・請求書や経費精算の処理がすべて手入力で、作業負担が大きかった
・法改正のたびにシステム改修費用が発生していた
・処理ルールが属人化し、月末に業務が集中する非効率な状態だった
・取引先の業務DXが急速に進んだことで、自社の業務に分断が発生していた
・AI-OCRやAI仕訳推薦によって手入力作業を大幅に減らせる
・誰でも直感的に使えるUIで、法制度にも自然に対応できる
・グループ全体でも導入しやすい料金体系かつ、経理が欲しいと思う機能が揃っていて費用対効果が高い
・手入力の時間が2分の1にまで削減され、仕訳も自動化できた
・仕訳ルールの管理をシステム上で行えるため、属人化が解消した
・業務が平準化され、月末の集中作業が大幅に減った
明治40年創業の歴史を持つグループ企業の1つとして、貨物自動車運送事業や倉庫業を展開する松本運輸倉庫株式会社。物流インフラを長年支えてきた同社では、正確さとスピードの両立を追求してきました。
しかし近年、取引先の業務DXが急速に進む中で、経理現場にも変化への対応が求められるようになり、属人化した処理や手入力作業の多さ、法改正対応にかかるコストなど、バックオフィスの非効率さが課題として浮かび上がってきたといいます。
同社では、そういった課題への対応の一手として「バクラク申請」「バクラク経費精算」や「バクラク請求書受取」を導入しました。
今回は、バクラク導入の背景や決め手、そしてグループ全体への展開に至るまでの工夫と効果について、システム選定を担当された財務総務部課長の北村さんと、同部で実務を担当されている岩澤さんにお話を伺いました。
——貴社は創業110年を超えるグループ経営をされていますが、今このタイミングで、DXを進めていく必要性を感じた理由などはございますか。
北村さん:取引先が次々とDXを進めるなかで、「うちはこのツールで請求書を送るので」「この方法で連絡してください」と、それぞれのやり方に合わせて対応することが増えてきました。その結果、社内のやり取りがバラバラになって、業務が分断され、かなりの負担になってしまっていたんです。
このまま言われるがままでは立ち行かなくなる、取り残されてしまう、と感じて、「自分たちからも効率化の一手を打たなければ」と思ったのが、DXを進めようと思った大きなきっかけです。
加えて、前職でAIによる自動化を体験していたことも大きく影響しています。「あのラクさを知っているからこそ、今の環境でも「早く取り入れるべきだ」と思いました。
——グループウェアから乗り換えを検討されたきっかけを教えてください。
北村さん:私が所属する財務総務部では、毎月20日までに行う試算表の作成に向けて、グループ5社分の経理処理を進めています。
利用していたシステムは、弊社用に開発してもらったものになるのですが、AI-OCRの機能などはなく、毎月300件以上にのぼる請求書や経費精算の処理においても、膨大な手入力や確認作業が必要になっていました。自動化されている状態とはほど遠く、効率化の必要性を感じていました。
また、法改正のたびに高額なアップデート費用が必要だったこともあり、業務効率の面でもコスト面でも、限界を感じていたんです。
——システム検討の際、どのような軸で選定を進められたのでしょうか。
北村さん:重視したのは、「誰でも使いやすいこと」「手入力を減らせること」「コストパフォーマンス」の3点です。
これまで利用していたシステムは、消費税率への対応ができておらず、現場従業員や経理担当者が、都度確認、計算しながら入力する必要がありました。もちろん、現場従業員の皆さんは、経理のプロではないのでミスも一定あり、修正の手間なども発生していました。
ですので、AI-OCRなどの自動化で作業負担を減らせるかはもちろん、「法対応が自然にできて、誰でも迷わず処理を進められるか」は非常に重要でした。
また、弊社はグループ会社ということもあり、グループ全体への展開を見据えた際、効率化とコストのバランスが取れることも大きなポイントでした。
——バクラクシリーズを採用いただいた決め手はなんでしたか。
北村さん:AI-OCRに強みがあり、請求書や経費精算を一元管理できそうだったので、まずはトライアルを申し込みました。
実際に使ってみると、今まで手入力していた情報を高精度で読み取ってくれ、使えば使うほどAIが学習して、仕訳がどんどん楽になっていくのを実感しました。UIもとても見やすく、法制度への対応に関しても、現場も経理も迷わず操作できそうだなと感じました。
——選定軸の1つでもあったコスト面でも魅力に感じていただける要素はありましたか。
北村さん:他社比較した際、契約可能なID数の下限が高すぎて、運用規模に合わないことが多々ありました。しかしながら、バクラクの場合、契約可能なID数が少数から始められ、必要なメンバー数に合わせて柔軟に運用できるため、余計な経費を発生させずに導入できるのはよかったですね。
さらに、グループ全体での展開を視野に入れていた当社にとって、各サービスがグループ導入しやすい価格体系で提供されている点も、導入を後押しする決め手のひとつでした。
——バクラク導入後の具体的な効果について教えてください。
岩澤さん:請求書や経費精算の申請で発生していた手入力の作業時間が、おおよそ2分の1にまで削減できていると、現場から声が上がっています。
経理としても、以前はExcelに1件ずつ手入力していた仕訳が、現場での申請完了後、過去の仕訳データを元に自動入力されるので、確認だけで済むようになりました。
これまでは、頭で覚えている仕訳や過去のデータをわざわざ検索して手入力していました。しかも、グループ会社それぞれで、ルールが微妙に違うので、仕訳作業にかなりの労力を要していたのですが、バクラクの自動仕訳入力のおかげでその労力からも解放されました。
——導入前は想定していなかった効果などございますか。
北村さん:グループ会社ごとに異なるルールの仕訳でも、自動化がうまく機能したのは嬉しい誤算でした。以前は「経理担当者の頭の中にルールがある」といった状態だったので、欠員時のリスクもありました。
仕訳ルールがシステム上で自動管理されるようになったことで、属人化の解消にもつながり、引き継ぎがしやすい環境づくりが整ったと感じています。
岩澤さん:以前は月末締め直前に集中していた申請が、随時提出されるようになり、経理側もリアルタイムに処理を進められるようになりました。さらに、一元化されたシステム上に集約して作業できるため、業務が地続きになり、効率性と業務平準化の双方を実現しています。
業務が分散したことにより、締め日間際にバタバタすることも減りましたし、浮いた時間を試算表の精度向上のためのチェック作業などに当てることができるようにもなりました。
——バクラクをご利用いただいて、特にお役に立っている機能はありますか。
岩澤さん:細かな使い勝手の話にはなりますが、経理目線で「ここを効率よく作業したい」と感じるポイントをよく理解してくれている機能があると感じます。
たとえば、申請同士を関連付けて、それを仕訳画面から確認できる機能。1つの画面で完結するので、別のツールを開いて確認する手間が省けています。
また、振込データ作成の際に、手数料の負担先をボタン1つで切り替えられる点も、地味ですが使いやすく助かっています。
北村さん:グループ会社ならではの話ですが、1つのアカウント、1回のログインで複数の会社やプロダクトを簡単に切り替えられるのも大きなメリットです。
アカウントの管理もラクですし、月末月初の忙しい時期にいちいちログインし直す必要がないので、そういった細やかな使い勝手の良さは、全体のスピード感向上につながっていると思います。
——今回、グループ5社全体での導入となりましたが、全社一丸となって導入推進をする際、どのような工夫をされましたか。
北村さん:パソコンやシステム操作に不慣れな社員がいることは想定していたため、まずはバクラクさんから提供された社内向け資料を活用し、数回に分けて説明会を実施しました。
現場の従業員が積極的に試してくれたことで多くの気づきが得られ、特にワークフローのように経理以外も使うシステムでは、実際に現場のメンバーに触ってもらうことの重要性を実感しました。
その後、1ヶ月間のトライアル期間を設け、運用フローの検討不足や、申請者視点でのわかりづらさを洗い出し、1つずつ解消していきました。
——今後の展望についてお聞かせください。
北村さん:業務の効率化はもちろんのこと、取引先を含む外部環境の変化や人材確保といったさまざまな状況に柔軟に対応していくためにも、AIやシステムに任せられるところは早めに任せて、人がやるべき仕事に時間を使えるようにすることが大事だと考えています。
特に私たち財務総務部は、お金を扱う立場でもあるので、限られた人員をどのように配置するか、どのようにコストを抑えていくかといった“全体設計”の部分にもっと時間を割いていきたいですね。
——最後に、「バクラクシリーズ」の導入を検討している企業へメッセージをお願いいたします。
北村さん:紙やExcelで経理業務を回していると、どうしても現場の状況が見えづらく、経理側の対応も後手になりがちです。同じような課題を抱えている方は、まずはシステム導入で「業務の見える化」から始めてみるとよいと思います。
私たちもバクラクを導入してから、申請や承認、仕訳などの業務の流れが可視化されて、経理からも必要なタイミングでアクションが取りやすくなりました。都度対応できるようになったことで業務のばらつきも減り、結果として決算の早期化にもつながっています。
「DXって本当に自分たちに必要なのかな?」と迷っている企業さんも、まずは気軽に相談してみるだけでも良いと思います。トライアルで触ってみると、「なんでもっと早く導入しなかったんだろう」と思うくらい、業務のラクさを実感できると思いますよ。
本資料では、経理業務の中でも特に負担の大きい請求書仕訳処理に焦点を当て、明細行が多い請求書や毎回内容が変わる請求書の仕訳をAIが自動で提案する「AI明細仕訳」機能をご紹介します。
本資料はバクラクを活用した経理業務の改善事例集です。請求書の発行や支払処理、経費精算、法人カードの処理、また法令対応の負担軽減をどのように実現したのかお客様にインタビューした事例を5社分掲載しています。