・受領請求書700件の処理にミス・遅延が発生していた
・Excelによる部門ごとの予算の消化率管理やコミュニケーションが煩雑だった
・ガバナンスが整備された結果、全社で承認、申請に関する工数が増えていた
・AI活用に注力しており、ユーザーインターフェースが圧倒的にわかりやすいこと
・予算の消化率の管理ができること、ワークフローのフォームや経路作成の柔軟性が高いこと
・スマホアプリが充実しており、試合やスカウティングの出張先から申請がしやすいこと
・支払申請の効率化や平準化により、ミスや遅延を削減できた
・部門別に年間予算の消化率をリアルタイムで見える化できた
・承認の手間を半減し、経理メンバーの残業を1人あたり月間5〜10時間減らすことができた
日本代表選手らを擁し、Jリーグで人気を誇るプロサッカーチーム・FC東京。
クラブを運営する東京フットボールクラブ株式会社(FC東京)では、海外クラブへの移籍金やFIFA(国際サッカー連盟)への支払いなどサッカーチーム特有の支払いを含め、月に約700件の請求書を処理しています。そうした中で、月次決算の早期化を目指し、人を増やさず業務を効率化する手段として、バクラクシリーズを導入しました。
今回は、経費精算や各種申請を含むワークフローシステムの乗り換え、請求書処理のシステム導入の経緯や成果について、経営管理本部の猿渡さん、高崎さん、経理業務を支援するアカウンティングサポート株式会社の矢野さんにインタビューしました。
※バクラク請求書受取、バクラク申請、バクラク経費精算、バクラクビジネスカードをご利用いただいています。
——バクラクシリーズ導入前は、どのような課題があったのでしょうか。
FC東京・猿渡さん:弊社では、月に約700件の請求書を受け取っています。請求書の処理件数が多いので、遅延やミスが起きてしまう課題がありました。以前からデジタル化はしていたのですが、利用していたツールのユーザーインターフェースが少し使いづらく、申請者側で処理に時間がかかったり、申請の金額や振込先口座の入力ミスが生じたりしていました。
また、部門別の予算管理も課題でした。以前はExcelを使って手動で管理していたため、各部門の担当者は予実の状況をリアルタイムで把握できていませんでした。物品の購入をしたいときには、私に問い合わせがきて予算の残額を伝えていたので、大きな手間がかかり、スピード感に欠けていました。
FC東京・高崎さん:弊社は2021年からMIXIグループに入りました。ガバナンスがより整備されたことで、稟議の件数が増えるなど、ワークフローの工数が全体として増えていました。その負担を軽減したいという課題もありました。
また、Jリーグは2026年に春秋制から秋春制へのシーズン移行を控えています。それに伴って、月次決算を締めるタイミングが早まります。これまでは親会社とのずれがあり、2ヶ月ほどかける余裕があったのですが、移行後は翌月7営業日で確実に締める必要が出てきます。人を増やさずに対応するために、ITツールやAIを使って業務効率化をしなければならず、総合企画部にコンサルで入っていただいている矢野さんに相談していました。
——もともと別のワークフローシステムを利用されていましたが、バクラクシリーズへの乗り換えを決めていただいた理由を教えてください。
アカウンティングサポート・矢野さん:経理だけでなく、全社的に業務フローを最適化することで解決できる課題は多いと考えています。そこで、経理処理の前段階の流れを含めてまるごと効率化する方法を考え、バクラクをおすすめしました。
ユーザーインターフェースが圧倒的にわかりやすいので、全社で理解していただきやすく、課題を解決できると考えました。すでに導入していた会計ソフトのfreeeとの相性も良く、申請者側のみなさんの課題も解決できるシステムです。
また、バクラクを提供するLayerXさんはAIに大きく投資しているので、今後の成長も期待できると考えていました。ほかにもいくつかのツールを提案していましたが、現状の課題や、今後実現していきたい業務フローを伺っていたので、FC東京さんもバクラクについて良い印象を持たれるだろうと想像していました。
——ありがとうございます。猿渡さんはいかがでしたか?
FC東京・猿渡さん:ユーザーインターフェースの良さは魅力でした。やはり申請者が使いづらいと、遅延やミスが生じてしまうからです。
サッカークラブの業務特性として、試合の遠征やスカウティングのための出張が非常に多く、オフィスになかなか戻ってこないスタッフもいます。バクラクはスマホアプリも使いやすく、請求書や領収書を撮影し、簡単に申請できるので、その点は大きなメリットだと感じました。
また予算の消化率の管理ができること、ワークフローのフォームや経路作成の柔軟性が高いことからバクラクを選びました。
——ワークフローシステムの移行はスムーズに進みましたか?
FC東京・猿渡さん:正直、もう少し時間がかかるかと思っていましたが、想定よりもスムーズでした。導入にあたっては、高崎をリーダーとするプロジェクトチームを組成しました。週1回の定例ミーティングを行いながら、テストをしたり、今の業務フローを変えなければいけないところがあるか洗い出したりして進めてきました。
FC東京・高崎さん:定例ミーティングでは、視野を狭めないため、私と猿渡は“作る側”にはあまり入らないように気をつけていました。メンバーが作ってきてくれたフローや資料に対して、「初見でどう思うか」を大切にして客観的にレビューしていました。
また、小平・深川・調布の3拠点があるので、各拠点に経理担当者と矢野さんが出向いて、申請者向けの研修会も実施しました。2025年シーズンに入るタイミングで本稼働させ、大きな混乱なく申請者側で申請ができていましたし、申請スピードも早まっています。
——矢野さんは、導入がスムーズに進んだ要因をどのように見ていますか?
アカウンティングサポート・矢野さん:高崎さんと猿渡さんがリーダーシップを取って、他部署も巻き込みながら進められていたのが非常に素晴らしかったと思います。また、導入プロジェクトメンバーの皆さんも、バクラクについて様々なケースを想定し、熱心に研究されたり、他部署にフォームの使い心地を細かくヒアリングしたり、準備段階で相当なご尽力をいただきました。
このように、高崎さんを軸としたプロジェクトチームを中心に全社的なご協力もあり、導入後は大きな混乱もなく、比較的スムーズにご利用いただけていると伺っています。
——バクラクシリーズを導入したことで感じるメリットは何ですか。
FC東京・高崎さん:承認者として人によっては月間何百件も承認しているのですが、体感として承認にかかる時間は半分程度になっていると思います。
FC東京・猿渡さん:業務効率化を実現できて、経理メンバーの残業時間は平均すると1人あたり5〜10時間は減っています。チーム全体でも数十時間は減っています。
要因としては、AI-OCRの効果が大きいと感じます。申請者側が、今まで多くの項目を手入力して、「ここは間違っていないだろうか」と確認に時間を使い、経理に申請が届くのが遅れてしまっていました。バクラクでは自動入力できる項目を中心にして、それ以外の入力項目を減らしたので、申請者側の負担も減っています。請求書に色付けをして補足してもらえるので、我々も確認しやすくなっています。
(編集部注:バクラクでは取引先、金額、日付等を自動読み取りします。)
さらに、購買の予算消化率の管理も便利です。申請者側からもリアルタイムで残高を見られるので、以前のように私に問い合わせをする必要がなくなりました。
——業務をする上でお気に入りの機能はありますか。
FC東京・猿渡さん:請求書などの証憑をチェックする際、今までは1枚ずつダウンロードしなければ請求書を見られなかったのですが、今は証憑と仕訳を横並びで見られるのが便利ですね。
アカウンティングサポート・矢野さん:他の経理メンバーの声も聞いてきたのですが、仕訳の学習機能によって仕訳の入力作業の時間を短縮できていると聞いています。インボイス制度の登録番号の確認の負担も減っているとのことでした。
——業務効率化に向けた改善のお取り組みについて、今後の展望をお聞かせください。
FC東京・高崎さん:今後、月次決算を締めるタイミングが2ヶ月後から翌月7営業日へと早まります。現在、段階的に前倒しを進めているのですが、各部門が非常に協力的で、順調に進められそうです。バクラクを活用し、今後も業務効率化を進めていきたいです。
FC東京・猿渡さん:AIの活用は、経理の業務を短縮・効率化する上で大きなカギになってくるはずです。うまく取り入れ、業務フローをシンプルにし、人の手で動かす部分を減らしていきたいです。
私たちは兼務をしており業務は多いため、ルーティンの業務を減らして空いた時間を使って、会社の将来像をファイナンス面から作っていく業務にもっと力を入れていきたいですね。
——最後にバクラクシリーズ導入を検討している企業様へメッセージやアドバイスをいただけますか。
FC東京・猿渡さん:導入時にツールの印象が悪くなってしまうと、申請者側も使いたいという意欲が削がれてしまうかもしれません。その点、バクラクは利用者の声を拾って頻繁にアップデートされていますし、このユーザーインターフェースを体験してみるのがおすすめです。
FC東京・高崎さん:請求書の多い企業様、仕訳や経理業務が逼迫している企業様は、バクラク導入が業務効率化につながると思いますので、ぜひ導入を検討いただければと思います。
アカウンティングサポート・矢野さん:私は複数のサービスに触れていますが、バクラクはとにかく使いやすいところがポイントです。DXが難しいと感じている企業様がいましたら、まずはバクラクの話を聞いてみてほしいと思います。
多くの企業が“高精度”を謳う中、バクラクはAI-OCRの精度をはじめとするAI活用機能に強みを持っています。では、どのようにしてその強みを実現しているのか、他社サービスと比較してどのような違いがあるのか、解説します。
本資料はバクラクを活用した経理業務の改善事例集です。請求書の発行や支払処理、経費精算、法人カードの処理、また法令対応の負担軽減をどのように実現したのかお客様にインタビューした事例を5社分掲載しています。