請求書に電子印鑑は利用できる?法的効力や作成・押印方法を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2025-04-25
- この記事の3つのポイント
- 電子印鑑とは社印などの印鑑をデータ化したもので、請求書にも使用できる
- 請求書への押印に法的な義務はないものの、文書の信頼性を高めるために押印するのが一般的
- 請求書の信頼性や法的効力を高めるには、識別情報を含む電子印鑑を作成・押印するのが望ましい
近年はあらゆる書類の電子化が進んでおり、電子印鑑の使用可否や押印の必要性についてお悩みの方もいるでしょう。
本記事では、請求書への押印の必要性や、電子印鑑の作成・押印方法などを詳しく紹介します。電子印鑑の使用を検討中の方は、本記事を参考にしてください。
請求書に電子印鑑は利用できる?法的効力や作成・押印方法を解説
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電子化された請求書に電子印鑑は使用できる
電子印鑑とは、社印などの印鑑をデータ化したものです。電子文書に対応しており、PDFやExcelなどにデータを貼り付ければ押印できます。作成した書類を、押印前にプリントアウトする必要はありません。
請求書は、電子帳簿保存法で電子化が認められています。そのほか、注文書や帳簿類、決算に関わる書類なども電子化して問題ありません。
電子化された請求書に押印する際は、電子印鑑を使用できます。注文書や見積書、領収書なども、電子印鑑による押印が可能です。
請求書への押印の必要性と法的効力
請求書への押印に、法的な義務はありません。あくまでビジネス上の慣習によるものであり、押印がなくとも取引は原則成立します。しかし、印鑑が「認証された文書」である旨を証明するケースは多く、請求書を含む文書には押印するのが一般的です。
自社では脱ハンコが進んでいる場合も、取引先のルールにより押印が求められる可能性があるでしょう。請求書への押印は、義務であると誤解している方も少なくありません。
電子印鑑には従来の印鑑と同等の法的効力があり、電子化した請求書にも多く用いられます。請求書に押印する必要性や印鑑の種類、押印時の注意点などは、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
電子印鑑が普及する背景
従来は、プリントアウト後に押印した紙の文書を、スキャナーなどで取り込んで保存するのが一般的で、工程が多く請求書発行に手間と時間がかかりました。
そのような課題を解決するのが、パソコンのみで請求書発行を完結できる電子印鑑です。インクや印鑑の準備が不要な点も、業務効率の向上に寄与しています。
また、令和2年より資本金額等が1億円を超える法人では、法人税・消費税の電子申告が義務付けられています。所得税の確定申告や年末調整手続きにおいても電子化の傾向があり、電子印鑑は今後さらに普及が進むでしょう。
参考:国税庁「大法人の電子申告義務化について」
電子印鑑の作成・押印方法
電子印鑑には、以下の2種類があります。
- 印影を画像化したもの
- 識別情報を含むもの
本章では、それぞれの作成・押印方法について詳しく解説します。
印影を画像化した電子印鑑
印影とは、印鑑を押した跡のことです。印影を画像化した電子印鑑は、WordやExcel、専用システムなどの機能を活用して比較的容易にデータ化できます。印影をスキャナーで取り込み、データ化しても問題ありません。
押印方法は、作成した画像データをWordやExcelの請求書に貼り付けるのみです。PDFの請求書の場合は、フリーソフトのAdobe Acrobat Readerを使用し、以下の手順で押印しましょう。
- Adobe Acrobat ReaderでPDFファイルを開く
- メニューから「署名」→「入力と署名」を選択する
- 中央メニューから「自分で署名」→「署名と追加」を選択する
- 「画像」から、作成した画像データを選択して「適用」をクリックする
- 押印したい箇所に画像データを移動し、PDFファイルを上書き保存する
識別情報を含む電子印鑑
識別情報を含む電子印鑑の主な作成方法は、以下の2種類です。
- Adobe Acrobat Readerを利用する
- 識別情報の付与に対応した電子決済サービスまたは電子印鑑サービスを利用する
Adobe Acrobat Readerの場合、デジタルIDを獲得すれば作成者や押印日付などの情報をスムーズに付与できます。また、以下の手順で、電子印鑑の作成から押印までをPDF上で完結させることも可能です。
- Adobe Acrobat Readerで請求書のPDFファイルを開き、メニューから「編集」→「環境設定」を選択する
- 分類から「ユーザー情報」を選択し、電子印鑑に含める識別情報を入力する
- 中央メニューから「スタンプ」→「電子印鑑」を選択して、希望のデザインを選ぶ
- 自動生成された電子印鑑を押印したい箇所に移動し、PDFファイルを上書き保存する
電子印鑑の書体などは選べませんが、必要な際にすぐ押印できる点がメリットといえるでしょう。
識別情報を含む電子印鑑を作成するのが望ましい
電子印鑑を作成する際は、識別情報を含むのが望ましいといえます。
印影を画像化した電子印鑑は比較的手軽に作成できますが、セキュリティ対策が不十分で文書偽造やサイバー攻撃の危険性があります。また、法的効力の低さも懸念されるでしょう。
一方で、識別情報を含んだ電子印鑑には高い信頼性が期待できます。具体的には、電子印鑑に以下の2点を付与することで、法的効力をさらに高められるでしょう。
- 電子証明書
- タイムスタンプ
電子証明書は国の指定する認証局が発行する証明書で、文書の所有者を特定できるものです。タイムスタンプは、押印時点での電子データの存在性と、以降改ざんされていないことを証明する技術を指します。
印影を画像化した電子印鑑に比べて手間はかかりますが、信頼性を高めるには識別情報を含む電子印鑑を作成するのが望ましいでしょう。
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電子印鑑とは、社印などの印鑑をデータ化したものです。請求書への押印に法的な義務はありませんが、文書の信頼性を担保するために押印するのが一般的です。
電子印鑑には、印影を画像化したものと識別情報を含むものがあります。請求書の信頼性やセキュリティ性を高めるには、電子証明書やタイムスタンプが付与された後者を作成するのが望ましいでしょう。
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