・請求書の金額や口座番号など、請求書内容の手入力が煩雑だった
・以前導入していたツールのOCRは精度が低く、手入力作業がなくならなかった
・振込依頼の件数が増加する一方で、迅速な振込対応が求められていた
・AI-OCRの精度が高く、多様な形式の請求書の自動読み取りが可能なこと
・申請者の入力項目数を減らすことができる操作画面であること
・Slack承認機能によって、場所や時間にとらわれずに承認や却下ができること
・AI-OCRの読み取りによって入カミスがなくなり、申請者の入力工数を70%削減
・最短で10分あれば承認が完了するようになり振込作業の迅速化につながった
・経理担当者からは「めちゃくちゃ楽になった」「もう以前のツールに戻れません」との声
「住まいの理想的な選択ができる社会に」をミッションに掲げ、テクノロジーによって新しい不動産売買の体験を提供している株式会社すむたす。デジタル技術を活用したマンション売却サービス「すむたす売却」、リノベーションマンションを仲介手数料ゼロで買えるポータルサイト「すむたす直販」を展開する同社では、新しく名古屋・大阪に拠点を設置し、さらなる事業拡大とIPOを目指しています。
同社のコーポレート部門は、お客様対応を担うセールス部門やオペレーションチーム、リノベーションチームの業務をサポートするため、デジタルによる業務効率化を目指してバクラク申請とバクラク請求書を導入しました。
今回は、ツール導入の背景にあった不動産業界ならではの課題や導入までの流れ、そして成果について、執行役員でコーポレート担当の平良(たいら)さんにお話を伺いました。
ー コーポレート部門の体制と業務内容について教えてください。
平良さん:弊社のコーポレート部門では、事業成長に必要なサポートを一歩先を見据えて主体的に行っていくことをミッションに掲げています。
ビジネスの現状を理解し、将来を考えるだけでなく、社外環境の変化に対応して新しいテクノロジーやサービスを取り入れたり、他社の成功事例を自社に取り入れたりと、積極的な施策を常に展開しています。
コーポレート部門は現在、6名在籍しており、今回バクラク請求書とバクラク申請の導入を担当したのは私を含め2名です。
ー 現在の請求書支払いの申請・承認のフローを教えてください。
平良さん:まず、ビジネスサイド、開発、ファイナンス、コーポレートなど各チームが取引先より受け取った請求書をシステム上に申請します。その申請を、各部門の承認者、決裁権者が承認をした上で、経理が確認、承認するという流れです。
弊社は設立から5年と若い会社ですが、申請・承認フローは上場企業のような整った流れになっています。
ー 請求書支払いはどのような内容が多いですか。
平良さん:前提として、弊社のビジネスモデルは物件を仕入れ、リノベーションし、販売する流れです。
主に請求書支払いを申請することが多いのは、セールスのサポート部門であるオペレーションチームと、不動産のリノベーションを担当するリノベーションチームです。
オペレーションチームでは、物件の水道光熱費の支払いや、売買代金の振り込み申請を取り扱っています。また、リノベーションチームでは、物件を仕入れた後の工事や、販売後の修繕対応で発生した費用の請求書を申請しています。
ー 経理処理にあたり、どのような課題を抱えていましたか。
平良さん:大きく二つの課題がありました。一つ目が煩雑な手入力です。不動産業界ならではの悩みなのですが、請求書の金額がキリのよい金額であるケースが少なく、ほとんどの場合で端数が出ます。
特に水道光熱費や日割り計算で精算する管理費修繕費、固定資産税が代表例で、1円単位まで金額が請求書に記載されています。この場合、手入力したときの振込金額の入力ミス、確認漏れのリスクが非常に高くなります。
また、物件ごとに振込先の口座が指定されているため、1件ごとに振込先の口座番号が正しいか確認しながら承認する必要もありました。
二つ目の課題が、なるべく迅速に振込対応をしなければならないことです。不動産ビジネスの習慣では、基本的に前払いで管理会社へ手数料を支払わないと、重要事項調査報告書、管理規約や長期修繕計画などの書類が取得できず、契約を進めることができません。
そのため、ビジネスサイドのメンバーからは「なるはやで振込をお願いします」といった依頼がとても多く、経理にとっては負担でした。
ー バクラクシリーズの導入検討を始めたきっかけは何でしたか。
平良さん:バクラクシリーズの導入以前は、弊社が導入しているクラウド会計ソフトと同シリーズの請求書受領システムを導入していました。ただ、事業成長に伴って毎月の請求書枚数が2倍以上に増加したので、ツールの費用対効果を改めて見直すことにしました。
費用対効果の検討では、まず月額のランニング費用(固定費)から1申請あたりの費用と損益分岐点を試算し、数年でペイできるかどうかを計算しています。
その結果、以前導入していたツールよりもバクラクシリーズのほうが費用対効果が高いと判断しました。
ー 以前導入していたツールとはどのように比較検討されたのでしょうか。
平良さん:ツールの乗り換えで重視した機能が二つあります。一つ目は、AI-OCRの読み取りです。不動産業界の請求書は、フォーマットが本当にバラバラで、イレギュラーな請求書であっても読み取れる精度が求められていました。
たとえば、ハガキサイズの請求書やメールで振込先が指示されるだけの請求書もあります。また、水道代についても地域の水道局によって少しずつ形式やレイアウトが微妙に異なります。こうしたイレギュラーな請求書を読み取れるかトライアル時に検証した結果、バクラク請求書はほぼすべての請求書の読み取りに成功しました。
二つ目が、ビジネスサイドの申請者(オペレーションチーム、リノベーションチーム)の入力項目を減らすことができる操作画面です。過去に導入していたツールは、経費科目を選んだり、内訳や口座番号を手入力したり、と申請者側の入力負担が大きくなっていました。
たとえば、不動産の所有権移転、住宅ローンの抵当権設定や抹消の度に司法書士への支払いが発生するのですが、「源泉所得税の入力はどうすればいいのか」といった質問がよくきていました。バクラク請求書は、こうした複雑な処理を申請者にさせなくてすむので、弊社の事情にマッチしていると感じました。
他社の請求書受領システムも資料請求をしたり、お話を伺ったりしたのですが、バクラクシリーズ以上の優位性を感じることはなく、最終的にバクラク申請とバクラク請求書の導入を決定しています。
ー バクラクの導入について、どのように社内の合意を得たのでしょうか。
平良さん:以前のツールを導入して1年しか経っていなかったため、理解を得るのに苦労したのですが、なるべく早いタイミングでツールを変えたほうが、オペレーションチームやリノベーションチームの負担を減らせることを定量的な説明を交えながら説明し、合意を得ることができました。
ー 以前導入していたツールから、バクラクへ移行するまでどのくらいかかりましたか。
平良さん:月次決算のタイミングを見計らったこともあり、導入までおよそ2ヶ月かかっていますが、実際の作業は2,3週間以内に完了しています。
申請、承認のフローに大きな変化はなく、導入自体はスムーズに進んでいます。これまでよりも申請者の負担が減ることになるため、不満はまったくありませんでした。
ー 使ってみて便利な機能はありますか。
平良さん:各部門の承認者、決裁権者による承認の手間を大きく削減し、承認スピードを向上させた機能が、バクラク申請のSlack承認機能です。
以前のツールでもSlack連携はできたのですが、通知が飛んでくるだけで、承認のためにはウェブ画面にログインする手間がありました。一方のバクラク申請の場合、Slackのメッセージ内に「承認する」「却下する」といった各種アクションのボタンが表示されるため、Slack上で承認作業が完了します。
また、不動産の取引は、手付金の授受は,売買契約の締結と同時に授受されることが必要であったり、残金決済時には司法書士の先生による本人確認や必要な書類の授受が完了してから始める必要があります。そのため、申請者が経理に対して、「売買契約締結しました。送金お願いします。」「司法書士の先生の本人確認が完了したので、送金お願いします。」という旨の連絡をしていました。
そのときに都度どの申請のことか確認が必要だったのですが、バクラクだと任意のチャンネルに申請を通知できるので、Slack通知のスレッド上で、送金をして良い旨ののやり取りができます。Slack上での送金依頼の連絡を見て、その申請に対する振込の承認できるため、スムーズに対応できるようになりました。
ー バクラクの導入で、経理業務にどのような変化がありましたか。
平良さん:バクラクでは申請者が支払い申請をした時点で、経理担当者も情報を確認できるようになります。そのため、各部門の承認者、決裁権者による承認を待たずに、並行して経理側でできる業務を進めることができるようになりました。
承認者が忙しくて承認できていなくても、先回りして口座番号が合っているか確認したり、インターネットバンキング(EB)データを用意したりといった準備ができるようになっています。
ー バクラクを導入して、以前の課題は解決されましたか。
平良さん:請求書をいちいち確認して煩雑な手入力をする必要がなくなったことで、口座番号や振込金額、支店名に違いが生じるような入力ミスはなくなりました。これはAI-OCRの高い読み取り精度による成果です。そして、以前のツール導入時に比べて申請数が2倍になったにもかかわらず、1申請あたりにかかっていた申請者の入力時間が70%近くも削減されています。
もう一人の経理担当者からは「めちゃくちゃ楽になった」「もう以前のツールに戻れません」との感想がありました。
また、ビジネスサイドから求められていた、迅速な振込対応についても改善されました。最短で10分あれば申請、承認、振込まで完了するので、オペレーションチームからは喜びの声を聞いています。
弊社代表は、以前のツールを使用していた頃は、入力項目が多いため申請期限までに対応できず、私が代行していたこともありました。それがバクラク申請とバクラク請求書に変更してからは、忙しい中でも期限通りに支払い申請を上げてもらえています。
ー バクラクは、どのような企業におすすめできるでしょうか。
平良さん:弊社と同様、不動産業界の企業にバクラク申請とバクラク請求書はとてもマッチすると思います。不動産業界には手作業で処理しなければならない業務が非常に多く、本来お客様対応に時間を割くべきセールス担当者が、事務作業に時間と手間を取られてしまうことがよくあります。
また、不動産業界はITツールに苦手意識がある方も少なくないと思いますが、バクラクシリーズはシンプルで操作しやすいので、問題なく使用できると思います。セールスが本来の業務に集中できるようにするためにも、コーポレート部門が便利なツールを用意してサポートできる体制を整えられるといいですね。バクラクのサポートチームの方々はすごく丁寧に対応いただけるので、まずは自社の課題を相談することから始めてみてはいかがでしょうか。