
紹介手数料は消費税の課税対象?インボイスでの取り扱いや勘定科目
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-02-18
- この記事の3つのポイント
- 紹介手数料は原則消費税10%の課税対象で、事業者間だとインボイスの取引対象となる
- 紹介業者に支払う際は支払手数料、紹介業者以外なら接待交際費、社内従業員へは給与で仕訳する
- 紹介手数料を受け取る際、メイン事業が紹介なら売上高、付随的なら雑収入や受取手数料で仕訳する
紹介手数料は消費税の課税対象?インボイスでの取り扱いや勘定科目
ビジネスの展開や発展に伴ってよく行われる「紹介」に対し、謝礼や紹介料を支払う場面があります。 内容によっては、経費として計上することが可能です。しかし、状況によって使用する勘定科目が異なるため、注意しなくてはなりません。また、インボイス制度により、紹介料に課される消費税の扱いも変わりました。 本記事では、紹介手数料は消費税の課税対象なのか、また場面ごとの勘定科目や仕訳例についてわかりやすく解説します。紹介手数料における経理処理を理解し、正しく仕訳できるようになりましょう。
1.紹介手数料は原則として消費税の課税対象
紹介手数料は、原則として消費税が課される取引にあたります。紹介行為は「役務の提供」とみなされ、対価として支払われる紹介料には通常10%の消費税が加算されるためです。
支払先が課税事業者である場合はもちろん、事業者間で紹介料をやり取りする場合はインボイス制度の対象です。そのため、支払側は適格請求書(インボイス)の受領・保存が必須となり、ないと仕入税額控除を適用できません。
紹介料を受け取る側は、対価に消費税を上乗せして請求しなくてはならないため、忘れないよう注意が必要です。
2.紹介手数料に消費税がかからないケース
社内の従業員が会社に人材を紹介し、報奨金を「給与」として支払う場合であれば、消費税は課されません。給与は「役務の提供に対する対価」には該当せず、消費税の不課税取引に分類されています。
また、支払いが業務契約に基づくものではなく、感謝の気持ちとして渡す謝礼のような場合も、対価性が認められなければ同様に不課税となるケースがあります。
一方で、外部の取引先や個人事業主に支払う紹介料は原則として課税対象となるため、支払い先や内容に応じて区別を明確にすることが重要です。
謝礼金の課税については以下の記事でも解説していますので、あわせてお読みください。
関連記事:謝金(謝礼金)に消費税はかかるのか?報酬との違いや勘定科目についても解説
3.紹介手数料を支払う場合の勘定科目と仕訳例
紹介手数料を支払う側における勘定科目や仕訳例を、支払い先別に紹介します。
3-1.紹介業者に支払う場合は「支払手数料」
人材紹介会社や不動産仲介業者など、紹介を本業とする事業者に報酬を支払う場合は「支払手数料」として処理します。
前提として「支払手数料」は銀行の振込手数料や外部委託費など、外部に支払う各種手数料を幅広く処理できる勘定科目です。紹介料も含まれており、経費として計上して構いません。
ここでは、人材紹介会社に対し、紹介料8万円(+消費税8,000円)を銀行振込した場合の仕訳方法を確認しましょう。
税込式では以下のとおりです。
借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
支払手数料 | 88,000円 | 普通預金 | 88,000円 |
税抜経理方式では以下のように仕訳しましょう。
借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
支払手数料 | 80,000円 | 普通預金 | 88,000円 |
仮払消費税 | 8,000円 | ||
支払手数料が使われる場面や、混同しがちな勘定科目との違いは以下の記事でご確認ください。
関連記事:支払手数料になる経費と仕訳例5選|雑費や租税公課など迷いがちな勘定科目や注意点も解説
3-2.紹介業者以外に支払う場合は「接待交際費」
紹介がメイン事業ではない相手に対して紹介料や謝礼を支払った場合は「接待交際費」で仕訳します。接待交際費は、取引先などに対して支払う交際費や贈答費、慶弔費のことです。
たとえば、取引先に知り合いの顧客を紹介してもらい、自社と契約を結んだ場合などが該当します。ただし、取引先へ事前に金額などを取り決めていた紹介料を支払う場合は、支払手数料で処理するケースもあります。
ここでは、紹介業者ではない取引先に顧客を紹介してもらい、謝礼を現金で5万円(+消費税5,000円)支払った場合の仕訳例を確認しておきましょう。税込経理方式では、以下のとおりです。
借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
接待交際費 | 55,000円 | 現金 | 55,000円 |
税抜経理方式では以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
接待交際費 | 50,000円 | 現金 | 55,000円 |
仮払消費税 | 5,000円 | ||
接待交際費として認められる経費の種類については、以下をご確認ください。
関連記事:接待交際費とは?経費にできる範囲(上限金額・内容)や仕訳例
3-3.自社の従業員に支払う場合は「給与」
リファラル採用制度などで自社の従業員が新規人材を紹介し、採用した場合に報酬を支払う場面もあるでしょう。従業員に対して支払う紹介料は「給与手当」として処理します。
給与とした場合には、人件費として損金算入が可能です。消費税の課税対象には含まれません。
ただし、給与所得は源泉徴収所得税の対象となるため、他の紹介料とは扱いが異なる点に留意しましょう。また、従業員の業務に直結しない紹介料については「支払手数料」を使うケースもあります。
ここでは、人材を紹介してくれた従業員に対し、紹介報酬4万円(消費税は対象外)を支払い、4,000円を源泉徴収した場合の仕訳例を紹介します。
借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
給与手当 | 40,000円 | 普通預金 | 36,000円 |
預り金 | 4,000円 | ||
紹介料を支払う場合の勘定科目や仕訳例は以下の記事でもまとめていますので、参考にしてください。
関連記事:紹介料を支払うときの勘定科目と仕訳方法・もらったときの処理方法
4.紹介手数料を受け取る場合の勘定科目と仕訳例
紹介料を受け取った際は、自社の事業とどの程度関係しているかに応じて勘定科目が変わります。
たとえば、人材紹介や不動産仲介など、紹介行為自体が事業内容に含まれている場合は、「売上高」として計上します。一方、取引先を紹介したなど、本業とは別の付随的な活動による収益であれば「雑収入」として処理するのが一般的です。さらに、継続的な紹介業務で得る対価の場合は「受取手数料」を用いるケースもあります。
ここでは、売上高・雑収入の仕訳例について確認しましょう。
まず、人材紹介業を行う会社が取引先と契約を交わし、紹介料を30万円(+消費税3万円)を受け取った場合における処理は以下のとおりです。(税込経理方式)
借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
当座預金 | 330,000円 | 売上高 | 330,000円 |
一方、知り合いを紹介し、取引先の成約につながったとして5万円(+消費税5,000円)の謝礼を現金で受け取った場合は雑収入として仕訳します。
借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
現金 | 55,000円 | 雑収入 | 55,000円 |
いずれの場合も、税抜経理方式であれば、貸方に仮受消費税の勘定科目を追加して、税額分を別途処理してください。
売上・雑収入の詳細な仕訳方法については、以下の記事でそれぞれ解説していますので、あわせてご確認ください。
関連記事:売上の仕訳方法は?計上基準や記帳方法、仕訳例も合わせて解説
関連記事:雑収入とは?仕訳される費用の例と課税区分や他科目との違いをわかりやすく解説
5.経費精算を効率化するなら「バクラク経費精算」
紹介手数料は原則消費税の課税対象となるため、事業者間での取引であればインボイスの発行・受領・保管が必要です。ただし、従業員に対する紹介料の場合は、消費税の対象にならず給与として扱います。
状況や取引先によって使用する勘定科目は大きく異なるため、慎重に判断し適切な仕訳処理になるよう心がけましょう。
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