接待交際費とは?経費にできる範囲(上限金額・内容)や仕訳例
- 記事公開日:
- 最終更新日:2025-02-14
- この記事の3つのポイント
- 接待交際費とは、取引先との関係を円滑にするための接待や贈答、慰安など費用を処理する勘定科目
- 接待交際費と認められるものには、取引先との会食やお中元・お歳暮の贈答、接待ゴルフなどがある
- 経費にできる範囲は法人であれば資本金によって異なるが、個人事業主の場合は特に上限がない
接待交際費は、社外関係者の接待にかかる費用のことです。しかし、具体的にどのような費用が該当するのか、判断に迷うこともあるでしょう。本記事では、接待交際費の概要や支出の例、経費にできる範囲について解説します。
また、仕訳例や経費精算時のポイントも載せていますので、理解を深めてスムーズな経理処理をできるようになりましょう。
接待交際費とは?経費にできる範囲(上限金額・内容)や仕訳例
接待交際費とは?経費処理するための要件
接待交際費とは、取引先など社外の利害関係者と関係を築くために使用される経費をいいます。代表例としては、飲食代や取引先への慶弔費、贈答品費、接待ゴルフ費などが挙げられるでしょう。
接待交際費を経理処理する際には「交際費」の勘定科目を使用します。
経費計上するには、支出先が事業や経営に関わる相手であることや、今後の円滑な経営のための関係構築であることが求められます。事業に関係のない相手への支出は接待交際費として認められませんので、注意しましょう。
接待交際費となる支出
具体的にどのような費用が接待交際費として認められるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
事業に関与している人との会食費用
自社の事業に直接または間接的に関与する相手との会食費用は、接待交際費として認められます。ただし、発生した会食費用が1人あたり1万円を下回る場合、接待交際費に該当しません。
なお、令和6年4月以前は1人あたり5,000円までとされていましたが、法改正され同年4月1日より1人あたり1万円まで範囲が引き上げられました。
参考:国税庁「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁」
クライアントを招待しての会食・パーティーなどの費用
会食、パーティー、懇親会などを開催し、クライアントや仕入先などを招待した際にかかる費用も、接待交際費に該当します。
具体的には、飲食代、会場費、参加者への手土産、移動のためのタクシー代などです。また、自社が招待されて参加するためにかかった費用も、接待交際費となります。
クライアントへの挨拶の品にかかる費用
クライアントや仕入先などに贈るお中元やお歳暮を購入するためにかかった費用も、接待交際費に含められます。
また、自社の事業に関わりのある相手に不幸があった際に渡す香典、結婚祝いとしてのご祝儀、事業やイベントへの協力に対する謝礼金なども接待交際費です。
クライアントを旅行やゴルフなどに招待する費用
クライアントや仕入先などを旅行やゴルフに招待する場合、自社が負担する費用は接待交際費に該当します。イベントや舞台の観劇などへ招待した際も同様です。
なお、その際相手を送迎するためにかかったタクシー代や飛行機代なども、接待交際費に含めて計上します。交通費には該当しないため、注意が必要です。
接待交際費とならない支出
接待交際費として認められると勘違いされがちな支出もあります。ここでは、接待交際費とならない支出について解説します。
1人あたり1万円以下の会食費用
クライアントや仕入先など自社の事業に関わった相手との会食でも、1人あたりの費用が1万円以下なら接待交際費には該当しません。
たとえば、会食の参加者5人の支払った金額が3万円なら、1人あたりの費用は6,000円です。この場合、会食にかかった費用は接待交際費として認められないため、会議費として計上しましょう。
なお、会食のために支払った費用を経費にするには、日付、参加者の氏名、人数、場所、合計金額などを書類に記録して保存する必要があります。
参考:国税庁「交際費等の損金不算入制度の見直し」
自社の従業員のみ参加する行事の費用
自社の従業員だけを対象とする行事は接待ではないため、かかった費用は接待交際費になりません。たとえば、社員旅行や社内の運動会、社内のゴルフコンペなどにかかった費用です。
社内の行事のために自社が負担した費用は、基本的に福利厚生費として処理しましょう。ただし福利厚生費で処理するには、行事について全員に通知したうえで多くの従業員に参加してもらう必要があります。
またクライアントや仕入先などと、打ち合わせを兼ねて食事をするケースもあるでしょう。しかし、打ち合わせの際の飲食代として支払った費用は、接待交際費ではなく会議費に該当します。
飲食店で食事をした場合だけでなく、会議室で食べる弁当や飲み物を購入した場合も、かかった費用は会議費として計上する必要があります。
取材としての飲食費用
企業によっては、テレビ番組、雑誌、新聞、Webサイトなどのメディアに掲載するために取材を実施する場合もあります。取材で飲食店や喫茶店を利用して費用を負担した場合、基本的には会食費で計上します。
【法人】接待交際費の経費にできる範囲
接待交際費は会計上の経費として認められるものの、税金の計算においては経費として計上できません。法人の接待交際費は、原則として損金算入できないためです。
ただし損金不算入の原則には特例があり、法人の規模によっては一定の額まで接待交際費を計上できる可能性があります。接待交際費を計上できれば課税所得額が減るため、法人税の節約が可能です。
よって、経費として計上できる額を把握したうえで接待交際費を負担しましょう。以下では、法人の規模ごとに損金算入できる額について解説します。
資本金が1億円以下のケース
期末の資本金が1億円以下の法人は、以下のいずれかの金額を計上できます。
- 負担した接待交際費のうち、接待飲食費の50%相当額
- 負担した接待交際費のうち、年間800万円までの金額
2つのうち、任意でいずれかを選択できます。年間の接待交際費が1,600万円を超えるなら、接待飲食費の50%相当額を計上するほうが節税になります。
なお接待飲食費とは、接待交際費のうち飲食代として支払った費用です。お中元やお歳暮などの中身が飲食物だとしても、接待飲食費には該当しません。
資本金が1億円超、100億円以下のケース
期末の資本金が1億円超で100億円以下の法人は、負担した接待交際費のうち接待飲食費の50%相当額を上限として経費の計上が可能です。
接待交際費が、全額を経費にできる資本金1億円以下の法人とは異なり、年間800万円以下でも50%までしか経費としての計上ができません。
資本金が100億円を超えるケース
期末の資本金が100億円を超える法人は、接待交際費の計上は不可です。税金の計算において接待交際費の全額が損金不算入となるため、節税にはつながりません。
【個人事業主】接待交際費の経費にできる範囲
個人事業主には、接待交際費の上限が設けられていません。そのため、接待交際費の全額を経費として計上することが可能です。
ただし、常識を逸脱した支出がある場合には、税務調査で指摘を受ける可能性もあります。
正当性のある運用をするためにも、事業規模や内容に見合う常識的な支出となるよう管理し、接待交際費だと確実に証明できる領収書などの記録書類を適切に保管することが欠かせません。
個人事業主はすべての費用を自分で管理するため、経費計上について正しい知識を持っておかないと、いざというときに自身を守れなくなります。接待交際費に限らず、他の経費についても妥当な支出となるよう正確に管理することを心がけましょう。
接待交際費と似た勘定科目
接待交際費とよく似ている勘定科目に、会議費、接待飲食費、福利厚生費があります。
それぞれの違いを理解し、経費処理時に混同しないようにしましょう。
会議費との違い
会議費は、商談や打ち合わせを目的とした支出です。同じように取引先と飲食をしても、接待ではなく商談で食事をした場合には、会議費として処理します。
また、会議費には上限額がないため、全額を経費として計上することが可能です。接待交際費では1人あたり1万円以上でなくてはなりません。そのため、同じ内容の支出でも1万円以下だった際には会議費で処理するケースが多いでしょう。
接待飲食費との違い
接待飲食費は、接待交際費の中で飲食にかかった代金のみを示します。そのため、接待飲食費は接待交際費の一部と考えましょう。
勘定科目は分かれていますが、接待交際費のように上限額が別途定められているわけではありません。先に解説した接待交際費の上限(50%までや800万円までなど)に収まるように、接待交際費と接待飲食費を合わせて計上する必要があります。
福利厚生費との違い
福利厚生費とは、給与を除く自社従業員のための支出全般のことです。接待交際費は、自社従業員のためではなく、取引先など事業に関わる相手のための支出ですので、支出先が異なります。
ただし、同じように従業員が参加する食事会であっても、一部の役員や取引先も参加するものであれば、接待交際費に当てはまります。一方、すべての従業員が参加できるような打ち上げや新年会などであれば、福利厚生費です。
福利厚生費の詳しい範囲や仕訳例については、以下の記事で解説しています。
接待交際費の仕訳の例
接待交際費の仕訳は、借方科目と貸方科目に分けて記載します。福利厚生費や会議費などの違いを理解し、明確に分けて記載する必要があります。また、振替処理が必要な場合も、該当する勘定科目を正確に選んで使用しましょう。
たとえば、クライアントとレストランで参加者6人の会食をし、1人あたりの費用2万円、合計12万円を、以下のとおり接待交際費として計上できます。
借方 | 貸方 | ||
接待交際費 | 120,000円 | 現金 | 120,000円 |
また、仕入先に贈るお歳暮として7万円の商品を購入した場合、以下のとおり接待交際費として計上できます。
借方 | 貸方 | ||
接待交際費 | 70,000円 | 現金 | 70,000円 |
接待交際費を経費処理する際のポイント
接待交際費を経費として処理するときは、気をつけるべきポイントがあります。具体的なポイントを解説します。
商品券やギフト券などの取り扱いに注意する
商品券やギフト券などを贈答用に購入してクライアントや仕入先などに渡せば、接待交際費とみなされます。購入時と使用時の二重課税にならないよう、消費税は非課税です。プリペイドカード、旅行券、図書カードなども同様の扱いです。
ただし、お中元やお歳暮などの購入にかかった費用は課税対象となるため、注意しましょう。
接待交際費の消費税を理解する
飲食店で接待する場合、消費税は10%です。一方、社内で接待する場合、弁当や飲み物などにかかる消費税は8%です。状況によって消費税率が異なる点に注意しましょう。
なお、消費税は日本国内の取引について課税されるため、海外の飲食店で接待すれば消費税の課税対象取引には該当しません。
接待交際費などを適切に仕訳するなら「バクラク経費精算」
接待交際費には、取引先との会食代や贈答品費、接待ゴルフなどが含まれます。内容や金額によっては接待交際費と認められない場合もあるため、条件をよく理解したうえで計上するようにしましょう。
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