」(45.9%)を実施

6. 給与計算システムを導入し、二重管理や目視チェックを実施しているにもかかわらず、48.1%が「給与明細の誤り」に関する問い合わせが複数発生

給与計算システムを導入し、二重管理や目視チェックを実施しても、直近1年で48.1%が「給与明細の誤りに関する複数回の問い合わせ」を経験。さらに46.8%が「遡及計算やシステム上のリカバリー処理」、35.1%が「支給漏れや過払い」を発生させている

調査概要

調査名称:「給与計算の月次締め」に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年7月9日~2026年7月10日
調査対象:給与計算システムを活用して「給与計算業務」に関与している担当者
有効回答:500名
留意事項:端数処理(四捨五入)の関係で、合計が100%にならない場合があります

調査結果詳細

1. 給与計算システム導入済みでも約半数の企業が、月次締めに1週間以上を要する

勤め先の企業で給与計算システムを活用して給与計算業務に関与している人に、締日から何営業日で給与締めが完了するかを質問したところ、「5営業日以上(1週間以上)」と回答した人が48.3%となりました(図1)。

2. 月次締めが早い企業と遅い企業で、月次締め長期化原因の最も大きな差となるのがシステム間の“データの断絶”

給与締めの期間が縮まらない原因を、月次締めにかかる日数が「5営業日未満」の企業と「5営業日以上」の企業で比較したところ、最も差が大きかったのは「給与計算システムに外部データを取り込む手作業の集計が発生しているため」で、「5営業日未満」の企業では16.4%だったのに対し、「5営業日以上」の企業では37.4%となり、21.0ポイント高い結果となりました(図2)。

3. “データの断絶”を人が埋める。86.6%がExcel等で「データの二重管理」を実施

給与計算システムとは別に、検算・データ加工・管理などの目的で「Excelやスプレッドシート(表計算ソフト)」を併用している業務についてを質問したところ、86.6%が「ある」と回答しました(図3)。

「Excelやスプレッドシート(表計算ソフト)」を併用している業務の1位は「システムの計算結果を検証するための検算Excel」(45.0%)、2位「異動等の将来の変動情報を適用月まで管理する備忘録Excel」(43.6%)、次いで「自治体別の住民税や履歴を管理する住民税・変更履歴Excel」(32.0%)となりました。人事マスタと給与マスタが分離しているために、Excelやスプレッドシート(表計算ソフト)の併用が必要となっていることがわかりました。

4. 社員情報変更もシステム外で管理。48.6%がシステムの機能不備を人力で補完

昇給・住所変更・扶養変更などの「社員情報の変更」が決定した際の、給与システムへの反映方法についてを質問したところ、「変更データをExcel等に別途蓄積しておき、適用月になったタイミングで手動転記、またはCSVで一括取り込み」が36.4%、「メモやチャット、メール等に記録を溜めておき、月末の給与計算時期にまとめてシステムへ入力している」が12.2%となりました (図4)。

これらを合わせると、48.6%がシステムの機能不備を人力で補完していることがわかりました。給与システムにて、社員情報の変更の予約や、過去の履歴の保持ができないため、システム外での管理が必要となっています。

5. 確定前チェックのシステム完結はわずか1割。89.4%が目視などのアナログ業務を実施

給与計算結果の確定前のチェック業務についてを質問したところ、システムで完結していると回答したのはわずか10.6%となりました。人力で保管しているチェック業務の1位は「給与データと人事データをそれぞれCSVで出力し、検算Excelで一致するか検証」(67.1%)、2位「全社員分を目視で確認・読み合わせしている」(45.9%)、次いで「入退社や休職、昇給など、指定する特定の条件が発生した人に誤りがないかを確認」(32.0%)となりました(図5)。

6. 給与計算システムを導入し、二重管理や目視チェックを実施しているにもかかわらず、48.1%が「給与明細の誤り」に関する問い合わせが複数発生

直近1年間で「勤怠の未打刻」や「マスタの更新漏れ・遅れ」が原因で、実際に発生した事象についてを質問したところ、1位は「従業員から『給与明細の金額が間違っていないか』という問い合わせが複数発生した」(48.1%)、2位「支給後の『遡及計算(次月での差額調整)』や、システム上でのリカバリー処理(再計算・再確定)が必要になった」(46.8%)、次いで「給与の支給漏れや過払い(誤支給)が発生し、対象の従業員へ個別に謝罪・説明した」(35.1%)となりました(図6)。

まとめ

本調査から、給与計算システムの導入企業であっても、約9割(86.6%)がExcel等での二重管理を行い、89.4%が目視やCSV突合による確定前チェックを実施している実態が明らかになりました。しかし、現場がこれほど膨大なアナログ業務を行っているにもかかわらず、約半数(48.1%)の企業で給与明細の誤りに関する問い合わせが複数発生しています。

これらの結果を踏まえ、現場の担当者がどれほど注意深く確認を重ねてもミスを防ぎきれない原因は、担当者のスキルや努力不足ではなく、システム側の構造的限界にあると考えます。現場が異動等の情報を管理する「備忘録Excel」を併用したり、変更情報をメモして「月末のまとめ手入力」を行わざるを得ない理由は、従来の給与・労務システムが「人事マスタと給与マスタなど、データが分離している」、あるいは「未来の適用月予約や過去履歴の保持ができないデータベース構造になっている」ためです。

このようなシステムの構造的な欠陥が“データの断絶”であり、現場に目視検証や手作業での補完を強いており、人間の努力だけでは事故を防げない状況が生まれています。こうしたシステム構造の限界を乗り越え、担当者の負担を根本から解消するためには、データの断絶を生まない新しい仕組みが不可欠です。

LayerXが提供する「バクラク」では、分断されがちな人事・給与データをシームレスにつなぐ統合的なシステム環境を通じてこの課題に向き合い、AIと協働して安心・スムーズに給与計算業務が完結する、新しい働き方を提案してまいります。

バクラクとは

バクラクは、“AIが仕事を完了させる”エージェントサービスです。稟議、経費精算、法人カード、請求書受取、請求書発行、勤怠管理、給与計算をはじめ、請求書受領代行や、申請承認代行にも対応。AIエージェントを組み込むことで、バックオフィス業務を自動化し、従業員一人ひとりがコア業務に集中できる新しい働き方を創造します。中小企業から大企業まで、20,000社を超えるお客様の働きやすい環境づくりと事業成長を支援しています。
https://bakuraku.jp/

株式会社LayerX概要

LayerXは、「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げるAIカンパニーです。“AIが仕事を完了させる”エージェントサービス「バクラク」事業、資産運用サービス「ALTERNA(オルタナ)」を提供するFintech事業、エンタープライズ向けAIプラットフォーム「Ai Workforce」事業などの複合的な事業を通して日本の社会課題を解決し、AIの力で人々の創造力がより発揮される未来をつくります。

設立:2018年8月
代表者:代表取締役CEO 福島良典 / 代表取締役CTO 松本勇気
所在地:東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア5階
コーポレートサイト:https://layerx.co.jp/
採用サイト:https://jobs.layerx.co.jp/
お問い合わせ:https://layerx.co.jp/contact

事業サイト:
・バクラク:https://bakuraku.jp/
・Ai Workforce:https://getaiworkforce.com
・三井物産デジタル・アセットマネジメント:https://corp.mitsui-x.com/
・オルタナ(ALTERNA):https://alterna-z.com/
・株式会社AgenticSec:https://agenticsec.tech/

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