平均残業時間はどのくらい?ホワイトな残業時間の目安や対策について解説

残業時間は職種によって大きく異なり、仕事内容や職場の人間関係によっては、残業時間に対する感じ方は人それぞれ異なるでしょう。

本記事では、厚生労働省の調査や民間の調査データを基に、平均残業時間の実態を明らかにします。働き方改革が叫ばれる今、残業時間の見直しは企業・従業員双方にとって重要な課題です。より良い働き方を実現するために、ぜひ本記事を参考にしてください。

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平均残業時間はどのくらい?ホワイトな残業時間の目安や対策について解説

平均残業時間は月13.5時間

厚生労働省の「毎月勤労統計調査令和6年分結果確報」によると、平均残業時間は月13.5時間です。つまり、平均出勤日数19.4日を基に計算すると、1日あたり約41分の残業に相当します。パートタイム労働者の平均残業時間は、月2.3時間です。

調査結果は平均値であり、業種や職種、企業規模によって残業時間は大きく異なる可能性がある点は理解しておきましょう。

参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査令和6年分結果確報

以下の記事では賃金と給与の違いについて詳しく述べているので、ぜひ参考にしてください。

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民間の調査では平均残業時間が月21時間

転職・求人サイトdoda(デューダ)が15,000人の労働者を対象に実施した調査では、2024年の平均残業時間は月21時間という結果が出ています。厚生労働省の調査結果と比較すると、約7.5時間の差があります。

このような差が生じる主な理由として、調査対象の違いが挙げられるでしょう。厚生労働省の調査は事業所を対象としているのに対し、転職・求人サイトdoda(デューダ)の調査は労働者個人が対象です。

そのため、勤怠管理システムなどで記録されない、いわゆる「サービス残業」が調査結果に差異を生んでいる可能性があります。

参考:転職・求人doda「月の平均残業時間の実態調査(年代別・男女別・職種別)

時間外労働には規制が設けられている

労働者の健康を守りワークライフバランスを保つために、時間外労働は法律によって規制が設けられています。ここからは時間外労働に関する基本的なルールと、例外的なケースについて見ていきましょう。

基本的な上限は月45時間・年360時間

時間外労働の基本的な上限は月45時間・年360時間と定められています。上限を超えて労働者を働かせると労働基準法違反となり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

企業が基本的な上限時間を超えて時間外労働をさせる場合は、36協定(サブロク協定)を締結し、労働基準監督署に届け出なければなりません。36協定とは、時間外・休日労働に関する労使協定のことです。

特別条項による例外でも月100時間まで

特別な事情がある場合は36協定に「特別条項」を設けることで、月100時間まで時間外労働が可能です。

ただし、毎月100時間の時間外労働が認められているわけではありませんので、注意してください。特別条項を設けたとしても、年間時間外労働は720時間以内にしなければなりません。

特別条項付き36協定には、他にも細かいルールがあります。詳細については、以下の記事をご参照ください。

関連記事:時間外労働とは?定義や法改正された上限規制内容、計算方法を解説

産業医への面談基準は、月80時間以上の時間外労働

月80時間以上の時間外労働をしている従業員が、疲労の蓄積を訴え面接を申し出た場合、企業は産業医との面談を実施しなければなりません。

長期間にわたる過度な残業は、過労死につながるリスクを高めます。一般的に過労死ラインといわれているのは、発症前2カ月から6カ月で平均80時間を超える時間外労働です。企業は従業員の健康状態を把握し、適切な対策を講じる義務があります。

参考:厚生労働省「長時間労働者への医師による面接指導制度について

月平均所定労働時間の計算方法は、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:月平均所定労働時間とは?計算方法や上限を解説

時間外労働について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:時間外労働とは?法改正された上限規制内容や計算方法を解説

平均残業時間が何時間であればホワイト?

一般的に、月の残業時間が20時間、1日あたり1時間程度であればプライベートの時間が確保しやすいため、ホワイト企業といえるでしょう。

しかし、残業時間に対する感じ方は人それぞれ異なるため、一概に「何時間以内ならホワイト」と断言するのは困難です。残業時間が短くても、仕事内容や職場の人間関係によっては、負担に感じる場合もあります。

法律上は、月45時間までの残業が認められています。たとえば月30時間残業すると、1日あたり1.5時間程度の残業になる計算です。ただし、毎日1.5時間残業するのは「負担だ、つらい」と感じる人もいるでしょう。

残業時間は職種によっても異なる

残業時間は、企業の姿勢や職種によって大きく異なる場合があります。ここからは、残業が少ない職種と多い職種について見ていきましょう。

残業が少ない職種

残業が少ない職種は、事務職・秘書・受付・販売業・アシスタント業などです。これらの職種は突発的な業務が発生しにくい傾向にあり、仕事内容や終業時間が決まっていることが多いため、残業が少ないといえます。

たとえば、事務職はデータ入力や書類作成など、定型的な業務が中心です。秘書、受付などの職種は業務内容が明確に決まっているのが一般的でしょう。また、販売業は閉店時間が決まっているため、長時間の残業は発生しにくいといえます。

ただし、どのような職種でも繁忙期や人員不足の際には、残業が発生する可能性があると認識しておきましょう。

残業が多い職種

残業が多い職種としては、コンサルタント・システムエンジニア・設計施工管理・クリエイティブ職などが挙げられます。これらの職種は、クライアントの要望に応える必要があり、納期が厳しいなどの理由で残業が多くなる傾向があるからです。

たとえば、コンサルタントはクライアントの課題解決のために、資料作成や分析に多くの時間を費やす場合があります。システムエンジニアも、システム開発の納期に間に合わせるために、締め切り前の追い込みで、長時間の残業を強いられる可能性があるでしょう。

残業時間削減の対策

残業時間を削減するには、業務体制と業務の進め方について企業全体で改善に取り組む必要があります。以下では具体的な対策を3つ紹介します。

業務の効率化をすすめフローを構築する

残業時間削減のためには、業務の効率化が不可欠です。まずは業務プロセスを見直し、無駄な作業や重複している作業がないか確認しましょう。業務プロセスを最適化し、作業手順を明確化すれば、誰でもスムーズに業務を進められるようになります。

また業務が属人化していると、担当者が不在の場合に業務が滞ってしまう可能性があります。属人化は、残業が多くなるため、マニュアルを整備し、誰でも業務が出来る環境下をつくることも大切です。

残業に関するルールを決める

残業に関するルールを明確にするのも、残業時間削減に効果的です。

たとえば、ノー残業デーを設けることで、従業員は定時退社を意識し、業務の効率化を図るようになります。また、残業の事前申請を義務付けることで、本当に必要な残業かどうかを判断しやすくなるでしょう。

さらに、残業せずに時間内に業務を終えたことを、評価制度のプラス要素として取り入れるのも有効です。従業員のモチベーション向上につながります。

勤怠管理システムを導入する

勤怠管理システムを活用すると、本人だけでなく管理者も残業時間の把握・管理ができ、残業の削減を意識したマネジメントが可能になるでしょう。またシステムによっては、残業時間が一定時間を超えた場合にアラートを出す機能もあります。

勤怠管理システムを導入することで、従業員の労働状況を「見える化」し、残業時間削減に向けた取り組みを効果的に進められるでしょう。

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残業時間の適切な管理は、従業員の健康を守り生産性を向上させる上で重要です。残業時間の管理を効率化し、働き方改革を推進するためには、勤怠管理システムの導入が有効といえます。

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