経費精算業務の自動化や効率化をする方法とは?やるべき理由と注意点も解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-10-16
経費精算業務は、経理担当者や従業員にとって負担の多い作業の一つです。システムの導入や自動化などによって経費精算業務を効率化すれば、企業全体の業務効率化につながります。
この記事では、経費精算を効率化すべき理由、効率化するための具体的な施策や、効率化に取り組む際の注意点などについても解説します。経費精算を効率化したい企業や担当者はぜひ参考にしてください。
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経費精算業務を自動化・効率化すべき理由
働き方改革の推進をはじめ、企業は率先して業務時間の節約や柔軟な働き方に対応することが求められており、経費精算においても、システム化や自動化によって業務効率化の必要性がますます高まっています。経費精算業務が効率化すると、企業全体で生産性が上がり、従業員の満足度向上にも貢献します。
働き方改革を推進できる
経費精算業務を自動化・効率化すべき背景の一つに、働き方改革があります。労働環境の改善をはじめとした働き方改革の実現に向けて、企業にはさまざまな部門・業務における効率化が求められているのが現状です。そのなかで、バックオフィス業務のアナログからの脱却・改善施策のひとつとして、経費精算業務の自動化・効率化に取り組む企業が増えています。
企業全体の業務効率化につながる
経費精算の効率化は、経理部に限らず企業全体の業務効率化につながります。経費精算を主導するのは経理部ですが、書類の作成や申請は各部署の従業員が行っています。特に営業部や労務部では経費の立て替えが頻繁に発生しており、経費精算にもある程度以上の時間や手間が割かれているケースも多いようです。経費精算を効率化すると、経費の立て替えをしている各部署の負担軽減も実現できます。つまり、経費精算のシステム化や自動化を行えば、経理部や各部署の従業員は作業にかかる時間そのものが削減できるうえ、手作業によるミスが減ることで修正や再申請にかかる時間も減らすことができるのです。
本業務に時間やリソースを割きやすくなる
経費精算にかかる時間を削減できれば、従業員は本業務に時間やリソースを割きやすくなります。すでに触れたとおり、経費精算の手続きは各部署の従業員が対応しています。経費精算のための書類作成やデータの入力などは、各部署の本業務とは基本的に関係ありません。経費精算に時間が多くかかっている場合、その分だけ本業務にかけられる時間が少なくなります。
コア業務へ集中できるようになると、生産性の向上や業績アップも目指しやすくなるでしょう。最終的には、従業員の満足度を高めることにもつながります。
経費精算業務を効率化する施策
経費精算業務を効率化するには、どうすればよいのでしょうか。効率化の方法は複数あるため、自社の状況に応じて取り入れることが不可欠です。ここでは、経費精算業務を効率化する施策について、具体的に解説します。
①書類を電子化してペーパーレス化する
経費精算に関わる書類をペーパーレス化すると、経費精算業務の大幅な効率化につながります。書類や情報をすべて電子化してデータでやり取りできるようにすれば、書類作成、申請、承認などもシステム上で対応できるようになります。仮に修正や仕様の変更が生じても、手間をかけず簡単に対応可能です。
なお、電子帳簿保存法においても、要件を満たせば領収書を含む帳簿関係書類を電子化した後は原本破棄ができるようになりました。よって、書類を電子化して管理すれば、原本を保管するスペースや手間もなくせます。書類のペーパーレス化にはさまざまなメリットがあるため、経費精算に関わる書類は積極的にデータで扱うとよいでしょう。
▶関連記事:経費精算で領収書の原本はどう保管する?メリットの多い電子保存の方法や注意点を解説
②法人カードを導入する
経費精算業務を効率化する方法としては、法人カードの導入もあげられます。経費精算に法人カードを利用すると、従業員がお金を立て替える負担や、経理担当者が費用を払い戻す手間が削減できます。
法人カードを使った経費精算の効率化については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶関連記事:法人カードで経費精算するメリット・デメリットとは?流れや注意点も解説
③経路検索やICカードで交通費を自動計算
経路検索やICカードなどを活用して交通費を自動計算すれば、交通費の精算もスムーズになります。交通費の計算や確認をするには、いちいち経路や規定などをチェックしなければなりません。最安の運賃を割り出したり、定期区間の控除についても考慮したりする必要があります。
交通費の精算は多くの手間がかかるうえに、頻度も高い業務です。しかし、確認を怠ると金額が水増しされたりカラ出張の申請が行われたりするリスクがあります。交通費の自動計算を実現できれば、手間や時間をかけずに正しい交通費の金額を計算できます。各従業員や経理担当者にかかる負担を大幅に削減できる可能性が高いでしょう。
▶関連記事:Suica®やPASMO®を利用した経費精算の流れ!注意点や効率化の方法も解説
④経費精算システムを導入して申請や承認フローを簡略化する
経費精算を根本から効率化するには、経費精算システムを導入すると効果的です。経費精算システムには、経費精算の作業を簡略化するために役立つ便利な機能が多く搭載されています。たとえば、領収書を撮影してデータを取り込むOCR機能、交通費の計算を自動化する機能、システム上で承認や申請状況の確認などができる機能などがあります。
また、会計ソフトや給与システム、勤怠管理システムなどと連携させることで、経費精算システムの経費データをそのまま反映することができます。反映作業が不要となり、経理担当者担当者の負担が軽減されます。
経費精算業務の効率化に取り組む際の注意点
経費精算業務の効率化には、経費精算システムの導入をはじめとしたシステム化・自動化がおすすめです。ただし、社内規定に合わせた設定や既存システムとの連携可否、入力精度についてよく確認しておく必要があります。事前によく確認しておかないと、期待したほど効率化が実現できなかったということにもなりかねないため注意しましょう。
社内規定に合わせた設定が必要
経費精算システムを導入した場合、あらかじめ社内規定に関する設定を行うと、社内規定に反した申請を自動的にチェックできます。具体的には、問題がある申請に対してアラートを表示したり、申請を拒否したりすることが可能です。
特に交通費は計算が複雑であり、従業員本人に悪気がなくても社内規定に反した申請をしてしまうケースがあります。差し戻して再申請を行うと無駄な時間がかかるため、そのような状況を減らす工夫が必要です。社内規定に合わせた設定をしておけば、ガイドの役割や誤った申請の防止に役立ちます。
一方で、設定が不適切な場合、経費精算の申請に混乱をきたしたり、従業員が使いにくいと不満を感じたりする可能性があります。適切に設定を行うよう、十分注意しましょう。
▶関連記事:経費精算規定(ルール)が必要な理由とは?作成のポイントや注意点を解説
既存ツールとの連携可否を確認する
経費精算業務のために新しいシステムを導入するうえでは、経費精算業務に親和性のある業務で使用している既存ツールやシステムに関する確認も必要です。導入を希望する新しいシステムと既存ツールの相性を確認し、連携できるかチェックしましょう。具体的には、会計ソフト、給与システム、勤怠管理システム、交通経路の検索ソフトなどが対象です。
入力精度を把握する
OCRなどの自動入力が可能なシステムを導入する場合、入力精度もチェックしましょう。どの程度正確にデータを読み取れるかは、システムによって大きな差があります。
自動入力が可能でも、入力精度が低ければ手直しが必要になり、余計に業務の負担になってしまう場合もあります。システムを選ぶ際は、なるべく入力精度が高いものを選びましょう。
まとめ
経費精算業務を効率化すれば、経理部以外の部署の業務効率化も促せます。各部署がコア業務に対してより多くの時間やリソースを割けるようになるでしょう。経費精算業務を効率化する施策はさまざまあり、特に経費精算システムの導入が効果的です。