福利厚生費の課税・非課税の基準や条件や国税庁の定める上限も紹介

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福利厚生費の課税・非課税の基準や条件や国税庁の定める上限も紹介

福利厚生費は、従業員の働きやすさや生活の向上を支える大切な制度です。しかし、その内容や費用の扱いについて正しく理解していないと、余計なコストや課税リスクを招く可能性があります。 本記事では、福利厚生費の基本から非課税となる条件や、上手な管理方法まで分かりやすく解説します。従業員満足度を高めつつ、効率的な経費管理を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

1.福利厚生費の種類

福利厚生費は、従業員の生活や働きやすさを向上させるために企業が負担する費用です。この費用は大きく以下の2種類に分けられます。

  • 法定福利費
  • 法定外福利費

法定福利費は法律で定められた範囲内で、企業が従業員に支払うよう義務付けられている費用です。

一方、法定外福利費は法律で定められていない企業が独自に実施する福利厚生にかかる費用です。法定福利費と法定外福利費は課税の扱いが異なるため、正しく区別する必要があります。

なお、福利厚生費の定義や仕訳について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考にしてください。

関連記事:従業員に対する「福利厚生費」とは?勘定科目の定義・範囲と仕訳の例を解説

2.法定福利費(非課税)

法定福利費は、企業が従業員の生活の安定や社会保障の充実のために、法律で定められた範囲内で支払う費用です。主な法定福利費には、以下の6つがあります。

主な法定福利費

内容

健康保険

  • 従業員が病気やケガをした際に、医療費の一部を会社が負担する制度
  • 保険料は従業員と企業で半分ずつ負担する

介護保険

  • 40歳以上の従業員が対象となる介護支援のための保険
  • 40歳以上の従業員は加入義務があり、保険料は会社と半額ずつ負担する

厚生年金保険

  • 老後や働けなくなった際に備えるための保険
  • 保険料は企業と従業員が折半して負担し、年金は65歳以降に支給される

雇用保険

  • 従業員が失業した場合に支給される保険
  • 就職支援や職業訓練を受ける費用を補助する役割がある

労災保険

  • 従業員が業務中にケガや病気になった場合に、治療費や休業補償を受けられる保険
  • 保険料は企業が全額負担する

子ども・子育て拠出金

  • 子育て支援や児童手当の財源として充てられる税金
  • 保険料は企業が全額負担する

法定福利費の計算方法や仕訳例は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:法定福利費とは?計算方法や仕訳例、福利厚生費との違いなど解説

3.法定外福利費(課税対象)

法定外福利費は、企業が独自に実施する福利厚生にかかる費用です。従業員の満足度向上や企業のイメージアップを目的として、さまざまな福利厚生制度が導入されています。代表的な例としては、以下のとおりです。

  • 住宅補助費:家賃補助や住宅購入の際の補助金など
  • 健康診断の補助:検診費用を一部補助または全額負担する
  • 社員旅行:社員旅行費用の一部または全額を企業が負担する
  • 学習費補助:資格取得やスキルアップのための費用を企業が補助する

これらの費用は従業員の福利厚生として支給されるため、原則として従業員の所得に含まれ、所得税の課税対象となります。ただし一定の条件を満たす場合は、非課税となる場合があります。

4.法定外福利厚生の非課税となる条件

法定外福利厚生費が非課税となるためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。

  • 全従業員が利用可能
  • 妥当な金額
  • 非課税となる上限金額を超えていない
  • 現物支給である

まず福利厚生制度は、全ての従業員が平等に利用できるものでなければなりません。特定の役職や雇用形態に限定される場合、その福利厚生費は課税対象となります。

また、提供される福利厚生の内容や金額が社会通念上妥当である必要があります。たとえば、社員旅行の費用が過度に高額な場合や、新入社員歓迎会に対して異常に高い金額を支給した場合は、課税対象となります。

加えて福利厚生として提供されるものは、現物支給でなければなりません。現金や商品券など換金性の高い物を支給すると、その費用は給与として扱われ課税対象になります。

福利厚生制度を導入する際は、非課税となる条件を十分に考慮し、適切な運用を心がけてください。

4-1.食事補助

企業が従業員に提供する社員食堂や弁当などの食事は、条件を満たせば非課税となります。非課税となるには、以下の2つの条件を満たすことが必要です。

  • 役員や使用人が食事の価格の半分以上を負担していること
  • 食事の価格から役員や使用人が負担している金額を差し引いた金額が、1カ月あたり3,500円以下であること

なお1カ月あたりの金額3,500円とは、消費税および地方消費税を除いた金額です。10円未満の端数は切り捨て計算します。

参考:国税庁「No.2594 食事を支給したとき

4-2.住宅補助

住宅補助も一定の条件を満たす場合は非課税となります。

たとえば、企業が従業員の住宅を借り上げ、その費用の一部を補助する場合です。この際、従業員が賃貸相当額の50%以上を負担しているのが条件です。賃貸相当額とは、下記の3つの合計額のことをいいます。

  • (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)× 0.2%
  • 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/ 3.3(平方メートル))
  • (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)× 0.22%

企業所有の社宅を提供する場合でも、基準賃貸料以下の負担額であれば非課税となります。これらの条件を遵守することで、住宅支援を有効に活用できます。

参考:国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」

4-3.通勤手当

通勤手当は非課税の対象として広く認められています。

ただし、非課税限度額が国税庁により定められているため、注意しましょう。

公共交通機関を利用する場合、月額15万円が非課税限度額です。福利厚生費は現金や換金性の高いものは課税対象ですが、通勤手当は例外で現金による支給が認められています。

また、自家用車や自転車を使用する場合も、距離に応じた限度額が設けられています。企業はこれらの基準を超えた金額を支給する場合、超過分が課税対象となるので注意が必要です。

自家用車や自転車を利用する場合の1カ月あたりの上限額は、通勤距離によります。下記の表をご覧ください。

片道の通勤距離

1カ月あたりの上限額

2km未満

全額非課税

2km以上10km未満

4,200円

10km以上15km未満

7,100円

15km以上25km未満

12,900円

25km以上35km未満

18,700円

35km以上45km未満

24,400円

45km以上55km未満

28,000円

55km以上

31,600円

1カ月あたりの非課税上限額を超えた通勤手当を支給する場合、超える部分の金額が給与として課税されます。

参考:国税庁「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当

5.国税庁が定める上限が決められている福利厚生費

福利厚生費には、国税庁が非課税として認める範囲や上限が細かく定められています。この上限を超えた部分は課税対象となるため、企業は支給額を適切に管理することが重要です。

上限が決められている福利厚生費には「食事補助」「住宅補助」「通勤手当」があります。また「社員旅行」も上限が決められている福利厚生費です。

社員旅行は全従業員が参加対象です。

従業員の50%以上が旅行に参加することが非課税対象の条件です。また、旅行期間は4泊5日以内でなければなりません。つまり、その旅行が一般的なレクリエーションの範囲内であること、従業員に供与する経済的利益が少額である場合は課税対象になりません。

このように、国税庁が定める福利厚生費の上限や非課税対象となる金額は、詳細に定められています。企業が福利厚生で税金対策を行う際は、非課税になりやすい内容を優先しましょう。業務スキル支援や在宅勤務環境の整備、健康支援などは非課税対象となりやすいといえます。

また、非課税条件や金額上限は国税庁サイトで確認してください。企業は要件を理解して適切に福利厚生を提供する必要があります。

参考:国税庁「No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行

6.福利厚生費の管理をするなら「バクラク経費精算」

福利厚生費には、法律で義務付けられた健康保険や厚生年金などの「法定福利費」と、企業独自の制度である住宅補助や社員旅行などの「法定外福利費」があります。

法定外福利費は課税対象ですが、非課税条件を満たせば節税が可能です。たとえば、食事補助や住宅補助、通勤手当のように国税庁が非課税条件や上限を定めているものは、それらを遵守することで非課税扱いとなります。

企業が福利厚生費を効果的に活用するには、非課税条件や上限額を十分に理解し、適切に管理しなければなりません。福利厚生費の計上や非課税条件の確認は、複雑で手間や時間が必要です。

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