「ご請求書(御請求書)」は正しい言葉?送る側・請求される側の適切な言い方とは
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-08-21
ビジネスにおいてお金の取引を行う際、請求書はほぼ必ず発行します。請求書を発行する側は、発注者への敬意を表すため、ビジネスマナーを守って請求書を送ることが重要です。
本記事では、請求書の適切な呼び方について詳しく解説していきます。
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「ご請求書(御請求書)」は正しい言葉?送る側・請求される側の適切な言い方とは
「ご請求書(御請求書)」という表現はビジネスで不適切ではない
日本語では、「お」や「ご」を名詞や形容詞などにつけることで丁寧さや相手への敬意を示す表現が一般的です。そのため、このルールに従って「請求書」を「ご請求書(御請求書)」と呼ぶ人が増えています。
「御請求書」という表現に対して違和感を持つ人もいるかもしれませんが、これは請求行為を行う側が自身の行為を丁寧に扱っているためです。
「ご説明」や「ご紹介」などの表現に見られるように、自己の行為に対して謙虚な気持ちを込めて「お」や「ご」をつけることも敬意を表す方法であり、「御請求書」は決して間違いではありません。
請求する側・請求される側の双方で「ご請求」は使える?
「ご請求書」という表現は、請求する側の行為に対する丁寧な表現です。そのため、請求を行う側が「ご請求書」と呼ぶのは一般的です。
しかし、請求される側が「ご請求書」と呼ぶことは一般的ではありません。自身が請求書を受け取る行為に対して丁寧さを示す必要がないため、請求される側は「ご請求書」は基本的に使用しません。
封筒の添え字は「御請求書在中」?
企業に届く多数の郵便物の中で、送り主が不明な封筒は開封が後回しになることがあります。そのため、重要な請求書を送付していることを示すために、「請求書在中」と封筒に記載することが一般的です。
この際、封筒には「請求書在中」と記載するか「御請求書在中」と記載するかについては、内容が明確に伝わることが最優先であるため、「請求書在中」というシンプルな表現が好まれます。
「ご請求書」に違和感を覚えるのはなぜ?
「ご請求書」という表現に違和感を覚える人がいるのは、提供した商品やサービスに対する代金を請求する行為に対して、過度に丁寧な表現が使われているためです。
「御(お、ご)」の使用は、自分の行為を丁寧に示すだけでなく、相手への敬意を表す目的でもあります。そのため、請求書に「ご」をつけること自体は間違いではありません。しかし、ビジネスの場面ではこのような過度な丁寧さが違和感を与えることがあるのです。
「ご請求書」を使わない例文
ビジネス文書では「ご請求書」という表現を避け、シンプルで直接的な「請求書」を使用することが推奨されます。以下では、メールと書面の例文を紹介します。
メールの場合
メールで請求書を送る際には、挨拶に続けて「添付いたします」「ご査収ください」といった丁寧な表現を使用することで、相手に好印象を与えることができます。
件名: 請求書送付のご案内 本文: 株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様 いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。 〇月分の請求書を添付いたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。 何かご不明な点やご質問がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。 よろしくお願い申し上げます。 株式会社△△ □□ |
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書面の場合
書面で請求書を送る際は、送付状に季節の挨拶や締めの言葉を入れ、「お送りいたします」や「ご査収くださいますよう」などの表現を使いましょう。
そうすることで、「ご請求書」という表現を使用しなくても十分に丁寧さを表現できます。
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、下記の通り〇月分の請求書をお送りいたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。 なお、何かご不明な点がございましたら、遠慮なくご連絡ください。 今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。 敬具 記 請求書 1通 令和〇年〇月〇日 株式会社△△ □□ |
間違えやすい請求書に関する表現
請求書に関する表現は適度な丁寧さを保つことが重要ですが、過度に丁寧すぎる表現は冗長に感じられ、ビジネス文書として不適切になることもあります。
以下では、間違えやすい表現を紹介します。
「ご請求させていただきます」
請求書を送る際に「ご請求させていただきます」という表現は不適切です。「〜させていただきます」は相手の許可を得て行う場合に使うため、請求書の送付には適していません。請求書を送付する際には、以下のような表現を使うのが正しいです。
「ご請求いたします」
「ご請求申し上げます」
上記の表現は、丁寧さを保ちながらも、相手の許可を得る必要のない請求行為を適切に表現しています。
「ご査収願います」
「ご査収願います」という表現は、一見丁寧に思えますが誤った敬語表現です。請求書を送付する際には、以下の表現に置き換えましょう。
「ご査収ください」
「ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます」
「ご査収くださいますようお願い申し上げます」
これらの表現は、相手に対して請求書の内容を確認して受け取るよう丁寧に依頼する正しい敬語表現です。
「ご請求書をお送りいたします」
「ご請求書をお送りいたします」は、「ご請求書」ですでに敬語を使っているため、「お送りいたします」をつけることで過剰な丁寧表現になってしまいます。過度な丁寧さは、ビジネス文書としては適切ではありません。
正しくは「請求書をお送りいたします」です。過度な敬語を避け、シンプルでわかりやすい文書を作成するようにしましょう。
「ご請求申し上げます」
「ご請求申し上げます」は正しい日本語であり、請求書でも「下記の通り、ご請求申し上げます。」と記載するのが一般的です。
下記の通り、ご請求申し上げます。 請求内容: 1. 商品A ¥10,000 2. 商品B ¥20,000 —————- 合計金額 ¥30,000 |
このように請求書の文中で丁寧かつ正確に請求内容を伝えるために使われます。
「ご請求ください」
「ご請求ください」は、ビジネスシーンで先方に請求してほしいと伝える場合に有効な日本語です。
「経費が発生した場合には、遠慮なくご請求ください」
「発生した費用は、全額こちらにご請求ください」
相手が発生した費用を請求することを促す際には、このように丁寧に伝える表現が適切です。
まとめ
ビジネスシーンでは関わりが多い請求の場面ですが、取引先などと良好な関係を築くためにも正しい表現を使うことが重要です。「ご請求書」と表現する際には過度な丁寧さを避け、適切な敬語を使うように注意しましょう。
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