インボイス制度は小売業にどう関係する?個人の販売店の対応や特例を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-09-06
インボイス制度の開始により、従来とは異なる対応が必要になっています。小売店はインボイス制度からどのような影響を受けるのでしょうか。この記事では、インボイス制度が小売店に与える影響について解説します。小売業がインボイス制度にうまく対応する方法についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
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インボイス制度は小売業にどう関係する?個人の販売店の対応や特例を解説
インボイス制度が小売店に与える影響とは?
インボイス制度が小売店に与える影響は、免税事業者と課税事業者で異なります。それぞれに対する影響について解説します。
免税事業者の場合
インボイス制度の開始後に免税事業者のままでいる場合、小売業に限らず適格請求書を発行できません。適格請求書は、仕入税額控除を受けるために必要な書類です。免税事業者と取引すると適格請求書を受け取れず、課税事業者は仕入税額控除を適用できません。つまり、免税事業者との取引にかかる消費税は免除されないため、課税事業者の負担が大きくなります。
このようにインボイス制度下においては、免税事業者との取引は課税事業者にとって不利になります。よって、なかには免税事業者との取引を敬遠する課税事業者もいるでしょう。たとえば、法人の顧客が多い文房具店は、特に影響を受けやすいです。
課税事業者の場合
小売業で課税事業者になるには、所轄の税務署で手続きする必要があります。手続きが済むと適格請求書の発行が可能です。また、課税事業者が仕入れをする場合、仕入税額控除を受けるには売手から適格請求書を発行してもらわなければなりません。すでに触れているとおり、課税事業者は適格請求書がないと仕入税額控除を受けられず、負担が大きくなります。
たとえば、厳選された新鮮な野菜を取り扱っている農家と取引しており、その農家が免税事業者である場合、適格請求書を受け取れないため仕入税額控除を適用できません。
小売店におけるインボイス制度の代理交付・媒介者交付特例について
小売業の場合、インボイス制度の代理交付も可能です。また、媒介者交付特例もあります。それぞれの概要について解説します。
代理交付とは
代理交付とは、売手の代わりに委託販売者が請求書を発行する方法です。代理交付においては、売手が委託者、委託販売者が受託者となります。
たとえば、小売店がクリエイターから委託されて雑貨やファッション小物などを販売した場合、本来は売手であるクリエイターが適格請求書を発行する必要があります。しかし、クリエイターは小売店に常駐しておらず、実際には適格請求書を発行できません。よって、委託販売者である小売店による適格請求書の代理交付が認められています。
なお、受託者である小売店がインボイスを発行する際は、委託者であるクリエイターの氏名や登録番号の記載が必要です。
媒介者交付特例とは
媒介者交付特例は、受託者が委託者の代わりに委託者であるクリエイターの氏名や登録番号を記載したインボイスを発行できる制度です。
代理交付も委託者の代わりに受託者が発行する請求書を発行できる方法ですが、適格請求書ではない請求書も発行できます。ただし、委託販売の品目が多い場合、個別の代理交付は現実的に難しいです。媒介者交付特例を利用すると、複数の商品についてまとめて適格請求書を発行できます。
たとえば、委託者や委託販売の品目が多いECサイトが媒介者交付特例を活用すれば、インボイス制度への対応が効率的になります。
小規模小売店が知っておきたい少額特例
少額特例とは、一定の期間における売上高が基準以下の小規模小売店が利用できる制度です。具体的には、一定の期間の課税売上高が1億円以下または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の小規模小売店が対象です。
少額特例を利用すれば、仕入れのために支払った金額が税込1万円未満の場合、適格請求書を保存しなくても仕入税額控除ができます。たとえば、小売店が8,000円の備品を購入した場合、適格請求書を受け取れなくても仕入税額控除を受けられます。
小売店がすべきインボイス制度への対応
インボイス制度について、小売店は具体的にどのような対応をすればよいのでしょうか。以下で詳しく解説します。
インボイス制度に対応したPOSレジを導入する
小売店がインボイス制度に対応するには、インボイス制度の基準に合うPOSレジの導入が必要です。既存のPOSレジを改修してインボイス制度に合わせる方法もあります。
小売店の場合、レシートを適格請求書の代わりとする簡易インボイスが認められています。よって、POSレジがインボイス制度に対応していると、適格請求書で必須とされる項目を満たすレシートを簡単に発行できて便利です。
インボイス制度に対応した各種システムを導入する
小売店がインボイス制度に対応するには、POSレジそのものだけでなく各種システムもインボイス制度の基準に合わせなければなりません。
たとえば、小売店が農家やクリエイターなどから商品を仕入れた際に適格請求書の保存が必要になります。適格請求書をスムーズに扱えるシステムを導入すれば、手間なく適切な処理を実現しやすくなります。
請求書処理を効率化するならバクラク請求書受取
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他のシステムと連携させると、社内の業務のさらなる効率化も目指せます。
まとめ
インボイス制度下において、小売店は特例を利用できる可能性があります。ただし、一定の条件があるため、実際の状況を確認して利用できるか判断する必要があります。POSレジや各種システムの導入も進め、請求書を適切に処理しましょう。
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