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請求書を分割しても良い?分ける際の書き方や2枚以上の発行の違法性を解説

請求書の発行はビジネスにおいて重要な役割を果たしますが、取引状況によっては請求書を分割して発行することもあります。では、請求書を分割する際にはどのように書けば良いのでしょうか。

また、2枚以上の請求書を発行することは違法なのでしょうか。本記事では、請求書の分割発行に関する具体的な書き方や法的な側面について詳しく解説します。

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請求書を分割しても良い?分ける際の書き方や2枚以上の発行の違法性を解説

請求書を分けて発行する目的と理由

請求書の分割とは、大きな取引やサービスの支払いを小さな金額に分けて請求する方法です。これにより、支払い者が一度に大きな金額を支払う負担を軽減できます。具体的には、元の請求金額を複数の期間や区分に分散させ、それぞれに対して個別の請求書を発行します。

この分割請求によって、支払い者は分割された小さな金額を段階的に支払うことができ、資金繰りを安定させることが可能になります。また、取引先との信頼関係を維持し、長期的なビジネス関係を円滑に進めるためにも有効な手段です。

請求書の分割は違法?

請求書の分割は、取引先との合意があれば可能であり、基本的には違法ではありません。ただし、請求書を分割する必要性や理由は取引先によって異なるため、事前に確認し合意を得ることが重要です。合意がある限り問題はありませんが、特定の状況では違法と判断されることもあります。

例えば、分割請求が法規制に抵触する場合や、故意に不正行為を行う目的で行われた場合には、違法とされることがあります。違法と判断されると、契約解除や損害賠償請求、法的訴訟などの罰則に直面する可能性があります。

さらに、違法な分割請求が契約違反となった場合、契約自体が無効とされ、取引やサービスに対する支払いの返還を求められることもあります。そのため、請求書の分割を行う際には、法的な側面を十分に理解し、適切な手続きと透明性を保つことが求められます。

双方の明確な合意なしの分割

請求書を分割する際には、取引先との明確な合意が必要です。例えば、契約書で「一括支払い」が明確に規定されているにもかかわらず、双方の明確な合意なしに請求書を分割して発行することは、契約条件に違反する行為と見なされます。

これは契約違反となり、取引先との信頼関係を損なうだけでなく、法的な問題を引き起こす可能性があります。

不当な売上操作や脱税目的

請求書を不当に分割して発行することで、売上や収益を意図的に分割して報告し、税金の支払いを回避または減少させようとする行為は違法です。税法に基づき、全ての売上と収益は正確に報告される必要があります。売上や収益を複数の期間にわたって分割し、本来の売上を隠蔽することも違法であり、脱税行為と見なされます。

これらの行為は、税務当局による厳しい調査と制裁を招く可能性が高く、企業の信用と経営に大きな影響を与えます。

請求書を分けて発行する際の書き方と記載項目

請求書を分けて発行する際には、基本項目として宛名、発行日、管理番号、請求者情報、請求金額、取引内容、支払期限、振込先を記載することが重要です。分割払い請求書には「何分割払いの何回目か」と「今回の取引合計請求額」を明記し、分かりやすくする必要があります。

また、取引先の要望に配慮し、締め日や支払い日に合わせて請求書を発行することも大切です。これにより、取引先とのトラブルを避け、スムーズな取引を維持することができます。

関連記事:請求書の書き方を重点的に解説!記載すべき項目や注意点とは

分割払いの表示方法

分割払いの表示方法には特に決まりはありませんが、取引先と納得できる内容で記載することが重要です。特に「納品タイミング」については、取引先との認識をしっかり合わせる必要があります。

具体的な契約書を交わし、分割払いについての詳細を記載しておくと、請求書の作成がスムーズになり、取引先とのトラブルを防ぐことができます。このように、分割払いの条件を明確にしておくことで、双方にとって透明性のある取引が実現します。

請求書を分割するメリット

請求書を分割する3つのメリットについて、以下で詳しく解説します。

支払いに対する負担を軽減する

請求書を分割することで、一度に支払う金額が減り、支払い負担が軽くなります。例えば、5万円の請求を2回に分けて支払う場合、1回あたり2万5,000円の支払いとなり、一括で5万円を支払うよりも負担が軽減されます。これにより、取引先はより管理しやすい金額での支払いが可能になります。

利便性を向上させる

請求書を分割することで、支払い期日を分散できるため、取引先は大きな金額を一度に支払う必要がなくなります。これにより、取引先は資金繰りを計画しやすくなり、キャッシュフローの改善にもつながります。

分割払いにより、取引先は予算の範囲内で効率的に資金を管理できるようになります。

支払いの遅延を防止する

分割請求書を発行することで、支払い額が小さくなり、期限内に支払いがしやすくなります。これにより、取引先が支払いを遅延するリスクが減少し、期限内に確実に支払いを行うことが促進されます。

結果として、双方の信頼関係が強化され、安定した取引が続けられます。

請求書を分割するデメリット

請求書を分割する3つのデメリットについて、以下で詳しく解説します。

全体の請求額が不明確になるリスクがある

分割請求書を使用すると、全体の請求額が不明確になるリスクがあります。複数の分割請求書を発行する際に、全体の合計金額がわかりづらくなることがあります。

そのため、各請求書には合計金額と各分割請求額の違いを明確に記載し、取引先が全体の請求額を正確に把握できるようにすることが重要です。

請求書の管理が煩雑になる可能性がある

複数の請求書を発行することで、請求書の管理が複雑になる可能性があります。各請求書の発行、送付、支払いの確認など、管理作業が増えるため、業務に余分な時間と労力がかかることがあります。

特に、多くの分割請求書を発行する場合、これらの管理が煩雑になり、効率的な業務運営が難しくなるリスクがあります。

分割払い請求書を作成する際の注意点

分割払い請求書を作成する際の注意点を2つ、詳しく解説します。

分割回数分の請求書を作成する

分割払い請求書は、通常の請求書と同様に、支払い月ごとに作成する必要があります。1つの取引に対して分割回数分の請求書を作成し、各請求書に何回目の請求かを明記することが重要です。

例えば、3回の分割払いの場合、1回目、2回目、3回目の請求書をそれぞれ作成します。最初の請求書の後、毎月の支払いに対して請求書を発行しないと、支払いが行われない可能性があるため、取引先からの要求に応じて、必ず発行するようにしましょう。

取引先と事前にしっかり話し合う

受注前に取引先としっかり話し合い、その内容を反映した分割払い請求書を作成することが重要です。この話し合いにより、取引条件や支払いスケジュールについての認識を共有します。基本項目に加え、「分割回数」「金額」「支払期日」「支払期限」などの詳細を正確に記載することで、取引先との間に誤解やトラブルが生じるリスクを減らします。

しっかりとした事前の合意を基に、正確な請求書を作成することが、円滑な取引を維持するための鍵となります。

まとめ

請求書の分割発行は、適切に行えば取引の証明として問題なく機能します。分割発行の際には、各請求書に必要な情報を正確に記載し、取引先と透明なコミュニケーションを保つことが重要です。

2枚以上の請求書発行は、法律に抵触しない限り合法であり、適切な手続きと記録を徹底することで信頼性を維持できます。この記事を参考に、分割請求書の発行におけるポイントを押さえ、円滑なビジネス運営を目指しましょう。

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