債権回収とは?具体的な手法と時効などの注意点をわかりやすく解説

債権回収は、取引先などから支払われるべき金銭を回収するための活動です。回収が遅延すると、資金繰りの悪化や貸倒れにつながる可能性があります。

本記事では債権回収の主な手法や流れ、注意点について解説し、回収率を高めるためのポイントも紹介します。

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債権回収とは?具体的な手法と時効などの注意点をわかりやすく解説

債権回収とは?

債権回収とは、取引先や借主などの債務者に対して、支払われるべき金銭を回収するために債権者が行う活動です。債権とは、相手に一定の行為を求める権利を指し、その中でも金銭の支払いを請求できる権利を金銭債権といいます。

代表的なものには、売掛金や受取手形、貸付金などがあります。通常は請求書を発行すれば支払期限までに入金されますが、取引先と連絡が取れなくなった場合や、資金不足を理由に支払いを延期された場合などは、債権回収が必要です。

また、取引先の経営悪化や不渡りが発生した際も、迅速な対応が欠かせません。

債権には消滅時効があるため、未回収のまま放置すると回収が難しくなる可能性があります。企業の資金繰りを安定させるためにも、適切なタイミングで対応することが重要です。

債権について詳しくは以下の記事で解説しています。本記事と併せてご覧ください。

関連記事:債権とは?似た用語との違いや契約種類、債務者への法的手段を解説

債権回収の主な手法と流れ

債権回収には、債権額や相手方の対応、時効までの期間などに応じて、さまざまな方法があります。ここからは、一般的な債権回収で用いられる主な手法と、それぞれの手続きの流れを見ていきましょう。

1)電話やメールでの交渉

一般的に、電話やメールによる交渉は、債権回収の第一段階として行われる方法です。入金がない場合でも、取引先が支払いを失念していたり、振込手続きにミスが発生していたりするケースは少なくありません。

また、社内手続きの遅れや一時的なトラブルが原因で入金が遅れている場合もあります。時効の完成が迫っておらず、相手方に信用不安や財産散逸のおそれがない場合は、まずは電話やメールで連絡を取り、事情を確認しましょう。

債務者に支払いの意思があれば、この段階で解決できる可能性があります。催促メールの例文については以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:未入金をやんわりと伝える催促メールの例文を注意点とともに解説

2)内容証明郵便による督促

電話やメールで解決しない場合、内容証明郵便による督促を検討します。内容証明郵便を利用すれば、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛てに差し出したかを郵便局が証明してくれます。

内容証明郵便は一般書留で差し出す必要がありますが、それだけでは相手が受け取った事実を証明できません。そのため、郵便物を配達した事実を証明するには、一般書留のオプションである配達証明を利用しましょう。

内容証明郵便で送付することで、単なる催促ではなく請求の意思を明確に示す効果が期待できます。

また、後に裁判へ発展した場合、いつどのような内容を差し出したのかを示す証拠として利用可能です。

3)民事調停手続き

民事調停手続きは、裁判所が仲介役となり、当事者同士の話し合いによって解決を目指す制度です。訴訟とは異なり、双方の合意を重視しながら解決策を探ります。

債務者に支払いの意思がある場合は、一括払いだけでなく分割払いなど柔軟な条件を検討できる点が特徴です。また、裁判に比べて、手続きの負担や費用を抑えやすいメリットがあります。

民事調停手続は、話し合いによる解決が期待できる場合、有効な債権回収手段の一つといえるでしょう。

4)支払督促

支払督促とは、簡易裁判所を通じて債務者に支払いを求める法的手続きです。電話やメールでの交渉では回収できない場合に利用されますが、交渉をせずに申し立てることも可能です。

債権者が申し立てを行うと、裁判所書記官が書面を審査し、要件を満たしていれば支払督促を発付します。通常訴訟と比べて手続きが簡単で、比較的迅速に進められる点が特徴です。

また、債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に督促異議を申し立てなければ、債権者は、その後30日以内に仮執行宣言を申し立てることが可能です。仮執行宣言を申し立てると簡易裁判所の裁判所書記官による審査が行われ、仮執行宣言付支払督促が送達されます。

仮執行宣言付支払督促が送達されると、債権者は強制執行を申し立てることが可能です。ただし、債務者が所定の期間内に督促異議を申し立てた場合は、通常訴訟へ移行します。

5)通常訴訟

交渉や督促を行っても支払いを受けられない場合は、通常訴訟を提起することがあります。通常訴訟は、少額訴訟のように請求の上限額は設けられていません。ただし、訴額140万円以下は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所が第一審を管轄します。

手続きでは、原告が裁判所へ訴状を提出し、裁判所が被告へ訴状を送達します。その後、口頭弁論や証拠提出などを経て、判決が下される流れです。

時間がかかるイメージのある訴訟ですが、相手方が争わない場合には比較的早期に判決が出るケースもあります。

6)少額訴訟

60万円以下の金銭債権を回収する場合は、簡易裁判所で少額訴訟を利用できます。少額訴訟は、迅速な解決を目的とした特別な民事訴訟手続です。

少額訴訟は通常訴訟とは異なり、原則として1回の審理で紛争解決を図ります。

ただし、被告の申し立てや裁判所の判断により通常訴訟へ移行する場合もあるため、必ずしも少額訴訟で完結するとは限らない点には注意しましょう。

7)強制執行

強制執行は、確定判決や調停調書、仮執行宣言付支払督促などの債務名義を取得したにもかかわらず、債務者が支払いに応じない場合に行う手続きです。

裁判所を通じて債務者の財産を差し押さえ、売却や取立てによって債権の回収を図るもので、強制執行の対象となる財産には、不動産や動産、預金などがあります。

債務者の財産を強制的に換価したり、銀行や勤務先などの第三債務者から支払いを受けたりするため、債権回収における強力な手段です。

ただし、差し押さえ可能な財産がなければ、回収できない点に留意しましょう。

売掛金の回収方法や仕訳例、債権者が支払いを請求する具体的な流れなどについては、以下の記事で解説しています。こちらも併せてご覧ください。

関連記事:売掛金の回収方法と仕訳例、未回収リスクを減らす対策を解説

関連記事:債権者が支払いを請求するには?具体的な流れや法的措置など詳しく解説!

債権回収に関するポイントと注意点

債権回収では、適切な手続きを選ぶだけでなく、時効や対応のタイミングにも注意が必要です。ここからは回収の機会を逃さないために、事前に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

債権には消滅時効がある

債権回収で特に注意したいのが消滅時効です。消滅時効とは、一定期間権利が行使されず債務者が時効を援用した場合に、その権利が消滅する制度を指します。

改正後の民法が適用される債権は原則として「権利を行使できることを知ったときから5年」または「権利を行使できるときから10年」のいずれか早い時点で時効が完成します。

時効が迫っている場合は、時効の完成猶予もしくは更新の措置を検討することが大切です。

支払督促の申立てや裁判上の請求などを行うと、手続終了まで時効の完成が猶予されます。確定判決などで権利が確定した場合は時効が更新されますが、取下げや却下の場合は、終了後6か月間の完成猶予にとどまります。

なお、2020年4月1日より前に生じた債権には、改正前の民法が適用されることもあるため注意しましょう。

債権回収の時効については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

関連記事:債権回収の時効はいつ?消滅時効の考え方や完成猶予・更新方法を解説

早めに行動するのが重要

債権回収は時間との勝負です。入金遅延に気付いた段階で速やかに行動するほど、回収できる可能性は高まります。

取引先が支払期限までに代金を支払えなかった場合、その取引先は他の債権者への支払いも滞っている可能性があります。また、経営状況がさらに悪化し、最終的には倒産に至るケースも少なくありません。

時間が経つほど債務者の資産は減少し、回収できる金額も少なくなる傾向があります。貸倒れリスクを抑えるためにも、支払い遅延を確認したら早期に対応を始めることが大切です。

対応が困難な場合は専門家に相談する

債務者と連絡が取れない、高額な債権の回収が必要などの場合は、弁護士への相談を検討しましょう。

弁護士へ依頼するメリットは、交渉や督促、訴訟手続き、書類作成などを一任できることです。また、豊富な知識や経験を活かし、回収の可能性を高められる場合があります。

一方で、依頼に着手金や報酬などの費用が発生する点はデメリットです。回収見込み額とのバランスを考慮しながら、依頼の必要性を判断しましょう。

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債権回収では、入金遅延への迅速な対応や時効管理、適切な回収手段の選択が重要です。しかし、請求件数が増えるほど請求書の発行や入金確認、督促対応などの業務負担は大きくなります。

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