領収書の保存期間は何年?保管方法や領収書を電子データ化するメリットも紹介
- 記事公開日:
- 最終更新日:2025-03-10
- この記事の3つのポイント
- 法人は7年間、個人事業主は青色申告で7年間・白色申告で5年間、領収書の保存が必要
- 領収書原本での申請・保管が必要な理由は、二重請求防止や税務調査の証拠のためである
- 領収書の電子化は、紛失や劣化を防いだり、検索性が向上したりするメリットがある
領収書は経費精算や税務申告に欠かせない書類ですが、保存期間や管理方法に悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、法人・個人事業主の保存期間の違いや、電子保存のメリット、正しい管理方法について詳しく解説します。
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領収書の保存期間
領収書は、企業や個人事業主が、経費精算や税務申告を行ううえで重要な書類です。しかし、いつまで保存すれば良いのかと、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
領収書の保存期間は法律で定められており、法人と個人事業主では期間が異なります。法人と個人それぞれの領収書の保存期間について詳しく解説します。
法人
法人の領収書は、法人税法に基づき、原則として7年間の保存が義務付けられています。領収書を受け取った日から数えるのではなく、事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間として数えます。
たとえば事業年度が2023年4月1日から2024年3月31日までの法人の場合、法人税の確定申告書の提出期限は2024年5月31日です。そのため2023年度の領収書は、2024年6月1日から起算して2031年5月31日まで保存しなければなりません。
ただし法人が赤字決算となり欠損金の繰越控除を適用する場合は、保存期間が10年間に延長されます。経費の証憑書類として、領収書が必要になるためです。
個人事業主
個人事業主の領収書の保存期間は、青色申告と白色申告で異なります。
青色申告の場合は、原則7年間ですが、前々年分の所得が300万円以下の場合は、5年間に短縮されます。一方で、白色申告の場合の保存義務は、原則5年間です。
なお消費税の仕入税額控除を適用する場合、青色・白色に関係なく、7年間の保存が必要です。確定申告の提出期限の翌日から起算して、保存期間が決まる点にも注意しましょう。
税務調査や事業管理の観点から、法定期間を超えて保存すると安心です。
繰越欠損金の控除を受ける場合の保存期間
繰越欠損金の控除とは、過去の赤字を最大10年間繰り越し、後の事業年度の黒字と相殺できる制度です。税負担を軽減し、財務の安定化が図れるメリットがあります。
この制度を適用する場合、領収書の保存期間は、7年間ではなく10年間に延長されます。過去の赤字を証明する際、当時の経費関連の書類が必要になるためです。
保存期間の起算点は、確定申告の提出期限の翌日から10年間で、2018年4月1日移行の事業年度から適用されます。繰越控除を活用する場合は、7年を超えても領収書は破棄せず、10年間の保存を徹底しましょう。
仕入税額控除を受ける場合の保存期間
仕入税額控除とは、仕入や経費にかかった消費税を、納付すべき消費税から控除できる制度です。消費税の二重課税を防ぎ、事業者の税負担を軽減するメリットがあります。
仕入税額控除の適用を受ける場合、消費税法により、仕入に関する領収書を7年間保存する義務があります。白色申告者も例外ではなく、所得税法の5年ではなく7年間の保存が必要です。
6・7年目は、帳簿または請求書・領収書のどちらか一方の保存で問題ありません。
また3万円未満の領収書は保存不要ですが、税務調査や経理管理の観点から、保存しておくと安心でしょう。仕入税額控除を適用する事業者は、保存期間に注意し、適切な領収書の管理が必要です。
領収書原本での申請・保管が必要な理由
経費精算で使用する領収書は、原本が基本です。ここからは、原本で申請・保管が必要な理由について解説します。
コピーには二重請求のリスクがある
上述したとおり、コピーでも経費精算できる職場では、二重請求が発生しやすいのが難点です。
不正への対応や、無駄な確認業務が増えてしまうと、経理部門に負担がかかってしまいます。二重請求を防ぐために、領収書は原則、原本または電子データのいずれかで保存しましょう。
コピーは不正の余地がある
原本に比べて、コピーした領収書には改ざんなどの不正を見逃すリスクがあります。数字の改ざん、文字の改ざんがなされても、コピーでは一見わからない可能性も考えられるでしょう。
不正を阻止するため、多くの企業ではコピーでの経費精算を認めていません。
税務調査で不利になる
二重請求や不正の可能性があると、税務調査が入った場合に不利になりやすい傾向があります。領収書をコピーで保存していると、保存の理由を追及されます。
納得してもらえる理由がない限り調査対象になってしまうため、特別な意図がなければコピーの保存はやめましょう。
領収書の保存形式
領収書の保存方法には、紙での保管と電子データでの保存の2つの方法があります。それぞれの保存方法について詳しく見ていきましょう。
紙で保管
紙の領収書は紛失や劣化を防ぐため、バインダーやファイルで整理するのがおすすめです。特に小さなレシートは、台紙に貼り付けて管理すると、保管時の散乱を防げます。
整理方法は、支払日が早い順に並べるのが基本で、年度ごとにまとめておくと、後から見返しやすくなります。さらに保存期間の終了日を明記しておくと、適切なタイミングで処分ができるため、保管スペースの管理にも役立つでしょう。
税務調査の際にすぐに取り出せるよう、保管方法のルールを決め、社内で統一するとスムーズな対応が可能です。
電子データで保存
電子データで受け取った領収書は紙に印刷せず、そのまま電子データとして保存できます。電子帳簿保存法の改正により、紙の領収書も要件を満たせば電子データ化して保存が可能になり、原本を破棄できるようになりました。
電子保存のメリットは、保管スペースの削減や検索性の向上です。電子データは、社内サーバーやクラウドストレージ、専用の会計システムで管理すれば、紛失リスクを軽減できます。
ただし、電子データの保存には改ざん防止や検索性の確保といった要件を満たす必要があります。電子保存を活用する際は適切なシステムを導入し、法令に沿った管理の徹底が重要です。
電子帳簿保存法における領収書の保存方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
領収書を電子化する方法
領収書を電子化することで、保管スペースの削減や検索性の向上が可能です。紙の領収書はスキャナで読み取り、もしくはスマホやデジタルカメラで撮影をして、電子化できます。
従来は電子帳簿保存を行うために、税務署への承認申請が必要でしたが、2022年の法改正により不要となり、システムを整えればすぐに導入できるようになりました。電子データ化した領収書は、要件を満たせば原本の破棄が可能であり、管理の手間を大幅に削減できます。
電子化の際に満たすべき主な保存要件は、以下のとおりです。
- スキャナ保存の期限:領収書受領後最長2カ月+7営業日以内
- 解像度の基準:200dpi相当以上
- カラー要件:赤・緑・青の階調が各256階調以上
- タイムスタンプ:入力期間内に認定のタイムスタンプを付与する
- 検索機能の確保:データを後から検索できるようにする
- データと帳簿の紐付け:経理システムと連携し、データを一元管理
電子化の際は、要件を満たすシステムを導入し、適切な方法でデータ保存を行いましょう。
撮影・保存の要件や注意点、タイムスタンプの詳細については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
領収書を電子保存するメリット
経費精算に使用する領収書原本を電子化すると、紛失・劣化リスクの防止を含めさまざまなメリットがあります。
紛失・劣化リスクを防げる
領収書を電子化すると、紛失・劣化のリスクが軽減可能です。
領収書を紙の原本で保存した場合、紛失や劣化のリスクが高まります。火事などの災害や人為的ミスによる紛失、経年劣化による文字の消失など、紙の原本に影響を及ぼす要因はさまざまです。
紛失・劣化していると、税務調査の際に指摘される恐れもあるでしょう。
一方で電子化すれば、領収書の状態が良いまま保管できます。電子データを保存する際、定期的なバックアップやクラウドサービスを利用すれば、領収書の紛失リスクをさらに下げることが可能です。
特定の領収書を検索しやすくなる
検索しやすくなることも、領収書を電子化するメリットの一つです。紙の状態で領収書を保存すると、量が多くなり、特定の領収書を見つけにくくなります。
一方、電子データであれば、日付や内容から目的のものを簡単に検索可能です。税務調査の際には、関連資料を揃える必要があります。特定の資料を検索しやすい点は、電子化の大きなメリットといえるでしょう。
保管コストを抑えられる
領収書を電子化すると、保管コストを抑えられます。
紙で領収書保管は、書類の量が増えるにつれ保管スペースも増えるといったデメリットがあります。また、円滑に書類を管理するには、管理者も選定しなくてはなりません。
このように紙の領収書の場合、保管スペースの確保にも管理者の雇用にもコストがかかりますが、電子化すればコンパクトに保管できコスト削減につながるでしょう。
リモートワークにも対応しやすくなる
経費精算に領収書の原本が必要であれば、リモートワークでも経費精算だけのために出社しなくてはなりません。
領収書の電子化に対応できるようになると、領収書を従業員のスマートフォンなどで撮影してもらい、システム上で管理できるようになります。
また、紙の領収書の提出や受け取りが不要となり、従業員・経理担当者ともに出社の手間が省けます。リモートワークを取り入れている企業では、領収書の電子化に対応した方がより業務効率化を図ることができるでしょう。
領収書を電子保存する際の注意点
領収書原本を電子化するにあたって、業務フローを周知する必要性や、システムの導入コストについて理解しておきましょう。
電子保存の方法や業務フローの周知が必要
正しく電子保存しなければ、電子データを領収書として認めてもらえません。業務フローや保存方法を従業員に周知し、徹底させる必要があります。
電子化に伴い新たなシステムを導入する場合は、操作しやすいように理解しやすいマニュアルを作成しましょう。操作方法が難しく、理解しにくいマニュアルは従業員から反発される恐れがあります。
スキャナ保存の開始日より前の領収書を保存する場合は税務署へ届出が必要
2022年1月以降、領収書の原本をスキャナやスマートフォンで電子化する際、税務署への届出は不要です。ただし、スキャナ保存を始めた日より前の領収書をさかのぼって電子化する際には、届出が必要である点に注意しましょう。
最初にも述べたとおり、領収書には定められた保管期間があるため、届出を行って過去の領収書も電子化するか、届出は行わずに当面は過去の紙の原本も保管し続けるかを、検討しておく必要があります。
システム導入に必要なコストを確認
電子化に伴い新たなシステムを導入すると、初期費用やランニングコストが発生します。経費精算を効率化するシステムは、搭載する機能によってコストが異なります。
自社に必要な機能を抽出して、無駄なコストが発生しないように導入するシステムを選びましょう。
「バクラク経費精算」は電子帳簿保存法にも対応
経費精算や税務申告の際に必要な領収書について、いつまで保存すれば良いのかわからない人も多いでしょう。領収書の保存は法人と個人で期間が異なるため、注意が必要です。
領収書は紙での保管と電子データでの保管方法がありますが、電子保存すれば劣化を防げ、検索性も向上します。大幅な効率化を目指すなら、システムを導入して領収書の電子化を進めるのがおすすめです。
「バクラク経費精算」は電子帳簿保存法に対応しており、申請者や経理担当者のミスを防止します。経費申請全体の効率化が可能になるバクラク経費精算について詳しく知りたい人は、ぜひ以下のページをご覧ください。
実際の経費精算の運用はどのように行っている?
企業における経費精算の実運用については、なかなか公開されることがなく、それぞれが独自にフローやシステムを構築していることが多いと思われますが、「バクラク経費精算」を提供するLayerXは、実際の経費精算運用をまとめた資料を公開しております。
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