経費精算してくれない!経理担当者・申請者の視点での悩みと解決策
- 記事公開日:
- 最終更新日:2025-01-28
- この記事の3つのポイント
- 経費精算は社内の期限を過ぎても税法上は年度内まで可能
- 経費精算が遅れるのは、複雑な申請ルールや、経理側の管理・リマインド・確認に時間がかかるため
- 経費精算の遅延防止には業務フローの見直しや法人クレジットカード・経費精算システムの導入が有効
従業員がルール通りに経費精算の申請をしてくれない、とお悩みの経理担当者もいるでしょう。経費精算が遅れる背景には、申請者側・経理担当者側それぞれの運用フローに問題が隠れている可能性があります。
本記事では、経費精算が遅れる要因を申請者・経理担当者それぞれの視点に分けて解説します。経費精算の遅れを防ぐための解決策についても紹介しますので、改善にお役立てください。
経費精算してくれない!経理担当者・申請者の視点での悩みと解決策
経費精算の期限は法律により年度内と定められている
税法上では、年度内を経費精算の期限とすることが認められています。理由としては、どの企業も年度末に決算書を作成する義務があり、その際に経費についてもまとめなくてはならない点が挙げられます。
もし経費精算が年度内に正しくおこなわれなかった場合は、決算書の修正や再提出が必要です。
決算書の期限を守ることは、決算時における経理担当者の業務負担を軽減することにもつながるため、年度末までにすべての経費精算が完了していることが望ましいと言えます。
ただ一度に大量の経費精算を処理するのは手間になるため、社内ルールとして申請期限を「毎月月末まで」のように1カ月ベースで設定している企業も多いでしょう。
月や年度をまたいでしまった際の会計処理方法については、以下の記事をお読みください。
関連記事:月またぎや年度またぎの経費精算は可能?適切な会計処理と計上漏れの防止策
期限を過ぎても申請者の請求権は5年間消滅しない
従業員が経費を申請する権利の有効期限は、年度末ではなく「5年間」と民法の消滅時効にて定められています。
<引用>
(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
出典:e-Gov法令検索「民法第百六十六条」
そのため社内の申請期限を過ぎていたとしても、5年以内であれば企業側が一方的に支払いを拒否することは認められません。
経費精算してくれない!2つの視点での経費精算の悩みと遅れる要因
経費精算が遅れるときは、申請者側と経理側のそれぞれで問題が発生している可能性があります。ここでは、各視点に分けて経費精算が遅れる要因を見てみましょう。
申請者側が遅れる要因
申請者の経費精算が遅れる要因としては、申請フローが複雑化していることや、立替期間に関して明確なルールを設けていないことが考えられます。
たとえば申請書に記載する事項が多すぎたり、項目ごとの申請ルールが細分化されすぎていると、「申請は面倒なもの」と感じて後回しにされてしまうでしょう。フローが複雑化していると、ルールに沿っていない書類を提出する申請者も出てくるかもしれません。
紙での回覧が必須だと、上長の外出時に承認の流れがストップしてしまい、経理に回るまでの時間がかかって遅延につながります。立替期間についても、期日が明確に決まっておらずルール化できていないと、申請者が先延ばしにしやすくなります。
ルールが申請者に認知されていなかったり、ルールを守らない管理職がいたりするなど、社内全体で経費精算に対する意識が低い場合も、遅延を引き起こしかねません。
経理側が遅れる要因
一方、経理側(企業側)で経費精算が遅れてしまう要因には、フローが煩雑化していること、リマインドや確認業務・管理作業に手間がかかることが挙げられます。
申請者だけでなく経理担当者の業務フローも複雑化していると、承認や確認に膨大な時間がかかります。たとえば、外出していることの多い管理者の承認が必須だと、その人がオフィスに戻ってくるまで作業を進められません。
また経費精算では、申請書類の確認や申請者・承認者へのリマインド、領収書やレシートの管理など多くの確認業務が発生します。小口現金での精算が多い企業では、経理担当者による人的ミスも生じやすくなるでしょう。ミスや不備があるたびに修正や確認をおこなっていると、当然ながら業務の遅延につながります。
経費精算が遅れることで起こる問題については、以下の記事で解説しています。
経費精算の遅れを防ぐための解決策
では、経費精算の遅れを防ぐにはどうしたらよいでしょうか。遅延を防ぐためにできる4つの解決策を解説します。
経費精算のフローを改善する
まずは、遅延の要因とも言える経費精算フローを見直しましょう。申請者と経理の手間をそれぞれ軽減し、シンプルな運用にすることで遅れを防げます。
領収書必須としていたところをレシートでも認めるよう緩和したり、申請書類の記入項目を減らしたりするだけでも、負担を軽減できるでしょう。
申請期日を明確に定めることや、経費対象の項目を誰でも理解できるものにするなど、わかりやすいルールに修正するのも重要です。
経費精算の期限を繰り返し通知する
期日までに申請がされるよう、社内で期限を繰り返し通知するのも効果的です。
何も言われないままだと、通常業務に追われてつい申請を忘れてしまう人もいます。そこで、経理担当者から何度か期限を通達するのがよいでしょう。
通知方法としては、社内メールやチャットツール、掲示板への貼り紙などが挙げられます。期限を過ぎるとどのような問題が起こるのかも伝えることで、申請者側も注意してくれるでしょう。
ただし、通知によって経理担当者の負担が増えては本末転倒です。無理のない範囲で、月に数回程度の通知にとどめましょう。
経費精算に法人クレジットカードを利用する
経費精算をキャッシュレスにして、情報を一元管理する方法もあります。
現金での精算は手間も時間もかかるうえ、人的ミスも生じやすいです。しかし、法人クレジットカードを導入してキャッシュレス化すれば、経理担当者が利用履歴をすぐに確認できるため、申請が遅れる心配もありません。また、経費が発生してから精算までにかかる時間も短縮できます。
法人クレジットカードは、特に経費精算が多い部署や従業員に配布するのがおすすめです。法人クレジットカードを利用するメリットやデメリットについては、以下の記事をご確認ください。
関連記事:法人カードで経費精算するメリット・デメリットとは?流れや注意点も解説
経費精算システムを導入する
経費精算システムを導入して申請・承認の手間を省くと、申請の遅れを防げるだけでなく、申請者・経理双方の業務負担も軽減できます。クラウドを利用した経費精算システムなら、申請から承認まですべてをオンラインで完結できるのが魅力です。
これまでは担当者が外出先から戻ってくるまで進められなかった承認業務も、出先からチェックしてもらえるため、効率的に完了します。紙の申請書の出力や押印も原則不要で、電子での申請・承認となるため、修正や確認にかかる時間も大幅に短縮できるでしょう。
領収書やレシートの電子保存も可能なため、経費が発生し次第すぐに申請に取りかかれます。紙ベースでの原本保管が不要となれば、紛失リスクも軽減でき、監査にもスムーズに対応できます。
経費精算システムの詳細は、以下の記事にて解説していますのでご確認ください。
「バクラク経費精算」なら経費精算をスムーズに!
社内の経費精算の期限を過ぎても、申請者の請求権は有効な場合があります。しかし、期限を過ぎて申請がおこなわれると、月次決算や年度末決算業務に大きな影響を及ぼします。
申請の遅れを防ぐには、申請者と経理それぞれのフローを見直し、期限の通達をおこなったり、法人カード・経費精算システムを導入したりするのが有効です。
バクラク経費精算なら、スマートフォンからでも申請や承認作業が可能で、領収書も一括で読み取りができます。承認通知の設定も可能なため、漏れや申請遅れも未然に防げます。また、ミス防止機能を搭載しており、重複申請や領収書の使いまわしがある際にアラートを出すことも可能です。
経費精算の遅れを減らしたいのであれば、ぜひバクラク経費精算の活用をご検討ください。