
請求書をペーパーレス化・電子化する5つのメリットと手順を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-04-17
- この記事の3つのポイント
- 請求書の電子化とは、紙を使用せず、メールやクラウドシステムで電子請求書をやり取りすること
- メリットは請求・管理業務の効率化、コスト・保管場所の削減、リモートワークの促進ができる点
- 電子化の際は、社内の運用体制とセキュリティ体制を整備し、取引先に案内文を送って了承を得る
近年、請求書のペーパーレス化や電子化を導入する企業が増加傾向にあります。ペーパーレス化・電子化にはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在するため、理解を深めたうえで導入を検討することが重要です。
本記事では、請求書のペーパーレス化・電子化について、メリット・デメリットや導入の手順などを解説します。
請求書作成ツールのタイプや選び方を詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
請求書をペーパーレス化・電子化する5つのメリットと手順を解説
請求書作成・発行システムを検討している方は以下のリンクもご覧ください。
【2025年最新版】請求書作成・発行システムの徹底比較とおすすめポイントの紹介
そもそも請求書のペーパーレス化・電子化とは
請求書のペーパーレス化・電子化とは、紙を使用せず、メールやクラウドシステムで請求書の電子ファイルをやり取りすることです。発行側は作成から送付までをデジタルに一元化でき、業務効率化だけでなく印刷代や郵送代などのコスト削減効果が見込めます。
受領側は、受け取った電子ファイルをパソコン内のフォルダやクラウド上に保存できます。請求書の確認および保存を電子機器一つで行えるため、煩雑な請求業務の効率化が可能です。
請求書のペーパーレス化・電子化が促進された背景
請求書のペーパーレス化・電子化が促進された背景の一つに、コロナ禍のリモートワーク推進があります。出社頻度の減少に伴い、郵送やファックスによる請求書の送付・受領が難しくなり、メールやクラウドシステムでのやり取りが普及しました。
また、昨今は、e-文書法や電子帳簿保存法に基づき、特定の要件を満たした場合に電子データでの保存が認められます。
なお、現在は、電子データで受領した国税関係書類(電子取引データ)は、原則として電子データのまま保存することが電子帳簿保存法で義務付けられています。受領した電子データは、原則として電子データのまま保存する必要があることも、請求書の電子化を後押ししたといえるでしょう。
電子請求書の導入方法やメリット・デメリットについて理解を深めたい方は、以下の記事をご参照ください。
請求書をペーパーレス化・電子化する5つのメリット
請求書をペーパーレス化・電子化すると、さまざまなメリットがもたらされます。代表的な5つのメリットを、詳しく見ていきましょう。
請求業務を効率化できる
請求書をペーパーレス化・電子化すると、以下のように請求業務を効率化できます。
- 社内外を問わず請求書のやり取りがスムーズになる
- 請求書の印刷・封入・発送業務が不要になる
- 請求書発行システムを導入した場合は請求書の受領・入金を自動化できる
紙の請求書を発行した場合、最終承認までに複数の部署や担当者間をやり取りしなければいけません。記載内容の不備が発覚して修正が必要になった場合、さらに多くの手間と時間を要します。
また、請求書を発行するたびに発生する印刷・封入・発送といった煩雑な業務により、ほかの経理業務に支障をきたす可能性もあるでしょう。
ペーパーレス化・電子化を進めることで、上記の問題を解消しやすくなります。請求書発行システムには、入金消込や会計システムとの連携による自動処理が可能なものもあり、導入することでさらなる業務効率化が期待できるでしょう。
コスト削減ができる
請求書をペーパーレス化・電子化した場合、印刷代や郵送代などのコストは不要です。回数が多い企業や個人事業主には、特に大きなコスト削減効果が期待できるでしょう。
また、請求業務の効率化が、人件費の削減につながるケースもあります。電子請求書の場合、パソコンで作成した電子データをメールやクラウドシステムで送付すればよいため、作成から送付までの時間を短縮できるケースが多いです。
書類の保管スペースが不要になる
請求書をペーパーレス化・電子化した場合、書類の保管スペースは不要です。
紙の請求書を扱う場合、法人は原則7年間(欠損金が生じた事業年度は最長10年間)の保存義務があります。また、個人事業主は青色申告の場合、原則7年間の保存が義務付けられています。
取引件数によっては膨大なスペースを必要とすることから、ペーパーレス化・電子化によって空間を有効活用できるようになるでしょう。
レンタル倉庫などの保管スペースを借りている場合、管理コストの削減につながるメリットもあります。
参考:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」
請求書の保管期間については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
関連記事:請求書の保管期間は?法人・個人事業主ごとの年数やインボイスの影響を解説
請求書の管理がしやすくなる
請求書の管理がしやすくなる点も、ペーパーレス化・電子化を導入するメリットです。
請求書を紙で管理する場合、取引件数が多いほど請求書の枚数も増え、処理に時間がかかるだけでなく紛失のリスクもつきまといます。
従来はファイリングしていた紙の請求書を電子データ化すれば、パソコンでキーワードを入力するのみで必要な請求書をすぐに閲覧可能です。事業年度や取引先ごとにフォルダ分けをしておけば、さらなる業務効率化を図れるでしょう。
リモートワークの促進につながる
ペーパーレス化・電子化を進めることで、リモートワークがしやすい環境になります。電子請求書は基本的にパソコンと通信環境があれば発行できるため、社内規程で押印を必須としていなければ、印刷や押印のための出社は原則必要ありません。
自宅はもちろんのこと、移動中や出張先などのあらゆる場面で仕事ができるのはペーパーレス化・電子化の強みです。社内でリモートワークが普及すれば、会社から離れた地域に住む人材を積極的に採用できるメリットも得られるでしょう。
請求書をペーパーレス化・電子化する4つのデメリット
電子請求書の利便性のみに着目してペーパーレス化・電子化をすると、失敗や後悔を招く可能性があります。メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、ペーパーレス化・電子化の必要性を慎重に検討しましょう。
システム導入や運用体制の構築にコストがかかる
請求書の完全なペーパーレス化・電子化には専用システムの活用が効果的ですが、システムの導入や運用体制の構築にはコストがかかります。
月額利用料がかかるシステムの場合は、経営状況を圧迫するリスクがあるほか、システムの選定や新たな運用体制の構築に人的コストが発生する点を留意しておく必要があります。
システムの導入が、結果として人件費削減や業務効率化につながるケースは多いでしょう。しかし、費用対効果を考慮のうえでペーパーレス化・電子化の必要性を検討し、自社に合ったシステムを選ぶことが重要です。
請求書発行システムの選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。システムの主な機能や種類を紹介しています。
関連記事:請求書発行システムを導入するメリットは?主な機能や種類・選び方も紹介
電子帳簿保存法に対応する必要がある
請求書をペーパーレス化・電子化する際は、電子帳簿保存法への対応が必要です。電子帳簿保存法とは、所得税法や法人税法に関わる帳簿・書類に関して、電子データでの保存を認めるための以下のような要件を定めた法律です。
- 真実性の確保:データが改ざんされていないことを証明できる状態で保存している
- 可視性の確保:誰もが速やかにデータを確認できる状況である
具体的には、タイムスタンプの付与や訂正削除履歴の保存、検索機能の確保など、法令で定められた保存要件を満たす必要があります。社内規定の整備やタイムスタンプを付与できるシステムの導入など、電子帳簿保存法の規定に従って社内の体制を構築しましょう。
電子帳簿保存法については以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
関連記事:電子帳簿保存法とは?対象書類・保存要件・改正内容・対応策を一挙に紹介
関連記事:電子帳簿保存法で請求書発行側は控えの保存が必要?義務や保管期間も解説
紙の請求書を希望する取引先もいる
請求書をペーパーレス化・電子化しても、取引先が対応していない場合は、紙の請求書を発行する必要があります。
電子データと紙の請求書が混在すると、自社での処理に手間がかかり、生産性の低下を招く可能性を否定できません。ペーパーレス化・電子化を導入する際は、あらかじめ取引先に対応の可否を確認しましょう。
ITリテラシー教育・セキュリティ対策が必要
請求書のペーパーレス化・電子化には、従業員へのITリテラシー教育やセキュリティ対策が不可欠です。
従業員のITリテラシー不足やサイバー攻撃によって、データが万一漏洩または消失した場合、会社の信頼を失いかねません。社内研修を実施するほか、セキュリティ対策として万全のシステム構築を行い、健全な経営体制の維持に努めましょう。
請求書をペーパーレス化・電子化する手順
続いては、請求書をペーパーレス化・電子化する手順を解説します。紙の請求書から電子請求書へスムーズに移行できるように、重要なポイントを押さえておきましょう。
1.社内の運用体制を整える
ペーパーレス化・電子化を決定したら、まずは自社の体制を見直し、継続的に運用できる仕組みを整えます。自社完結またはシステム導入のいずれにするかを検討しつつ、請求書の作成・確認・承認フローをペーパーレス化・電子化する仕組みを構築しましょう。
自社完結は運用コストを削減できるメリットがありますが、多彩な機能を求める場合や取引件数が多い会社はシステムの導入がおすすめです。移行後はスムーズな運用ができるように、人員配置の調整やマニュアル作成なども忘れず実施しましょう。
2.セキュリティ体制を整備する
ペーパーレス化・電子化を導入する際は、セキュリティ体制の整備も不可欠です。
セキュリティ性を高めるには専用システムの導入が効果的で、タイムスタンプの付与や受領・保存の履歴保管、電子署名機能が搭載されたものがおすすめです。電子帳簿保存法に対応したシステムであれば、よりスムーズな運用が期待できます。
万一情報漏えいやデータ改ざんが発生した場合の対応についても併せて検討しておきましょう。
3.取引先に案内文を送付して了承を得る
運用できる体制が整ったら、極力早い時期に取引先へ案内文を送付し、ペーパーレス化・電子化を導入する旨を伝えます。以下のような文書を作成し、ペーパーレス化・電子化に至った経緯を説明したうえで、今後の取引について意向を確認しましょう。
x月x日 株式会社○○○○ 請求書電子化のご案内 拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は格段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 このたび弊社では、テレワーク推進の重要性が高まる中、書類のペーパーレス化による業務効率化および環境負荷の軽減を目的として、電子請求書を導入する運びとなりました。 xx年x月x日請求分より、紙の請求書の発行を廃止し、請求書発行システムによる電子請求書へと移行させていただきたく、ご案内申し上げます。 お手数をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。 敬具 【記】 ≪概要≫ 請求情報を、インターネット上で簡単にご確認いただけるシステムを使用いたします。詳細は同封の資料をご確認ください。 なお、郵送と比較し、請求書をより迅速にご確認いただけます。 ≪開始年月日≫ xx年x月x日請求分より ≪お問い合わせ≫ 上記の内容につきまして、ご不明点やご質問、郵便による送付のご要望などがございましたら、以下担当までお問い合わせください。 株式会社○○○○ ○○部 担当:○○ TEL:xxx-xxxx-xxxx Mail:xxxx@xxx.com |
ペーパーレス化を強要すると関係悪化につながる可能性もあるため、郵送にも対応できる旨を記載しておくことが重要です。取引先がペーパーレス化・電子化に難色を示す場合、受領側のメリットを伝えることで理解を得られるケースもあります。
ペーパーレス化・電子化した請求書の送付方法
ペーパーレス化・電子化した請求書は、メールまたは請求書発行システムで送付するのが一般的です。それぞれの方法について、具体的な送り方や注意点を解説します。
メール送付する場合
電子請求書をメール送付する場合は、作成したPDFファイルをメールに添付して送るのみで完了します。システムの導入は必須でないため、導入コストをかけずにペーパーレス化・電子化したい会社におすすめです。
ただし、メール送付は、電子帳簿保存法の要件を満たすための体制構築に手間がかかります。また、送付時に宛先を誤るリスクもあるため注意が必要です。
請求書発行システムから送付する場合
電子帳簿保存法に対応した請求書発行システムを導入すれば、移行後もスムーズな運用が可能です。機能性や操作性はシステムごとに異なるため、複数社を比較検討して自社に合ったものを導入しましょう。
システムの導入には費用がかかるため、コストも踏まえて選定することが重要です。
請求書をペーパーレス化・電子化するなら「バクラク請求書発行」がおすすめ
請求書のペーパーレス化・電子化とは、紙を使用せず、メールやクラウドシステムで電子請求書のやり取りをすることです。
請求書の電子化には、請求・管理業務の効率化やコスト・保管場所の削減、リモートワークの促進ができるなど多くのメリットがあります。一方で、導入コストや電子帳簿保存法への対応が必要といった課題もあるため、慎重に検討・判断することが重要です。
バクラク請求書発行は、請求書の作成から発行までを一元管理できるシステムです。取引先ごとに設定した送付方法で一括送付ができるほか、郵送代行のオプションもご利用いただけます。
また、電子帳簿保存法の保存要件や、インボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応した機能を備えている点も特長です。詳しいサービス内容は、以下のページで解説していますのでご参照ください。