コンサルティング費用の勘定科目とは?仕訳する方法や注意点など徹底解説!

コンサルティング費用は、企業が専門的なアドバイスを得る対価として、外部コンサルタントやコンサルティング企業に支払うものです。しかし、コンサルティングで提供されるサービスは多岐にわたるため、適切な勘定科目の選定に迷う担当者もいるかもしれません。

本記事では、コンサルティング費用を経費計上する際の勘定科目や、仕訳の注意点などについて詳しく解説します。ぜひ、参考にしてください。

経理の担当経験が浅い方向けの「虎の巻」

経理担当に役立つエクセルの関数・ショートカット集と、多用される勘定科目の一覧を収録しています。ChatGPTで活用できるプロンプト集も付録。

コンサルティング費用の勘定科目とは?仕訳する方法や注意点など徹底解説!

コンサルティング費用を経費にする際の勘定科目とは

コンサルティング費用を経費にする際の勘定科目には、主に外注費や支払手数料が選択されます。それぞれの勘定科目の概要を、具体的な使用例に触れつつ解説します。

外注費

コンサルティング費用を経費計上する際、勘定科目には主に外注費が用いられます。外注費とは、特定の業務やプロジェクトを、社外の個人や組織に委託する際に発生する費用のことです。

社内では対応できない業務が発生したとき、企業は外部の専門知識を活用するために外注を検討します。また、外注費は、製造や制作に関わる委託費用だけではなく、コンサルティングに費やした費用にも適用可能です。

例えば、マーケティング戦略の策定を専門のコンサルタントに依頼した場合は、コンサルタント料を外注費として経費計上します。

支払手数料

支払手数料は、金融機関やサービスに対する手数料や料金を記録する勘定科目です。支払手数料には、振込手数料や為替手数料などの金融取引関連費用に加え、コンサルタントのような専門家に支払う報酬も含まれます。

例えば、コンサルティング企業への契約手数料やプロジェクト管理費用などは、支払手数料に該当します。

経費処理では、契約や取引に関わるお金の流れを丁寧に記録することが大切です。コンサルティング費用についても、適切な勘定科目を使用して漏れなく正確に書き留めましょう。

コンサルティング費用とは

コンサルティング費用は、企業が専門的なアドバイスを得る目的で、外部コンサルタントやコンサルティング企業に支払うものです。コンサルティングを依頼する企業の目的は、主に以下のとおりです。

  • ビジネスの各種問題の解決
  • 組織のパフォーマンスの改善
  • 新たな戦略の策定
  • 市場分析や競合調査
  • 業務プロセスの最適化
  • 技術導入や変革管理の支援

コンサルティング費用は、一般的に、時間単位で料金が設定される場合と、プロジェクトの内容ごとに一括で料金が設定される場合があります。

コンサルタント契約と顧問契約の違い

専門的サービスを提供する点では、コンサルタント契約と顧問契約は共通しています。ただし、契約期間とサービスの性質には、明確な違いがあります。

コンサルタント契約には、特定のプロジェクトや課題に焦点を当てた、短期的または一時的な契約が多い傾向です。

一方、顧問契約は、企業に継続的にアドバイスを提供して長期的な関係を築くものです。顧問契約を結んだ企業は、経営方針や状況に応じて、幅広い課題に対するアドバイスをもらえます。

コンサルティング費用を経費として仕訳する方法

コンサルティング費用の仕訳は、契約内容や支払い形態に応じて適切に行いましょう。以下では、月額契約や、単発のプロジェクトベース契約、個人コンサルタントへの依頼における仕訳方法について解説します。

ケース1.月額契約を結んでいる

コンサルタントと月額契約を結び、毎月の固定額を支払う場合の仕訳例を解説します。例えば月額50万円を外注費として仕訳する場合は、以下のように記帳しましょう。

借方 金額 貸方 金額
外注費 500,000円 現金 500,000円

なお、月末に費用を計上し翌月に支払う場合は「未払金」として計上し、支払時に「未払金」から「現金」に振り替える処理を行います。

ケース2.特定のプロジェクトに対して一度きりの支払いを行う

特定のプロジェクトに対して、一度きりの支払いを行う場合の仕訳例を解説します。例えば、プロジェクト費用15万円を支払手数料として仕訳する場合は、以下のように記帳しましょう。

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 150,000円 現金 150,000円

支払手数料ではなく、外注費としての記帳も可能です。一般的に、外注費よりも支払手数料として記載した方が、業務の専門性をより適切に表現できる場合があります。企業として外注費と支払手数料を明確に区別したい場合は、勘定科目を使い分けましょう。

ケース3.個人の経営コンサルタントに依頼する

個人の経営コンサルタントに依頼する場合は、基本的に源泉徴収が必要です。例えば、個人の経営コンサルタントに20万円を支払う場合は、以下のように源泉徴収を行い外注費として仕訳します。

借方 金額 貸方 金額
外注費 200,000円 現金 179,580円
預り金(源泉所得税) 20,420円

源泉所得税の税率は、コンサルティング費用が100万円未満の場合は10.21%となります。

コンサルティング費用を経費として仕訳する際の注意点

コンサルタントと良好な関係を維持しつつ、適切な経理処理を行いましょう。以下では、コンサルティング費用を経費として仕訳する際の注意点を解説します。

支払い条件や期間を正確に記録する

コンサルタント契約の内容を明確にし、支払い条件や契約期間を正確に記録しておきましょう。コンサルティングは「無形のサービス」であるため、報酬を巡ったトラブルが発生しやすいものです。

支払い条件や契約期間を正確に文書化して、双方の合意を確実にすると、潜在的な問題を予防できます。ビジネス環境の変化に対応するため、定期的に契約内容を見直し、必要に応じて更新しましょう。

領収書や契約書をしっかりと保管する

コンサルティング費用を支払った証拠として、領収書や契約書をしっかりと保管し、経費精算時に提出できるようにしておきましょう。

領収書や契約書は、税務調査・監査への対応に不可欠です。機器や備品などの購入とは異なり、コンサルティングでは目に見える対価が残りません。そのため、適切な文書管理がなければ税務調査・監査にて指摘を受けやすくなります。書類は紙媒体で保管し、電子ファイルの場合は確実なバックアップを取る必要があります。

契約に基づいて確実に支払いを済ませる

契約条件に従い、コンサルタントには適時報酬を支払ってください。支払いが遅れたり、一方的に報酬を減額したりすると、コンサルタントとの信頼関係が損なわれる可能性があります。

コンサルティングの成果は信頼関係の度合いに大きく影響されます。プロジェクトの成功と長期的な協力関係の維持に向けて、契約に基づく支払いを徹底しましょう。

まとめ

コンサルティング費用の勘定科目には、主に外注費や支払手数料が用いられます。コンサルタントと企業の関係性は、コンサルティングの成果を大きく左右します。コンサルタントとの信頼関係構築のため、契約を遵守し、適時に報酬を支払うことが重要です。また、税務調査・監査に備えて、適切な経理処理と書類の保管を徹底しましょう。

バクラク請求書発行は、支払い業務を自動化し、稟議・仕訳・支払・管理などの一連のフローをなめらかに連携することで、迅速かつ適正な業務に貢献します。インボイス制度や電子帳簿保存法などの法制度にも対応できます。

経理業務の効率化でお悩みの人は、ぜひバクラク請求書発行の導入をご検討ください。

請求書・見積書・納品書を簡単作成「バクラク請求書発行」

請求書・見積書・納品書等あらゆる帳票の作成、稟議、送付、保存の一連の業務をデジタル化。基幹システムから出力するCSVファイルを瞬時に変換し、様々な帳票のレイアウトを柔軟に作成・編集可能です。もちろんインボイス制度と電子帳簿保存法にも完全対応しているため、負担の大きなバックオフィスの業務を一律で効率化する機能を提供します。