・複数拠点で経費申請を行う際、経理と現場が離れているためミスや差し戻しが多発していた
・インボイス制度対応に伴い、請求書ごとに消費税額を目視確認する必要があり、経理の大きな負担となっていた
・支払関連のシステムやフローがバラバラで、支払業務に多大な工数がかかっていた
・不慣れな申請者でも迷わず申請できる操作画面であること
・請求書情報を高精度に自動データ化し、消費税額も自動入力されるため、目視確認の負担が減らせること
・支払関連のシステムが一元化され、業務効率を高め、予算消化率の見える化ができること
・経費精算申請のミス・差し戻し・再申請が大幅に減少
・請求書処理にかかる工数を大幅削減し、それに伴い月次締めを従来より7日間早期化
・支払業務の効率化により、年間5,184時間の工数・1,116万円の人件費を削減
ハニトー®で有名なカラオケパセラをはじめ、ホテルやウェディングスペースなどを幅広く展開する株式会社NSグループ(以下、NSグループ)。総勢5,000名近い従業員が働く同社では、経費精算、購買申請の効率化が課題でした。
さらにインボイス制度の開始に伴い、請求書受領・支払申請システムの見直しが必要となり、支払関連のシステムの再構築を行います。そこで、従業員の負担軽減と支払業務の一元化を重視した結果、「バクラク経費精算・申請」および「バクラク請求書受取」の採用に至りました。
バクラク導入による成果として、NSグループ全社で月間432時間の工数、人件費換算で月間93万円のコスト削減を実現。年間で5,184時間、1,116万円の削減を見込んでいます。
同社はいかにして、このような工数削減と効率化を実現したのか。プロジェクトを推進した経理財務部 部長の本多大輔氏に伺いました。
※NSグループでは、バクラク経費精算、バクラク申請、バクラク請求書受取、バクラクビジネスカード、バクラク電子帳簿保存をご利用いただいています。
NSグループの経理部門では、グループ法人で複数の会計ソフトを使用していましたが、業務効率化のため、それらを一つに統合してきました。その次のステップとして取り組んだのが、支払業務の一元化でした。
経理システムの再構築に取り組んだ背景について、プロジェクト推進者の本多氏はこう話します。
「全社的な生産性向上のため、システムの使い勝手を高め、スムーズなデータ連携を実現するという観点から、支払関連のシステムを包括的に見直すことにしました。その際に、経費精算、購買申請、請求書受領・支払申請、法人カードといったバラバラに運用されていたシステムを、『支払業務』という括りで捉え直しました」
実は本多氏は過去に一度、バクラクの請求書受領システム導入を検討しましたが、その時は費用面の懸念から見送っています。しかしインボイス制度が始まると、従来のシステムでは限界があると痛感し、システムの刷新を再検討します。
「当時使用していたのはメジャーな請求書受領システムでしたが、届いた請求書の消費税額に誤りがあってもシステムがエラー検知せず、毎月約3,000枚の請求書の消費税額を目視確認し、手作業で差し戻す必要がありました。膨大な工数がかかり、限界を感じました」(本多氏)
また、会計ソフトの刷新と併せて請求書受領システム以外のシステムも切替を検討することになります。
「経費精算や購買申請についても、会計ソフトに付属する簡易的なシステムを利用していたため、操作画面が非常に使いづらいものでした。そのため会計ソフトのリプレースに合わせて、これらも新たなシステムへ切り替えることを検討していました」
システム選定にあたり、本多氏は名前の知れた複数のベンダーに問い合わせ、操作デモを含めて確認しました。
「会計ソフトと周辺システムは必ずしも同シリーズで揃えるのが最適とは限らない」という考えから、幅広く候補を比較検討したといいます。様々なサービスの中から最終的にバクラクを選んだ理由について、本多氏はこう説明します。
「バクラクは購買申請、経費精算、法人カード、請求書処理といった支払関連の業務を一つのプラットフォームで完結できる点が魅力でした。特に購買申請と支払申請がシームレスに紐づけでき、予算消化管理までできることが決め手になりました。システムを一元化することで、支払に関わる各種申請がすべてバクラクに格納されます。そのため、申請書を探したり紐づけたりする作業が容易になり、現場と管理双方の業務効率が大きく向上すると見込めました」
さらに本多氏は、プロダクトそのものの完成度を高く評価します。
「AI-OCRの精度が非常に高く、請求書支払や経費精算の手入力はかなり工数削減できると見込めました。それ以外にも“使う人”を想って設計されている配慮を随所に感じました。欲しいボタンが欲しい場所に必ずあるので、迷わず操作できます。必要な機能はあり、余計な機能は無い。だからマニュアルを見なくても直感的に使えるのです」
「さらに驚いたのは開発力でした。欲しいと思った機能が、数ヶ月後に実装されていることがあります。開発力があるからといって、単に機能を大量に開発するのではなく、常にユーザーが迷わないように設計されている点も強く評価しています」
本多氏がバクラクを評価したポイントは多岐にわたります。しかし、“経理の効率化”だけでは導入コストの妥当性を経営陣に説明しきれない場面もあります。
そこで本多氏は、システム刷新の課題を明確にするため、現場と管理双方の従業員に社内アンケートを実施。これまでの経費精算や請求書処理のどこに負担がかかっているのかを調査しました。その結果、明確になったことは次のようなことでした。
「経費精算や請求書処理の非効率が何に起因しているかというと、システムそのものの使い勝手か、システム間のデータ連携が悪いことなんです。普段、経営者は経理処理にどのくらい工数がかかっているかをほとんど意識しないと思いますが、“この工数や費用を本来はお客様対応に充てられるんです”と伝えました」
アンケートをもとに現状の負担を可視化し、従業員がお客様のために使える時間を増やしていくことを目指し、システム刷新を実現しました。
バクラクの導入は、2025年1月に経費精算、2月に購買申請、4月に支払申請と順次進められました。
本多氏は社内向けに説明動画や質疑応答集を用意し、社内展開を主導。経費精算や購買申請は大きな混乱もなく進み、支払申請については請求書フォーマットや事業の多様性から2ヶ月かけて導入しました。導入・展開にあたって活用した「導入支援サービス」について本多氏はこう評価します。
「バクラク導入支援担当の方の、クライアントへの姿勢とプロダクトへの理解の深さは素晴らしかったです。我々が困っていることを丁寧にヒアリングしてくれて、その場で解決策を提示していただきました。非常に心強かったですね」
また本多氏は、システム導入の考え方についてこう語ります。
「導入支援の方に『これできますか』と聞くと、たいていはその場で叶えてくれました。逆に『できません』と言われたときには、『あ、これは当社のやり方が特殊すぎるんだな』と認識するようにしました。バクラクのように多くのクライアントの要望を踏まえて作られた完成度の高いシステムは、“最大公約数の最適化”がなされている。だからこそ、自社の業務フローを無理に残すのではなく、システムに合わせて標準化していくほうが結果的にうまくいくと感じています」
NSグループでは、バクラク導入後にも約100名を対象としたアンケート調査を実施しました。その結果、月間で432時間の工数削減、人件費換算で93万円のコスト削減を実現していることが明らかになりました。削減できた時間をお客様対応やサービス向上に充てられるようになり、費用対効果を社内に明確に示すことができているといいます。
業務改善は申請者、承認者、経理部門それぞれに及び、コミュニケーションのストレスも軽減されました。経費精算や支払申請においては承認ルートの最適化と自動リマインド機能が効果を発揮しています。承認者への個別リマインドがほぼ不要となり、承認プロセス全体のスピードと精度が高まったといいます。
本多氏はバクラクの使い勝手について、こう強調します。
「一番伝えたいのは、ガバナンスを強化したのに工数も従業員のストレスも減らせたということです。予算消化管理などチェック体制を強化すれば、通常は従業員の負担が増えるものです。ところが、バクラクでは逆に軽減できました。その背景には“ユーザーが迷わず使えること”を第一にした設計思想があります。実際に社員アンケートでも『ラクになった』という声が数多く寄せられています」
支払関連のシステム刷新によって、経理処理にかかる工数も心理的な負担も減らすことができたNSグループ。最後に、本多氏にどのような企業におすすめかを伺いました。
「当社のように複数拠点で事業を展開するサービス業や小売業には特に適していると思います。現場の申請者と経理担当者が同じフロアにいるわけではなく、顔を合わせて確認できないため、申請の間違いや差し戻しが発生しやすい環境です。さらに従業員がITツールに慣れていないケースも多く、経費精算や購買申請は『興味がないし、間違えやすい』業務でもあります。
しかしバクラクなら、ユーザーが迷わず処理できる設計のため、入力ミスや再申請の手間が減り、結果的に現場は価値を生む業務に時間を注げます。経理部門も差し戻しの減少や自動データ化によって工数を削減でき、人件費削減にもつながります。さらに、システムの一元化により申請・承認の紐づけが明確になり、ガバナンス強化にも直結します。
従業員にとっては“ラクに処理できる”、経理にとっては“効率が上がる”、経営にとっては“統制が強化される”という三方よしのメリットがあるので、複数拠点で事業展開されている企業には強くおすすめできます」
多くの企業が“高精度”を謳う中、バクラクはAI-OCRの精度をはじめとするAI活用機能に強みを持っています。では、どのようにしてその強みを実現しているのか、他社サービスと比較してどのような違いがあるのか、解説します。
本資料はバクラクを活用した経理業務の改善事例集です。請求書の発行や支払処理、経費精算、法人カードの処理、また法令対応の負担軽減をどのように実現したのかお客様にインタビューした事例を5社分掲載しています。