領収書原本はコピーや破棄して良い?保存期間や電子化のメリットも紹介

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領収書原本はコピーや破棄して良い?保存期間や電子化のメリットも紹介

領収書は経費精算や税務申告に欠かせない重要書類の一つで、適切な管理が求められます。 本記事では、領収書原本のコピーによる申請・保管が認められない理由や、保存期間について詳しく解説します。領収書を電子保存するメリットや注意点も紹介しますので、電子化を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

1.領収書原本のコピーによる申請・保管が認められない理由

経費精算には、領収書の原本を使用するのが基本です。領収書原本のコピーによる申請・保管が認められない、3つの理由について解説します。

1-1.二重請求のリスクがある

経費精算にコピーの使用を認めると、二重請求が起こるリスクがあります。二重請求の発生は経理担当者に負担をかけるだけでなく、資金繰りの悪化を招くため注意が必要です。

二重請求の例として、同じ取引について、領収書のコピーと原本とで二度の経費精算を行うケースが挙げられます。経理担当者の入念な確認で防げることもありますが、すべての申請に対して、過去の領収書を確認しながら処理を進めるのは現実的といえないでしょう。

1-2.不正・改ざんの余地がある

コピーした領収書には、不正・改ざんの余地があることも理由の一つです。たとえば、数字の「1・2・4」や「3・8・9」は字形が似ています。原本の改ざんは筆跡などから見抜ける場合もありますが、改ざん後にコピーした領収書の場合は、発見が困難です。

たとえば「3,100円」の領収書を「9,400円」に書き換えてコピーした場合、改ざんによる水増し請求を見逃す恐れがあるでしょう。

1-3.税務調査で不利になる

二重請求や改ざんがあると、税務調査が入った際に不利になる傾向があります。コピーを保管していることについて、理由を追及される可能性があるでしょう。

理由を説明しても納得を得られない場合は、調査の対象になるため注意が必要です。特別な理由がない限り、領収書は原本を保管しましょう。

2.領収書を紛失した場合の対処方法

領収書を紛失した場合は、以下のいずれかの方法で対処しましょう。

  • 領収書を再発行してもらう
  • レシートで代用する
  • 金銭授受の事実を証明する「改ざんできない書類」の有無を確認する
  • 出金伝票に記録する

発行元に紛失した旨を伝えると、領収書を再発行してもらえる場合があります。ただし、発行元に再発行の義務はないため、断られた場合は金銭授受の事実を証明する書類がないか確認する必要があります。

手書きの領収書は認められませんが、クレジットカードの利用明細や銀行の振込明細、通帳の記録などは領収書の代わりとして利用可能です。

詳しくは以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。

関連記事:レシートや領収書の再発行は基本的にできない!紛失した場合の対応や代替手段

3.領収書の保存期間

領収書は経費精算や税務申告を行う上で重要な書類ですが、保存期間に悩む方も多いでしょう。

領収書の保存期間は法律で定められており、法人と個人事業主で異なります。それぞれの領収書の保存期間について、詳しく見ていきましょう。

3-1.法人

法人の領収書は、原則7年間の保存が法人税法で義務付けられています。起算日は、事業年度の確定申告書の提出期限翌日とする点に注意が必要です。

たとえば、事業年度が2024年4月1日〜2025年3月31日までの法人の場合、法人税の確定申告書の提出期限は2025年5月31日です。2024年度の領収書は2024年6月1日を起算日として、7年後の2031年5月31日まで保管する必要があります。

ただし、法人が赤字決算で欠損金の繰越控除を適用する場合は、保存期間が10年間に延長されます。

参考:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間

3-2.個人事業主

個人事業主の領収書の保存期間は、青色申告と白色申告で異なります。青色申告の場合は、原則7年間ですが、前々年分の所得が300万円以下の場合、5年間に短縮されます。白色申告の場合は、原則5年間の保管が必要です。

なお、消費税の仕入税額控除を適用する場合の保存期間は、青色・白色に関わらず7年間です。

4.繰越欠損金の控除を受ける場合の保存期間

繰越欠損金の控除とは、過去の赤字を最大10年間繰り越し、後の事業年度の黒字と相殺できる制度です。税負担を軽減し、財務の安定化を図れるメリットがあります。

繰越欠損金の控除を受ける場合、領収書の保存期間は7年間から10年間に延長されます。過去の赤字を証明する資料として、経費に関する当時の書類を残す必要があるためです。

保存期間の起算日は、確定申告の提出期限の翌日で、2018年4月1日以降の事業年度分が適用されます。繰越控除を利用する際は、10年間の保存を徹底しましょう。

5.仕入税額控除を受ける場合の保存期間

仕入税額控除とは、仕入や経費に掛かった消費税を、納付すべき消費税から控除できる制度です。消費税の二重課税を防ぎ、事業者の税負担を軽減するメリットがあります。

仕入税額控除の適用を受ける場合、仕入に関する領収書を7年間保存することが消費税法で義務付けられています。白色申告者も例外ではなく、7年間の保存が必要です。6年目以降は、帳簿または請求書等どちらか一方の保存で問題ありません。

なお、3万円未満の領収書は保存不要ですが、スムーズな税務調査や経費管理のためには保存しておくのが安心です。仕入税額控除を適用する事業者は、領収書の適切な管理が求められます。

6.領収書を電子化すれば原本は破棄しても良い

2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、スキャナ保存の要件を満たした上で紙の領収書を電子化する場合は、原本の破棄が認められるようになりました。

電子帳簿保存法は、領収書や請求書などの電子データによる保存を認める法律です。制定されたのは1998年ですが、当時は領収書の上限金額や、取り込んだデータのサイズなどに制限がありました。

2016年の改正で領収書の原則7年間の保存義務がなくなり、2018年の改正では、スマートフォンで撮影した領収書の電子化が認められるようになりました。

2022年の改正以降、電子帳簿保存法の要件を満たす場合は、領収書原本の破棄が認められます。また、PDFなどの電子データは紙で保存できないことや、タイムスタンプ要件の緩和についても定められており、電子化への対応が進むと考えられるでしょう。

7.領収書の保存形式

領収書の保存形式は、紙または電子データの2種類です。それぞれの保存形式について、特徴を解説します。

7-1.紙で保管

紙の領収書は、紛失・劣化を防ぐために、バインダーやファイルで保管するのがおすすめです。小さなレシートは、台紙に貼り付けることで保管時の散乱を防げるでしょう。

領収書を整理する際は、支払い日が早いものから並べるのが基本で、年度ごとにまとめておくと見返す際にスムーズです。また、保存期間の終了日を記入しておくことで、不要な領収書を適切なタイミングで処分でき、保管スペースを管理しやすくなるでしょう。

税務調査の際に取り出しやすいように、保管方法のルールを決めて社内で共有しておくことも重要です。

7-2.電子データで保存

電子データで受領した領収書はそのまま保存できるため、印刷の必要はありません。

電子保存のメリットは、保管スペースの削減や検索性の向上です。電子データは、社内サーバーやクラウドストレージ、専用の会計システムを用いて管理することで、紛失リスクを軽減できます。

ただし、電子データで保存する際は、改ざん防止や検索性確保などの要件を満たす必要があるため注意が必要です。電子保存を活用する際は、適切なシステムを導入し、法律に基づく管理の徹底が重要です。

以下の記事では、電子帳簿保存法に基づく領収書の保存方法を紹介しています。電子化のルールや注意点についても解説していますので、参考にしてください。

関連記事:電子帳簿保存法における領収書の保存方法とは?電子化のルールや注意点も解説

8.領収書を電子化する方法

領収書を電子化することで、保管スペースの削減や検索性の向上を図れます。電子化の主な方法は、以下の2種類です。

  • 紙の領収書をスキャナで読み取る
  • スマートフォンやデジタルカメラで撮影する

従来は、電子帳簿保存を導入する際、税務署への承認申請が必要でした。しかし、2022年の法改正以降は承認申請が不要となり、システムを整備していればすぐに導入できます。

電子化の際に満たすべき保存要件の例は、以下のとおりです。

  • スキャナ保存の期限:領収書の受領から最長2カ月+7営業日以内
  • 解像度の基準:200dpi相当以上
  • カラー要件:赤・緑・青の階調が各256階調以上
  • タイムスタンプ:入力期間内に認定のタイムスタンプを付与
  • 検索機能の確保:データ検索を可能とする機能の整備
  • データと帳簿の紐付け:経理システムとの連携による一元管理体制の整備

電子化の際は、上記の要件を満たせるシステムを導入し、適切な方法でデータ保存を行いましょう。

スマートフォンで撮影した領収書の取り扱いや、タイムスタンプの仕組みについて理解を深めたい方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:スマホで撮影した領収書の写真でも経費精算は可能!保存要件や原本の取扱いを解説

関連記事:電子帳簿保存法のタイムスタンプとは|仕組みや改正の変更点、不要なケースなど解説

9.領収書を電子保存するメリット

領収書の電子保存には、コスト削減や業務効率化につながる複数のメリットがあります。代表的な4つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

9-1.紛失・劣化リスクを防げる

領収書を電子化すると、紛失・劣化のリスクを防げます。

領収書を紙の原本で保存する場合、火事などの災害や人為的ミスによる紛失、経年劣化による文字の消失などが発生するリスクを否定できません。領収書の紛失・劣化が見られる場合、税務調査で指摘される可能性があります。

領収書を電子化することで、劣化を防ぎ良好な状態のまま保管できます。保存の際に定期的なバックアップ機能やクラウドサービスを利用することで、紛失のリスクをさらに低減できるでしょう。

9-2.特定の領収書を検索しやすくなる

特定の領収書を検索しやすくなることも、電子化するメリットの一つです。領収書を紙で保存する場合、ファイリングされた膨大な量の書類から特定のものを見つけることは容易ではありません。

電子データであれば、取引の日付や内容を入力すると容易に検索できます。特定の資料を検索しやすい点は、事前準備が必要な税務調査などで役立つでしょう。

9-3.保管コストを抑えられる

領収書を電子化した場合、保管コストを抑えられるメリットもあります。

紙で保管する場合、増える書類の量に合わせて保管スペースを確保しなければいけません。書類を円滑に管理するには管理者の選定も必要で、あらゆるコストの発生が懸念されます。

電子化することで保管スペースの確保や担当者の配備が不要となり、コスト削減につながるでしょう。

9-4.リモートワークにも対応しやすくなる

経費精算に領収書原本の提出を求める場合、リモートワークの社員はオフィスに出社しなければいけません。電子化に変更すれば、スマートフォンで領収書を撮影・提出できるため、出社は不要です。

受領側の経理担当者が出社する手間を省ける点は、リモートワークを推進する企業にとって大きなメリットといえるでしょう。

10.領収書を電子保存する際の注意点

領収書を電子保存する際、注意すべきポイントがいくつかあります。3つの注意点を紹介しますので、理解を深めた上で領収書の電子保存に取りかかりましょう。

10-1.電子保存の方法や業務フローの周知が必要

保存要件を満たしていない電子データは、領収書として認められません。電子保存の方法や業務フローを社員に周知して、徹底することが重要です。

電子化に伴い新たなシステムを導入する場合は、操作方法をまとめたマニュアルを作成しましょう。操作方法が難しいシステムや理解しにくいマニュアルは、社員の反発を招く恐れがあるため注意が必要です。

10-2.スキャナ保存の開始日より前の領収書を保存する場合は税務署へ届出が必要

2022年1月以降は、領収書の原本をスキャナやスマートフォンで電子化する際、税務署への届出は必要ありません。ただし、スキャナ保存の開始日以前の領収書をさかのぼって電子化する場合は、届出が必要です。

領収書には法律で定められた保管期間があることを踏まえて、以下のいずれかで対応しましょう。

  • 税務署への届出を行い、過去の領収書も電子化する
  • 届出は行わず、過去の領収書は保管期間の終了日まで紙で保管する

10-3.システム導入に必要なコストを確認

電子化に伴い、経費精算システムを導入する場合は、初期費用やランニングコストが発生します。費用はシステムごとに異なり、機能が充実したものほど利用料は高額になる傾向にあります。

自社が抱える経費精算の課題を洗い出し、必要な機能が搭載されたシステムを導入しましょう。

経費精算システムの選び方にお悩みの方は、システムの導入メリットや選定方法についてまとめた以下の記事を併せてご覧ください。

関連記事:経費精算システムとは?導入時のメリットやシステムの選び方を解説

11.領収書の原本に関するよくある質問

領収書の原本の取り扱いに関する、よくある3つの質問にお答えします。領収書を適切に保管できるように、領収書の取り扱いや電子化の必要性について理解を深めておきましょう。

11-1.領収書の原本はコピーして良い?

領収書原本をコピーする行為自体は問題ありませんが、コピーによる申請・保管は原則認められていません。二重請求や改ざんによる水増し請求が発生したり、税務調査で不利になったりする可能性があるため、特別な理由がない限りコピーは避けましょう。

不正な請求や税務調査での不備が発生した場合、経理担当者に負担がかかる可能性があります。

11-2.領収書の原本は電子化すれば破棄して良い?

スキャナ保存の要件を満たしていれば、紙の領収書を電子化した後に原本を破棄しても問題ありません。破棄できる旨は、2022年1月に改正された電子帳簿保存法で定められています。

電子帳簿保存法は、領収書や請求書などの電子データによる保存を認める法律です。

11-3.領収書を電子化するメリットはなに?

領収書を電子化することで紛失・劣化のリスクを軽減でき、良好な状態で保存可能です。特定の領収書を検索しやすくなったり保管コストを抑えられたりすることから、業務効率化も期待できるでしょう。

領収書原本を提出・受領するために出社する必要がなく、リモートワークに対応しやすい点もメリットです。

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領収書の原本は、スキャナ保存の要件を満たしていれば、電子化した後に破棄しても問題ありません。領収書の電子化には、紛失・劣化の防止や検索性の向上、保管コストの削減、リモートワークの推進といった複数のメリットがあります。

電子化に伴いシステムを導入する場合は、コストの確認や電子保存の方法・業務フローの周知を徹底し、スムーズな電子化を実現しましょう。

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