・既存の人員でインボイス制度対応による業務量増加にも対応する必要があった
・旧システムはレスポンスに課題があり、申請者・承認者双方に業務上支障があった
・システムのクラウド化によって、社内の保守管理の負荷を減らしたかった
・業務フローを大きく変えずに導入できるため、グループ各社への導入展開ハードルが低い
・高精度なAI-OCRが標準機能であり、申請ミスや手入力負担を軽減できる
・画面が見やすく、サクサク動く
・グループ財務経理部の残業時間を前年比2〜3割削減できた
・申請にかかる作業時間は体感、半分以下になった
・支払原本の照合作業が半日から1時間に短縮できた
長野県を拠点に、バス・タクシー事業やスーパーマーケット事業など多岐にわたる事業を展開するアルピコグループ。同グループのアルピコホールディングス株式会社は、各社の経理業務を横断的に担うシェアード機能として、グループ全体の業務効率化を推進しています。
その一環として、グループ各社の請求書受領や経費精算業務の効率化に着手。改正電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を機に、利用していたシステムが抱えていた課題の解決を目指しました。
結果として、財務経理部では残業時間を2〜3割削減、申請者の工数は体感半分以下に減っているといいます。さらに、これまで紙の稟議申請をしていたグループ会社のシステム化にも成功しました。
今回は、グループ全体の業務改革を成功に導いた経緯や具体的な業務の変化について、シェアード財務経理部 担当課長の山田 貴彦氏、経営企画部 課長の太田 将貴氏、ICT推進室 室長の原 利通氏にお話を伺いました。
※アルピコグループ様では、バクラク請求書受取、バクラク経費精算、バクラク申請、バクラク請求書発行、バクラクビジネスカード、バクラク電子帳簿保存をご利用いただいています。
同社が経理システム刷新の検討を始めた背景には、既存システムへの問題意識とインボイス制度による負担増がありました。シェアード財務経理部で実務とシステム管理を担当する山田氏は、当時の状況をこう振り返ります。
「もともと使っていた経費精算システムは、経理担当者だけでなく、申請や承認を行う従業員にとってもレスポンスのスピード感や、操作性による負担がありました。システムを刷新することで、その負荷を軽減したいという思いがあったのです」
こうした状況に加え、インボイス制度への対応がシステム刷新の後押しとなります。経営企画部の太田氏は、「法令対応のために実務の負担が増えるのは目に見えていました。人手不足が加速していく中で、人員を増やさずともそうした変化に対応していく必要があり、仕組みから変える必要があると感じていました」と話します。
人手を増やさず、法令改正にも柔軟に対応できる業務基盤を構築すること。さらに申請や承認を行う従業員の事務処理にかかる負担を減らすことが、今回のシステム刷新における目標でした。
新たなシステムの選定にあたり、同社が重視したのが「既存の業務フローを大きく変えずに効率化できること」でした。
グループ全体のシステム導入推進を行う山田氏も、各社の担当者も、既存の業務を行いながら、システム刷新を進める必要があります。そのため、導入負担を最小限に抑えつつ、業務を効率化できることが重要でした。
この選定軸のもと、複数のサービスを比較検討し、トライアル利用で実運用を想定した確認を丁寧に行ったといいます。
その中でバクラクは、既存のフローに合わせて効率化を図れる点が高く評価されました。また、トライアルで体感したAIによるデータ化精度の高さも、導入を後押しする要因となったと太田氏は話します。
「他社サービスとも比較しましたが、バクラクのAI-OCRの読み取り精度は圧倒的でしたね。以前からAI-OCRはどれが良いのか決めあぐねていましたが、使ってみてすぐに『これはすごい』と感じました」
高精度なAI-OCRがオプションではなく、標準機能として搭載されている点も、コストの観点から魅力だったといいます。
また、クラウドサービスであるバクラクは、「保守管理の負荷を軽減し、自社開発を抑制したいというICT推進室の方針とも合致した」とICT推進室長の原氏も評価します。
請求書や領収書のデータ化精度の高さ、自社の業務フローにスムーズに組み込めること、そしてトライアル利用で確認した操作性の高さ。これら3つの要素が揃ったことで、同社はバクラクの導入を決めます。
実際にグループ会社へ導入するにあたっては、イレギュラー対応が少ない会社から順番に展開しています。「経理だけでなく、申請作業をする全員が楽になるシステムです」と丁寧に説明を続けたことも、協力体制を築くポイントでした。
トライアル利用の段階から、バクラクの担当者と密にコミュニケーションをとり、システムに対する理解を深めていたこともよかった点だったと山田氏は振り返ります。
「小さなことでも不明点を聞くと、迅速にご回答いただけましたし、運用開始後も困っていることがないか尋ねていただいたので相談しやすかったです。システムアップデートの頻度も高く、使い勝手がよくなるように改善いただいている点も有り難い点ですね」
バクラク導入による効果も着実に表れています。シェアード機能を担う財務経理部では、前年同月比で残業時間が約2〜3割削減。申請者一人ひとりの作業時間も、「体感で半分以下にはなっている」といいます。
「支払いのタイミングで請求書の原本とシステム上のデータを照合する作業に、以前は半日かかっていました。それが今では1時間ほどで終わるようになり、大幅な効率化を実感しています」(山田氏)
「月次決算において数字のチェック業務により多くの時間を割けるようになりました。バクラクはサクサク動き、システムのレスポンスを待つ時間がなくなりましたし、画面上で任意の範囲で明細合計を確認できるため電卓を触ることもかなり減りました」(太田氏)
こうした成果に加え、紙で処理していたグループ会社の請求書支払申請フローをデジタル化することで、各社の業務フロー統合にも成功しました。
同社のグループ会社の中には、決裁フローが煩雑だったため、旧システムで一元管理ができていなかった会社がありました。しかし、バクラクのワークフロー機能を活用することで、この課題も解決されます。
「主要なグループ会社の一社は、以前のシステムでは決裁フローをシステム化できなかったため運用できず、紙で請求書や稟議書を回覧していました。ですが、バクラクは柔軟な承認経路を設定できたのでシステム上の一元管理ができるようになりました」(山田氏)
紙の運用を変更し、システムを新規導入することへのハードルはありましたが、実際に運用開始すると、「もっと早くやればよかった」といった声も寄せられたといいます。さらに、バクラクの導入により、ホールディングス本社の負担を分散できたことも、導入効果を実感している点だと山田氏は言います。
「今までのシステムだと、導入後のメンテナンスをほぼホールディングス財務経理部で行っていました。それが簡単に設定できるようになったことで、会社ごとにテナント環境を分け、基本的にはそれぞれの会社で運用してもらっています。システム設定やメンテナンスが属人化せず、分担してできるようになったのは大きいですね」
グループ全体の請求書処理・経費精算業務の基盤をバクラクに統一したアルピコホールディングス株式会社。インボイス制度への対応をきっかけに、財務経理部に限らず全社の生産性向上にも繋がっています。
今後は、さらなる業務効率化を目指し、活用の幅を広げていく計画です。
「弊社では“バクラク=業務の合理化”というイメージが浸透しています。今後は、請求書発行を含めた債権管理など、他の領域にもバクラクを活用できないか検討していきたいですね。業務をバクラクに集約することで、効率化はもちろん、よりシンプルで分かりやすい運用体制を目指していければと考えています」と原氏は語ります。
最後に、バクラクの導入を検討している企業へのメッセージを伺いました。
「一度見て、実際に使ってみると『こんなに簡単なんだ』ということが分かっていただけると思います。承認者の視点から見ても、証憑と申請内容が一目で確認できるので安心感があり、スムーズに承認できる。処理が速くて間違いも少ないので、ストレスが少ないです」(原氏)
多くの企業が“高精度”を謳う中、バクラクはAI-OCRの精度をはじめとするAI活用機能に強みを持っています。では、どのようにしてその強みを実現しているのか、他社サービスと比較してどのような違いがあるのか、解説します。
本資料はバクラクを活用した経理業務の改善事例集です。請求書の発行や支払処理、経費精算、法人カードの処理、また法令対応の負担軽減をどのように実現したのかお客様にインタビューした事例を5社分掲載しています。