
見積書は電子化しても法的に問題ない?保存要件やメリット、注意点を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-07-02
- この記事の3つのポイント
- 見積書の電子化は法的に問題ないものの、電子帳簿保存法に基づき電子データのままの保存が必要
- 見積書を電子化するメリットには、業務負担やミスの軽減、コスト削減、管理のしやすさなどがある
- 見積書を電子化する際は、改ざん防止の措置や有効期限の明示、ファイル名の管理に注意する
見積書は電子化しても法的に問題ない?保存要件やメリット、注意点を解説
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見積書は電子データで発行・保存しても法的に問題ありません。ただし、電子帳簿保存法の要件を満たした運用が必要です。
本記事では、見積書を電子化する際の保存要件やメリット、注意点について解説します。ペーパーレス化を進めたい方はぜひ参考にしてください。
見積書は電子化しても法的に問題ない?
見積書は、紙ではなくPDFなどの電子データで発行することも可能です。
紙か電子データかという形式の違いだけで、見積書としての利用が否定されるものではありません。ただし、電子データで授受した場合は、電子帳簿保存法に基づき、電子データのまま保存する必要があります。
近年は業務効率化や郵送コストの削減を目的に、電子化を進める企業が増加傾向にあります。
見積書の電子化に必要な要件
紙で受け取った場合と電子データで受け取った場合では、保存方法が異なるため、それぞれ理解しておきましょう。
紙で受け取った場合
紙で受け取った見積書は、原本をそのまま保存するだけでなく、スキャナで読み取って電子データとして保存することも認められています。見積書は、電子帳簿保存法における「国税関係書類」に該当するため、要件を満たせばペーパーレス化が可能です。
なお、この場合は、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たす必要があります。
スキャナ保存を行う場合は、読み取ったデータを適切に管理し、必要なときに確認できる状態で保存しなければいけません。
紙で受け取った見積書は、紙のまま保存することも、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件を満たして電子データで保存することも可能です。手書きの見積書であっても、紙で作成・受領した国税関係書類として、要件を満たせばスキャナ保存の対象になります。
電子データで受け取った場合
PDFやメール、クラウドサービスなどで送付・受領した見積書は、電子帳簿保存法上の電子取引データに該当するため、電子データのまま保存しなければなりません。
印刷した紙を保存する方法では、電子取引データの保存義務を満たせない点に留意しましょう。
メール本文に見積内容が記載されている場合はメール本文を、添付ファイルで受領した場合は添付ファイルを保存する必要があります。
「真実性の確保」と「可視性の確保」
電子取引データとして授受した見積書を保存する際は、電子帳簿保存法で定められた「真実性の確保」と「可視性の確保」の要件を満たす必要があります。データの改ざん防止と、必要なときに速やかに確認できる状態を維持するためです。
真実性の確保は以下のいずれか、可視性の確保は原則として各要件に対応する必要があります。
<真実性の確保>
- タイムスタンプ付きデータを受領する
- 受領後、一定期間内にタイムスタンプを付与する
- 訂正・削除履歴が残るシステムで授受・保存する
- 訂正・削除ができないシステムで授受・保存する
- 不当な訂正削除を防止する事務処理規程を整備する
<可視性の確保>
- PCやディスプレイ、プリンタなどの閲覧環境を備える
- システム概要書や操作マニュアルを備え付ける
- 原則として、取引先や取引日、金額で検索できる機能を確保する
なお、メールに取引内容が明記されている場合は、メールが保存対象となるため注意しましょう。電子データは適切なルールに沿って保存することが重要です。
電子帳簿保存法について詳しくは、以下の記事で解説しています。本記事と併せてご覧ください。
関連記事:電子帳簿保存法とは?対象書類・保存要件・改正内容・対応策を一挙に紹介
見積書を電子化するメリット
見積書を電子化すると、作成から保存までの業務を効率化できるだけでなく、コスト削減や管理性の向上にもつながります。本章では、見積書を電子化する主なメリットを見ていきましょう。
業務の負担やミスを減らせる
見積書を電子化すると、作成・承認・送付までをシステム上で一貫して行えます。紙の見積書で必要だった印刷や封入、郵送などの作業が不要になるため、担当者の負担を軽減できます。
また専用システムを利用すれば、データの自動入力や承認フローの管理が可能で、転記ミスや送付漏れ、最新版の管理ミスといったヒューマンエラーの防止にもつながります。特に、複数部署が関わる企業では、見積書提出までのスピード向上も期待できるでしょう。
コスト削減につながる
見積書の電子化は、さまざまなコストの削減につながります。紙代・インク代・封筒代・切手代などの消耗品費が不要になるほか、印刷・封入・郵送にかかる人的コストも削減できます。
見積書の発行件数が多い企業ほどコストの削減効果は大きく、浮いたコストを他の業務改善や事業投資に活用できる点もメリットといえるでしょう。
管理がしやすくなる
電子化した見積書は、紙のように物理的な保存場所を必要としないため、ファイリング作業や保管スペースを削減でき、書類管理の負担を軽減できます。
また検索機能を利用すれば、取引先名・取引年月日・取引金額・ファイル名などの条件から目的の見積書をすぐに探し出せます。大量の書類を手作業で探す必要がなくなるため、問い合わせ対応や監査対応もスムーズになり、業務全体の効率化が期待できるでしょう。
見積書を電子化する際の注意点
見積書の電子化には多くのメリットがありますが、適切に運用しなければトラブルの原因になることもあります。電子データならではのリスクを理解し、管理ルールを整備することが大切です。
本章では、見積書を電子化する際の注意点について見ていきましょう。
改ざん防止の措置を取る必要がある
取引先への送付時には、表示崩れや意図しない編集を避けるため、PDF形式を利用する方法があります。ただし、PDF化自体は電子帳簿保存法上の改ざん防止措置には該当しないため、別途、タイムスタンプや履歴管理、事務処理規程などによる対応が必要です。
なお、PDF化やパスワード設定だけでは、電子帳簿保存法の「真実性の確保」の要件を満たせません。タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴が残るシステムの活用、事務処理規程の整備・運用など、いずれかで対応する必要があります。
以下の記事では、電子データが改ざんされていないことを証明する「タイムスタンプ」について詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
関連記事:電子帳簿保存法のタイムスタンプとは|仕組みや改正の変更点、不要なケースなど解説
見積書の有効期限を明記する
電子化した見積書でも、有効期限を明記することが重要です。見積書の有効期限とは、提示した価格や条件で契約できる期間を指します。
有効期限を設定していない場合、提示条件がいつまで有効かが不明確になるため、取引先との認識の違いによるトラブルになる可能性も否定できません。
見積書の有効期限は、2週間から半年程度の期間が一般的ですが、自社の取引実態に合わせて定めましょう。
ファイル名と見積内容に相違がないようにする
電子化された見積書は大量のデータとして保存されるため、適切なファイル名を付けることも重要です。ファイル名は、取引先名・案件名・作成日などを含め、内容を判別しやすくするのがおすすめです。
また、ファイル名と実際の見積内容に相違がないかも必ず確認しましょう。確認を怠ると、必要な見積書を検索できなかったり、誤ったデータを参照したりする原因になります。
見積書の作成から請求業務まで効率化するなら「バクラク請求書発行」
見積書の電子化を進めることで、業務効率化やコスト削減、管理負担の軽減が期待できます。一方で、電子帳簿保存法への対応や改ざん防止、帳票管理のルール整備も欠かせません。
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また、取引先ごとにメールや郵送など最適な送付方法を選択し、一括送付できるため、送付作業の負担や送付ミスの防止にもつながります。
さらに、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しているため、法制度への対応を進めながら帳票業務全体の効率化が可能です。見積書の作成から請求業務まで一元管理したい方は、ぜひ以下のページより「バクラク請求書発行」の導入をご検討ください。

