経費精算はクレジットカードの明細書でも可能?経費精算に使える書類を解説

経費を精算する際にはルールがあるため、各企業は法律に沿った社内ルールを作成しており、要件を満たした書類が必要となります。代表的な経費精算書類は、領収書や支払明細書などです。領収書の代わりに、クレジットカードの明細書でも法律上問題はありません。

この記事では、経費精算における支払明細書の役割や種類などを解説します。ぜひ参考にしてください。

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経費精算はクレジットカードの明細書でも可能?経費精算に使える書類を解説

経費精算には証明書類の提出が必要

経費精算には、原則として領収書の提出が必要です。しかし、クレジットカード払いの場合、現金のようにその場で金銭を譲受するわけではないため、基本的に領収書が発行されません。そのため、クレジットカードによる決済時は、条件を満たした領収書以外の書類を、経費精算する際の証明書として使用します。

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クレジットカードの明細書は領収書の代わりになるのか

クレジットカードの利用明細書は、必要項目がすべて記載されていれば、領収書の代わりに経費の証明書類として使用できます。

クレジットカード払いは信用取引であり、実際にその場で料金が支払われるわけではありません。しかし、クレジットカード会社から発行される利用明細書は、クレジットカード決済時に販売者が使用者に対して発行する書類であるため、料金が支払われたと認められ、領収書の代わりとなります。

場合によっては支払明細書が重要

企業間取引の場合は、領収書より支払明細書が望ましい場合があります。取引ごとに領収書を発行すると双方の手間になるため、一定の期間で区切って、まとめて支払明細書に記載した方が支払いや入金がスムーズになるからです。

このため、相手方から支払明細書の発行を望まれる場合が少なくありません。企業としては、支払明細書の発行にいつでも対応できる体制を整えておくとよいでしょう。

▼支払明細書と領収書の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

支払明細書と領収書の違いは?作成方法や記載項目などの概要を解説

クレジットカードの明細書で経費精算するときの注意点

クレジットカードの明細書で経費精算する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 必要項目が記載されているか確認する
  • 収入印紙が必要な場合がある
  • 保管期間に注意する

それぞれ解説します。

必要項目が記載されているか確認する

クレジットカードの明細書を受け取った際は、以下の必要項目が記載されているかを確認しましょう。

  • 発行者名|店舗や会社などの名称
  • 取引年月日|決済した日付
  • 金額|支払った金額
  • 取引内容|商品や飲食目的などの詳細
  • 宛名|支払った人の氏名や名称

利用する店舗やサービスによっては、明細書に「取引内容」が記載されていないケースがあります。必要項目がすべて記載されていないと、経費精算の証明書類として使用できないため注意しましょう。

また、クレジットカード払いをした際に、店舗のサービスとして領収書が発行される場合がありますが、「クレジットカード払い」の記載があると、税法上は領収書として認められません。「クレジットカード払い」の記載がなく、上記の項目がすべて記載してあれば、領収書として使用できます。

収入印紙が必要な場合がある

印紙税の課税対象となる領収書は、決済金額が5万円以上の場合に、収入印紙を貼付する必要があります。しかし、クレジットカードの明細書は、印紙税法上は領収書に該当しないため、基本的に収入印紙は不要です。

ただし、「クレジットカード払い」と記載がない明細書は、現金払いした領収書と同じ扱いになるため、5万円以上の決済をした際は収入印紙の貼付が必要になるので、必ず確認しましょう。

保管期間に注意する

クレジットカード払いで発行された利用明細書は、7年間保存しておく必要があります。なぜなら税務調査が入った際に、最大で7年分の経費精算に関する書類が調査対象となるためです。破棄してしまい、調査の際に提出できなければ、罰則対象となる場合もあるため注意しましょう。

経費精算に使えるそのほかの書類

経費精算に使用できる書類は、領収書だけではありません。消費税法で規定されている5つの要件を満たせば、領収書の代わりとして経費精算できます。5つの要件は以下の通りです。

  • 発行者名
  • 取引年月日
  • 取引内容や但し書き
  • 本体価格・消費税の金額・税込金額
  • 支払った者の宛名

ここでは、これら5つの要件を満たす書類を紹介します。

レシート

現金で支払った場合のレシートには、領収書と同じ次項が記載されているため、領収書の代わりになる書類として経費精算が可能です。現金決済であれば、販売側に決済時点で、直接金銭の受け渡しが完了しているため、レシートも金銭が支払われたことを証明する書類と認められます。

注意したいことは、感熱紙のレシートは、時間の経過とともに文字が見えにくくなることです。念のためにコピーを取っておき、注意して保管しましょう。なお、古いレジを使っている場合は、金額と日付の記載しかない可能性があります。この場合は、領収書の要件を満たしていないため、領収書を発行するように要望してください。

出金伝票

仕事上の冠婚葬祭などで、祝儀や香典を出金した場合は領収書が発行されません。交通費の場合も、領収書がないことが一般的です。領収書が発行されないケースでは、出金伝票を作成して領収書に代わりに支払った事実を証明する書類とします。出金伝票には、次の4つの項目の記載が必要です。

  • 支払った日の日付
  • 支払った相手の名前または名称
  • 支払った金額
  • 支払いの目的

出金伝票の場合は、複数の証憑を保存しておくことが大事です。冠婚葬祭であれば、式の案内状を出金伝票に貼付します。交通費であれば、業務日報に記録を残しておくとよいでしょう。切符が手元に残っていれば、出金伝票に貼り付けます。切符がなければ、日付や交通機関、移動の目的などを記載したメモを添付します。

経費精算には法人カードが便利な理由

経費精算では、法人のクレジットカードが便利です。従業員にとっても利用価値があるため、ここで法人カード(ビジネスカード・コーポレートカード)のメリットをいくつか紹介します。

従業員個人の立て替えがない

法人のクレジットカードは、追加で複数の発行が可能です。法人のクレジットカードを利用すれば、法人の口座から引き落としされます。法人のクレジットカードを従業員に渡しておけば、従業員は仕事の経費を立て替える必要がなくなるため、経費に関する負担もなくなります。従業員が、経費と個人的出を明確に分けられることもメリットです。

▼立替経費については、以下の記事で詳しく解説しています。

立替経費とは何?精算手順や注意点、負担軽減方法を解説

精算処理を効率化できる

法人のクレジットカードと経費精算システムを連携させることも可能です。連携させれば、大幅に経費処理が効率化できます。経費精算の申請書は必要なくなりペーパーレス化ができたり、エクセルに入力したりする必要もありません。経費精算システムに集計機能があれば、さらに時間やコストを大幅に削減できます。

▼法人カードの経費精算については、以下の記事で詳しく解説しています。

法人カードで経費精算するメリット・デメリットとは?流れや注意点も解説

計上漏れや不正を防止できる

法人カードは、カードごとに明細書が発行されるため、従業員とカード番号を紐づけすることが可能です。クレジットカードの多くは、リアルタイムで支払いを確認できるようになっています。従業員が、どこで何を購入したのかを正確に把握できるため、不正防止にも役立つでしょう。

利用明細が把握できるため、稟議が必要な経費のみ申請書や稟議書を提出させれば、経費精算処理が完了します。

▼領収書・経費精算の不正については、以下の記事で詳しく解説しています。

領収書・経費精算の不正事例まとめ|原因や対策を解説

ポイントを貯められる

法人のクレジットカードでも、個人のクレジットカードのように使用した金額に応じてポイントが付与され、貯めることもできます。還元率は、各クレジットカード会社によって異なるため、還元率のよいクレジットカード会社を選ぶのも1つの選択手段です。ポイントは、マイルやギフト券、商品に交換できたり、キャッシュバックできたりするクレジットカードもあります。

▼法人カードのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

法人カードのポイント還元率はどれくらい?ポイントを貯めるコツと活用方法

クレジットカードの特典やサービスを利用できる

法人のクレジットカードにも、特典やサービスが付帯されているケースが少なくありません。ビジネスサポートとして、会計ソフト導入のディスカウント料金が適用されたり、幅広い専門家に無料で相談できたりするサービスを提供している場合もあります。

優待サービスでは、クレジットカード会社が提携しているホテルやレストランなどを優待料金で利用できるため、コストを抑えることも可能です。

まとめ

経費精算には原則として領収書が必要ですが、支払明細書でも法的要件を満たしていれば領収書の代わりになります。企業間の取引では、領収書よりも支払明細書が重宝されているのが現状です。

領収書は、金銭の授受が発生するごとに作成するように定められていますが、支払明細書ならまとめてやり取りができるため効率がよくなります。さらに経費精算を効率よくするなら、「バクラク経費精算」の導入をご検討ください。経理担当者のミスを防止し、経費申請全体を効率化できます。

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