請求書をPDFで送付・原本保存は法的に有効?PDF化の方法や注意点などを解説

PDFでの請求書のやり取りをする際、原本の取り扱いについて迷う人も多いのではないでしょうか。

本記事では、請求書の原本をPDF化する際の法的有効性や、PDF化の方法を解説します。送付する場合の注意点も述べていますので、ぜひ参考にしてください。

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請求書をPDFで送付・原本保存は法的に有効?PDF化の方法や注意点などを解説

PDFの請求書の法的な取り扱いについて

請求書は取引内容を明確にし、代金を請求するための重要な書類です。近年では紙の請求書だけではなく、PDF化して送付するケースも増えています。

PDFの請求書の法的な取り扱いについて、詳しく解説します。

PDFの請求書は法的に有効

紙の請求書とPDF請求書は、法律上どちらも有効であり、見積書や納品書などの帳票も同様です。PDFをメール送信する方法や電子帳票システムで配信する方法も、紙の送付と同じ扱いです。

また、民法166条1項1号により、請求書の法的有効期限は5年とされます。さらに、2023年10月からのインボイス制度では、適格請求書の発行・保存義務が課されました。

請求書が紙かPDFかを問わず、取引先の要望に応じて発行し、適切に控えを保存することが重要です。

電子帳簿保存法に則れば請求書のPDFを原本扱いできる

税法では、請求書を含む帳簿書類の保存期間を7年と定めています。電子帳簿保存法に基づく「電子取引」の要件を満たせば、PDFで受領・発行した請求書の電子保存が可能です。

近年では、インボイス制度(適格請求書等保存方式)とも連動し、適格請求書をPDFで発行し電子保存する企業が増えています。

電子帳簿保存法に対応した請求書発行システムを導入すると、業務効率の向上やコスト削減につながります。

請求書の紙(原本)の保管や電子帳簿保存法のルールについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:請求書は破棄していい?紙(原本)の保管や電子帳簿保存法のルールも解説

PDFの請求書でも印鑑は法律上必須ではない

請求書に押印の義務はなく、法的には印鑑がなくても有効です。

しかし押印は偽造や改ざん防止の効果があり、信用性を高める役割を果たします。取引先によっては「押印がない請求書は受理できない」とするケースもあるため、押印するのが無難でしょう。

PDFの請求書に社印(角印)を入れる場合、以下の方法が一般的です。

  • 請求書を作成する際に、陰影の画像データを貼り付ける
  • PDF編集ソフトを使い、PDF変換後に電子印鑑を追加する
  • 電子請求書システムを活用する

請求書に押印する印鑑について詳しくは、以下の記事で解説しています。

関連記事:請求書に印鑑は必要か?適切な印鑑の種類や押印時のポイントを解説

PDFで請求書を発行するメリット

ここでは、PDFで請求書を発行するメリットについて解説します。

紙やインクなど物理的なコスト削減につながる

PDF化された請求書を利用するメリットには、物理的な印刷と配送コストの削減が挙げられます。紙やインク、封筒、郵送代といった費用が不要になり、経費の削減が可能です。また、保管に必要なスペースや設備コストも低減できます。

これにより、紙の書類を収納するためのファイルキャビネットや保管室などが不要です。さらに、押印や封入といった手作業が減るため、人的コストの節約にもつながります。

郵送時間を省略することで請求業務の迅速化を図れる

請求書をPDF化することによって、郵送にかかる時間を省略し請求書をリアルタイムで送信することが可能です。取引先に迅速に請求書を届けられ、業務スピードの向上が期待できるでしょう。

また、請求書に誤りがあった場合でも、修正と再送を素早く行えます。郵送であれば再発行と再送に数日かかるところ、PDFであれば即座に修正し、再送信することが可能です。

デジタル検索により検索性の向上につながる

請求書をPDF化することで、デジタル検索が可能です。デジタル形式で保存された請求書は、特定のキーワードや日付、金額などを使って迅速に検索できるため、必要な請求書をすぐに見つけ出して参照できます。

デジタル検索ができると、監査や社内の問い合わせ対応が大幅に効率化されます。

たとえば、過去の請求書を確認する必要がある場合、紙の書類ではファイルキャビネットや収納棚を一つずつ探し出すことが必要です。しかしPDFであれば、数秒で必要な情報にアクセスできます。

さらにPDFファイルは整理が容易で、フォルダ分けやタグ付けにより、関連する請求書をまとめて管理することができます。

PDFで請求書を発行するデメリット

PDFで請求書を発行することはメリットもありますが、一方で2つのデメリットも存在します。以下で詳しく解説します。

オペレーションの再構築が必要になる

請求書をPDF化する際は、電子データ化に伴い既存の請求業務プロセスに加え新しいオペレーション設計なども検討しなければなりません。

見直しが必要な一例として、承認フローが挙げられます。紙ベースの請求書は、承認印を押すプロセスが一般的です。一方でデジタル化した場合、電子承認システムを導入する必要があります。

電子承認システムを導入するには、企業に合わせたシステムの選定に加え、導入と運用には時間とコストがかかります。

次に求められるのは、データの保存方法と保管場所のルール設定です。電子データはクラウドストレージや社内サーバーに保存されるため、どこにどのように保存するか、アクセス権限は誰がもつかなど、明確なルールを定める必要があります。

導入コストが発生する

請求書をPDF化するデメリットは、PDF化を進めるための専用システム導入に初期投資および継続的なランニングコストがかかる場合があることです。

専用システムを導入するためにはシステムの選定や購入、設置、初期設定、従業員のトレーニングなど、多くのコストが発生します。

また、システムの維持・管理には継続的なランニングコストも伴います。たとえば、ソフトウェアのライセンス料やシステムの保守費用、セキュリティ対策の更新費用などです。

これらの費用は毎年かかるものであり、長期的に見ると累積的な負担となるでしょう。

請求書の原本をPDF化する方法

ここからは、請求書の原本をPDF化する方法について3つ解説します。

WordやExcelで作成したデータをPDFに変換する

請求書の原本をPDF化する方法として、WordやExcelで作成した請求書をPDFファイルに変換して送付する方法があります。

PDFにすると、文書を簡単に編集されるリスクを軽減し、信憑性を保つことができる点で有効です。特別なツールは不要、かつ変換は簡単に行えるため、手軽に電子化を進めたい場合に適しています。

具体的には、WordやExcelで請求書を作成した後「名前を付けて保存」をクリックします。その後、メニューからPDF形式を選択して保存するだけで、PDFファイルに変換可能です。

紙の請求書をスキャンしてPDFに変換する

請求書の原本をPDF化する方法として、紙の請求書をスキャナーでスキャンし、PDF形式で電子データ化する方法もあります。手書きの伝票や署名が必要な場合に、特に便利です。

ただし、スキャンしたPDFデータを送付する際には、相手方のシステムが電子データの保存要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。

電子帳簿保存法の要件を満たすためには、適切な電子署名の付与やタイムスタンプの付与、一定の保管期間の確保などが必要です。

したがって、スキャンしたデータがこれらの法的要件を満たしているかを確認し、相手方とも確認を取ることが重要といえるでしょう。

電子帳簿保存法について詳しくは、以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:電子帳簿保存法とは?対象書類・保存要件・改正内容・対応策を一挙に紹介

電子請求書発行システムを活用する

請求書の原本をPDF化する方法の一つとして、専用の電子請求書発行システムを利用する方法もあります。

電子請求書発行システムを使用すれば、請求書をPDF形式で生成し、発行から送付、さらに入金管理までを一元的に行えます。業務の効率化や、請求書作成・管理にかかる手間を大幅に削減できる点が利点です。

ただし、専用システムの導入には初期費用および継続的なランニングコストが発生する点に注意が必要です。

初期費用にはシステムの導入・設定費用が含まれ、ランニングコストにはシステムの運用・保守費用が含まれます。そのため、システム導入前には費用対効果を慎重に評価し、自社の業務がどのくらい効率化されるかを検討することが重要です。

請求書発行システムについては以下の記事で解説しているので、参考にしてください。

関連記事:請求書発行システムとは?機能・種類から導入するメリットと注意点まで解説

PDF化した請求書の送付方法

PDF形式の請求書は、一般的にメール添付または専用の請求書発行システムを使用して送付されます。メール添付の場合、作成したPDFファイルを各取引先に個別に送信します。

メール添付は、シンプルで導入コストもほとんどかからないため、少数の請求書を発行する場合には適した方法です。

しかし、多数の請求書を個別のメールで送付する場合、手間がかかる上に、宛先間違いによる情報漏洩のリスクが高まります。大量の請求書を手動で管理・送信することは、人的ミスが発生しやすく、また業務負担も大きくなります。

そこで、取引先が多い場合に推奨されるのは、請求書発行システムの導入です。請求書発行システムを使用することで、請求書の発行から送付、さらには入金管理までを自動化することができます。

このシステムは、取引先ごとに請求書を自動生成し、適切な宛先に送信する機能をもっているため、効率的かつセキュアな送付が可能となります。

請求書をメールで送付したり受領したりする際の例文や注意点は、ぜひ以下の記事よりご覧ください。

関連記事:請求書をメールで送付/受領するときの例文と注意点を解説

請求書の原本をPDF化する際の注意点

最後に、請求書の原本をPDF化する際の注意点について解説します。

事前に取引先への了承を得る

PDF形式で請求書を発行する前に、必ず取引先からの了解を得ることが重要です。これは、取引先がPDF請求書の受け取りに戸惑うことを避けるためです。

取引先によっては、電子請求書に対応していない場合や、紙の請求書に慣れているために電子形式を受け入れる準備ができていないこともあるでしょう。事前に了解を得ることで、こうした未認識の問題を防ぐことができます。

次に、取引先の中には、引き続き紙の請求書が必要な企業もあるため、それらの取引先の要求に応じることが必要です。なかには、法的な要件や内部規定の関係で紙の請求書を求める企業も存在します。

そのため、電子請求書に完全移行する前に、各取引先のニーズを確認し、必要であれば紙の請求書も併用する体制を整えておくことが重要です。

PDFファイルへのパスワード設定を行う

請求書の機密情報を保護するために、PDFファイルにはパスワードを設定することも推奨されます。PDFファイルの不正閲覧防止に有効です。

パスワードを設定したPDFファイルをメールで送る場合には、そのパスワードを別途安全な方法で通知することが必要です。たとえば、電話で口頭伝達するか、別の通信手段(SMSや専用メッセージングアプリなど)を使ってパスワードを共有します。

ただし、パスワードを設定したPDFファイルを単独でメールに添付し、そのパスワードを同じメールで送る「PPAP(Password Protected Attachments)」方式はセキュリティ上の脆弱性が指摘されています。

そのため、より安全な方法として、クラウドサービスや請求書電子化サービスの利用がおすすめです。クラウドサービスを利用することで、取引先とのやり取りがより安全かつ効率的に行えます。

請求書の発行・送付・保存を効率化できる「バクラク請求書発行」

請求書は通常、紙媒体での保存が基本ですが、電子帳簿保存法に基づく「電子取引」の要件を満たせば、PDFファイルなどの形式での電子的保存も認められています。

PDF化すれば紙やインクなどの物理的コストが抑えられるだけでなく、検索性向上も可能です。請求書の発行にはデータやスキャンのほかに、請求書発行システムを利用する方法があります。

バクラク請求書発行は書類を発行する前後の業務をすべて解決できるサービスです。インボイス制度や電子帳簿保存法などにも対応しているため、複雑な法制度にも簡単に対応できます。

請求書の発行業務を自動化・効率化できるバクラク請求書発行は以下のページで詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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