・経理業務での膨大な紙の処理を非効率と感じていた
・経理業務ではツールと人に対しての投資が不十分なケースがある
・自社とクライアントの経理業務を電子化し、効率的に回すツールを求めていた
・手入力が必要な操作がかなり少ないこと
・経理に関するデータの流れがスムーズなこと
・UIが分かりやすく、誰にでも使いこなせそうなこと
「管理面からイノベーションを。」をキャッチコピーに掲げ、IPOを目指すスタートアップ企業を中心に税務顧問、税務相談サービスを手掛けるゴージュ株式会社/ゴージュ会計事務所。同社では自社の経理業務の効率化だけでなく、自計化を目指すクライアントへバクラクの活用をご提案、導入支援を手掛けています。
今回は、経理業界やクライアントが抱える課題、それに対して同社が提供しているサービスとそこで得られた成果について、同社代表の岡野さんと、顧客支援に向き合う河原林さんにお話を伺いました。
ーー 事業内容について教えてください。
岡野さん:税務顧問業務とIPO支援業務、大きく2つの事業を手掛けています。税務顧問業務で特に注力している分野が、IPOを目指しているスタートアップ企業の税務サポートです。創業から5年ほど経った2019年頃から競合事務所との差別化を目指し、スタートアップ企業が抱える課題解決に向き合うようになりました。効率的な会計業務フローの構築支援に強みを持っています。
もう一つの事業の柱であるIPO支援業務は、スタートアップ企業のクライアントと向き合う中で生まれたサービスです。具体的には事業計画の作成やそれに対するレビュー、管理会計の整備、稟議・承認フローの構築といった内部統制を整えていくことを目的としています。
ーー 河原林さんは会計業務は未経験でご転職されてきたと伺いました。どのようなきっかけから会計業務に携わるようになったのでしょうか。
河原林さん:私の前職はメーカーの営業でした。営業支援ツールを触ったことはある程度で会計業務はまったくの未経験。借方と貸方の違いさえ分からない状態から、新しいチャレンジを求めて会計業務に携わることになりました。
自分で売上を作る営業の仕事よりも、働きやすい環境を整え、陰ながら会社を支える仕事にやりがいを感じたことが背景にあります。しかし実際に会計業務に携わるようになって、仕訳や会計処理などのルールを覚えることに苦労しました。仕事をこなしながら勉強してキャッチアップし、自分なりの正解を探し続ける日々です。
岡野さん:河原林は顧客へ積極的に提案したいという成長意欲、会計知識をどんどん吸収したいという学習意欲が強いなと採用面談の段階から感じていました。クライアントが抱える課題に対する考え方は的を得たものであり、私の考えとも波長が合うと思い、頼もしい仲間として業務を任せています。
ーー 貴社では経理業界に対して、どのような課題を感じていますか。
岡野さん:創業当初より感じていたのが経理業務の非効率な面です。なぜ膨大な紙が使用されているのでしょうか。効率的でタイムリーな会計処理を目指すべきだと私は考えているのですが、すべての会計事務所が同じような考えを持っているわけではありません。
どうにかならないものかと考えていた矢先、電子帳簿保存法やインボイス制度が動きはじめ、ペーパーレス化の追い風が吹き始めたと思います。
ーーインボイス制度や電子帳簿保存法についても様子見をされている方や、経理業務のデジタル化を推進しない税理士、会計事務所の方もいるようです。
岡野さん:税務に関する業務のみを受けている税理士の方はデジタル化を推進するモチベーションが低いかもしれません。税務調査に対するリスクがどの程度あるのか、という考えが根幹にあるはずです。
一方、先のことを考えて視野を広げると会計=経営に直結します。ここに焦点を当てて、タイムリーに数字を見られるようにすること、フローを整えることが私たちの実現したいことです。
ーークライアント側の視点では、経理業務にどのような課題があると感じていますか。
岡野さん:前提として、私たちが接するクライアントはIPOを目指すスタートアップ企業が多く、少しでも早く会計状況を知りたいという経営者が多いです。ただ、それでも経理業務を軽視しがち、つまりツールと人に対して相応の投資がなされていないことも珍しくありません。
適正な会計基準に則り、タイムリーな会計処理を実現するのは、そう簡単なことではありません。このことをご理解いただき、ツールの導入と社内の経理体制を整えなければ、月初10営業日以内にミスのない数字を知ることは難しいと考えています。
河原林さん:私は営業経験があるので、売り上げや利益といったPLを重視してしまう経営者の思考はとても理解できます。しかし、将来のために資産を蓄積していく、バックオフィス業務の整備をしていくといったBSを経営者はもっと意識すべきだなと考えています。
ーー どのようなきっかけからバクラクを導入したのでしょうか。
岡野さん:経理業務を電子化し、効率的に回すことができるツールはないかと、常日頃からアンテナを張って情報収集をしていました。その一環で河原林から共有されたツールがバクラクでした。
河原林さん:バクラクに魅力を感じたのは、手入力が必要な操作がかなり少ないように感じたこと、経理に関するデータの流れがスムーズなことです。経理業務では、受け取った紙の請求書の内容をデータ化して仕訳に変換する作業が多いのですが、バクラクの場合はこの作業をスムーズに進行することができ、転記が一切ありません。データの流れがきれいであれば操作に迷うことなく、作業時間を短縮できるのではと期待しました。
また、UIが分かりやすく、誰にでも使いこなせそうなことも高評価でした。会計業務は未経験だった私でも問題なく活用できそうで、ぜひ自分の会計処理に使用していきたいなと感じたのです。
岡野さん:社内にツールを導入する際には、私自身もまずは実際に触るようにしています。河原林の評価通り使いやすく、AI-OCRによる請求書の読み取り精度が高いと感じました。この精度であれば手入力や入力し直しの必要もなさそうで、自社への導入だけでなくクライアントにもご提案できそうだと確信が得られました。
ーー 現在貴社では、どのような業務でバクラクを活用していますか。
河原林さん:主な活用方法は、IPOを目指しているスタートアップ企業へのご紹介とバクラク導入の支援です。将来的な自計化を視野に、内部統制の強化を支援する前の下準備としてバクラクをご紹介しています。クライアントに対するご提案の際には、将来的なIPOの準備、内部統制の強化に加えて、即時に最新の数字を確認できるようになるというメリットをお伝えしています。
また、クライアントのフェーズによってご紹介するバクラクのツールも異なります。ご提案の相手は経営者の方と経理担当の方ですが、実際に手を動かすのは経理実務の方なので、経理の現場の状況やタイミングを見計らってご提案するようにしています。
自計化の準備が整っていないクライアントに対しては、まずバクラク請求書をご紹介しています。請求書の処理と振込対応は間違いなく経理業務のボトルネックになるからです。
バクラク請求書の導入が落ち着き、請求書の処理フローが整い始めたらバクラクビジネスカードをご提案しています。スタートアップ企業には事前稟議や決済稟議といった文化がないことが多く、根付かせるのも簡単なことではありません。そこでバクラクビジネスカードを導入し、その利用報告で稟議に慣れてもらうことで、内部統制の強化に必要な事前稟議や決済稟議に対する心理的ハードルを下げるという狙いがあります。
その他にも、物理カードをたくさん作ってしまい、管理が大変だという経理担当の悩みも解決できることがメリットですね。
ーー 自計化支援でバクラクを導入いただいたクライアントからは、どのような感想をお聞きしていますか。
河原林さん:クライアントからの評判はすごくよいです。「バクラクを導入したけどダメだった」という話は聞いたことがありませんし、経理業務に必要不可欠なツールになっていますね。
ただ、バクラク請求書の機能をまだまだ使いきれていないクライアントも少なくありません。そうしたクライアントのため、我々も引き続きフォローをしていかねばと考えています。
ーー その他の業務では、どのような場面にバクラクを活用していますか。
河原林さん:毎月届く請求書の枚数が30枚を超えてくるクライアント、特に消費税の処理が軽減税率と標準税率に分かれることが多いクライアントの場合はインボイス制度への対応も難しくなるので記帳代行サービスをご案内し、そこでバクラクを活用しています。
具体的には、お客さまからお預かりした請求書の処理と支払い、仕訳までの流れにバクラク請求書を活用して業務を効率化しています。バクラク請求書は取引先ごとの勘定科目を自動で学習してくれるため、ミスが少なくなりました。
単純に請求書や領収書を電子化してくれるサービスもありますが、当社ではルール化してフローの中で管理をしたいので、バクラクが適しています。
弊社も請求書や領収書を電子化するだけのサービスをヘビーユーズしていた頃もあったのですが、あとから内容をチェックするときや証憑を電子で確認したいとき、仕訳が転記されていないので自分で一つひとつ探さなければいけない、という手間がありました。バクラクであれば、電子化の先のルール化してフローで管理することができるため、あとからの検索が容易なのです。
また、バクラクのCS担当の方にはこちらからの質問や相談に対応していただき、感謝しています。
ーー 今後の展望をお聞かせください。
岡野さん:世の中のあらゆる仕事がますます電子化していくなかで、私たちも最先端の技術やツールをキャッチアップしていかねばならないと考えています。そして、クライアント数が多くかつ難易度が高くても、少人数で案件をこなすことができる「効率的な会計事務所」を目指していきたいですね。技術やツールで単純な業務は効率化することで人にしかできない価値をクライアントに提供し、スタートアップ企業の経営に会計の力を活かしていただきたいと考えています。
また、採用や育成も将来的に力を入れていきたい領域です。河原林も入社時は未経験ではありましたが、バクラクのようなツールを積極的に活用していくことで、わずか3年でクライアントの会計を支えられるようになりました。単純な業務をツールで効率化し、IPO領域の専門的な知識や実績を積み上げられたからこそです。
お取り組みさせていただくクライアントに対しても、経理業務の電子化や効率化に興味はあるけどあと一歩が踏み出せないと、悩んでいる企業こそぜひ一緒にお取り組みさせていただきたいですね。