売掛金残高とは?計算方法と残高が合わない場合の原因・対処法

売掛金残高とは、掛取引で発生した売掛金のうち、基準日時点で帳簿上残っている金額を指します。支払期日前の正常な債権のほか、入金済みで消込が完了していない金額や、支払期日を超過した債権が含まれる場合もあります。

本記事では、売掛金残高の概要と計算方法を詳しく解説します。残高が合わない場合の原因と対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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売掛金残高とは?計算方法と残高が合わない場合の原因・対処法

売掛金残高とは?

売掛金残高とは、掛取引によって計上された売掛金のうち、基準日時点で帳簿上消し込まれていない金額のことです。商品やサービスの提供に伴って売掛金を計上し、その後、入金や相殺、値引きなどに応じて消込処理を行います。

売掛金は将来の入金が予定されている債権ですが、支払期日を過ぎても入金されず、回収遅延が長期化すると、資金繰りに影響する可能性があります。

正確な売掛金残高を把握せずに、資金繰りの目算を立てるのは困難です。また、売掛金残高の管理が十分でないと、請求データや入金情報と帳簿のあいだで差異を発見できず、決算や債権管理に影響を及ぼす可能性があります。

安定した企業経営を継続するために、売掛金残高の把握と管理は欠かせない要素といえるでしょう。

売掛金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

関連記事:売掛金とはどのような勘定科目?間違えやすい仕訳方法と具体例を解説

売掛金残高の計算方法

売掛金残高の一般的な計算方法は、以下のとおりです。

売掛金残高=前月繰越残高+当月売掛金発生額-返品・値引き-当月回収額

たとえば、取引全体の前月繰越が100万円、当月売掛金発生額が200万円、当月回収額が150万円の場合は「100万円+200万円-150万円=150万円」となります。

ただし、複数の取引先がある場合は「総勘定元帳」で全体の金額を把握しつつ「売掛金元帳(補助簿)」を用いて管理するのが一般的です。総勘定元帳とは、全取引を勘定科目ごとに整理して記録する主要な会計帳簿のことを指します。

総勘定元帳の役割や仕訳帳との違いなどを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:総勘定元帳とは?目的や仕訳帳との違い、書き方(転記方法)を解説

売掛金残高が合わないときの主な原因

売掛金残高が合わないときは、原因を探り、それに応じた対策を講じることが重要です。

ここでは、売掛金残高が合わないときの主な原因を紹介します。

消費税の端数処理ルールが異なる

売掛金残高が合わない原因として、請求書管理ツールと会計ツールで、消費税額の計算単位や端数処理の設定が異なっているケースが挙げられます。

請求書と会計帳簿で端数処理の設定が異なると、請求データと帳簿上の売掛金に数円の差異が生じることがあります。ただし、適格請求書では、消費税額等の端数処理は一の適格請求書につき税率ごとに1回行う必要があり、商品ごとに端数処理した金額を合計して記載することは認められていません。

参考:国税庁「第8節 適格請求書発行事業者の義務

請求書における消費税の端数処理について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

関連記事:請求書の消費税の端数処理方法は?インボイスでの扱い・1円ずれる場合の対処法

売上の計上漏れや二重計上が発生している

売上の計上漏れや二重計上の発生も、売掛金残高が合わないときによくある原因の一つです。主に、計上漏れは営業担当者の伝達漏れ、二重計上は経理担当者のミスなどが原因で起こりやすいです。

たとえば、営業担当者から経理担当者に「売上に関する情報」が届いていない場合、売上が正しく計上されず、帳簿上と実際の売掛金残高に差異が生じます。計上漏れのまま修正せず、決算や申告をした場合、課税所得や税額を実際より少なく申告することにつながり、税務上のリスクが発生するため注意が必要です。

一方、売上の二重計上は、主に経理側のミスによって発生します。担当者が複数いる場合や引き継ぎ漏れなどが原因で起こりやすいミスといえます。

請求漏れや入金消込ミスが発生している

請求漏れや入金消込ミスも、売掛金残高に差異が生じる大きな原因の一つです。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 請求書の発行漏れ
  • 請求金額の誤り
  • 振込名義を誤認した入金消込

請求書の発行漏れや請求金額の誤りがあると、正しい金額を消込しても売掛金残高が合いません。振込名義を誤認し、売掛金を減らす取引先を間違ってしまうケースもあります。

また、一つの売掛金に対して複数の請求をしてしまったり、部署ごとに請求書を発行しており、まとめて入金されたことで請求ミスに気付かなかったりするケースも散見されます。

入金消込については、こちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。

関連記事:入金消込とは?作業の流れや仕訳例、効率化する方法を解説

締め日が異なる

締め日や支払期日の認識が自社と取引先で異なると、売掛金の入金予定日や滞留期間の把握にずれが生じます。

たとえば、自社が「月末締め・翌月末払い」、取引先が「20日締め・翌月末払い」と認識しており、4月25日に売上が確定した場合、双方が認識する支払期日は以下のとおりです。

  • 自社:4月1日~4月末日分として請求し、5月末日を支払期日とする
  • 取引先:4月21日~5月20日分として締め処理をして、6月末日を支払期日とする

このような場合は、締め日や支払期日は、契約書や発注書などで定めた取引条件に基づいて双方で認識をすり合わせておくことが大切です。

また、契約上の条件と請求書の記載内容や社内システムの登録内容が異なっていないかも確認しましょう。

請求書の締め日について深く知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

関連記事:請求書の締め日とは?適切な決め方や過ぎた場合の対処法を解説

売掛金と売上外の債権が入り繰りしている

売掛金残高が合わなくなる原因の一つに、売掛金と売上外の債権を混同しているケースも挙げられます。売掛金はサービスの提供によって発生する債権ですが、それ以外の債権までまとめて「売掛金」として計上すると、売掛金残高が一致しなくなる可能性があるためです。

売掛金と混同しやすい勘定科目の例をみてみましょう。

  • 本業以外の取引によって発生した債権を計上する「未収入金」
  • 継続的な契約に基づき、時間の経過によって当期に発生した収益の「未収収益」

たとえば、固定資産を売却した際の未回収代金を売掛金として処理すると、本来は未収入金で管理すべき債権が売掛金残高に含まれてしまいます。

売掛金残高に違和感がある場合は、取引内容や証憑書類などを確認し、それぞれの債権が適切な勘定科目で処理されているかを見直すことが重要です。

こちらの記事では、未収入金について詳しく解説しています。勘定科目の仕訳や売掛金・未収収益との違いも紹介しているので、気になる方は併せてご覧ください。

関連記事:未収入金とは?勘定科目の仕訳や売掛金・未収収益との違いを解説

売掛金残高が合わない場合の対処法

ここでは、売掛金残高が合わない場合の対処法をケース別に解説します。

消費税の端数処理が異なる場合

請求書管理ツールと会計ツールで、消費税額の計算単位や端数処理の設定が異なる場合、請求データと帳簿上の売掛金に差異が生じることがあります。

対処するにはまず、発行済みの請求書・売上データ・会計帳簿を照合し、どの金額が正しいかを確認しましょう。

たとえば、発行済みの請求書では請求額が50,001円であるのに対し、帳簿上の売掛金を50,000円で計上していたケースをみていきます。税抜経理方式において、差額の1円が売上計上時に不足していた仮受消費税等であれば、次のように修正します。

借方

貸方

売掛金

1円

仮受消費税等

1円

その後、50,001円が入金された場合は、次のように消し込みます。

借方

貸方

普通預金

50,001円

売掛金

50,001円

差額を処理せずに放置すると、帳簿上の売掛金残高が請求額と一致しない状態が続きます。原因を確認し、正しい金額と勘定科目に修正することが重要です。

売掛金と売上外の債権が入り繰りしていた場合

売掛金と売上外の債権が入り繰りしていた場合は、取引内容や契約書、請求書などを確認し「債権が本来どの勘定科目で処理されるべきか」を特定します。そのうえで、正しい勘定科目への振替を行います。

たとえば、本来「未収入金」として計上すべき10万円を、誤って「売掛金」に計上していた場合の仕訳例は以下のとおりです。

借方

貸方

未収入金

100,000円

売掛金

100,000円

売掛金と売上外の債権が混同すると、売掛金残高の正確な把握が難しくなり、回収管理にも悪影響を及ぼします。そのため、間違いが発覚した場合は、早期に適切な勘定科目に振り替えることが重要です。

売掛金残高を適正に管理する方法

ここでは、売掛金残高を適正に管理する方法を紹介します。

取引先ごとに売掛金を管理する

正確な売掛金残高を把握するためには、取引先ごとに売掛金を管理することが大切です。取引先ごとに管理することで「どの入金がどの取引先の売掛金に対する払い込みなのか」を容易に特定できます。

また、売掛金残高の管理には「売掛金残高一覧表」の作成も有効です。「売掛金残高一覧表」は、得意先ごとに前月・当月の売掛金発生額、入金額、売掛金残高などを可視化できる一覧表です。未回収金額や当月の動きを把握でき、入金トラブルの早期発見につながります。

売掛金年齢表(エイジング管理)を活用する

「売掛金年齢表」とは、取引先ごとの売掛金残高を、売上日や入金期日を基準として1~30日、31~60日、61~90日、91日以上などに分類し、未回収期間を管理する一覧表です。

売掛金残高や入金期日の超過期間を把握することで、滞留債権の防止や、スムーズな督促業務への移行を図れます。

定期的に残高確認を行う

定期的に残高確認を行うことも、売掛金残高を適正に管理するうえで有効です。取引件数や入金頻度に応じて売掛金残高や入金消込状況を定期的に確認し、支払期日を超過している売掛金の有無を把握できれば、回収遅延などの早期発見につながります。

期間が空いてしまうと、売掛金残高の差が判明しても原因の特定に時間を要します。定期的な残高確認は取引先へのスムーズな督促や処理ミスの修正につながるため、管理体制を見直しましょう。

回収ルールを明確化する

売掛金残高を適切に管理するためには、入金期日や督促のタイミングなど、債権回収に関するルールを明確化しておくことが重要です。

特に、支払遅延が発生する可能性を考慮し、遅延案件の管理方法や督促手順、回収計画を定めておくことで、未回収債権の増加を防ぎやすくなります。

また、定期的に取引先へ残高確認書を送付し、双方の認識に相違がないか確認するのも有効です。「残高確認書」とは、取引先との間で売掛金・買掛金などを確認するための書類です。

残高確認書を活用すれば、請求漏れや入金消込ミス、計上誤りなどを早期に発見しやすくなります。

売掛金の回収方法と仕訳例を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

関連記事:売掛金の回収方法と仕訳例、未回収リスクを減らす対策を解説

売掛金残高の管理を効率化するなら「バクラク債権管理」

売掛金残高の確認は、未回収リスクの防止や資金繰りの安定につながる重要な作業です。売掛金残高に差額が生じるのにはさまざまな原因が考えられますが、金額が合わない場合は早期の原因特定と対応が求められます。

また、売掛金残高の差異を発生させないためには、定期的な確認と正確な債権管理が欠かせません。業務フローの見直しや売掛金年齢表(エイジング管理)の活用も有効ですが、効率化を図るなら専用システムを導入するのがおすすめです。

「バクラク債権管理」なら、支払期日を超過した債権を特定してくれるほか、バクラク請求書発行と併用すれば、取引先に督促メールの送信も可能です。請求書の送付から入金消込、仕訳作成や残高管理、督促まで一気通貫で行えるため、債権管理にかかる手間を大幅に削減できます。

売掛金残高の確認を含む債権管理を効率化したい企業は、ぜひ「バクラク債権管理」の活用をご検討ください。

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