法人カードを導入する目的とは?カードの選定から運用までの流れを解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-11-08
経費精算や会計処理は、経理部門にとって大きな負担といえるでしょう。法人カードを導入すれば、ビジネス上で役立つメリットを享受できます。本記事では、法人カードの種類や、メリット・デメリット、選び方などを解説します。注意点や導入する目的も紹介するので、参考にしてください。
法人カードを検討するにあたっての基礎知識
法人カードとは、企業や個人事業主に向けて発行されるクレジットカードのことです。おもに企業の経費管理を効率化する目的で導入されます。株式会社・合同会社・合資会社などの法人格を問わずに申し込み可能です。
法人カードは、発行対象や主な用途によって「コーポレートカード」「ビジネスカード」「パーチェシングカード」に分けられます。いずれも企業の決済に利用するという点は共通しています。
- コーポレートカード・・・大企業向けの法人カード。おもに事業活動による経費支払で使用する。
- ビジネスカード・・・中小企業向けの法人カード。おもに経費支払で使用する。
- パーチェシングカード・・・企業全般向けの法人カード。おもに企業間取引・購買活動による経費支払で使用する。
▼法人カードの種類ごとの特徴については下記の記事で解説しています。
「法人カードとは何?カードの種類ごとに決済用途・特徴などの違いを解説」
個人的な買い物の精算に利用する個人カードとは違い、法人カードは基本的に企業経費全般の支払に使用されます。ここでは、法人カードの特徴について、「契約者」「利用可能枠」「特典」「追加カード」の観点から、個人カードと比べつつ解説していきます。
個人用クレジットカードとの違い
法人カードは、法人や企業の代表者、個人事業主などに対して発行されるクレジットカードです。プライベートで使用する個人向けクレジットカードとは異なり、法人カードはビジネスに使用することを目的とします。個人カードでもビジネスで使用することは可能ですが、法人カードと個人カードではそれぞれ特徴が異なるため、違いを理解したうえでより目的やニーズにあったクレジットカードを選びましょう。
法人カードと個人カードの違いは?法人カードならではのメリットや使い分けのポイント
法人カード導入のメリットは?
法人カードを導入するメリットは、以下のとおりです。
- ポイントやマイルが貯められる
- 付帯サービスが利用できる
- 年会費を経費として計上できる
- キャッシュフローを改善できる
- 個人利用と法人利用が分けられる
- 追加カードを発行できる
法人カードの導入によって、経費管理の効率化やコスト削減、従業員の利便性向上を実現できます。なお、法人カードに付帯するサービスには、カード付帯保険、福利厚生代行サービス、優待サービスなどがあります。
法人カード導入のデメリットは?
法人カードを導入するデメリットは以下のとおりです。
- 複数枚カードを持つ場合は管理の手間がかかる
- 社内での運用ルールが必要
- 年会費がかかることが多い
複数枚の法人カードを発行する場合、従業員の私的利用や不適切な支出を防ぐための管理体制が必要です。利用品目のルールや従業員ごとの利用限度額を設定し、支出を適切に管理できるように対策を講じましょう。
法人カードの年会費がネックになり、導入をためらうケースもあるかもしれませんが、年会費無料のカードを選ぶことも可能です。また、法人カードの年会費は経費として計上できるため、税務上のメリットがあります。年会費に見合う付帯サービスを提供するカードも多いため、総合的に検討しましょう。
法人カードを導入する際に気をつけたいポイント
法人カードを導入する際に意識したいポイントについて解説します。自社にメリットの大きい法人カードを選びましょう。
利用限度額
一般的に、法人カードの限度額の設定は、1か月に使用する経費の2〜3倍程度が目安です。法人カードの利用限度額を比較する際は、想定される経費の額に対応できるかがポイントです。
法人カードの限度額は、個人カードよりも高めに設定できます。限度額の設定方法はさまざまで、審査によって決定されるものもあれば、従業員ごとに個別に設定できるものもあります。
利用用途
利用用途が限定されている場合は、自社の用途に特化した法人カードを選びましょう。企業によって、経費精算に使用する、出張に利用する、交通費に利用するなど、カードの利用用途は多岐にわたります。
利用人数
法人カードによっては、追加カードやETCの発行枚数に上限があったり、枚数に応じて費用がかかったりする場合があります。発行可能なカードの枚数を事前に確認しておきましょう。
付帯サービス
自社の利用用途に合う付帯サービスがあるか、チェックしましょう。付帯サービスの内容はカード会社によって異なります。たとえば、海外出張が多ければ、海外旅行損害保険サービス付きのカードがおすすめです。物品購入が頻繁なら、ショッピング保険のあるものが適しています。
引き落とし日
法人カードを申し込む前に、カード利用日から引き落とし日までの日数を調べておきましょう。カード利用日から引き落とし日までの日数が長いほど、支払猶予が長くなってキャッシュフローに余裕が生まれます。
年会費
法人カードの年会費の支払方法は、以下の3種類あります。
- 永年無料
- 初年度無料
- 条件付き無料(利用額や取引回数等により翌年以降の無料・有料が決定)
初期コストを重視する場合は、永年無料で発行手数料もかからない法人カードが適しています。一方、長期的なコスト削減を目指す場合は年会費だけではなく、取引手数料や振込手数料にも注目しましょう。
法人カードを導入する目的
法人カードを導入する目的を解説します。法人カードの導入は、経理業務の効率化、支出の透明性向上、福利厚生の充実に寄与します。
立て替え精算が不要になり経理業務が効率化できる
法人カードを導入する目的に、経理業務の効率化があります。出張費や交際費などを法人カードで支払うと、立て替え精算が不要になります。領収証を提出したり、申請書を作成したり、小口現金を管理したりする負担を大きく減らせるでしょう。作業負担が減った従業員や経理部門は、本来やるべき仕事に集中できます。
利用内容が透明化される
法人カードを導入する目的として、利用内容の透明化も挙げられます。カードの明細には、利用日時や商品名などが正確に反映されるためです。正確かつ詳細な記録は、社内のガバナンス強化や不正行為の防止に役立ち、結果として企業の競争力と価値の向上に寄与するでしょう。
経費精算システムとの連携により、利用データの自動取り込みや科目別振り分けが実現すると、経理業務の効率化を図れます。さらに、データ管理による印刷代や管理費用の削減、経理部門の経費軽減にもつながります。
小規模事業所においては福利厚生が充実する
法人カードの付帯サービスを重視する企業にとっては、福利厚生の充実も導入目的となります。健康・学習支援プログラムや各種サービスの割引など、多様な特典を活用することで従業員満足度の向上が期待できます。
小規模事業者や成長段階にあるベンチャー企業などは、独自の福利厚生制度構築が難しいかもしれません。法人カードの付帯サービスを活用すると、効果的に福利厚生を充実させられるでしょう。
法人カードを導入するまでの流れ
法人カードを導入するまでの流れを解説します。スムーズな導入に向け、計画的に進めましょう。
各カードを比較検討する
年会費や利用限度額、付帯サービスなどの内容は法人カードごとに異なります。カードのメリットを活かすためには、自社の利用目的や事業内容に適したカードを選びましょう。
社内ルールの制定
法人カードの管理を怠ると不正利用されるリスクがあります。たとえば、以下のようなルールを決め、セキュリティ体制を整えましょう。
- カード発行は必要最小限の従業員に限定し、全員への一律支給は避ける
- カードの用途を明確に定める
- 使用時には事前申請を必須とする
法人カードの不正利用を防ぐには?事例・対策・運用ルールを解説
必要な書類・口座の準備
法人カードの発行に向け、代表者の本人確認書類と、法人確認書類を準備します。法人確認書類には、発行から6か月以内の登記簿謄本(履歴事項全部証明書または、現在事項全証明書)の原本またはコピーが必要です。法人名義の銀行口座も準備しておいてください。
入会申し込み
法人カードの主な申し込み方法は、インターネットか郵送の2つです。申し込み後に入会審査が行われ、審査に通過した場合にカードが発行されます。申し込みからカード発行までの時間を短縮したい場合は、インターネットでの申し込みがおすすめです。
カードの受取後に追加カードの発行
追加カードの発行手続きは、インターネットや郵送で行えます。発行枚数分の手続きが必要な場合もあるため、事前にカード会社に確認しておきましょう。また、一部のカード会社では、法人カードの入会申し込みと同時に追加カードの申請も可能です。
ルールの周知・運用
本格的に法人カードを運用する前に、制定した社内ルールを周知して不正利用の防止に努めましょう。具体的なマニュアルを作成しておくと、従業員はカードの利用方法を理解しやすくなります。
法人カードはバクラクビジネスカードがおすすめ
バクラクビジネスカードは、AI搭載の法人カードです。海外旅行傷害保険付きかつ、世界中のVisa加盟店で利用できるなど、安心して利用できる法人カードです。
バクラクビジネスカードには、店舗決済に適したリアルカードと、オンライン決済向きのバーチャルカードの2種類があります。自社のニーズに合わせてお選びください。
まとめ
法人カードを導入する目的には、経理業務の効率化だけでなく、社内のガバナンス強化や不正行為の防止、福利厚生の充実も挙げられます。想定される利用額や用途、人数などを考慮し、自社に合った法人カードを選びましょう。
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