請書(注文請書)とは?目的や契約書との違い、書き方を解説

「契約書は知っているが、請書(注文請書)については詳しく知らない」という方もいるでしょう。取引時に必要な書類として一般的に契約書が挙げられますが、請書もまた大切な書類です。

本記事では請書の概要や書き方、契約書との違いを解説します。請書に必要な収入印紙についても言及しているので、請書について知識を深めたい方は参考にしてください。

経理の担当経験が浅い方向けの「虎の巻」

経理担当に役立つエクセルの関数・ショートカット集と、多用される勘定科目の一覧を収録しています。ChatGPTで活用できるプロンプト集も付録。

請書(注文請書)とは?目的や契約書との違い、書き方を解説

請書(注文請書)とは?

請書は「うけしょ」と読み、受注側が発注側に対して仕事や注文を引き受ける意思を示すために作成する文書です。注文請書とも呼びます。

請書単体に法的拘束力はほぼありませんが、自分の提案や要望を明確にし、相手の同意や協力を得る手段として有効です。

仕事の発注者と受注者の間で交わされる契約のプロセスは、以下のとおりです。

  1. 発注者が受注者に問い合わせる
  2. 受注者が発注者に見積書を送る
  3. 発注者が受注者に注文書を送る
  4. 受注者が発注者に請書を送る

請書が発注者に提出された段階で、正式な契約が成立します。

契約書との違い

請書と契約書との違いは、以下の表のとおりです。

 請書契約書
法的効力

弱い

(取引の証拠にはなるが、強制力は限定的)

強い

(契約内容の履行を強制可能)

作成者受注側発注側と受注側の双方
使用場面日常的な取引や比較的簡易な取引重要な取引や長期的な取引

契約書は単体で発注書と請書の代わりになりますが、請書単体では取引の証拠として認められません。取引金額が大きい場合は、請書ではなく契約書を選ぶのが一般的です。取引の重要度に応じて適切な文書を選択しましょう。

請書の書き方

請書に記載すべき一般的な内容は、以下のとおりです。表とサンプル画像を参考に、自社に合う内容で請書を作成してみましょう。
発行日

書類発行日

(注文書の発行日を記載することもある)

発注者情報会社名、住所、担当者名、連絡先など
受注者情報会社名、住所、担当者名、連絡先など
注文内容品名、数量、単価、金額、納期、納品方法など
支払条件支払期日、支払方法など

請書を書く際には、注意点がいくつかあります。

  • 必要事項には漏れがないように記載する
  • 内容は、発注者と受注者の両方が合意しなければならない
  • 口頭で合意するのではなく書面で作成し、一定期間保管する
  • 受注者の署名と捺印を忘れないようにする

請書の記載漏れや間違いがあると、トラブルの原因になるので気を付けましょう。

契約金額が1万円以上の場合は収入印紙が必要

収入印紙とは、租税や手数料などの徴収を目的とした、国が発行している証票です。

印紙税法が定める課税文書(契約書や領収書、請書など)には、収入印紙を貼らなくてはなりません。契約金額が1万円以上の場合は、収入印紙を忘れないようにしましょう。

契約金額ごとの収入印紙の金額は、以下の表を参考にしてください。

記載された契約金額収入印紙の金額
1万円未満不要(非課税)
1万円以上100万円以下200円
100万円超200万円以下400円
200万円超300万円以下1,000円
300万円超500万円以下2,000円
500万円超1,000万円以下1万円
1,000万円超5,000万円以下2万円
5,000万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下10万円
5億円超10億円以下20万円
10億円超50億円以下40万円
50億円超60万円
契約金額の記載のないもの200円

参考:国税庁「印紙税額

請書に貼る収入印紙には、消印(割り印)を押します。収入印紙と請書の境目に消印(割り印)の真ん中がくるように、バランスを意識しましょう。

FAX送信やPDFのデータ送信、メール送信などで電子化した請書は印紙税が不要です。電子帳簿保存法の改正により、電子化した請書はそのまま電子データとして保存しなくてはなりません。

収入印紙について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:収入印紙はいくらから必要?文書ごとの金額一覧表(領収書・契約書等)

簡単で正確な経費精算を実現する「バクラク経費精算」

発注者と受注者の間で契約を交わす際に必要なのが、請書(注文請書)です。契約書とは異なるので注意しましょう。金額の大きな取引では、請書ではなく契約書を選択するのが一般的です。

契約金額が1万円以上の場合は、収入印紙が必要になります。メール送信などで電子化した請書は印紙税が不要なので、印紙税を節約したい方は電子化を検討しましょう。

バクラク経費精算は、経費精算業務を効率化できるクラウドベースのシステムです。電子帳簿保存法にも対応しています。書類をアップロードするだけで高精度のAIが情報を読み取り、データ化・電子保管してくれるため、業務の負担軽減につながるでしょう。

請書や契約書の電子保管に悩んでいる方は、バクラク経費精算の導入をぜひご検討ください。

AIが大量の領収書を秒速処理する「バクラク経費精算」

パソコン、スマホから手軽に経費精算が可能。領収書をアップロードするとデータが自動入力されるので、原本の回収・ファイリングが不要に。手間のかかるインボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。簡単で正確な経費精算を実現するツールをぜひご体感ください。