【経費精算の差し戻し・修正 実態調査】90%以上の企業で手戻りが恒常的に発生、主因は「会社独自の規程に関する不備」。対策は「人手による教育」に集中

【経費精算の差し戻し・修正 実態調査】90%以上の企業で手戻りが恒常的に発生、主因は「会社独自の規程に関する不備」。対策は「人手による教育」に集中

株式会社LayerX(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:福島良典、以下「LayerX」)は、経費精算システムの導入・選定に関わった経理・財務担当者471名を対象に、「経費精算の差し戻し・修正」に関する実態調査を実施しました。

調査結果のダウンロードは こちら

調査背景・目的

インボイス制度や電子帳簿保存法などの法対応に加え、企業独自の複雑な精算規程により、経費申請の処理難易度は年々高まっています。変化の激しい経営環境において、迅速な経営判断を支える「決算早期化」は多くの企業の最優先課題です。多くの企業がマニュアル整備や周知を徹底していますが、依然として経理現場では差し戻し・修正などの手戻りが絶えず、決算早期化を阻害する大きな要因となっています。

本調査は、経理担当者の業務を圧迫する手戻りの構造を浮き彫りにし、ミスの削減に依存しない決算早期化の新しい解決策を提示することを目的に実施しました。

調査結果 サマリー

  1. 差し戻し・修正の発生状況
    90%以上の企業で申請の差し戻し・修正が恒常的に発生しており、その割合は平均で申請全体の40%以上に達している
  2. 差し戻し・修正の原因の構造:ミスの原因の多くは「会社独自の規程の知識不足・判断ミス」
    課題の本質は単純ミスではなく、申請者にとって複雑な自社規程の理解・判断が困難である点にある
  3. 差し戻し・修正を減らしたい理由:単なる効率化ではなく、心理的負担の軽減が目的
    効率性・コスト面だけでなく、経理担当者の心理的ストレスや人間関係の摩擦懸念という二重の負荷を生んでいる
  4. 差し戻し・修正を減らすための取り組み:対策は「人手による教育」に集中
    従来のシステムでは、自社規程に関する不備という本質的な課題に対応できず、結局は人手による対応が必要になっている
  5. 発生割合と決算締め日の関係性:決算締め日が早い企業ほど、差し戻し・修正の発生割合が高い傾向
    決算早期化の恩恵がある一方で、修正による月末月初の経理の負荷の増大が起きている可能性が示唆される

調査概要

  • 調査時期:2025年11月14日〜2025年11月18日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:「経費精算システム」の導入・選定に関わった経理・財務担当者471名
  • 留意事項:小数点第二位以下を四捨五入

調査結果からの示唆・提言

今回の調査結果は、経費精算業務が抱える差し戻し・修正の構造的課題を乗り越えるためには、以下の3点の視点が重要であることを示しています。

  1. 差し戻し・修正の真因の再定義:「自社規程に関する不備」こそが真の課題
    手戻りが発生する主因は、「単純な入力・計算ミス」よりも、「自社規程に関する不備」である。従来の経費精算システムでは、会社独自の複雑な規程や運用ルールの遵守促進・ミス防止には限界がある。
  2. 手戻り削減の価値:「働きやすさ」への直接的貢献
    手戻り削減の価値は、コストや業務効率化といった側面だけではなく、経理担当者の心理的負担を軽減し、働きやすさ向上に直結する重要な経営施策として位置づけられる。
  3. 決算早期化への新戦略:「ミスの完全な防止」ではなく「ミスの早期発見・修正」
    手戻りゼロという完璧なミスの防止を目指すのではなく、経費精算プロセスの初期段階で漏れなくミスを迅速に発見し、即座に修正できることが決算早期化につながる。この「ミスの早期発見・修正」の手間をいかに減らせるかが重要である。

調査結果詳細

1. 手戻りの発生状況:90%以上の企業で修正・差し戻しが恒常的に発生

経費精算における手戻りは、一部の特定企業が抱える問題ではなく、業界全体に共通する普遍的な課題であることが明らかになりました。調査によると、差し戻しが1件以上発生すると回答した企業は90.0%、修正が1件以上発生すると回答した企業は93.2%と9割以上の企業で差し戻し・修正が恒常化しています。

2. 差し戻し・修正の原因の構造:ミスの原因の多くは「会社独自の規程の知識不足・判断ミス」

発生するミスの内訳を分析した結果、ミスの種類の過半数が「金額の入力ミス」といった「単純な入力・計算ミス」よりも、「自社規程に関する不備」に起因するものであることが判明しました。
特に発生割合が高い原因の上位には「領収書・証憑の不備(46.7%)」や「日付・用途の記載ミス(40.2%)」が挙げられています。

3. 差し戻し・修正を減らしたい理由:単なる効率化ではなく、心理的負担の軽減が目的

手戻りを減らしたい理由を尋ねたところ、「修正対応が行われるまで常に気になってしまう(43.8%)」という心理的負荷や、「提出者との関係が悪くなってしまうかもしれない(20.4%)」といった人間関係の摩擦への懸念が上位に挙がりました。
この結果は、企業が手戻りの削減に求める価値が、「効率化」や「コスト削減」といった側面よりも、従業員の心理的負担の軽減にあるという結果が出ました。

4. 差し戻し・修正を減らすための取り組み:対策は「人手による教育」に集中

現在企業が実施している手戻り削減策を分析すると、その大半が「詳細なマニュアルの整備(39.3%)」や「定期的な説明会・研修の実施(37.1%)」といった人手による教育・知識付与、そして「個別・緊急の問い合わせ対応(20.2%)」などの人手による個別対応・事後処理に集中していました。
これは、従来の経費精算システムでは、会社独自の複雑な規程や運用ルールに対応しきれないという機能不全を、結局は人の手で補っていることが示唆されます。

5. 発生割合と決算締め日の関係性:決算締め日が早い企業ほど、差し戻し・修正の発生割合が高い傾向

差し戻し・修正の発生割合と決算締め日の関係性を分析した結果、「差し戻し・修正の発生割合が高い企業ほど決算締め日が早い」傾向がみられました。
具体的には、差し戻しの発生割合が10割(すべての申請で発生)の企業では平均決算締め日が5.5日であるのに対し、発生なしの企業では6.2日となっています。この結果から、決算早期化の恩恵がある一方で、修正による月末月初の経理の負荷の増大が起きている可能性が示唆されます。

調査結果のダウンロードは こちら

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株式会社LayerX概要

LayerXは、「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げるAIカンパニーです。 AI SaaS「バクラク」事業、Fintech事業、「Ai Workforce」事業などの複合的な事業を通して日本の社会課題を解決し、AIの力で人々の創造力がより発揮される未来をつくります。

設立:2018年8月
代表者:代表取締役CEO 福島良典 / 代表取締役CTO 松本勇気
所在地:東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア5階
コーポレートサイト:https://layerx.co.jp/
採用サイト:https://jobs.layerx.co.jp/
お問い合わせ:https://layerx.co.jp/contact

事業サイト: 
・バクラク:https://bakuraku.jp/
・Ai Workforce:https://getaiworkforce.com
・三井物産デジタル・アセットマネジメント:https://corp.mitsui-x.com/ 
・オルタナ(ALTERNA):https://alterna-z.com/

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