請書(注文請書)とは?目的や契約書との違い、書き方を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2025-02-06
- この記事の3つのポイント
- 請書(注文請書)は、受注側が発注側に対して仕事や注文を引き受ける意思を示す文書
- 請書には発行日や発注者情報などの必要事項を書かなくてはならない
- 契約金額が1万円以上の場合は収入印紙が必要
「契約書は知っているが、請書(注文請書)については詳しく知らない」という方もいるでしょう。取引時に必要な書類として一般的に契約書が挙げられますが、請書もまた大切な書類です。
本記事では請書の概要や書き方、契約書との違いを解説します。請書に必要な収入印紙についても言及しているので、請書について知識を深めたい方は参考にしてください。
請書(注文請書)とは?目的や契約書との違い、書き方を解説
請書(注文請書)とは?
請書は「うけしょ」と読み、受注側が発注側に対して仕事や注文を引き受ける意思を示すために作成する文書です。注文請書とも呼びます。
請書単体に法的拘束力はほぼありませんが、自分の提案や要望を明確にし、相手の同意や協力を得る手段として有効です。
仕事の発注者と受注者の間で交わされる契約のプロセスは、以下のとおりです。

- 発注者が受注者に問い合わせる
- 受注者が発注者に見積書を送る
- 発注者が受注者に注文書を送る
- 受注者が発注者に請書を送る
請書が発注者に提出された段階で、正式な契約が成立します。
契約書との違い
請書と契約書との違いは、以下の表のとおりです。
請書 | 契約書 | |
法的効力 | 弱い (取引の証拠にはなるが、強制力は限定的) | 強い (契約内容の履行を強制可能) |
作成者 | 受注側 | 発注側と受注側の双方 |
使用場面 | 日常的な取引や比較的簡易な取引 | 重要な取引や長期的な取引 |
契約書は単体で発注書と請書の代わりになりますが、請書単体では取引の証拠として認められません。取引金額が大きい場合は、請書ではなく契約書を選ぶのが一般的です。取引の重要度に応じて適切な文書を選択しましょう。
請書の書き方

発行日 | 書類発行日 (注文書の発行日を記載することもある) |
発注者情報 | 会社名、住所、担当者名、連絡先など |
受注者情報 | 会社名、住所、担当者名、連絡先など |
注文内容 | 品名、数量、単価、金額、納期、納品方法など |
支払条件 | 支払期日、支払方法など |
請書を書く際には、注意点がいくつかあります。
- 必要事項には漏れがないように記載する
- 内容は、発注者と受注者の両方が合意しなければならない
- 口頭で合意するのではなく書面で作成し、一定期間保管する
- 受注者の署名と捺印を忘れないようにする
請書の記載漏れや間違いがあると、トラブルの原因になるので気を付けましょう。
契約金額が1万円以上の場合は収入印紙が必要
収入印紙とは、租税や手数料などの徴収を目的とした、国が発行している証票です。
印紙税法が定める課税文書(契約書や領収書、請書など)には、収入印紙を貼らなくてはなりません。契約金額が1万円以上の場合は、収入印紙を忘れないようにしましょう。
契約金額ごとの収入印紙の金額は、以下の表を参考にしてください。
記載された契約金額 | 収入印紙の金額 |
1万円未満 | 不要(非課税) |
1万円以上100万円以下 | 200円 |
100万円超200万円以下 | 400円 |
200万円超300万円以下 | 1,000円 |
300万円超500万円以下 | 2,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 |
10億円超50億円以下 | 40万円 |
50億円超 | 60万円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
参考:国税庁「印紙税額」
請書に貼る収入印紙には、消印(割り印)を押します。収入印紙と請書の境目に消印(割り印)の真ん中がくるように、バランスを意識しましょう。
FAX送信やPDFのデータ送信、メール送信などで電子化した請書は印紙税が不要です。電子帳簿保存法の改正により、電子化した請書はそのまま電子データとして保存しなくてはなりません。
収入印紙について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
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発注者と受注者の間で契約を交わす際に必要なのが、請書(注文請書)です。契約書とは異なるので注意しましょう。金額の大きな取引では、請書ではなく契約書を選択するのが一般的です。
契約金額が1万円以上の場合は、収入印紙が必要になります。メール送信などで電子化した請書は印紙税が不要なので、印紙税を節約したい方は電子化を検討しましょう。
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