・記帳業務を内製化することに伴う仕訳作成の手間
・請求書回収のフローが複数存在したことに伴う管理の手間
・手作業による請求書のダウンロードやアップロードの手間
・作業しやすいUI(操作画面)と機能
・高いAI-OCR(自動読み取り)の精度
・業務フローとのマッチ
・月次決算の締めを4営業日短縮
・細かいマニュアルを作ることなく全社に展開
・現場の主管担当者の作業を増やさない業務フロー構築に寄与
従業員数600名を誇るアンドパッドでは『バクラク請求書』『バクラク申請』『バクラク経費精算』を導入し、経理業務の効率化を進めています。
今回は同社で経理体制の構築と業務効率化を主導した、高木翔平さんに取り組みの流れとポイントについて伺いました。
(本稿は2023年5月18日に開催されたセミナー内容を元に構成しています)
――まずは経理業務の効率化に取り組まれてきた経緯から伺えますか?
私が入社したタイミングは、記帳業務の内製化に向け準備している段階であり、実務上は税理士事務所に記帳を委託している状況でした。
そこから自社での内製化を進め、さらに精度高くスピーディーな処理を実現するために3つのステップで改善に取り組みました。
2021年10月、経理処理の主体を税理士事務所から社内の経理チームに移管しましたが、仕訳作成に課題を抱えていました。
そこで、仕訳作成効率化のため、2021年12月に導入したのが『バクラク請求書』です。
次に支払申請と経費精算を効率化の対象としました。従来は支払申請はSlack、経費精算は別のシステムで行っていたのですが、2022年6月から『バクラク申請』『バクラク経費精算』に置き換えました。
特に大きく変化したのが請求書回収の運用フローです。
『バクラク申請』の導入前は請求書回収のパターンに応じたSlackチャンネルを設け、手作業を行っていました。複数のチャンネルを管理し請求書をダウンロードし、会計ソフトへ投入する、という負担の大きい運用でした。
『バクラク申請』の導入に伴い、運用はシンプルになりました。請求書の支払申請の入り口は『バクラク申請』に集約され、仕訳作成を行う『バクラク請求書』に自動連係されます。そこから会計ソフトに連係することで起票処理が自動的に行われ、支払処理へと続いています。
請求書回収の運用フローが整理された事により、手作業による処理量が減少しました。
経理チームだけでなく、請求書回収に関わる主管担当部門の運用も変化しましたが、社内説明会や請求書数が多い主管担当者に対する個別レクチャーによってスムーズに運用が実現できました。
――効率化に取り組む中で高木さんが心掛けた事を教えてください。
まず、内製化にあたっては経理チームのみで仕訳の処理を行うと決めました。会社宛ての全ての請求書の処理や稟議との紐付け有無の確認など業務量も多かったのですが、主管担当部門の負担を最小限にする、という意思を込めてこだわった点です。
加えて、会計データを様々な観点から分析できるように、仕訳に各種情報を持たせデータベースとして活用する方針で検討を進めました。会計データは財務会計上正しいだけではなく、より付加価値のある情報にしなければいけないと考えました。
経理チームの人数を増やさずに内製化を実現する手段として、バクラクを選びました。
――そこでバクラクを導入いただきました。背景と理由について伺えますか?
『バクラク請求書』はとにかくUIが良く作業しやすかったです。AI-OCRの精度も高いですね。
『バクラク申請』『バクラク経費精算』については経理チーム以外の従業員が利用するものなので、全社展開が必要でした。初見でもわかりやすいUIになっており、細かなマニュアルを作成する必要がない点は大きかったです。
また、全ての仕訳を経理チームで処理する当社の業務フローの実現に最適です。過去にバクラク請求書で処理をした取引先からの請求書は、前回処理をした際の仕訳内容が自動的に反映されるため、新規取引に対してのみ注力する体制を実現できました。
――月次決算は何日程度かかっていますか?
月次決算は元々9営業日かかっていましたが、バクラクシリーズの導入をベースとした業務フローの整理により5営業日まで短縮することができました。
――600名の規模にも関わらず5営業日で締めている、というのは相当早いですね。どのような考えで業務効率化を進められていますか?
業務効率化は「精度と速度を同時に高めること」だと考えています。
精度を高めるために、常に経理チーム内では「人を信じない」つまり、誰が行っても間違えない、またはミスを見つける仕組み構築が重要と考えています。
また、精度と速度を高める際にはミクロとマクロの視点が大切です。
――ミクロとマクロの視点について具体的に教えてください。
ミクロとは、1件ずつの請求内容の誤りといった間違えをなくす業務を指し、マクロとは月次推移の増減に異常がないか確認するような業務を指します。
ミクロな業務が効率化できればマクロで推移を確認する業務に時間を割けます。バクラクはミクロな業務の効率化に役立ちますね。
これから業務効率化を考える企業の方は、まずミクロの間違えをなくすところから始めると効果があると思います。
――速度を上げる際のポイントはありますか?
まず全社的な仕組みの構築を考え、細かな経理業務の効率化に移るという順番が大切です。
全社的な仕組みの構築については、主管部門から経理チームに情報が届く時間を短くするために、請求書処理が俗人化しないこと、手作業が極力介入しない業務フローを組むことが重要です。
一方、細かな経理業務の効率化については、仕訳起票の手入力を減らし、変更点だけに注力する仕組みを作ることが重要です。
バクラクシリーズは、使いやすさにこだわったシステムだと感じています。また、毎月アップデートが行われており、新機能もどんどん実装されているので、導入後もさらなる利便性向上が期待できます。