
請求書の保管期間は?法人・個人事業主の違いや保管方法について解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-06-04
- この記事の3つのポイント
- 請求書の保管期間は、法人では原則7年(一定の場合は10年)、個人事業主では申告区分や書類の種類により5年または7年と異なる
- 電子帳簿保存法では、請求書を電子データで受領した場合の適切な保管方法も義務付けられている
- 受領した請求書は、電子データで保管すれば、保管場所の削減や管理の効率化などを図れる
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請求書の保管期間は?法人・個人事業主の違いや保管方法について解説
請求書を受領した場合は、原則として法人は7年(一定の場合は10年)、個人事業主は申告区分や税務上の要件に応じて5年または7年の保管が必要です。請求書の保管期間は事業形態や条件によって異なるため、正しく理解しておくことが大切です。
本記事では、請求書の保管期間について詳しく解説します。法人・個人事業主の違いや保管方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
受領した請求書の保管期間
受け取った請求書には、保管期間が定められています。ここでは、受領した請求書の保管期間について解説します。
法人の場合は原則として7年間
受領した請求書の保管期間は、法人では原則7年間です。請求書は税務調査において取引の事実を証明する証憑書類として扱われ、適切な方法で保管しなくてはなりません。
ただし「欠損金の繰越控除」を適用する場合は、最長10年間の保存が求められます。欠損金の繰越控除とは、法人が過去の赤字(欠損金)を将来の黒字と相殺することです。
なお、請求書の保管期間は「紙で保存する場合」「電子帳簿保存法に基づいて電子データで保存する場合」のいずれも共通です。
法人税法上、保存期間の起算日は、事業年度における確定申告書の提出期限の翌日です。
参考:e-GOV法令検索「法人税法施行規則 第67条の2 」
こちらの記事では、請求書の保管期間やインボイスの影響について解説しています。気になる方は、併せてご覧ください。
関連記事:請求書の保管期間は?法人・個人事業主ごとの年数やインボイスの影響を解説
個人事業主の場合は原則として5年間
個人事業主の場合、受領した請求書は原則として5年間の保管が必要です。請求書自体の保存期間は原則5年ですが、青色申告の場合は帳簿等とあわせて7年間の保存が必要となるケースもあります。
また、個人事業主であっても、消費税の課税事業者は7年間の保存が必要です。併せて、適格請求書(インボイス)も7年間、保管する必要があります。
保管期間の起算日は、その年分における確定申告書の法定申告期限の翌日です。具体的な申告期限は年によって異なるため、年度ごとの最新情報を確認しましょう。
なお、青色申告を行う個人事業主の場合、請求書の保管期間は原則5年間であるものの、現金預金取引等関係書類・決算関係書類・帳簿を7年間保存しなければなりません。
現金預金取引等関係書類には、領収書・小切手控え・預金通帳・借用証、決算関係書類には損益計算書・貸借対照表・棚卸表などが含まれます。
こちらの記事では、消費税の免税事業者について紹介しています。課税事業者との違いも解説するので、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:消費税の免税事業者とは?課税事業者との違い・インボイス制度による影響を解説
発行した請求書の保管期間
発行した請求書は、控えの保管義務が生じます。保管期間は受領した請求書と同様、原則として法人は7年間、個人事業主(免税事業者)は5年間です。
インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、適格請求書の保存が求められています。保管期間は原則7年間です。
電子帳簿保存法における請求書の保管方法
電子帳簿保存法において、請求書の保管方法が定められています。
ここでは、電子帳簿保存法における請求書の保管方法を、紙・電子データ別に紹介します。
請求書を電子データで受領した場合
電子帳簿保存法が改正され、受領した請求書が電子データである場合、電子データのまま保管することが義務付けられました。紙に印刷しても国税関係書類として認められないため、注意しましょう。なお、紙に印刷した請求書の破棄は任意です。
PDF等の電子データとして請求書を受領した際(電子取引)は、当該電子データをそのまま保存し、下記の電子帳簿保存法の要件を満たさなければいけません。
可視性の確保 すべて満たす必要あり | ・システムの概要を記載した書類等の関連書類の備え付け ・ディスプレイ及びプリンタ等の見読可能装置の備え付け ・取引年月日及びその他の日付をはじめ、取引金額、取引先といった検索機能の確保 |
|---|---|
真実性の確保 いずれかを満たす必要あり | ・取引先からタイムスタンプが付けられた請求書及び領収書の受領 ・受領後、一定期間以内(最長約2カ月と概ね7営業日以 内)にタイムスタンプを付ける ・電子データの訂正及び削除を行った場合、記録が残るシステムあるいは訂正及び削除が不可能なシステムを採用 ・訂正及び削除の防止に関する事務処理規定を整備 |
上記の要件を満たせない場合、税務上のリスクが生じる可能性があるため注意が必要です。
参考:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」
請求書を紙で受領した場合
請求書を紙で受け取った場合は、原則として「紙の原本」をそのまま保管しておけば問題ありません。
受領した請求書が紙媒体で保管場所に困る場合は、スキャナ保存要件を満たした場合のみ、原本(紙媒体)を破棄し、スキャナで読み取り電子データとして保管できます。
電子帳簿保存法に定められているスキャナ保存要件は、以下のとおりです。
- 解像度が200dpi相当以上、24ビットカラーで読み取ること
- 請求書受領後、速やか(おおむね7営業日以内)に読み取ること
- 請求書改ざんや不正の防止のため、タイムスタンプ機能がついたシステムで保管すること
- スキャナデータの訂正・削除の事実やその内容を確認できる、もしくは改ざんができないシステムを使用すること
- スキャナデータとそのデータに関連する帳簿の記録事項との関連性を確認できるようにしておくこと
- 14インチ以上のカラーディスプレイおよびカラープリンタと操作説明書を備え付けること
- 要件を満たした状態で速やかに出力すること
- システムの概要書・仕様書・操作説明書・保存手順や担当部署などを明らかにした書類を備え付けること
- スキャナデータを取引年月日・取引先・金額など、2つ以上の記録項目を組み合わせて検索できるようにすること
ただし、訂正・削除不可あるいは訂正・削除の履歴が残るシステムに、速やかに保存を行った場合、タイムスタンプは不要です。なお、最新制度では要件が一部緩和されています。
電子帳簿保存法における請求書の管理方法や保存要件の詳細は、以下の記事でご確認ください。
関連記事:電子帳簿保存法における請求書の管理方法や保存要件について
請求書原本を電子データで保管するメリット・デメリット
電子データの請求書を保管する際は、事務処理のフローを明確にし、社内規定を見直すことで、保存要件をスムーズに満たすことができるでしょう。
本章では、請求書の原本を電子データで保管する際のメリット・デメリットを解説します。
電子データ保管のメリット
電子データ保管の場合、印刷する必要がないことから、紙の使用量が減り、コスト削減をしつつ環境に優しい取り組みにもつながります。
紙の書類がなくなることで、空いたスペースを有効活用することもできるでしょう。
また紙で書類を保管する必要がなくなるため、ファイリングなどの作業が削減され業務効率化も期待できます。
検索すれば必要なデータをすぐに取り出せるようになるため、税務調査や監査の対応にも役立つでしょう。
電子データ保管のデメリット
請求書の電子データを保管する場合は、システムトラブルの発生など、デメリットもあります。
サーバー障害及びセキュリティ上のトラブル、自然災害によって予期せぬ停電等が発生してしまったとき、復旧するための業務フローを確立・周知しておく必要があります。
そのほか、運用ルールの整備やセキュリティ対策、ITリテラシー教育なども必要です。
請求書を電子化するメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
関連記事:請求書をペーパーレス化するメリット・デメリット|進め方も紹介
請求書の電子化に関連する法律と経緯
請求書保管の電子化に関連する法律は、以下の3つです。
- e-文書法
- 電子帳簿保存法
- インボイス制度
2005年に制定された「e-文書法」では、文書及び書類に関する多くの法律に対して、文書全般の電子化を認めるよう、横断的な効力をもっています。e-文書法が施行されたことで、電子帳簿保存法が改正されることにもつながりました。
2022年1月に法改正された「電子帳簿保存法」では、国税関係書類を電子化することを促進しています。主な規定は以下のとおりです。
- 国税関係帳簿書類の電子保存を認める
- 国税関係書類のスキャナ保存を認める
- 電子取引に係る取引情報の保存を義務付ける
また、2023年10月からは「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」が適用されました。仕入税額控除を受けるための要件として、保存要件の厳格化や適格請求書の保存が求められています。
電子帳簿保存法について理解を深めたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
関連記事:電子帳簿保存法とは?対象書類・保存要件・改正内容・対応策を一挙に紹介
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請求書の電子保存は、改正電子帳簿保存法やインボイス制度に対応するために欠かせません。請求書の保管期間は、法人で原則7年間、個人事業主で原則5年間と定められています。
電子データ化には、保管スペースの削減や業務効率化といったメリットがある一方、要件を満たした保存や、紙で受領した際のデータ化作業は大きな負担となり得ます。
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