法人カードで貯めたポイントの適切な会計処理は?仕訳例と経理上の注意点

経費の支払いにクレジットカード(法人カード)を使う企業は珍しくありません。個人カードと同様に法人カードにもポイントが付きます。法人カードは個人カードより限度額が高く、取引金額も大きくなるためポイントがたまりやすいことが特徴です。

ポイントを上手に利用すれば経費削減になりますが、ポイントの使い方によって適切な会計処理をする必要があります。本記事では、法人カードのポイントの会計処理方法や注意点を解説します。

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法人カードで貯めたポイントの適切な会計処理は?仕訳例と経理上の注意点

法人カードで得たポイントは使用時に会計処理する

法人カードのポイントを取得した時点では、金銭の移動がないため会計帳簿へ記録する必要はありません。ただし、付与されたポイントを日々記録し、将来利用するときに備えて管理することが重要です。

ポイントの会計処理は、主にポイントを使用したときに行われます。会計処理方法や勘定科目はポイントの使い方や購入・交換する物品によって異なるため、実際にどのような使い方をしたかによって適切な会計処理を行いましょう。

また、ポイントを利用した取引が課税対象になるかどうかもポイントの使用方法によって異なります。ポイントの使用額が大きい場合は、事前に税理士へ相談しておくと安心です。

参考:共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店A)及びポイント会員の一般的な処理例

法人カードで貯めたポイントの経理処理と仕訳例

ポイントを使用する際の会計処理は、ポイントをどのように使用するかによって異なります。

この章では、以下の5つのケースに分けてポイントの会計処理方法を解説します。

  • ポイントを商品と交換する場合
  • ポイントを金券・商品券と交換する場合
  • ポイントで備品や従業員へのプレゼントを購入する場合
  • ポイントでキャッシュバックを受ける場合
  • ポイントとマイルを交換する場合

ポイントを商品と交換する場合

法人カードのポイントを商品と直接引き換える場合、借方を仕入高、貸方を雑収入として会計処理します。

たとえば3,000円の商品をポイントと引き換えた場合、以下のように仕訳を行いましょう。

借方貸方
仕入高3,000円雑収入3,000円

なお、ポイントを金券や商品券と引き換えた場合は会計処理が異なるため注意が必要です。

ポイントを金券・商品券と交換する場合

法人カードのポイントを金券と交換する場合は借方を前払金、貸方を雑収入として会計処理します。また、商品券をポイントと引き換える場合の会計処理は商品券の用途によって異なりますが、借方は貯蔵品や交際費、貸方は雑収入として処理しましょう。

たとえば、3,000円の金券・商品券をポイントと引き換える場合の仕訳は以下のようになります。

<金券と交換する場合の仕訳例1>

借方貸方
前払金3,000円雑収入3,000円

<商品券と交換する場合の仕訳例2>

借方貸方
貯蔵品3,000円雑収入3,000円

ポイントで備品や従業員へのプレゼントを購入する場合

ポイントでオフィスの備品や従業員へのプレゼントを購入する場合、全額ポイントで支払うのか一部のみポイントで支払うのかで会計処理方法が異なります。

全額ポイントで支払う場合、借方は購入物品に適した勘定科目、借方は雑収入として会計処理します。

<オフィスで使用する消耗品を全額ポイントで購入した場合>

借方貸方
消耗品費5,000円雑収入5,000円

<従業員へのプレゼントを全額ポイントで購入した場合>

借方貸方
交際接待費5,000円雑収入5,000円

一部のみポイントで支払う場合の会計処理方法には「値引処理」と「両建処理」の2通りがあります。たとえば備品の購入代金5,000円のうち2,000円をポイントで、残りの3,000円をクレジットカードで購入する場合、それぞれ以下のような処理を行います。

<値引処理の場合>

借方貸方
消耗品費3,000円未払金3,000円

※ポイント利用の値引分2,000円は記載不要

<両建処理の場合>

借方貸方
消耗品費5,000円雑収入2,000円
未払金3,000円

ポイントでキャッシュバックを受ける場合

ポイントを利用して月々の支払額からキャッシュバックを受けられる場合もあります。カードによっては自動でキャッシュバックできるものもあり、還元率もカードの種類ごとに異なるため、使用している法人カードの規約などを確認しておきましょう。

キャッシュバックによる減額分は、雑収入として会計処理します。たとえば、カードの引き落とし額30,000円のうち、5,000円のキャッシュバックを受けた場合は以下のように仕訳を行いましょう。

借方貸方
未払金30,000円預金25,000円
雑収入5,000円

ポイントとマイルを交換する場合

出張などで飛行機を利用する機会が多ければ、法人カードのポイントを航空会社のマイルと交換するのもよいでしょう。

カードのポイントとマイルは、会計処理上は同じ扱いです。そのため、ポイントとマイルを交換する際に会計処理をする必要はなく、マイルと航空券の引き換えの際に値引処理または両建処理で仕訳を行います。

たとえば50,000円の航空券を20,000円分のマイルとクレジットカードで購入する場合、以下のどちらかの方法で会計処理を行いましょう。

<値引処理の場合>

借方貸方
旅費交通費30,000円未払金30,000円

※ポイント利用の値引分20,000円は記載不要

<両建処理の場合>

借方貸方
旅費交通費50,000円雑収入20,000円
未払金30,000円

マイルをポイントに替える場合も、交換する際に会計処理する必要はありません。たとえば20,000マイルを16,000ポイントに交換し、備品を購入する際は以下のように会計処理しましょう。

借方貸方
消耗品費16,000円雑収入16,000円

法人カードで貯まったポイントの使い道

法人カードのポイントには期限があることが一般的です。期限が切れないうちに使い切れるよう、日常的に使用しましょう。

以下の記事で、おすすめの使い道を詳しく紹介しています。

法人カードのポイント還元率はどれくらい?ポイントを貯めるコツと活用方法 – 法人カードならバクラクビジネスカード

法人カードのポイントを使う際の注意点

法人カードを利用する際はいくつかの注意点があります。

以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。

法人カードで個人の買い物が発生した場合の仕訳は?誤った個人利用のリスクも解説

バクラク経費精算は法人カードと連携可能

株式会社LayerXが提供する経費精算システム「バクラク経費精算」は、法人カードとの連携が可能です。法人カードの利用明細を自動で読み込めるため、申請の手間や経理処理がラクになります。

経費精算システムと法人カードを連携すれば、付与されたポイントの管理の手間も削減できます。また、利用明細が自動入力されるため不適切なポイント利用に気付きやすく、コンプライアンス遵守にも効果的です。

経理業務の効率をアップさせ、ポイント利用の透明性を確保するためにも、法人カードと連携できる経費精算システムを選びましょう。

経理業務の効率化にお悩みなら「バクラク請求書発行」もおすすめです。

まとめ

法人カードで付与されたポイントの会計処理方法は、ポイントの利用方法や引き換える物品の使用目的によって異なります。ポイントを付与された際の会計処理は不要ですが、ポイントを使用する際は適切な会計処理を行わなければならないため、普段からポイントを管理しておきましょう。

法人カードのポイント利用の透明性を高め、経理業務を効率化するには法人カードと経費精算システムの連携がおすすめです。法人カードとの連携が可能なバクラク経費精算について詳しく知りたい方は、以下の資料もぜひダウンロードしてみてください。

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