・既存の帳票発行システムが使いづらく、現場従業員の負担になっていた
・既存の帳票発行システムが1.5倍の値上げ予定だったが、それに見合うほど業務工数削減が見込めなかった
・承認遅延や承認漏れが発生し、内部統制が十分ではなかった
・現場負担の軽減と業務工数削減を実現しながら、年間550万円のコスト削減もできる
・レイアウトのカスタマイズ性が高く、店舗や事業ごとの細やかなニーズに対応しやすい
・直感的でわかりやすいUIによってだれでも使いやすい
・シリーズ導入により、一度のログインでスムーズに業務の切り替えができる
・豊富なカスタマイズ性能で様々な顧客ニーズに対応できた
・平時の経理メンバーの残業はほとんどゼロに削減できた
・権限管理や稟議の電子化で、複数部門、拠点で利用しながら統制強化も実現できた
千葉県を中心にドラッグストアやスーパーマーケットなどの小売業、在宅医療や介護サービスの医療介護事業を展開する株式会社千葉薬品。
同社では、月700件以上の請求書受領や月2,000件にのぼる帳票発行を抱えるなか、内部統制リスクや現場の作業負担の大きさが課題となっていました。利用していた帳票発行システムの利用料値上げもあり、経理と現場の業務効率化と内部統制強化が両立できる仕組みとして「バクラクシリーズ(※)」を導入。
今回はそんな千葉薬品の取り組みについて、財務経理部課長の千葉さん、財務経理部の馬場さんにインタビューしました。
※千葉薬品様には、今回お話しいただいたバクラク請求書発行、バクラク請求書受取、バクラク申請のほかに、バクラク電子帳簿保存、バクラクビジネスカードもご導入いただいています。
——バクラクシリーズ導入前は、どのような課題があったのでしょうか。
馬場さん:当社では月に約700件の請求書を受領しており、その大半が紙で届いています。従来は経理部門が一括で受領・計上処理を行った後、各部署へ展開して支払承認を依頼する運用でした。
しかし、各部署の承認者が不在などの理由で承認が遅れることがあり、その結果、承認前に支払いが実行されてしまうケースも発生していました。これにより、内部統制上の課題が生じていました。
千葉さん:請求書発行については、当初は他社の帳票発行システムを利用していました。
当社では、店舗や施設ごとに請求書を発行していますが、PCを触るのがメインの業務ではない分、現場従業員のITスキルにはばらつきがあります。従来のシステムは、ITツールに不慣れな利用者にとって分かりづらい設計が一部にあり、業務効率化の効果も限定的でした。
加えて利用料が1.5倍に値上げされることになり、十分な工数削減効果が得られないままコストだけが増える懸念がありました。そこで、使いやすさと業務効率化、内部統制強化を兼ね備え、バックオフィス業務を一本化できるシステムへの乗り換えを検討しました。
——そうした課題に対応するためのツールとして、バクラクシリーズを選んでいただいた理由を教えてください。
千葉さん:なによりもシリーズを通して、UIが直感的でわかりやすく、PC操作やExcelに不慣れな現場スタッフでもスムーズに利用できる点が大きなメリットでした。
また、共通のログイン画面から1つのID・パスワードでバクラクシリーズが利用できるので、IDやパスワード管理の負担も減らすことができます。
加えてコスト面では、値上げ後の既存システムと比較して年間約550万円の削減が可能となり、月に2,000件の帳票を発行している当社にとって大きな決め手となりました。
馬場さん:請求書テンプレートの高いカスタマイズ性と、その設定のしやすさも大きな魅力でした。在宅医療の現場では、お客様のお名前やお電話番号の表示方法など、多様なニーズが寄せられますが、バクラクはカスタマイズによって柔軟に対応できます。
こうした現場の声に難なく応えられる点は、多店舗かつ多角的な事業展開をする当社にとって非常にフィットするシステムでした。
——以前導入されていた帳票発行システムから1年半ほどでリプレイスをされたとのことですが、経営層への上申や社内の調整はどのように工夫して進めましたか。
千葉さん:以前利用していたシステムの導入から短期間でリプレイスを進める異例の対応になってしまったため、丁寧に進めることを意識しました。
経営層への上申にあたっては、バクラクの営業担当の方に大変助けていただきました。社内説明用の資料作成を支援いただいたほか、進め方についても的確なアドバイスをいただき、説得力のある提案につなげることができました。
定量的なメリットと現場改善の両面を提示することで、リプレイスの必要性をしっかりと理解してもらうことができたと感じています。
——各店舗や施設の従業員のみなさまへ展開される際、工夫されたことなどはありますか。
馬場さん:現場の従業員に対しては、説明会を2回に分けて実施し、出席率の向上を図りました。欠席者には動画配信やマニュアルを提供し、全員が学べる体制を整えています。
説明会では「変わる点」と「変わらない点」を明確に伝えるよう工夫しました。また、システム導入は「経理のため」と受け止められがちですが、バクラクによって経理だけでなく現場もラクになる点を強調しました。
こうした取り組みの結果、運用開始後も大きな混乱はなく、スムーズに受け入れてもらうことができました。
——バクラクシリーズを導入したことで感じるメリットは何ですか。
千葉さん:請求書受取では、支払承認の漏れや遅延がほぼなくなりました。これまで紙の請求書や稟議書の回覧・承認に多くの手間と時間を要していましたが、バクラクを導入したことでスムーズになり、財務経理部メンバーの業務時間削減につながっています。現在は、決算の時期を除くと残業はほとんどありません。
また、月次決算の早期化・安定化も実現できました。以前は紙の請求書がどこにあるか探したりしていて、締め日前に多少バタつくこともありました。現在はシステム上でデータが一元管理されているため、毎月の締め日も2〜3時間の余裕を持って確実に締められるようになっています。
——全社的な内部統制の観点からはどんなメリットがありましたか。
馬場さん:現場・経理ともに、データ検索が格段に容易になったのは大きなメリットです。紙やExcelでの運用では、確認が必要になるたびに一つひとつ探す必要があり、特に手書きで発行された請求書については「本当に発行されたか」を財務経理部で確認することすら困難でした。
現在は、受領・発行の請求書がすべてバクラクに保管されるため、「いつ・どこで・誰が処理したのか」を即座に確認できるだけでなく、電子帳簿保存法への対応もスムーズになりました。
千葉さん:本来の稟議申請フローを遵守することができています。PCやスマホからいつでも承認できるようになり、承認者の不在によって支払いと承認が前後してしまうといった問題も解消されています。
——業務をする上でお気に入りの機能はありますか。
馬場さん:いろいろありますが、特に請求書のカスタマイズ性の高さは気に入っていて、各所のニーズに合わせて合計500種類以上(※)のテンプレートを作って活用しています。
(※編集部注:約20種類ほどの基本的な書類種別があり、それぞれを店舗や部署向けにカスタマイズ、合計500種類以上のテンプレートを運用しているとのこと)
例えば、在宅医療の現場では複雑な帳票が発生します。取引先の介護施設が窓口になって、介護施設宛の帳票が必要になるBtoBの取引や、介護施設の利用者個人様が注文を行うBtoCの取引が発生するケースもあり、それぞれで帳票に必要な項目も変わってきます。
バクラクでは、そうしたニーズに対して柔軟にレイアウトをカスタマイズして対応できるので、経理担当者としても現場の従業員としても助かっています。
千葉さん:利用するテンプレートや発行した帳票に閲覧権限を設定できる点も、多部門・多店舗で活用する際に大いに役立っています。権限を分けることで、自分が担当するものが明確になり、業務をスムーズに進められるようになります。
「従業員が最も使いやすい状態」を実現しやすいのも、バクラクの大きな魅力の1つですね。
——最後に、今後の展望をお聞かせください。
馬場さん:請求書発行などの店舗で行っている業務をできる限り財務経理部に移行していき、現場の業務削減を図っていきたいと考えています。店舗の負担を減らすことで、さらなる成長を目指していきたいです。
そのためにも、今後は、もっと効率化していける業務がないかを洗い出し、POSシステムとバクラクをAPI連携させるなど、バクラクの機能をより活用した業務フローの策定を進めていきたいです。
——バクラクシリーズ導入を検討している企業さまへメッセージやアドバイスをいただけますか。
千葉さん:バクラクはUIが直感的でわかりやすいです。特に小売や医療・介護など、必ずしも従業員がPC操作に慣れている方ばかりでない業種の企業にはおすすめです。
さらに、シリーズを通じてログイン画面をひとつに統一できる点も大きなメリットです。以前は業務ごとに異なるツールを利用していたため、IDやパスワードのリセットの問い合わせ対応が月に4〜5件発生していましたが、バクラク導入後はほとんどなくなりました。
私は、こうした細やかな「使いやすさ」の積み重ねが、経理と現場の双方の業務効率化につながる重要なポイントだと考えています。
馬場さん:導入前後のサポートが手厚いため、初めてシステムを導入する企業にも安心しておすすめできます。実際に利用していても、顧客の声に耳を傾けていると感じることも多く、伝えた要望が開発に活かされていると感じる場面が多々あります。
また、当社のように既存システムからの入れ替えを行う場合でも、従来できていたことはそのまま実現できるうえで、さらに効率化を図りたい部分に柔軟にフィットさせられる点も大きな魅力だと感じています。
基幹システムでPDFやCSVで出力した請求書を郵送している企業様にとって、時間とコストの両面で負担となっている「印刷・封入・発送の手間」を効率化する方法を解説。システム比較表付きです。
Excel中心の運用で発生しがちな手間や見えづらさなどの課題を整理し、帳票発行システムの導入によって、どのように改善できるのかを、業務の流れに沿ってチェックリストや図解でわかりやすくご紹介します。