勘定科目「通信費」とは?ネット代や携帯電話代などの仕訳例、注意点を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2025-03-13
- この記事の3つのポイント
- 通信費は業務上の通信や配送の費用のことで、電話代・ネット代・郵送代などを含む
- 通信費に含まれない勘定科目として、消耗品費・リース費・租税公課などがある
- 領収書がない通信費を計上する場合は、日付・金額・内容を明確にする必要がある
電話料金やインターネット代、郵送費など、日々の業務で発生する通信費を適切に管理できているでしょうか。通信費の範囲や仕訳方法は複雑で、間違って処理してしまうと、会社の経理に大きな影響を与える可能性があります。
本記事では、通信費の基本から効率的な管理方法まで、わかりやすく解説します。通信費の正しい知識を身につけ、コスト削減とスマートな経理業務を実現しましょう。
勘定科目「通信費」とは?
通信費とは、業務で必要な通信や配送にかかる費用のことです。具体的には、電話料金やFAX送信費用、郵便料金、メール利用時のインターネット接続料などが含まれます。
業務を円滑に進めるためには、従業員同士の連絡や取引先とのやり取りが欠かせません。そのため、通信費は企業活動の中で頻繁に発生する経費の一つです。
さらに、現代のビジネスでは不可欠なインターネット利用料やプロバイダ料金も通信費に該当します。特に経理業務では、この費用を適切に仕訳し管理することが重要です。
また個人事業主の場合、業務用と私用で併用している通信費も按分することで経費として計上可能です。たとえば、自宅のインターネット回線を業務用に使用している場合、業務割合に応じて通信費として処理できます。
このように、通信費は多くの場面で活用される勘定科目といえるでしょう。
通信費には具体的に何が含まれる?対象費用の範囲を解説
通信費としては、主に以下の費用が仕訳されます。
- 電話料金・FAX代
- インターネット料金・プロバイダ料金
- 郵送代・宅配代
- テレビ・有線放送の受信料
4つのカテゴリー別に、通信費の仕訳について詳しく解説します。
電話料金・FAX代
固定電話・携帯電話(スマートフォン)など、業務で利用している電話でかかった通話料は、通信費として仕訳されます。
通話料以外に、FAX送信で発生する費用も通信費に含まれます。今では、メールやチャットツールなどでのやり取りが増えたものの、業界や企業によってはFAXが活用されているケースも少なくありません。
固定電話やスマートフォンの勘定科目について、以下の記事で詳しく解説しました。ぜひ参考にしてください。
関連記事:電話料金の勘定科目とは? 固定電話やスマートフォンのケースも!
インターネット料金・プロバイダ料金
業務に使用されるインターネット関連の費用も、通信費に該当します。インターネット費には、プロバイダーに支払う毎月の使用料金に加え、契約の際にプロバイダーに支払った入会金や、回線を開通するための工事費なども含まれます。
また各種管理業務やデータ通信などの目的で、クラウドサービスを利用するケースが増加していますが、これらのサービス利用料もインターネット費として計上できる項目です。
郵送代・宅配代
手紙や文書、小包などを郵送する際に発生する費用や、商品・製品などを宅配便で配送する際の宅配代も、通信費として計上できる項目です。
なお、郵送代には切手そのものや、切手が印字されているハガキの購入料金も含まれます。切手が印字されていないハガキの購入料金は、通信費には該当しないので注意しましょう。
社内での手紙や文書・物品のやり取りに利用される社内便、書類や小型郵便物などを近距離に配送する際に便利なバイク便の費用なども、通信費に該当する項目です。
切手の仕訳方法について詳しくは、以下の記事で解説しています。
関連記事:切手は経費にできる?勘定科目と仕訳の例・消費税の扱い方を解説
テレビ・有線放送の受信料
社内にテレビが設置されている場合、個人契約と同様、毎月の受信料がNHKから請求されます。その際、NHKの受信料は通信費として計上できます。また、有線放送やケーブルテレビを契約している場合、その受信料も通信費として計上可能です。
通信費と間違えやすい勘定科目
通信費に関する仕訳例
経理業務では、どのように通信費を判断して仕訳しているのでしょうか。いくつかの例を用いて解説するので、実際の業務における判断材料として役立ててください。
ケース1. 固定電話代を支払った
社内の固定電話料金として、税込で55,000円が法人の口座から引き落とされた場合について解説します。通信費は課税仕入のため、税抜処理が必要です。消費税率を10%として税抜処理で計上すると、通信費は50,000円、仮払消費税は5,000円になります。
なお、摘要にはいつ・何のための出費であったかを明記しておきましょう。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
9月31日 | 通信費 | 50,000円 | 普通預金 | 55,000円 | 9月分固定電話料金 |
仮払消費税 | 5,000円 |
ケース2. 切手代を支払った
84円切手20枚を現金で購入した場合の仕訳について解説します。消費税率を10%として税抜処理で計上すると、通信費は1,540円、仮払消費税は140円として計上されます。仕訳例は下記のとおりです。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
9月31日 | 通信費 | 1,540円 | 現金 | 1,680円 | 切手 |
仮払消費税 | 140円 |
ただし、期末時点で未使用の切手がある場合は通信費ではなく、以下のように「貯蔵品」として別途仕訳をする必要があるため注意しましょう。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
9月31日 | 貯蔵品 | 1,680円 | 通信費 | 1,540円 | 切手 |
仮払消費税 | 140円 |
ケース3. インターネット費を支払った
社用携帯ではなく個人携帯を使用して業務上の連絡をしている従業員に対し、何割かを会社の経費として負担する場合を解説します。
たとえば携帯の通信費用が10,000円で、業務に関わる割合が60%、個人での使用が40%を占める場合は、通信費は6,000円、事業主貸は4,000円として仕訳を行います。なお、摘要には用途・内容を明確にしておきましょう。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
9月31日 | 通信費 | 6,000円 | 普通預金 | 10,000円 | 9月分インターネット費 |
事業主貸 | 4,000円 |
ケース4. テレビの受信料を支払った
事務所にテレビを設置しており、NHK受信料を支払った場合の仕訳を解説します。たとえば、1カ月分のNHK受信料1,200円を口座引き落としで支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
9月31日 | 通信費 | 1,200円 | 普通預金 | 1,200円 | 9月分NHK受信料 |
通信費を計上する際における5つの注意点
経理業務で通信費を計上する際に、注意するべき5つの点を解説します。
業務用とプライベート用の家事按分
個人事業主が通信費を経費計上する際には、業務用とプライベート用を区別する「家事按分」が必要です。たとえば、自宅のインターネット回線を利用している場合、業務に使った割合を計算して経費に計上します。
仕事での使用時間や用途を基準に通信費の経費割合を判断しましょう。たとえば、月の半分以上を業務で使う場合、通信費の50%を経費とする方法があります。ただし、業務に応じた正確な割合を算出することが大切です。
さらに、按分する際には客観的に説明できる根拠を準備しておきましょう。具体的には、業務用の作業時間や通信の使用状況を記録したデータが有効です。正当な理由を示すことで、経費計上の信頼性が高まります。
領収書がない場合の経費計上
通信費を経費計上する際に領収書や明細書がない場合でも、代わりになる書面やデータがあれば対応できます。具体例は以下のとおりです。
- クレジットカードの利用明細
- 通信サービス提供会社からの請求書やメール通知
- 銀行振込の控え
データには日付や金額、利用内容が明確に記載されている必要があります。不足がある場合は、メモや補足資料で補うとよいでしょう。信頼性の高い書類を準備しておくことで、経理処理がスムーズになります。
大切な領収書を紛失してしまった場合や、そもそも領収書が発行されなかったときの経費精算は可能か疑問をもつ方もいるでしょう。以下の記事を参考にしてください。
関連記事:領収書なしでも経費精算は可能?紛失や発行されない場合の対処法
電子マネーで支払った場合の勘定科目
社用携帯の使用料金は通信費として計上されますが、付帯の電子マネーで何かを購入した場合は、購入の目的に応じて勘定科目を分ける必要があります。用途によって勘定科目が異なる点は、事前に従業員に説明しておくようにしましょう。
通信費の課税区分
通信費の課税区分がどのようになっているかも、注意すべきポイントです。固定電話や携帯電話の通話料、インターネット料、郵送代など、国内で発生する通信費は「課税」として取り扱われます。
しかし、国際電話や国際郵便など、海外にいる相手とのコミュニケーションで発生する通信費は「免税」です。さらに、海外のみで発生し、国をまたがないコミュニケーションに要する通信費は「非課税」として取り扱われます。
通信費を計上するタイミング
通信費を計上するタイミングにも注意が必要です。原則として、通信費は利用月に計上しますが、携帯電話の使用料金などは、おおかた利用月の翌月に引き落とされます。
そのため、利用月の帳簿では携帯電話の使用料金を「未払い金」として計上し、必ず支払月に未払い金から「普通預金」に振り替えるようにしましょう。
経費精算の日付をいつにすれば良いのか迷っている方は、以下の記事を参考にしてください。
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会社業務におけるやり取りの費用は、基本的に「通信費」という勘定科目で仕訳されます。通信費に該当する例としては、電話の通話料、インターネットの利用料、郵送代などが挙げられます。
経費の仕訳をスムーズに進めるためには、経費精算ツールの活用が有効です。「バクラク経費精算」は電子帳簿保存法に対応しており、正確に申請を行える設計が構築されています。
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