請求書チェックの効率化|課題や方法などを解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-07-18
請求書処理は、経理業務の中でも特に手間がかかる作業です。そのため、改善が求められており、請求書処理の効率化に多くの企業が取り組んでいます。この記事では、請求書業務を見直す方法やメリットなどについて解説します。請求書チェックを効率化したいと考えている企業の経理担当者は、ぜひ参考にしてください。
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請求書チェックの効率化|課題や方法などを解説
請求書を書く際に確認すべき事柄
請求書を書く場合、「取引年月日・請求日」「請求金額」「請求書の送付方法」について事前に取引先へ確認する必要があります。請求日によって入金日も変化する可能性があるため、基本的には取引先の締め日に合わせて日付を記載しましょう。ただし、請求日と請求書を送付すべき日が異なるケースもあり、注意が必要です。なかには送付の期限を定めていたり、請求日を統一したりしている企業もあります。
また、請求書の形式については、法律による決まりが特にありません。そのため、手書きはもちろん、ExcelやWordなどで作成しても請求書として有効です。いずれにおいても、必ず記載すべき項目は忘れずに含めましょう。
請求書チェックの一般的な業務内容
ここでは、請求書チェックの一般的な業務内容について解説します。
請求書の受領
請求書の発行方法は取引先によって異なるため、まずはそれらを取りまとめる必要があります。請求書の発行方法は、郵送、メール、システム経由などです。まずは取引先と接する担当者が請求書を受領し、その後に経理担当者へ渡します。
請求内容の確認
請求内容と実際の取引内容が合っているか確認します。チェックする項目は、以下の通りです。
- 宛名
- 社名
- 内訳
- 金額
- 消費税
- 小計
- 合計
- 支払期日
- 振込先情報
振込先情報に変更がある場合、登録データも変更する必要があります。
また、インボイス制度が2023年10月から開始したため、仕入税額控除の適用を受けるには要件を満たした適格請求書が必要です。適格請求書には、以下の項目の記載が必須となっています。
- 書類を発行した事業者の氏名・名称・登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)・適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類交付を受ける事業者の氏名・名称
支払予定表の作成
取引先に支払う金額や時期を明確にするため、支払予定表を作成します。支払予定表を作成すると、支払いの漏れやミスを防止できます。請求書に問題がなければ、あわせて支払依頼書も作成しましょう。
支払手続き
請求書に記載されている内容に従い、期日までに支払手続きを行います。支払方法は複数ありますが、近年はオンライン振込が主流です。インターネットを介して操作するだけで振り込めるため、効率的です。
入金確認・消込
会計システムを使用して買掛金や未払金の残高を照合し、完了分の消込を行います。入金消込の過程でミスをすると残高が合わなくなるため、注意が必要です。慎重に確認して作業しましょう。
請求書の原本を保管
請求書には、確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間の保管義務があります。紙の請求書は、保管場所の確保やファイリングなどに手間がかかるため、要注意です。また、2024年以降、電子データの請求書は紙での保管が禁止されています。正しい方法で請求書の原本を保管しましょう。請求書の原本の保管についての詳細は、以下も参考にしてください。
請求書チェックにおける課題
請求書チェックにおいては、さまざまな課題があります。ここでは、具体的にどのような課題があるか解説します。
請求書の整理に手間や時間がかかる
請求書の形態は紙、電子データ、専用Webサイトのサービスなどがあり、取引先によって異なります。そのため、請求書の整理には手間がかかります。特に紙の請求書は原本をファイリングしなければならず、負担も大きいです。また、請求書が経理担当者に届いた場合、請求内容について担当者へ個別に確認しなければなりません。
請求書の確認事項が多くややこしい
請求書には、宛名、発行日、取引内容などの確認事項が多く記載されています。また、取引先によって請求書のフォーマットが異なるため、確認の作業は煩雑になりがちです。2023年10月からインボイス制度が導入されたため、適格請求書に関する確認の手間がさらに増えています。
請求書処理のフローが増えミスが発生しやすくなる
請求書処理のフローが多いとミスが発生しやすくなり、未払いを招く原因になります。特に紙の請求書の場合、発送する際に宛名ラベルを貼り間違えたり封入のミスが生じたりする可能性もあり、情報漏えいの問題に発展するリスクもあります。また、請求書の管理においては、原本と入力データの照合も必要です。取引先が増えると人的ミスが増える確率がより高まります。
紙と電子データを2重に保管しなければならない
請求書の形式は、主に紙と電子データがあります。2024年以降、紙での請求書の保存が禁止されました。ペーパーレス化が進んでいない企業は、紙と電子データを2重に保管する必要があるため、注意が必要です。
請求書チェックを効率化する方法
請求書チェックを効率化するには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、具体的な方法について解説します。
請求書のデジタル化
請求書をデジタル化すれば、保管と管理が簡単になります。請求書をデジタル化するための環境を整えつつ、紙の請求書を受領した際は要件を満たしてスキャナ保存しましょう。
スキャナ保存については以下で詳しく解説しています。
※参考:電子帳簿保存法とは?2024年義務化の内容や注意点などわかりやすく解説
請求書受領のシステム化
請求書受領システムや会計システムなどを導入すれば、請求書業務を効率化できます。場所を選ばず作業を進められるため、テレワークも導入可能です。会計システムは会計業務の一連の流れに対応している場合が多く、請求書受領業務の改善に適しています。
※参考:請求書受領をツールで自動化する方法 導入メリットとツール選定のポイントを解説
入金確認・消込の自動化
効率化には入金確認や消込の自動化が効果的であり、自動消込ツールの導入が選択肢の1つとなります。制度変更への対応も自動で行われ、経理担当者の負担を軽減可能です。ただし、コストがかかるため、ExcelやGoogleスプレッドシートを活用する簡易的な効率化も視野に入れましょう。
請求書処理の効率化
請求書の入力や消込作業に加え、支払予定表の作成や仕訳起票なども自動で行うとさらなる効率化につながります。繰り返し行う入力作業について手間を削減できます。また、紙の請求書の印刷、封入、宛名のラベル貼りといった一連の流れをデジタル化し、手作業を減らすことも大切です。
ヒューマンエラーの削減
システム化に取り組むと担当者同士のやり取りが少なくなり、ヒューマンエラーも減らせます。たとえば、請求書を紛失するリスクが低くなります。支払予定表の自動作成と消込により、支払いの漏れやミスも防止可能です。セキュリティを高め、より安全な管理体制を確立できます。
リモートワークの導入
システムを導入して場所を問わず必要なデータにアクセスできるようにすれば、リモートワークを実現できます。リモートワークに対応できる環境なら、支店に届いた請求書を本社でリアルタイムに処理することも可能です。
請求書処理の効率化を成功させるポイント
請求書処理の効率化を成功させるには、どうすればよいのでしょうか。具体的なポイントを解説します。
処理方法を整える
請求書の形式にかかわらずシステムで処理できる環境を整えましょう。請求書をペーパーレス化すれば、請求書の原本をまとめて保存できます。煩雑な作業を減らせるため、効率化につながります。
自社に合うシステムを選定する
請求書処理に関してはさまざまな種類のシステムがあるため、自社に合うシステムを選びましょう。そのためには、自社が抱えている課題を可視化し、確実に改善できるシステムを導入する必要があります。たとえば、どうしても紙の請求書が必要な場合、請求書の郵送代行機能がついているシステムを選ぶと手間を減らせます。
経理担当者の負担軽減を目指す
システムを導入する際は通常業務と並行して対応する必要があるため、経理担当者の負担にならないよう請求書業務の流れに配慮してスケジュールを組みましょう。また、経理担当者が実際に操作して業務のしやすさを確認することも大切です。
まとめ
請求書の処理には手間がかかりますが、システム化や自動化により作業の効率を高められます。ヒューマンエラーの防止やリモートワークの実現にもつながるため、請求書業務の効率化に取り組む企業は増えています。
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