・改正電子帳簿保存法への対応と紙書類の保管スペースの確保が困難だった
・月次決算の業務を平準化し、決算の早期化を実現したかった
・在宅ワークを実現できる体制ではなかった
・AI-OCRの書類読み取りスピードが速く精度も高い
・営業担当のサポートが手厚くレスポンスも速い
・トライアルを通じて使いやすさを確信した
・改正電子帳簿保存法に対応しつつ、請求書処理のペーパーレス化が実現した
・紙への押印や郵送がなくなったことによる時間短縮と経理業務の平準化ができた
・請求書処理のための出社が不要になり、在宅ワークが実現できるようになった
1890年(明治23年)、海外からの賓客を迎える迎賓館としての役割を担うべく東京・日比谷の地に誕生した帝国ホテル。「伝統は常に革新とともにある」の精神のもと、先見性のあるサービスや体制を導入してきました。東京のタワー館、本館建て替えを軸とした日比谷の再開発を進めていくにあたって、経理部においても多角的な事業展開に対応するべく、バクラク請求書受取・バクラク申請を導入し、事務作業の削減と決算の早期化を進めています。
帝国ホテルのバクラク請求書受取とバクラク申請導入の背景にあったのは、「法対応」「ペーパーレス化」と「月次決算の早期化」という課題です。
長らく、請求書をすべて紙ベースで処理・保管していましたが、2024年度にはタワー館、2031年度には本館の建て替え開始が決定。これまで使用していた倉庫がなくなるなど紙の保管スペースの確保が困難になりました。また、改正電子帳簿保存法への対応も迫られており、ペーパーレス化は急務でした。
コロナの流行もペーパーレス化の必要性を加速させます。バクラクシリーズ導入を主導した経理部経理課副支配人の後藤有太氏は、当時の状況をこう振り返ります。
「紙の請求書を受領しスキャンした上で、週1、2日在宅で仕事をしていました。この請求書処理の作業を出社中に終わらせるために残業が発生することもありました」
紙ベースの請求書処理は、月次決算業務にも大きな影響を与えていました。
毎月8営業日以内に決算処理を行うものの、請求書は各部署で取りまとめた後に経理課に送られてきます。上高地、大阪のホテルからは郵送で送られてくるため、「極端な話、月初3営業日くらいは請求書が届かないので仕事が進められませんでした」と後藤氏。
しかし、その後2,000件近くの請求書が届くので残業も発生しており、業務を平準化して効率化を図ることは至上命題でした。
紙ベースの請求書処理フローは、経理課だけでなく他部署の従業員にも大きな負担を強いていました。
各部署では、取引先から請求書を受け取ると紙の支払申請書とセットにして上長に回覧。担当者・支配人・部長など3名ほどの承認者が支払申請書に押印した後、経理課に提出、あるいは郵送します。
承認者が不在時など処理が滞ることもあったほか、月末月初は押印業務をまとめて行うことが多いため、承認者は休みが取りにくくなります。
そもそも紙ベースでのやりとりは、取引先からPDFで送られてきた請求書でも上長への回覧時にすべて印刷しなければならず、現場の手間を増やす一因にもなっていました。
請求書が届いたのちの経理課の業務も煩雑を極めます。一気に届く2,000件ほどの請求書の情報を、5〜6人で会計システムに手入力。仕訳データの入力が終わると、それを紙に刷り出して請求書と照らし合わせ、ミスがないか確認していました。
確認もこの一度で終わりではありません。会計システムの仕様上、仕訳データ入力時に振込先口座情報の確認ができなかったため、振込を行う直前に改めて帳票を刷り出し、口座番号に間違いがないか請求書との突合作業を行っていたのです。
「10人ほどが1日半かけてやっていました」と後藤氏が語るこの確認作業は、経理課にとって大きな負担となっていました。
負担の大きかった請求書のペーパーレス化と、それに伴う月次決算の早期化を目指し、帝国ホテルでは請求書受領サービスを導入することを決めます。
気になるシステムは片っ端から問い合わせをして資料を取り寄せ、7、8社ほどと打ち合わせを実施。展示会にも足を運んで情報収集を重ねたといいます。
その中で、特に費用対効果と自社に必要な機能の有無、サポートの手厚さなどの観点から各システムを比較検討していきました。
管理会計のあらゆる業務に対応するシステムもあったものの、やりたいことと費用感が合致せず検討から除外。請求書の入力代行を伴うシステムについては、代行入力作業に3日程度かかるとの回答で、「月次決算の早期化」という達成したい目的にそぐわなかったため採用には至りませんでした。
「いろいろ見ましたが、結局やりたいことや必要な機能で絞っていくと選択肢はそう多くなかった」と経理部経理課の上原瑶平氏は話します。最終的にバクラク請求書受取を選択した決め手は何だったのでしょうか。
上原氏は次のように語ります。
「AI-OCR(AIによる自動読み取り)という機能、そしてその速度とデータ化の精度は魅力的でした。一度に複数枚の請求書をアップロードしても、数秒で高い精度のデータが完成します。他社OCRも少し試してみましたがデータ化に数分かかり作業の手が止まってしまうのがストレスでした」
トライアル環境で業務における使いやすさと効率化を確信できたこともバクラク導入の決め手となりました。
「複数のシステムを試して比較したかったのですが、他社のシステムは十分にトライアルすることができなかったのです。バクラクシリーズはトライアル環境が充実していて、導入前の段階からサポートも手厚く質問に対するレスポンスもはやく、バクラクに決めました」(上原氏)
冒頭紹介したように、帝国ホテルではバクラク請求書受取だけでなく、バクラク申請もあわせて導入しています。バクラク申請導入によって、これまで紙で行ってきた支払申請の回覧・押印と経理課への送付プロセスを、バクラクのシステム上で行えるようになりました。
髙口明誠氏は「業務の効率化を考えると『紙にハンコ』を続けるのはナンセンス。バクラク請求書受取とバクラク申請はセットで導入すべきと考えていました」と強調します。
バクラク請求書受取とバクラク申請の導入は、帝国ホテルの「ペーパーレス化」と「月次決算の早期化」という目標に対し効果を上げ始めています。
取引先から請求書を受領した各部署は、バクラク申請にアップロードします。先述の通り、支払申請の回覧・押印もバクラク申請上で行って経理課に送るため、ペーパーレス化を実現。
バクラクのシステム上で請求書などを保存および検索ができるようになったので、経理課で大量の紙を五十音順に並び替えてファイリングしたり、段ボール箱に保管したりする必要もなくなりました。
取引先の協力もあり、請求書受領は郵送から電子に移行するケースも増え、取引先の手間と費用も削減されているといいます。
また、承認フローをバクラク上で行うようになり、承認者が出社していないため押印が滞ったり、郵便物が届くまでの待機期間が発生したりといったタイムロスがなくなりました。承認が完了した請求書は随時バクラク上で経理課に届くので、経理課の業務も平準化されています。
何より大きな変化は、入力・確認作業が削減できたことです。
原則、各部署で請求書をバクラクへアップロードすると自動でデータ化されるので、経理課では紙の請求書を会計システムに手入力する作業がなくなります。仕訳も自動入力され各部署で確認するため、修正が必要な場合に対応する程度に減ったといいます。
振込前に行っていた、紙ベースの振込先口座と請求書の突合作業も不要になりました。請求書をバクラクにアップロードした時点で、銀行情報も入力されているので、これまで「10人ほどが1日半かけてやっていた」(髙口氏)作業を丸々削減することができました。
業務の平準化と削減で、月次決算の早期化という目標も緒に就いています。
最後に、今後の展望について後藤氏はこう語ります。
「現在、建て替えなど日比谷全体の再開発が進んでいます。施設の新築は数十年ぶりの話なので、経理でもこれまでなかった業務が多く発生するでしょう。入力など単純作業はバクラクでどんどん圧縮し、新たな業務に時間を使っていきたいです」
本資料は従業員数1,000名を超える大手企業様向けのバクラクシリーズの紹介資料です。ツールの分散をなくし、稟議から会計処理までを一気通貫でサポートするバクラクシリーズの強みや、サービスごとの機能をご紹介しています。
本資料はバクラクを活用した経理業務の改善事例集です。請求書の発行や支払処理、経費精算、法人カードの処理、また法令対応の負担軽減をどのように実現したのかお客様にインタビューした事例を5社分掲載しています。