請求書がもらえない場合はどうする?対処法やインボイス制度への対応方法も解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-09-19
- この記事の3つのポイント
- 請求書は必須の書類ではないが、発行してもらうのが望ましい
- 請求書がなくても必要事項が記載された書類があれば、インボイス制度で仕入額控除は受けられる
- 請求書がなくても支払い義務は発生する
請求書は必ず発行しなければならない書類ではありませんが、発行してもらった方がよい書類です。
本記事では、請求書がもらえない場合に代わりとなるものや、もらえない場合の対処法について解説します。インボイス制度への対応方法についても解説していますので、ぜひご覧ください。
請求書がもらえない場合はどうする?対処法やインボイス制度への対応方法も解説
そもそも請求書は絶対必要か
請求書は、取引先に提供した商品やサービスの対価を請求する文書のことです。取引があれば請求書が必要と思う方もいるかもしれませんが、請求書は必要というわけではありません。
法律上発行の義務もなく、記載すべき内容や様式も決められていませんが、請求書は取引の真実性を証明するための証拠になる「証憑書類」にあたります。そのため、請求書は発行してもらうのが望ましいでしょう。
請求書がもらえない場合に、代わりとして利用できるものが領収書です。領収書は商品やサービスの対価を支払ったことを証明する書類で、取引の証拠として機能します。
そのため請求書が発行されない場合は、領収書の発行をしてもらうとよいでしょう。
領収書や請求書の違いや、代わりとして利用できるかどうかといった内容については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
請求書の代わりに取引内容を証明できるもの
請求書の代わりに取引内容を証明できるものは、以下のとおりです。
- 領収書
- 銀行振込の控え・通帳への記帳
- 出金伝票 など
領収書は「商品やサービスの対価を支払ったことを証明する書類」で、取引があった日付や取引先の社名、取引内容、金額、相手先の名前などの記載が必要です。また原則5万円以上の領収書には収入印紙を貼らなければならないケースもあるため、受け取る際は確認しておきましょう。
銀行振込で支払った場合、控えや通帳への記帳も取引内容を証明できる書類にあたります。控えや記帳は送金した事実を示す書類で、税務上領収書の代わりに利用できるものですが、取引内容が不明であるため、正規の領収書を発行してもらうと安心です。
さらに事業のために金銭を支払った際に内容を記録する出金伝票も、税務上領収書の代わりとして利用できます。支払日や支払先、金額、目的、取引内容が記載されているかを確認し、支出に関する資料と共に保管しておきましょう。
請求書なしでもインボイス制度で仕入税額控除を受ける方法
請求書が発行されなければ、インボイス制度で仕入税額控除が受けられないと思う方もいるでしょう。実は、請求書なしでも必要事項が記載されていれば、納品書でも仕入額控除が受けられます。
インボイスは様式が法令などで定められていないため、以下の必要事項が記載されていれば納品書でも仕入額控除を受けられます。
仕入額控除を受けるために記載しなければならない項目は、以下のとおりです。
- インボイス発行事業者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
出典:国税庁軽減税率・インボイス制度対応室「インボイス制度ーオンライン説明会ー~応用編~」
また、複数の書類を合わせて必須項目を満たすことも可能です。請求書と納品書を組み合わせるケースや、複数枚の書類で要件を満たす際の注意点などは、以下の記事で詳しく解説しています。
請求書がもらえない場合の支払い義務
請求書がもらえない場合でも、支払い義務は発生します。請求書は取引先に対して支払いを促すための書類であるものの、法律で義務化されていないためです。
「請求書が届かないから支払わなくてよい」と思わず、おこなった取引に対しての対価は必ず支払いましょう。請求書が届かないことを理由に支払いしないままにしてしまうと、後に大きなトラブルに発展する可能性もあります。
民法では、代金の請求がないまま5年経つと支払い義務が消滅すると定められていますが、何らかのトラブルによって取引先は請求書を発行しているのに、自社に届いていないケースもあります。
取引先に「請求書を送っているのに支払ってもらえない」と思われれば、最悪の場合、法的手段を取られてしまう可能性もあるでしょう。そのため請求書がもらえない場合でも、取引をおこなった以上必ず支払い義務があることは、覚えておく必要があります。
参考:e-GOV法令検索「民法」
請求書が届かない場合の対処方法
請求書が届かない場合、早急に担当者へ確認することが大切です。連絡方法は直接担当者と話せる電話がおすすめですが、締め日まで余裕がある場合はメールでもよいでしょう。
メールを送ってから返信が遅いようであれば、電話で連絡すると確実です。担当者に請求書について確認するときは、まず請求書を発送したかどうかを確認しましょう。
請求書の発行がまだおこなわれていない場合は、いつまでに発送してもらえるかを確認し、締め日までに原本の到着が間に合いそうになければ、先にメールやFAXで書面を送ってもらいましょう。
確認して請求書の発送が既に済んでいた際には、いつ発送したのかを確認してください。発送から3〜4日経っているのに届いていなければ、何らかのトラブルで届いていない可能性もあります。
確認する際は、決して相手を責めるような口調で伝えないことが大切です。「支払いの件でご迷惑をかけたくないため確認したいのですが」というように、丁寧な口調で尋ねましょう。
請求書を発行した方がよい理由
請求書は無くても支払い義務が発生しますが、特別な理由が無い限り、発行した方がよいものです。理由としては、以下のものが挙げられます。
- トラブルを未然に防止するため
- 取引がおこなわれたという証明になるため
- 正確に経理業務をおこなうため
請求書を発行した方がよい理由として、振込先や取引内容などの認識違いから起こるトラブルを未然に防止するためです。また税務調査などで取引がおこなわれたという証明にもなるため、発行してもらいましょう。
さらに請求書は、支払期日なども記載されているため、経理業務を正確におこなうために必要です。請求書を発行した方がよい理由の詳細や請求書に記載すべき項目は、以下の記事で解説していますので、ぜひご確認ください。
まとめ
請求書は法律上必ず発行しなければいけない書類ではありませんが、トラブルを未然に防ぐほか、証憑書類にあたるため、特別な理由がなければ発行してもらいましょう。請求書が届かなければ本記事の対処法を参考に、丁寧な口調を心がけて確認してみてください。
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