バクラク

適格返還請求書とは?インボイスで返金や値引き時に必要な記載事項と交付義務

インボイス制度において、適格請求書発行事業者はインボイス(適格請求書)だけでなく、適格返還請求書の発行も求められる場合があります。

そのため、適格請求書と同様に適格返還請求書の発行にも対応できる体制を整えておくことが重要です。

この記事では、適格返還請求書について解説します。適格返還請求書を交付する際の注意点についても解説するので、参考にしてください。

適格返還請求書とは?インボイスで返金や値引き時に必要な記載事項と交付義務

適格返還請求書(返還インボイス)とは?わかりやすく解説

適格返還請求書(返還インボイス)は、適格請求書発行事業者が発行を求められる可能性のある書類です。具体的には、値引きや返品などが原因で対価を返還する際に用います。

返還インボイスは、取引の修正や調整などが発生した場合、適格請求書発行事業者が発行することが義務付けられています。なお、保存も義務付けられているため、対応が必須です。

なお、売り手が適格返還請求書を交付しなくても良い場合もあります。仕入税額控除のために、買い手が作成・保存した支払通知書が、適格返還請求書としての要件を満たしている場合です。

適格返還請求書(返還インボイス)の保存期間

適格返還請求書(返還インボイス)の保存期間は、7年間と定められています。また、基準となるのは、交付日の属する課税期間の末日の翌日から、2ヶ月を経過した日です。

たとえば、2023年8月1日に交付された返還インボイスは、2030年10月31日まで保管することが求められます。

なお、インボイスの写しとして扱えるものは多岐にわたります。具体的なものは、以下の通りです。

  • 紙媒体のコピー
  • 電子データや明細書
  • レジのジャーナル
  • 一覧表
  • 明細書

適格返還請求書の交付義務が免除されるケース

値引きや返品が原因で売上返還が行われた場合、適格返還請求書の交付が義務付けられています。しかし、2022年12月に、その税込価格が1万円未満なら適格返還請求書の交付義務を免除することが閣議決定されました。

そして、2023年10月1日以降のインボイス制度導入に伴い適用されました。振込手数料に相当する額を売上の値引きとして扱っている場合も対象です。金額が1万円未満であれば、適格返還請求書の交付が不要になります。

適格返還請求書を交付する主なタイミング

適格返還請求書を交付するタイミングはいくつかあります。以下は、具体的な場面とそれぞれの詳細です。

商品の返品時

適格返還請求書を交付するタイミングとして代表的なのが、商品の返品時です。商品を返品された場合、売り手は返金手続きを行います。返金手続きに伴い、適格返還請求書を発行します。

なお、金額が税込1万円未満の場合は例外です。商品の返品が発生しても、返還インボイスを発行する必要がありません。

商品の値引き時

値引きを行った場合、適格返還請求書を発行します。例えば、100万円の商品を販売した後に5万円の値引きが決まったら、別途適格返還請求書を発行します。

また、販売時点で値引きが決まっているなら、適格請求書に必要項目を併記しなければなりません。しかし、値引きを継続的に記載する場合は、値引き前の合計金額などの一部記載項目を省略することが可能です。

販売奨励金の支払い時

販売奨励金を支払った際には、販売業者に適格返還請求書を発行します。販売奨励金とは、販売業者などに依頼して自社製品を販売してもらった場合に支払う金銭です。

たとえば、B社がA社の商品を仕入れて販売する場合、A社が売り手でB社が買い手になります。しかし、上記の関係における販売奨励金は、A社からB社に対して支払われる金銭です。そのため、B社はA社に適格返還請求書を発行します。

事業分量配当金の支払い時

事業分量配当金とは、協同組合が組合員に支払う金銭です。具体的には、組合の運営にあたり発生した余剰金などを事業への従事分量に応じて分配します。協同組合として代表的なのが、商工組合や農業協同組合などです。

そのため、一般的な企業が事業分量配当金の支払いを行い、適格返還請求書を発行することはありません。

適格請求書と適格返還請求書をまとめて発行するケース

適格返還請求書は、原則として返還を行った年月日ごとに発行します。返還日と課税売上の日付が異なれば、適格返還請求書と適格請求書を分けて発行します。

しかし、適格請求書と適格返還請求書を1つの書類にまとめることも可能です。その場合は、適格請求書と適格返還請求書に記載が求められる事項を満たす必要があります。適切な対応をすれば、当月販売分と前月分の返還分をまとめて記載できます。

適格返還請求書に記載が必要な項目

適格返還請求書には、いくつかの項目の記載が必要です。ここからは、具体的な項目とそれぞれの詳細を解説します。

事業者情報

事業者情報として、以下の情報の記載が必要です。

  • 事業者の氏名または名称
  • 適格請求書発行事業者の登録番号

この場合、適格返還請求書は返金する側が発行します。そのため、売り手の氏名または名称、登録番号が求められます。

なお、返品があったとしても適格請求書発行事業者の登録番号を持たない事業者は、適格返還請求書を発行できません。適格返還請求書は、適格請求書発行事業者のみが発行できる書類だからです。

返還の日時

適格返還請求書を発行するタイミングは、実際に返還などを実施するときです。そのため、適格返還請求書の発行日欄には、支払日の日付を記載します。

これは、いつの消費税計算を適用させるかを把握するために必要な対応です。適格返還請求書の作成に取り掛かった日付ではないため、注意しましょう。

取引の日時

返還対象となる取引の元の日付を記載します。具体的には、返品商品の購入日や販売奨励金支払日などが該当します。

なお、取引が複数日にわたるなど、個別に日付を記載することが難しい場合は、期間を記載しましょう。たとえば、1/1~1/31と期間を区切ったり、1月分と記載したりするなどです。

取引内容

返還対象となる取引内容の詳細を記載します。たとえば、返品された商品の名前と数量や、値引き対象の商品名などです。

また、軽減税率対象品目なら、その旨も記載する必要があります。販売奨励金の場合は、奨励金の対象となる商品名などが該当します。

返還金額

返還金額は、その金額の合計を税率ごとに記載しましょう。税率ごとに記載する際、表示方法は税抜でも税込みでも問題ありません。しかし、税抜と税込みのどちらで記載したかが分かるように明記することが求められるため、適切に対応しましょう。

消費税額

返還を行う金額にかかる消費税額を、税率ごとに記載しましょう。あるいは、返還金額の税率がわかるように適用税率を記載することも可能です。

なお、税率ごとの記載と適用税率の記載は、どちらか片方だけで対応する必要はありません。どちらも併記することが可能です。手間は増えますが、分かりやすさは向上します。

適格返還請求書を交付する際の注意点

適格返還請求書を交付する際は、いくつか注意するべき点があります。以下は、具体的な注意点とそれぞれの詳細です。

適格返還請求書の交付義務は売り手にある

適格返還請求書は、買い手ではなく売り手に交付義務があります。しかし、適格返還請求書を発行するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 買い手と売り手の両方が課税事業者である
  • 売り手が適格請求書発行事業者として登録されている

適格請求書を発行できない免税事業者や、適格請求書発行事業者の登録をしていない事業者は、適格返還請求書の発行ができません。

適格請求書や適格返還請求書の発行を求める場合は、適格請求書発行事業者の登録手続きをしましょう。登録手続きは、登録申請書をインボイス登録センターに郵送することで行えます。

フォーマット作成やフローなどの事前準備を進めておく

適格返還請求書は、返品や割引が発生した場合だけでなく、販売奨励金を支払う際にも発行します。

そのため、適格返還請求書のフォーマット作成やフローの構築、発行システムの導入などの準備を進めておきましょう。

特に、適格返還請求書に対応したシステムの導入はおすすめです。適格返還請求書に関する対応が進めやすくなります。フォーマットやフローの構築についても、デザインや担当者を決めて、スムーズな対応を目指しましょう。

まとめ

業界や業態にもよりますが、商品の値引きや返品が発生する場面は少なくありません。特に、販売奨励金のような制度を設けている場合は、適格返還請求書への対応がより一層求められます。

しかし、インボイス制度関係の書類や対応は複雑で、担当者の負担が大きくなりがちです。そこでおすすめしたいのが、専用ツールの導入です。

バクラク請求書発行は、書類を発行する前後の業務を1つのサービスで解決できます。インボイス制度や電子帳簿保存法といった法制度に対応しやすいのも利点です。

請求書の発行を担当している経理担当者や営業事務、情報システム管理者などの方は、ぜひバクラク請求書発行を導入してみてください。

バクラク請求書発行のご紹介

請求書・見積書・納品書等あらゆる帳票の作成、稟議、送付、保存の一連の業務をデジタル化。様々なレイアウトに柔軟に対応。電子帳簿保存法に完全対応。