領収書における「雑費」とは?|消耗品費との違いや仕訳方法、注意点など徹底解説

経理作業で領収書を経費として計上する際、何が「雑費」に該当するのか明確に把握できていない人は少なくありません。経理担当者は、勘定科目が不明だから雑費、とりあえず雑費、などと計上せず、内容や対象範囲をしっかりと把握することが大切です。

本記事では、雑費の概要や消耗品費との違い、仕訳方法などを解説しています。雑費について詳しく知りたい経理担当者は、ぜひ参考にしてください。

領収書における「雑費」とは?|消耗品費との違いや仕訳方法、注意点など徹底解説

領収書における勘定科目「雑費」とは?

そもそも雑費とは、ほかの勘定科目に分けにくい費用や、一時的な少額の費用を意味します。適切な勘定科目が不明な場合などに一時的な勘定科目としても用いられるため、勘定科目として便利です。

とはいえ、決算期を迎えることを見据えた場合、雑費を多用して金額が膨らむと使途不明金として疑われるリスクが増大するのを未然に防止する必要があります。そのため、できるだけ少額に抑えておきたい勘定科目である点に注意しましょう。

「雑費」と「消耗品費」の違い

雑費と混同されがちな勘定科目として「消耗品費」があります。そもそも雑費と消耗品費はそれぞれ税法上の厳密な定義が存在せず、明確な違いを付けづらいため、会計処理における判断基準がしばしば不透明になりがちです。

主な違いは、金額が大きいかどうかになります。消耗品費は雑費よりも金額が大きく、かつ頻繁に使用される勘定科目です。そのため、業務においては雑費よりもさらに重要な役割を果たす傾向があります。

「雑費」と「雑損失」の違い

消耗品費と同様、雑費と混同しやすいもう1つの勘定項目に「雑損失」があります。この2つの違いを簡単に説明します。雑費は通常、本業の売上を増やす過程で発生する経費のなかでも、金額が比較的小さく、特別な勘定科目を設定する必要がない場合に使用される勘定項目です。

かたや「雑損失」は通常、本業の売上には関係のない「営業外費用」に区分される経費の中でも、金額がわずかな上に特別な勘定科目を設けるほどの重要性がなく、かつほとんど発生することがない支出に対して使用される勘定科目です。つまり、本業の売上拡大に関わる支出かどうかが、雑費と雑損失を区別するポイントといえます。

「雑費」と「交際費」の違い

もう1つ、雑費との明確な線引きを付けておくべき勘定科目が「交際費」です。交際費とは、企業をはじめとする組織が効果的な経営を実現するために、主に取引先との関係を維持し、交渉を進めるための取り組みで発生する経費を指します。

例えば、取引先との接待で生じた食事代は、交際費として計上されます。一方で、雑費は勘定科目のなかでも金額が少額で、「その他」に該当するものとみてよいでしょう。例えば取引先に物品贈与する場合にかかった物品代など、額面によっては雑費として計上される可能性があります。

雑費に該当する主な内容

雑費に該当する主な内容を知るうえで、まずは何が雑費に該当するかを理解するのが重要です。雑費は、物品や備品、事務用品などの購入に関連し、その価格が10万円未満であるか、使用寿命が1年未満である場合に使われる勘定科目です。

雑費に該当する支出の主な例としては、文房具や日用品はなどが挙げられます。例えばボールペンやコピー用紙、修正液などの文具、電球やトイレットペーパー、掃除用品などの日用品などが挙げられます。機材などの一時的なレンタル代、クリーニング代などの目に見えないサービスも、雑費としてとして仕訳されることの多い出費の例です。

「雑費」と「消耗品費」を使い分けるポイント

雑費と消耗品費を使い分けるうえで、ポイントとなるのは何でしょうか。先述したように、両社の主な違いは、「消耗品費が雑費よりも金額が大きい」「通常は消耗品のほうが頻繁に使用され、業務においてより重要な役割を果たす傾向がある」という2点です。

考え方として、消耗品費は、「使用寿命が1年未満または価格が10万円未満の消耗品や物品の購入にかかる費用」を指す一方、雑費は「他の具体的な勘定科目に分類しづらい、通常は小額で一時的な支出」といえます。この点を押さえておけば、より明確な使い分けが可能です。

雑費を仕訳する方法

雑費の仕訳を学ぶ上で参考になるのが、実際の具体例です。以下の3つの例を参考に、雑費を仕訳する方法を解説していきます。

ケース1. クリーニング代を支払った場合

先述のとおり、クリーニング代は目に見えない無形のサービスのため、雑費として計上されることが多い支出の1つです。

例えば、従業員が取引先との接待中に先方の洋服を汚してしまい、クリーニング代として3,000円を支払わなければならなくなった場合の仕訳はどうなるかを見てみましょう。この場合、借方は雑費として3,000円、貸方は現金として3,000円、摘要はクリーニング代として仕訳します。

借方

貸方

摘要

雑費

3,000円

現金

3,000円

クリーニング代(雑費)

ケース2. ノートを100冊購入した場合

文房具は消耗品として計上されることが多い項目ですが、企業によっては雑費として計上されるルールが設けられる場合もあります。

例えば、会社で必要なノートを一時的に100冊購入して10,000円分を支払った場合の仕訳がどうなるかを見てみましょう。ノートの購入時は、借方に雑費として10,000円を計上します。

借方

貸方

摘要

雑費

10,000円

現金

10,000円

ノート代(雑費)

一方で、決算時に使い切らなかったノートが存在する場合、残ったノート分の金額は、以下のように、借方に貯蔵品として計上します。

借方

貸方

摘要

貯蔵品

10,000円

雑費

10,000円

ノート代(雑費)

ケース3. 引っ越し費用をクレジットカードで支払った場合

会社の移転などにまつわる引っ越し費用は、雑費として仕訳けられることが多い支出項目です。引っ越し費用をクレジットカードで支払う場合、決済した際、また実際に銀行口座から引き落とされた際の2回に分けて仕訳を記載する必要があります。

例えば、本社の移転に伴う引っ越し費用が400,000円だった場合、クレジットカードでの決済時は「未払金」、引き落とされた場合は「普通預金」として仕訳します。どのような代金なのか分かるように、摘要欄には「〇〇引越センター 本社引越し費」などと記載するのがおすすめです。

※決済時

借方

貸方

摘要

雑費

400,000円

未払金

400,000円

カート引っ越しセンター 本社引っ越し費用(雑費)

クレジットカード

※引き落とし時

借方

貸方

摘要

雑費

400,000円

普通預金

400,000円

カート引っ越しセンター 本社引っ越し費用(雑費)

クレジットカード引き落とし

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雑費に関する5つの注意点

経理作業で雑費を計上する際、将来的なリスクやトラブルを未然に防ぐうえでおさえておきたいいくつかの注意点があります。5つのポイントに分けて解説します。

1. 雑費が多すぎると税務調査で指摘される可能性がある

雑費は明確な仕訳が判断しづらい、あるいは少額でさほど重要ではない支出を仕訳ける上で便利な勘定科目です。ただ、ついつい何でも雑費に計上してしまうと、雑費の総額が大きく膨らんでしまう恐れがあります。

あまりにも金額が多いと、何を目的とした経費であるかが不明瞭になり、税務調査や会計監査において使途不明金とみなされ、内訳が詳細に調査される可能性が高まるので、注意が必要です。

2. 摘要欄に詳細を記載して分かりやすくする

仕訳をする際の摘要欄に、何のための支出であるかの詳細を記載して、帳簿を分かりやすい状態に維持するのも大切なポイントです。摘要(てきよう)という欄は、各種帳簿や伝票に設けられています。特に各種帳簿では、摘要欄に取引に関する情報を詳しく記すことで、メモ欄のような役割を果たしています。

例えばボールペンを購入した場合でも、ただ「文房具代として」だけではなく、購入した本数や購入先の店舗名、購入の目的などの詳細も合わせて記載しておくと、他の文房具代との区別がつきやすく、かつ混乱しにくいのがメリットです。

3. 固定資産は雑費として計上できない

固定資産は雑費として計上できないのも留意すべきポイントです。固定資産とは、ビジネスで長期的に使用される資産を表す用語です。具体的には、取得価額10万円以上、あるいは使用可能期間が1年以上の資産が該当します。

そのため、一時的な手数料や会費などが含まれる雑費とは、性質がまったく異なる勘定科目です。以上の特徴を参考に、固定資産を誤って雑費として計上しないよう注意しましょう。

4. 雑費の消費税区分を一括りにしない

支出を雑費として計上する際、消費税区分を間違えずに仕訳するのも重要です。取引は大きく分けて、消費税が課税される「課税取引」と、消費税が非課税あるいは免除となる「不課税取引」「非課税取引」「免税取引」のいずれかに区分されます。

取引が雑費として仕訳される場合、大半は課税取引として扱われます。一方、中には不課税や非課税として仕訳される取引もあるので、何でも課税取引として一括りにしないよう注意しましょう。

5. 雑費と雑損失を混同しない

雑費として仕訳する際は、雑損失と混同しないよう気を付けるのも、押さえておくべき注意点です。

雑費と雑損失はどちらも似た響きを持つ勘定科目ですが、本記事の前半でも解説したとおり、主に「本業との関連性」において定義が異なります。本業に関わるほうが雑費、関わらないのが雑損失です。混同を回避するためにも、本業に関わる支出かどうかを基準に適切な仕訳を行いましょう。

雑費に関するよくある質問

最後に、雑費に関してよくある質問をいくつかピックアップして解説します。

Q. 雑費の限度額はありますか?

経理作業上、雑費には特に金額の上限は設けられていません。しかし、雑費は一般的に少額とみなされる支出に計上される勘定項目です。

いくら少額の費用だからといって何でも雑費に計上すると、費用の種類や内容を把握しづらい支出が膨らみます。結果、事業の状況が理解できず、便益性が減少してしまう恐れがあります。その意味で、雑費はなるべく少ない範囲に収めておくのがおすすめです。

Q.雑費の例は?

雑費の例としては、主に文房具や日用品が挙げられます。例えば、ボールペンや用紙、修正液などの文房具、電球、トイレットペーパー、掃除用品などの日用品の購入費用が、雑費として仕訳されます。また、具体的な形がないサービス、例えば一時的に機材を借りた場合のレンタル代や、制服のクリーニング代なども、雑費として仕訳されることが多い項目です。

Q.消耗品費の例は?

消耗品費は経理における勘定科目の1つであり、社内で使用するさまざまな消耗品の購入に関連付けられるものです。消耗品費であるかどうかの判断は、その品目の使用可能期間が1年未満に限定されている、あるいは購入金額が10万円未満であるという条件に照らし合わせて行います。

文具や用紙などの事務用品や、ティッシュやごみ袋などの日用品だけでなく、パソコンのキーボードやマウスなども消耗品に該当します。

まとめ

雑費は、ほかの勘定科目に仕訳しにくい費用や、一時的に発生した少額の費用を計上する上で便利な勘定科目です。とはいえ何でも雑費に計上すると、内容が把握しづらい支出が膨らみ、税務調査などで引っかかる恐れがあるので、なるべく少ない範囲に収めるよう努める必要があります。

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