消費税の軽減税率の対象品目は?8%課税がされる商品の具体例と対応方法
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-12-09
消費税法の改正によって、2019年10月から消費税が10%に引き上げられ、軽減税率制度が導入されました。事業者は軽減税率制度により、標準税率と軽減税率の2種類の税率の商品を管理する必要があります。
この記事では、消費税率が8%になる軽減税率の対象品目と、対象外となる商品について解説します。ぜひ参考にしてください。
消費税の軽減税率の対象品目は?8%課税がされる商品の具体例と対応方法
消費税が8%軽減税率で適用される品目の例
軽減税率制度によって、消費税が8%の商品と10%の商品に分けられるようになりました。軽減税率が適用されて消費税率が8%になるものは、どのような商品なのでしょうか。
ここでは消費税率が8%の品目の例を紹介します。
精米や生肉など特定の飲食料品
まずは、飲食料品です。飲食料品とは、食品表示法に規定する食品のことです。
食品表示法に規定される食品とは、例えば精米や生肉、野菜や鮮魚、パン、酒類を除く飲料など、人の飲食もしくは食用に供されるものを指します。この場合、外食やケータリングなどは軽減税率が適用されません。
食品には、医薬品や医薬部外品、再生医療等製品などは含まれませんが、食品衛生法によって規定されている添加物は含まれます。また、一定の要件を満たしている一体資産も含まれます。一体資産については後述するため、そちらを参考にしてください。
テイクアウトや宅配する食料品
飲食店で食品をテイクアウトする場合や、宅配(デリバリーサービス)を利用するケースも、軽減税率の対象です。例えば、宅配ピザやお弁当、うどんやそばなどのデリバリー、ネットスーパーの宅配、牛乳配達などが含まれます。
食料品のデリバリーについては飲食料品の譲渡に該当するため、軽減税率が適用されます。
「一体資産」となる商品
一体資産とは、食品と食品以外の資産が一体となっている商品です。例えば、おもちゃやシール、アクセサリーなどのおまけつきのお菓子、紅茶とティーカップのセットなどが該当します。
一体資産のうち税抜価格が1万円以下で、なおかつ食品の価額を占める割合が3分の2以上の場合には、軽減税率が適用されます。
月に2回以上発行される新聞
週に2回以上発行される新聞も軽減税率の対象となります。軽減税率の適用対象となる新聞は、一定の題号を持ち政治、経済、社会、文化などの一般社会的な情報を掲載しているものと決められています。また、週に2回以上発行され、定期購読契約に基づいているものです。
定期購読契約に基づくものと定められているため、コンビニエンスストアなどで新聞を購入するといった場合には、軽減税率は適用されません。
軽減税率の対象外となる商品
軽減税率の対象外となる商品は以下のようなものが挙げられます。
- 酒類
- 外食
- ケータリング
- 医薬品や医薬部外品など
- 条件を満たしていない一体資産
- 水道水
- コンビニエンスストアや自動販売機で購入される新聞
- 会社が集客目的で不定期に発行する新聞
- 本みりんや料理用のお酒
テイクアウトと外食の線引きが難しいというケースもあるでしょう。一般的には、テーブルや椅子、カウンターといった飲食に使う設備があり、飲食をさせるサービスがある店で飲食する場合は外食になります。
飲食に使う設備がある店内で飲食せずに持ち帰る場合は、テイクアウトとみなされます。
軽減税率による事業者への影響
軽減税率ができたことで、事業者にもさまざまな影響があります。軽減税率の影響は以下のとおりです。
- 軽減税率に対応したレシートの発行が必要
- 軽減税率の影響で経理処理が複雑になる
ここでは、それぞれの影響について解説します。
軽減税率に対応したレシートの発行が求められる
消費税法の改正によって2019年10月1日以降、税率が8%と10%商品が混在するようになりました。そのため、事業者は軽減税率が適用される商品と、標準税率の商品を区別するためのレシートを発行しなければなりません。
例えば、軽減税率の対象となる商品に「※」マークなどをつけて、「※消費税8%」などと記載します。また、税率が8%のものと税率10%のもの、それぞれの税込合計金額を表示しなければならないため、複数税率に対応したレジ導入やシステム改修などが求められます。
あわせて、インボイス対象として振り分けた領収書・レシートが、インボイスまたは簡易インボイスとして記載要件を満たしているかの確認も必要です。
詳しくは以下の記事で解説しているため、参考にしてください。
インボイス制度が経費精算に及ぼす影響とは?領収書の取り扱いの変更点や注意点を解説!
軽減税率の影響で経理処理が複雑になる
軽減税率の開始に伴い、事業者は消費税額を正確に計算するために、軽減税率と標準税率の売上・仕入を分けて記載しなければなりません。また、税額の計算も軽減税率と標準税率を区別して計算する必要があります。
軽減税率の対象品目があれば軽減税率の対象品目である旨を記載したり、税率ごとに区分して記帳した帳簿に基づいて、消費税額を計算したりする必要があるため、経理処理が煩雑になり担当者の負担が大きくなりがちです。
複数の書類でインボイスの要件を満たす場合は、消費税の処理に注意しましょう。詳しくは以下の記事で解説しているため、参考にしてください。
軽減税率への日々の対応
軽減税率制度が施行されたことによって、日々の対応が求められます。例えば、仕入れや売上げ、申告などの対応が必要です。ここでは、軽減税率に対する日々の対応について詳しく解説します。
仕入れ(経費)
仕入れ(経費)に関する対応は、国税庁によると以下のようになっています。
■軽減税率対象品目の仕入れ(経費)があるか確認する。
■軽減税率対象品目の仕入れ(経費)がある場合、区分記載請求書等保存方式(P5参照)の下では、請求書等に「軽減税率対象品目である旨」や「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」の記載がなければ、これらの項目に限り、その取引の事実に基づき追記することも可能。
■請求書等に基づき、仕入れ(経費)を税率ごとに区分して帳簿等に記帳する。
また、軽減税率の対象となる品目の売上がない場合であっても、会議費や交際費などとして飲食料品を購入する際には対応が必要となります。
売上げ
売上げに関する対応は、以下のとおりです。
- 軽減税率対象品目を確認し、顧客からの問合せに答えられる準備をする。
- 軽減税率対象品目の売上げがある場合、区分記載請求書等保存方式の下では、請求
書等に「軽減税率対象品目である旨」や「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」
を記載して交付する(適格請求書等保存方式における記載事項は、P10 参照)。
- 請求書等(控)に基づき、売上げを税率ごとに区分して帳簿等に記帳する。
軽減税率制度は免税事業者も対応が必要です。免税事業者であっても課税事業者と取引する場合には、区分記載請求書等の交付が求められるケースもあるため注意しましょう。
申告
申告に関する対応としては、以下のような内容が挙げられます。
◎ 税率ごとに区分して記帳した帳簿等に基づき消費税額を計算する。
◎ 税率ごとに区分することが困難な場合、税額計算の特例により計算する。
このように、税率の異なる仕入れ(経費)や売上げを区分したうえで、申告や納税を行う必要があるため、しっかりと区分経理を行いましょう。
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まとめ
消費税法の改正によって、消費税率8%の品目と消費税率10%の品目を、それぞれ管理しなければいけなくなりました。軽減税率によって、軽減税率に対応したレシートの発行が必要となり、経理処理も複雑になっています。軽減税率に対応するために、ツールを導入するとよいでしょう。
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