領収書・経費精算の不正事例まとめ|原因や対策を解説

会社で経理を担当する際は、領収書などをしっかりと確認しなければいけません。故意でなかったとしても、事実と異なる経費精算をしてしまうと不正とみなされる恐れがあるからです。この記事では、領収書や経費精算に関する不正事例を紹介します。あわせて、不正が起こる原因や対策についても解説するため参考にしてください。

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領収書・経費精算の不正事例まとめ|原因や対策を解説

領収書・経費精算の不正とは何か

領収書・経費精算の不正とは、業務で必要となる出費を従業員が水増しをして、差額を得ようと申請することを指します。たとえば、たとえば、費用の高いルートで交通費を申請し、実際には安いルートを利用して差額を得るといったケースなどがあたります。また、従業員が業務に関係のない経費を購入することも不正です。領収書・経費精算の不正が犯罪にあたります。

領収書・経費精算の不正事例

ここでは、領収書・経費精算の具体的な不正事例を4つ紹介します。

領収書の不正事例

まずは、領収書の不正事例です。たとえば、架空の領収書を作成して申請したり、領収書の金額を書き足して、本来の費用より高い金額で経費申請したり、といった行為が挙げられます。

領収書の改ざんや架空の領収書の作成は、申請した経費と実際にかかった費用の差額を得ようとする、悪意を持った不正行為です。領収書を出す際には、日付と金額を記載することが義務付けられていますが、取り引き先と共謀して書き換えるケースもあるようです。

通勤手当の経費精算における不正事例

通勤手当の不正は、故意か過失かに関わらず起こりがちです。たとえば、新幹線の切符代を請求したにも関わらず、実際にはもっと安い交通機関を使用していたケース、会社の近くに引っ越し後、報告をせずに引っ越し前と同額の通勤手当をもらっているケース、定期代を申請しているにも関わらず、実は自転車で通勤しているケースなどです。

また、受け取った金額の内訳をきちんとチェックしていない従業員もいるでしょう。この場合、従業員自身が不正受給に気づいていない可能性もあります。

消耗品の購入における不正事例

消耗品の購入でも不正は起こりがちです。たとえば、会社の備品と一緒に私物を購入してしまうといった事例があります。備品や消耗品の購入は価格が大きくないため、不正に気づきにくいのが特徴です。

消耗品として申請できるのはあくまでも業務に使うものだけで、従業員が個人的に利用する文具などを、会社の経費を使って購入することはできません。私的に使うものを一緒に購入して精算すると不正になるため注意が必要です。

接待交際費の経費精算における不正事例

接待交際費とは、取引先への接待で発生した費用を指します。接待交通費の不正事例としてよく見られるのは、プライベートの飲食にかかった費用を接待交際費として経費精算する、社内打ち合わせで発生した飲食費を社外と偽って申請するといったケースです。

経理担当者は多くの経費精算を担当しています。経費精算の件数が多くなると、細かな内容までしっかりと確認できないこともあるため、接待交際費の不正に気づきにくいのが実情です。

 

不正が起きる原因

不正が起きる原因としてまず考えられるのが、従業員の故意です。社内のチェック体制が整っていない、承認体制がしっかりしていないなど、チェック体制やシステムなどに隙があり、不正に気付きにくい環境になってしまっている場合もあります。

また、人為的ミスによって不正が起こってしまうケースもあるでしょう。たとえば、従業員が申請する金額を間違えてしまった、割引料金が適用されるのに定価で申請してしまったなどのケースです。これらの人為的ミスによる不正は、経費精算の業務フローに問題がある可能性もあります。不正が起きないように、管理体制を構築することが重要です。

不正使用の放置は脱税行為

領収書や経費精算に不正がある場合、会社の利益を正確に算出できません。領収書の不正などを放置することは、脱税行為に当たるため注意しましょう。発覚すれば会社の信頼が揺らいでしまうため、経営にも大きな影響を与えてしまいます。

不正が発覚したときの対応方法

不正が発覚した場合には、まず故意によるものが過失なのかを確かめましょう。故意によるもので悪質だと判断し懲戒解雇などをしてしまうと、もし過失だった場合に従業員から提訴されるなど企業側にリスクが生じます。そのため、故意か過失かの調査は欠かせません。

従業員に悪意があるかないかに関わらず、会社は過剰に支払った金額について返還請求を起こすことが可能です。故意の場合には、利息付きの返還請求も行えます。また、故意による不正で悪質だと判断した場合には、減給や停職、懲戒解雇度などの重い処分を下すことも可能です。

領収書・経費精算の不正を防ぐ方法とは

領収書や経費精算の不正を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、不正を防止する方法を解説します。

交通費の経費精算時はICカードの履歴を確認する

交通費を支払う際には、ICカードで支払ってもらうようにしましょう。ICカードの場合、後から履歴の確認ができます。そのため、実際にかかった交通費を正確に把握することが可能です。また、経費精算システムと連携して履歴を取り込むようにすることで、手作業で交通費を入力せずに済むため人的ミスの削減にもつながります。

領収書・レシートの提出を義務化する

領収書やレシートの提出を義務化することも効果的です。領収書などで日付や金額、時間などの情報を確認し、実際に費用が使われていたのかを確認しましょう。できれば、品物名が記載されたレシートがおすすめです。品物名が書かれていない場合、実際に何に使ったのかが把握しにくくなるため注意しましょう。

クレジットカードを活用する

支払方法を会社のクレジットカードに統一する方法もあります。クレジットカードで支払いをすれば、いつ・どこで・何に使ったのかを履歴から確認できるようになるため、怪しい点があってもチェックできます。ただし、従業員にクレジットカードを渡す必要があり、カードを使用する際のルール作りなども行わなければいけません。

接待は事前申請制にする

接待がある場合には、事前に申請してもらうようにしましょう。接待の予定がある従業員は、事前に接待の内容を申請するルールにしておくと、不正が起こりにくくなります。この際、接待の相手先や目的、飲食店名などの情報を含めて申請してもらうことで、ある程度の料金を把握しやすくなります。

経費精算システムを導入して不正しにくい環境をつくる

不正利用を防ぐためには、経費精算システムの導入が効果的な手段です。
例えば、ICカードと連携できる経費精算システムなら、正確な履歴を取り込めるため交通費の水増しを防ぐことができます。さらにシステムは最短移動手段を算出する機能を備えているため、故意に高い交通費を申請することもできません。また、クレジットカードと連携することで、 領収書の金額改ざん等の不正申請を防ぐことができます。システムと連携したクレジットカードは利用金額が自動的にシステムへ反映されるため、請求金額をごまかすことができません。
さらに、過去に申請された金額と比較して著しく上がっているなど、不自然な点があるかどうかを確認できるため、不正に気付きやすくなります。

まとめ

領収書・経費精算の不正は、会社にとって大きな問題となるため、しっかりとチェックして不正が行われないように努める必要があります。交通費はICカードを使う、領収書の提出を義務化するなどさまざまな対策がありますが、効率的に管理しチェックするには、経費精算システムを導入することもよい方法です。

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