消費税をクレジットカードで支払うメリット・注意点・納付の流れ
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-09-06
法人としての消費税支払いにおいて、クレジットカードの使用が可能かどうか気になる方も多いでしょう。
消費税はクレジットカードで納付でき、支払いが簡単におこなえるなどのメリットがあります。
この記事では、クレジットカードで消費税を支払う際のメリットや注意点、具体的な納付の流れについて解説します。
請求書処理、経費精算、法人カードをなめらかに連携
消費税はクレジットカードでの支払いが可能
法人の消費税は、クレジットカードで納付することが可能です。「国税クレジットカードお支払いサイト」にアクセスして手続きすれば、夜間・休日に関係なくいつでも納付できます(e-Taxからアクセスする場合は、e-Taxの利用可能時間に限る)。
通常、事業者は消費税の申告・納付を、決算から2ヵ月以内にしなければなりません。
ただし、前々年の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主、もしくは前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下の法人であれば、小規模事業者として消費税の納付が免除されます。
また、法人の消費税には、その年に納める消費税を確定申告前に何割か申告・納税する「中間申告」という制度があります。中間申告の際にも、納付をクレジットカードでおこなうことが可能です。
なお、中間申告制度はすべての事業者に適用されるものではありません。中間納付をおこなう旨を届け出た事業者や、直前の課税期間に納めた消費税額が一定以上の事業者に適用されます。
消費税をクレジットカード納付するメリット
法人の消費税をクレジットカードで支払うことには、さまざまなメリットがあります。以下では、そのおもなメリットを詳しく紹介します。
現金がなくても納付できる
消費税の納付にクレジットカードを利用するメリットの一つは、現金がなくても納付できることです。クレジットカード払いの場合、所定の引き落とし日に支払うため、消費税納付時には現金を手もとに用意する必要がありません。
また、法人の消費税は税額が大きいことから、納付するために現金を持ち歩くと、紛失や盗難のリスクがともないます。クレジットカードを利用すれば、このようなリスクを回避できます。
時間や手間をかけずに支払える
従来の消費税の納付方法では、金融機関や税務署の窓口、コンビニエンスストアなどに足を運ぶ必要がありました。このような納付方法は手間と時間がかかり、忙しい経営者にとって大きな負担です。
クレジットカードを利用すればインターネットから納付できるため、納付場所まで出向く必要がありません。納付に行く暇がないときでも、隙間時間で簡単に納税できます。
税金を一元管理できる
法人が納めなければならない税金は、消費税以外にも複数あります。税金によって納付のタイミングや納付先が異なるため、現金で支払うと管理が複雑になり、納付漏れが生じるリスクも高まるでしょう。
しかし、消費税などの税金の納付をクレジットカード払いにすれば、税金を一元管理できます。カード会社から毎月発行される利用明細で、納税額や納付状況が簡単に確認できるようになります。
消費税を分割払いで納付できる
法人の消費税をクレジットカードで納める際には、支払回数を選ぶことが可能です。具体的には、一括払い以外に、分割払い(3回・5回・6回・10回・12回)、リボ払いがあります。分割払いにして支払回数を増やせば、1回あたりの負担を減らせるため、資金繰りする際に役立つでしょう。
ただし、分割払いやリボ払いを利用すると、カード会社がそれぞれ定める手数料がかかる場合があります。また、クレジットカードのなかには、分割払いを利用できないものもあるため注意が必要です。
ポイントが貯まる場合がある
クレジットカードの種類によっては、利用金額に応じてポイントが貯まります。法人が支払う消費税額は大きいため、クレジットカードの利用で多くのポイントが付与される可能性があります。
ただし、税金納付時に利用した際のポイント付与率が、通常の付与率と異なる場合もあるのであらかじめ確認しておきましょう。さらに、そもそも税金納付がポイント付与の対象外とされているクレジットカードも存在するため、事前に付与条件を確認することが大切です。
消費税の支払いをクレジットカードでおこなう方法
消費税の支払いに利用できるクレジットカードと、具体的な納付の流れについて詳しく解説します。
消費税の支払いに利用できるクレジットカード
消費税の納付に利用できるのは、以下のうちいずれかのマークが付いているクレジットカードです。
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
これらのカードを利用することで、インターネットを介した消費税納付が可能になります。
消費税のクレジットカード納付の流れ
「消費税はクレジットカードでの支払いが可能」の章で説明したように、消費税をクレジットカードで支払う場合は、国税クレジットカードお支払いサイトを利用します。金融機関や税務署、コンビニエンスストアはクレジットカード納付に対応していないため、Webサイトから手続きしなければなりません。
国税クレジットカードお支払いサイトを利用して消費税と納付する際の具体的な手順は、以下のとおりです。
1.「国税クレジットカードお支払いサイト」にアクセスする
消費税の金額が記載された申告書などを用意し、パソコンやスマートフォン、タブレット端末から、国税クレジットカードお支払いサイトにアクセスします。
2.注意事項を確認する
トップページに表示されている注意事項を読み、内容を理解したうえでチェックボックスにチェックを入れます。その後、「同意」ボタンを押して次に進みます。
3.納付情報を入力する
利用者情報として、氏名や住所などの基本情報に加え、納める税金の種類(ここでは「消費税及地方消費税」)を選択し、課税期間や納付する金額を正確に入力します。
4.クレジットカード情報を入力する
カード番号や有効期限などの情報を正しく入力します。このとき、納付手続完了メールを受け取りたい場合には、メールアドレスも入力しましょう。
5.内容の確認後、納付ボタンをクリックする
入力した情報を確認し、そのあとに納付ボタンをクリックして手続きを完了します。納付手続きが完了すると取り消しができないため、最終確認をしっかりおこなうことが重要です。
納付手続きの内容はあとから確認できないため、手続き完了ページを印刷するなどして保存するとよいでしょう。
クレジットカードでの支払いが可能な消費税以外の国税
国税クレジットカードお支払いサイトでは、消費税を含め、以下の国税が納付可能です。
申告所得税及復興特別所得税 | 消費税及地方消費税 | 法人税 |
法人税(連結納税) | 地方法人税 | 地方法人税(連結納税) |
相続税 | 贈与税 | 源泉所得税及復興特別所得税(告知分) |
源泉所得税(告知分) | 申告所得税 | 復興特別法人税 |
復興特別法人税(連結納税) | 消費税 | 酒税 |
たばこ税 | たばこ税及たばこ特別税 | 石油税 |
石油石炭税 | 電源開発促進税 | 揮発油税及地方道路税 |
揮発油税及地方揮発油税 | 石油ガス税 | 航空機燃料税 |
登録免許税(告知分) | 自動車重量税(告知分) | 印紙税 |
国際観光旅行税 | 国際観光旅行税(告知分) |
消費税のクレジットカード納付の注意点
クレジットカードを利用して法人の消費税を支払う際には、いくつかの注意点があります。クレジットカード納付をスムーズにおこなうために、以下の注意点について理解しておきましょう。
領収書は発行されない
法人の消費税に限らず、税金をクレジットカードで支払う場合、領収書は発行されません。納税した証明が必要な場合は、納税証明書の申請を別途しなければなりません。
納税証明書の取得には時間がかかるため、すぐに領収書が必要な場合は、クレジットカード以外での納付方法を検討しましょう。
決済手数料が必要になる
クレジットカードで消費税をはじめとする税金を納付する際には、納付税額に応じた決済手数料が発生します。決済手数料は以下のとおりです。
納付税額 | 決済手数料(税込) |
1円~1万円 | 83円 |
1万1円~2万円 | 167円 |
2万1円~3万円 | 250円 |
3万1円~4万円 | 334円 |
4万1円~5万円 | 418円 |
以降は、1万円を超えるごとに決済手数料が加算されます。 |
決済手数料は、国税クレジットカードお支払いサイトで試算できるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
納付の手続きを都度する必要がある
クレジットカードによる消費税納付は、一度手続きすれば継続して自動的におこなわれるものではありません。そのため、次回もクレジットカードで納付する場合は、同じ手順で手続きをおこなう必要があります。
納付手続きを忘れないよう、納税スケジュールを管理しましょう。
最大納税額が定められている
国税クレジットカードお支払いサイトでは、1回の手続きで納付できる最大額が1,000万円未満とされています。なおかつ、決済手数料を含む納付額は、利用するクレジットカードの決済可能額以下でなければなりません。
例えば、クレジットカードの利用可能枠が500万円あり、400万円分をすでに利用しているとします。この場合、消費税納付額が100万円を超えるときには、クレジットカードでの納付ができません。
このような制限があるため、クレジットカードで税金を納める前には利用可能枠を確認し、不足がないように注意する必要があります。
クレジットカードでの消費税納付ならバクラクビジネスカード
バクラクビジネスカードは、法人の消費税納付にも利用できるクレジットカードです。シリーズ累計導入社数は1万社以上、サービス継続率は99%以上と、多くの企業に利用されています。
初期費用・年会費が無料で、ご利用可能枠の上限は最大2億円です。さらに、利用金額に対して最大1.5%のキャッシュバックが受けられます。
また、利用金額や期間の設定が可能で、一時停止もボタン1つで簡単におこなえます。カードの利用後には即時に利用通知が届くため、不正利用の抑止・検知が可能です。
電子帳簿保存法に対応しているため、領収書の原本提出は必要ありません。適格請求書発行事業者の自動判定や税区分の自動選択機能があり、インボイス制度対応の手間を減らします。
さらには、領収書回収の催促や仕訳作成を自動化し、月末締めかつ毎月2日に明細が確定するため、決算の早期化にも役立つでしょう。
法人の消費税納付をスムーズにおこないたい場合には、バクラクビジネスカードの利用をご検討ください。
バクラクビジネスカードで経理を効率化した事例3選
経理業務の効率化を目指して、バクラクビジネスカードを導入した企業の事例を紹介します。
事例1:株式会社Sparty
株式会社Spartyでは、役員配布用のクレジットカードで出張やシステム利用料を決済しており、計上が煩雑化して経理業務の効率が低下していました。また、カード上限の超過リスクがあることや、月次処理がギリギリになってしまうことも課題でした。
バクラクビジネスカードを導入したところ、用途ごとにカードを発行できるようになり、決済内容の把握が容易になりました。さらに、明細連携が速く、利用用途をすぐに確認できることで、不正利用のリスクも軽減されています。
「バクラク一択」。自社で柔軟に統制できる新しい法人カードの魅力とは
事例2:株式会社フォトラクション
建設業の生産性向上を目的としたクラウドサービスを展開する株式会社フォトラクションでは、以前使用していた法人カードが電子帳簿保存法の要件を満たしていないことが課題でした。
そこで導入したのが、バクラクビジネスカードです。領収書を効率的に回収でき、電子帳簿保存法に対応していること、キャッシュバックの還元率が高く支出削減につながることが決め手となりました。
導入後は、電子帳簿保存法やインボイス制度などに、負担なく対応できるようになっています。また、領収書回収の効率化や仕訳の自動化により、月次決算の工数を半日分削減できました。
「バクラクはひとつの最適解」1人経理で5営業日締めを実現した方法とは
事例3:クラスター株式会社
メタバースプラットフォームの開発・運営などを手がけるクラスター株式会社では、以前使用していたクレジットカードの明細連携が遅く、利用可能枠が十分ではありませんでした。特に課題となっていたのが、既存の法人カードでは決済額の大きいクラウドサービスに対応できない点です。
同社は、バクラクビジネスカードの1回あたりの決済額上限がなく、3Dセキュア対応でどこでも使える点を評価し、導入を決定しました。
導入後は、高額決済に対応できるようになりました。また、管理画面の使いやすさやタグ機能による会計ソフトへの連携が優れていることで、経理業務の効率化が期待されています。
まとめ:消費税の納付にはクレジットカードの利用を検討しよう
消費税の納付をクレジットカードで行おこなうことには、現金を用意する必要がない、時間や手間を大幅に削減できる、税金の一元管理もできるなど、多くのメリットがあります。また、支払回数を選べるため資金繰りする際にも役立つでしょう。
ただし、領収書の発行がなく、決済手数料がかかる点などには注意が必要です。
消費税の納付の際には、メリットと注意点の両方をふまえたうえで、クレジットカードの利用を検討してみてはいかがでしょうか。