
発注書(注文書)を電子化するには?保存要件やメリット、注意点を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-07-02
- この記事の3つのポイント
- 電子取引で送受信した発注書は、電子データとして保存することが電子帳簿保存法で定められている
- 電子化のメリットは、業務効率化やコスト削減が可能で、長期保存しても劣化・汚損の心配がない点
- 電子化の際は改ざん防止の措置やセキュリティ対策を講じること、検索機能を確保することが重要
発注書(注文書)を電子化するには?保存要件やメリット、注意点を解説
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電子帳簿保存法が改正された2022年1月以降、電子的な方法でやり取りをした発注書(注文書)は、紙に出力して保存する代替措置が廃止され、原則として電子データで保存することが必要になりました。また、紙の発注書を電子データ化して保存することも認められています。
本記事では、発注書を電子化する方法や要件をわかりやすく解説します。電子化するメリットや注意点も紹介しますので、発注書の電子化を検討中の方は参考にしてください。
発注書(注文書)は電子化できる
発注書とは、商品・サービスを注文した事実を取引先に証明するための書類で、注文書と呼ばれることもあります。電子帳簿保存法により、紙の発注書は一定の要件を満たせば電子データとして保存が可能です。
ただし、電子取引でやり取りをしたデータは、電子データのまま保存することが義務付けられています。宥恕期間は2023年12月31日で終了しており、電子データとして受領した発注書は、紙に出力することも可能ですが、受領した電子データも保存する必要があります。
発注書を電子化する方法と要件
発注書を電子化する方法には、主に以下の2つのパターンがあります。
- 作成または受領した発注書のデータをそのまま保存する方法
- 紙の発注書をスキャナなどで読み取り、電子データとして保存する方法
それぞれの方法を、要件とともに詳しく見ていきましょう。
電子データとして保存
以下のような発注書や発注書控えは、原則として電子データ保存が必要または可能なものです。
- 電子的な方法で作成し、紙に出力して送付した場合の発注書控え
- 電子データとして作成・送付した場合の発注書控え
- 電子データで受領した発注書
保存の根拠や要件は発注書の授受方法によって異なります。
電子データとして送付・受領した発注書は電子取引データに該当するため、原則として電子データのまま保存する必要があります。
一方、電子的に作成した発注書を紙に出力して送付した場合、その発注書控えは電子取引データには該当しません。紙の控えを保存するか、電子帳簿等保存の要件を満たして作成時の電子データを保存することができます。
スキャンして保存
紙で発行・受領した発注書や発注書控えは、スキャナなどで読み取って保存しても問題ありません。スキャナ保存をする際は、以下を含むいくつかの要件を満たす必要があります。
- タイムスタンプの付与
- 赤色・緑色・青色がそれぞれ256階調以上
- 解像度200dpi相当以上でのスキャン など
なお、訂正・削除履歴が残るなど、所定の要件を満たすシステムを利用できる場合は、タイムスタンプの付与を省略できます。また、注文書は一般書類のため、グレースケールでも問題ありません。
また、2024年1月1日以降に保存したデータは、階調・解像度・大きさに関する情報を保存しなくてよいとされています。
スキャナ保存については以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
関連記事:電子帳簿保存法とは?対象書類・保存要件・改正内容・対応策を一挙に紹介
発注書を電子化するメリット
発注書の電子化は、発注側・受領側の双方にさまざまなメリットがあります。
電子化する際の代表的な4つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
作成・送付業務を効率化できる
発注書を電子化すると、作成・送付業務を効率化できます。
発注書の作成から送付までのプロセスが電子機器のみで完結するため、書類の印刷・封入・郵送業務は基本的に必要ありません。ファイリング作業を省略でき、書類の検索も容易になるため、以後の業務効率化を図れる点もメリットです。
また、電子化した場合、仕入管理システムなどと連携できれば、転記作業などの業務を軽減できます。入力ミスが発生しにくくなり、入力業務の負担を軽減しながら正確性の向上も見込めるでしょう。
コスト削減につながる
発注書を電子化すると、以下のようなコスト削減効果が期待できます。
- 発行時の紙代・インク代
- 送付時の封筒代・郵送代・FAX代
- 保管用のファイル代
- 発行から郵送までの業務にかかる人件費
コスト削減効果は、取引件数が多いほど実感しやすい傾向にあります。電子化していれば、発注書の不備で再発行が必要になった際も、最小限のコストで対応が可能です。
テレワーク対応しやすくなる
発注書を電子化した場合、押印や印刷・封入業務のためにオフィスへ出社する必要はありません。基本的にはパソコンがあれば発行できるため、テレワークに対応しやすいといえます。
また、発注書データをクラウド上に保存しておけば、インターネット環境が整ったあらゆる場所から必要なデータにアクセスできます。急用や出張中で出社が困難な場合も、データを管理できるのは電子化ならではのメリットです。
経年劣化や汚損のリスクがない
電子化した発注書には、経年劣化や汚損、紛失などのリスクがありません。紙の書類を物理的に保管するわけではないため、良好な状態で長期間保存できます。
ただし、電子化した場合も、データの削除・破損のリスクは否定できません。バックアップの徹底や、クラウド上にデータを保存できるシステムの利用を検討しましょう。
発注書を電子化する際の注意点
発注書の電子化にはさまざまなメリットがありますが、デメリットも理解した上で進めることが重要です。
発注書を電子化する際に注意すべき3つのポイントを、詳しく見ていきましょう。
改ざん防止の措置を取る
発注書を電子化する際は、電子帳簿保存法に沿った対応が求められます。電子的な方法でやり取りをした発注書は、以下の保存要件を満たした上で、電子データのまま保存する必要があります。
- 真実性の確保:データが改ざんされていないことを示すための要件
- 可視性の確保:データを閲覧できる状態にしておくための要件
改ざん防止措置は保存方法によって異なります。
スキャナ保存では、タイムスタンプの付与や所定のシステム利用などが必要です。一方、電子取引データ保存では、タイムスタンプの付与、訂正・削除履歴が残るシステムのほか、事務処理規程の整備・運用などから選択して対応できます。
タイムスタンプの仕組みや法改正における変更点については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
関連記事:電子帳簿保存法のタイムスタンプとは|仕組みや改正の変更点、不要なケースなど解説
検索機能を確保する
検索機能の確保も、電子取引データの保存要件の一つです。
具体的には、取引年月日・取引金額・取引先名で検索ができる状態にしておく必要があります。Excelなどで作成したリストやデータのファイル名に上記3項目を含め、データを適切に管理しましょう。
ただし、以下のいずれかに該当し、電子取引データの「ダウンロードの求め」に応じられる状態の場合、検索機能の確保は不要とされています。
- 基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下
- 電子取引データの出力書面を、日付・取引先ごとに整理し、税務調査時に提示・提出できる
セキュリティ対策を行う
発注書を電子化する際は、データの紛失・破損を防ぐためのセキュリティ対策が不可欠です。また、サイバー攻撃などによる発注書データの漏えいにも注意しなければいけません。
不特定多数がデータを閲覧できないように、閲覧履歴を記録できるシステムの導入や、適切なアクセス権限の付与といった対策を講じましょう。自社で対応が難しい場合は、セキュリティ対策が万全なシステム・ソフトを導入するのも一つの選択肢です。
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電子帳簿保存法の改正以降、紙の発注書は、一定の要件を満たせば電子データ化して保存することが認められています。ただし、電子取引で送付・受領した発注書のデータは、電子データのまま保存しなければいけません。
法律は改正されることがあるため、現行法を理解した上で適切に対応することが大切です。
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