電話料金の勘定科目とは? 固定電話やスマートフォンのケースも!
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-10-11
電話料金の勘定科目は、基本的に通信費となります。しかし、電話に関わるすべての費用が電話料金ではないため、状況に応じて仕訳をしなければなりません。この記事では、電話やスマートフォンなどの電話料金の勘定科目について解説します。電話に関する勘定科目を適切に扱うために、ぜひ参考にしてください。
固定電話の電話料金の勘定科目について
ここでは、固定電話に関連する勘定科目について解説します。
固定電話の購入費などの勘定科目
新しく固定電話を設置するには、契約手数料、工事費、機器購入費などの費用がかかります。固定電話の設置や取得などに必要な支出は、基本的に電話料金には含まれません。固定電話を導入するためにかかった支出が10万円以上なら、固定資産とみなされます。電話設備の法定耐用年数は6年と定められているため、毎年1/6ずつ減価償却費として計上する必要があります。
なお、固定電話を導入するためにかかった支出が10万円未満なら、消耗品費として計上可能です。導入した年に全額を消耗品費として仕訳できます。
固定電話の電話料金の勘定科目
固定電話について電話料金に含まれる費用は、毎月の基本料金、通話料、屋内配線のレンタル料、電話のオプション機能にかかる費用などです。これらの電話料金の勘定科目は、通信費となります。
たとえば、通信費の5万円を当座預金から支払った場合、借方に通信費の50,000円、貸方に当座預金の50,000円を記載します。摘要には、いつの電話料金であるか記しましょう。
電話料金は基本的に後払いであるため、発生と支払いの時期にズレがある点に注意してください。経費を計上する際は発生主義が原則となっており、決算をまたぐ際は未払費用を使用して、当期に該当する通信費を計上する必要があります。
スマートフォンの電話料金の勘定科目
携帯電話も含むスマートフォンについては、どの勘定科目を使用すればよいのでしょうか。以下で詳しく解説します。
スマートフォンの購入費の勘定科目
固定電話同様、スマートフォンの購入費についても金額によって勘定科目が変化します。近年のスマートフォンは、10万円を超える機種も珍しくありません。購入費が10万円以上のスマートフォンは固定資産に該当し、工具器具備品としての仕訳が必要です。工具器具備品の耐用年数は4年であり、毎年1/4ずつ減価償却費で計上しましょう。
なお、スマートフォンの購入費が10万円以下なら、消耗品費として計上が可能です。
スマートフォンの通信料の勘定科目
スマートフォンは仕事で頻繁に利用されるようになっており、経費として計上できます。スマートフォンの料金は通話料ではなくデータ通信料ですが、勘定科目は通信費となります。
たとえば、スマートフォンの通信費として3万円を当座預金から支払った場合、借方に通信費の30,000円、貸方に当座預金の30,000円を記載します。摘要には、いつのスマートフォンの通信費であるか分かるように記しましょう。固定電話と同様、スマートフォンの通信費も基本的には後払いです。発生と支払いの時期にズレがあるため、決算をまたぐ際は未払費用を使用して、当期に該当する通信費を計上してください。
個人事業主が仕事とプライベートを併用している場合の電話料金
スマートフォンを仕事とプライベートで兼用しているケースで経費として計上できる費用は、仕事で使用した分のみです。そのため、仕事で使用した分を割り出したうえで、仕訳を行う必要があります。
基本的には、明細を確認して仕事で使用した分を計算しましょう。ただし、定額プランを利用している場合は、仕事で使用した分の計算がしにくいです。仕事とプライベートのそれぞれでどの程度の時間スマートフォンを利用しているか把握し、その割合をもとに家事按分して経費を計上してください。なお、この考え方は固定電話やインターネットについても同様です。
法人の電話料金について
法人の電話料金の勘定科目については、さまざまなポイントがあります。以下でくわしく解説します。
会社が従業員にスマートフォンなどを貸与した場合
会社が従業員にスマートフォンなどを貸与した場合、仕事を目的とする貸与であるため、データ通信料の全額を経費として計上できます。会社が複数のスマートフォンを所有して従業員に貸与するケースは増えています。このケースでは、毎月のスマートフォンの使用料金は、すべて通信費として計上可能です。
従業員個人のスマートフォンなどを経費精算する場合
会社から貸与されているわけでなく、従業員個人が所有しているスマートフォンを業務に使用した場合は、仕事のために使用した分のみが経費精算の対象になります。従業員がスマートフォンを使用する頻度が少ない企業では、必要に応じて従業員自身のスマートフォンを、仕事で使用させるパターンも多いです。
一般的には明細を確認したうえで、仕事で使用した分のみを経費精算します。ただし、その作業が煩雑になりがちであるため、あらかじめ使用分を見越して手当を支給する方法もあります。この方法では、従業員がスマートフォンを使用するたびに経費精算する手間が不要です。スマートフォンの利用に対して手当を支給する場合、通信費ではなく給料として扱います。
電話に関する3つの勘定科目の解説
ここまで、電話や電話料金に関する勘定科目や経費精算のルールなどについて解説してきました。各勘定科目には異なる特徴があるため、それぞれについて深く理解することが大切です。ここでは、通信費、消耗品費、固定資産についてそれぞれの詳細を解説します。
通信費
「通信費」とは、業務の範囲内で必要とされる通信や配送にかかわる費用の勘定科目です。
通信費には主に以下の費用が仕訳されます。
- 電話料金・FAX代
- インターネット料金・プロバイダ料金
- 郵送代・宅配代
- テレビ・有線放送の受信料
上記は、さらに細かく分類されるため、自社で使用しているものについて正確に理解し、計上することが必要です。たとえば、郵便や宅配の費用としては、切手代、はがき代、宅配便・メール便・バイク便などの利用料などさまざまなものが含まれています。
消耗品費
「消耗品費」とは、使用すると消耗または摩耗するものの購入にかかる費用です。事務用品や備品の費用のほか、使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満の什器備品の購入費も該当します。
一般的に消耗品費として扱われているものは、以下の通りです。
- 事務用品
- パソコン用品
- 日用品
- 医療用品
固定資産
固定資産は、流通や販売が目的ではなく、会社が長期間保有する資産や、1年以上に期間を経て現金化・費用化される資産のことです。土地、建物、機械設備などだけでなく、形がないソフトウェアなども固定資産に含まれます。
固定資産の購入費は、購入した年に全額を費用として計上できるわけではありません。前述のとおり、耐用年数に応じて減価償却費を分割計上する必要があります。固定電話は電話設備に該当し、電話設備の耐用年数は6年です。また、スマートフォンは工具器具備品とみなされ、耐用年数は4年とされています。毎年忘れずに減価償却費を計上し、適切に処理しましょう。
なお、固定資産に該当するかどうかは購入した金額によって変化するため、同じものでも勘定科目が異なる可能性があります。
まとめ
電話料金の勘定科目については、状況に応じて判断する必要があります。経費として計上する際はさまざまな注意点があるため、それぞれの詳細をよく確認して対応することが大切です。
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