・紙の請求書が非常に多く、保管場所の確保や管理が大きな負担となっていた
・請求書の情報を1件ずつ手入力し、仕訳を行う手間が大きかった
・取引先に負担をかけず、受領した請求書をスキャンするだけで処理できること
・AIによる自動読み取り機能や自動仕訳機能により、業務負荷を軽減できること
・既存システムとの連携が可能だったこと
・請求書データの手入力作業や入力ミスが減少した
・AIによる仕訳候補の提示により、仕訳業務の工数を減らせた
・過去の請求書の検索や参照が容易になった
兵庫県病院局は、県立病院を運営する公的機関として県内の医療サービスを支える組織です。同局は長年、病院のバックオフィス業務を紙書類中心で運用してきました。
しかし近年の働き方改革やデジタル化推進の流れを受け、病院局経営課と県立病院・診療所11拠点の請求書の電子化に踏み切りました。そこで採用されたのが、「バクラク請求書受取」です。
今回は、同局が抱えていた課題やバクラクを導入した経緯、導入によって得られた効果や今後の展望を兵庫県病院局経営課 主任 藤田幸宏氏と、同課 万本惇司氏、兵庫県立こども病院総務部経理課 課長 前田種男氏に伺いました。
兵庫県病院局では、働き方改革を目指し、「ICTを活用した業務改革」を推進する県全体の方針を背景に、病院のバックオフィス業務を効率化する方法を模索していました。特に注目したのが、紙で処理していた請求書の電子化です。
病院ごとに薬品や診療材料、食材の仕入、外部委託業務など、多岐にわたる請求書が届きます。また、郵送または手渡しで請求書を受領するのが一般的であり、基本的には紙で処理を行っています。
今回取材に伺った「兵庫県立こども病院」でも、1ヶ月で本棚1段ほどの紙の請求書を処理することも珍しくありませんでした。バクラクの導入を担当した万本氏はこう話します。
「ほかの自治体では紙のファイル量があまりに多く、庁舎が傷むという話も聞きました。こども病院でもこれだけ紙が増え続けると保管場所の確保だけでも大変です」
請求書を1件ずつ入力し、仕訳、ファイリングして保管する、そうした手間を減らすことが喫緊の課題でした。こうした状況を受け、請求書の読み取り、データ化が可能なシステムを探し始めることになりました。
兵庫県病院局経営課及び各県立病院の経理課では、公営企業会計システム「SOFIA(ソフィア)」を使い、複式簿記で仕訳を行っています。単式簿記を採用している本庁の一般会計とは仕訳ルールが異なるため、一般的な自治体向けシステムがそのまま流用できませんでした。そこで、検討時には自治体の運用事例ではなく、民間企業の導入実績をリサーチしたといいます。
また、以前には他社の請求書受領システムを検討したこともありましたが、取引先に負担が発生するため、実証実験で撤退した経緯がありました。
「取引先に負担をかけないことが必須でした。そのため、紙やメール添付で届いた請求書をスキャンするだけで読み取ってくれるタイプがいいと考えました」(万本氏)
複数システムを比較検討する中で、最終的にバクラクを選んだ理由については、「事業者名の正確な読み取りと会計システムとの連携が決め手だった」と万本氏は説明します。
「バクラクなら事業者名を会計システム上の登録名や番号と紐付けられますし、過去の取引を学習してAIが仕訳候補を提示する点もポイントでした。実際に経理業務で使用している請求書を読み込ませたところ、手書きも一定読み取れたので、これなら運用できるだろうという感触でした」
導入から約4ヶ月が経過した段階で、こども病院ではすでに3,000件以上の請求書をバクラクで処理しています。導入前に想定していたよりも早く、バクラクで処理できる請求書件数が増えているといいます。
こども病院にかぎらず、県立病院・診療所あわせて11拠点へのバクラクの展開も進めています。展開にあたってはどのように説明を実施していたのでしょうか。
万本氏は、「システム導入の説明で心がけていたのは、単に電子化を目的とするのではなく、業務効率化の手段として電子化するという点をはっきり伝えることでした」と話します。
また病院に赴いての説明会も実施しています。バクラクの導入支援サポートも後押しになったと、拠点展開を推進する藤田氏は評価します。
「問い合わせへのレスポンスが早い点は大変助かっています。病院での現地説明会に同行していただき、説明や質疑応答に対応いただくなど、手厚いサポートも実感しています。また、導入前の採用するかどうか分からない段階から、検証のため、会計システムの科目の設定などを丁寧に実施してくださったので、営業担当の方にもとても感謝をしています」
導入後の業務の変化について、こども病院で経理実務を管轄する前田氏はこう語ります。
「導入当初の1~2ヶ月はシステムの使い方を覚えながらの業務で正直大変さもありました。ですが、4ヶ月目を迎えた今は、データ読み取りや仕訳の精度が上がっていて、どんどん使いやすくなっている感覚があります。手入力しなければならない件数も減っていますし、数字の打ち間違いなどのミスも減っています」
「過去の請求書を探す手間が省けたのも、バクラクを利用してみて楽になったことでした。検索や参照がすぐできるので、監査対応や過去仕訳を確認する際に、ファイルから該当の請求書を探し出す手間がなくなることも期待できます」(前田氏)
また、兵庫県庁は部署異動も多く、さらに本庁(単式簿記)と病院局・病院(複式簿記)では仕訳方式が異なります。そのため、仕訳候補を自動で提示する機能は、今後新たに異動してくる方の学習コストを削減できるというメリットもあるといいます。
兵庫県病院局では、こども病院での業務負担削減の成功事例を他の拠点にも浸透させていくべく取り組んでいます。最初は新しいシステムへの抵抗感を拭えないことも多い中で、「とにかく楽に業務ができるように、というのがキーワードです」と藤田氏は意気込みを語ります。
また、今後の人手不足や建物の老朽化、省スペース化に耐えうる体制を作っていくために、さらなる効率化、電子化も視野に入れています。
「電子決裁システムとの併用を進めることで、紙での受領をなくし、メールでのやり取りと電子決裁で完全な電子化を実現することが目標です。ペーパーレスとストックレス(保管場所の削減)によって、現在の紙の保管場所を他のことに活用できる場所に変えたり、人手を増やさずとも業務をスムーズにまわせるようにしていきたいと考えています」
最後に、同様にペーパーレス化、業務改革をミッションとする担当者へのメッセージを伺いました。
「ペーパーレス化やストックレス化を目指す企業にとって、バクラクの導入は足がかりとして良いと思います。保管場所を減らしていくことは、病院全体のコストカットにもつながっていきます。また公的機関では、まだまだ電子化についての知見が豊富なわけではないはずですので、まずはどのような事例があるか、最新のシステムでどのようなことができるのか、をバクラクの担当者の方に聞いてみるだけでも、知見が広がるので価値があると思います」(藤田氏)
本資料は従業員数1,000名を超える大企業様向けのバクラクシリーズの紹介資料です。ツールの分散をなくし、稟議から会計処理までを一気通貫でサポートするバクラクシリーズの強みや、サービスごとの機能をご紹介しています。
本資料はバクラクを活用した経理業務の改善事例集です。請求書の発行や支払処理、経費精算、法人カードの処理、また法令対応の負担軽減をどのように実現したのかお客様にインタビューした事例を5社分掲載しています。