
インボイス制度に対応したほうがよい医療機関とは?検討時の注意点も解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-06-03
- この記事の3つのポイント
- 保険診療は非課税取引のため、インボイス制度の影響を受けにくい医療機関も多い
- 事業者との取引内容や自費診療の年間売上、働き方によっては対応した方がよいケースもある
- 対応しない場合は取引減少の可能性があるが、対応することで経理担当者の負担が増えることもある
インボイス制度に対応したほうがよい医療機関とは?検討時の注意点も解説
医療機関の中には非課税取引である保険診療を主とするケースも多く、インボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応すべきか悩んでいる方もいるでしょう。 本記事ではインボイス制度への対応を検討した方がよいケースや注意点、医療機関が買い手の場合の影響について詳しく解説します。適格請求書発行事業者の登録をすべきか迷っている方は、本記事をぜひ参考にしてください。
1.保険診療はインボイス制度の対象外
保険診療は非課税取引に該当するため、インボイス制度の対象外です。
医療機関の主な収益が患者への診療行為による診療報酬の場合、インボイス制度の影響を受けにくいといえるでしょう。
2.インボイス制度への対応を検討したほうがよい医療機関とは
インボイス制度への対応は任意ですが、以下のいずれかに該当する場合は対応を検討した方がよい可能性があります。
- 事業者との間で課税売上に該当する取引がある
- 自費診療の売上が年間1,000万円を超える
たとえば企業から受託した健康診断や予防接種は、消費税の課税取引に該当するためインボイス制度への対応を検討する必要があります。
また、年間の課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者となった場合も同様です。課税事業者には消費税の確定申告および納税義務が生じますが、インボイス制度に対応することで仕入税額控除を受けられます。
3.副業・業務委託の場合もインボイス制度への対応を検討しよう
以下のいずれかに該当する場合も、インボイス制度への対応を検討するとよいでしょう。
- 個人事業主として課税業者と取引がある
- 業務委託として医業に携わっている
これらのケースは、取引先からインボイス(適格請求書)の発行を求められる可能性があります。インボイス未登録事業者(適格請求書未発行事業者)の場合は交付ができず、消費税分の値下げ要求や取引の敬遠につながることがあるため注意が必要です。
インボイス登録事業者の登録手続きや注意点については、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
関連記事:「適格請求書発行事業者」とは?税務署への登録手続きと消費税納付の義務を解説
4.医療機関が買手であるときのインボイス制度の影響は?
医療機関が一般課税事業者の場合は、仕入税額控除を受けるにあたってインボイスの保存が義務付けられています。
取引先がインボイス未登録事業者でインボイスの発行がない場合は、仕入税額控除を受けられず医療機関側の納付税額が増えるため注意しましょう。
5.医療機関がインボイス制度への対応を検討するときの注意点
医療機関がインボイス制度に対応するか否かを検討する際は、以下の3点を考慮してください。
- インボイス制度に対応しない場合、企業との取引が減少する可能性がある
- 課税事業者になると1期目から消費税の納税義務が生じる
- 医療機関が発行する請求書・領収書の様式変更が必要
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
5-1.対応しないと企業との取引が減る可能性もある
医療機関側がインボイス制度に対応していない場合、買手である企業側は仕入税額控除を受けられません。
場合によっては、企業から消費税分の値下げ要求や取引の打ち切りを言い渡される可能性がある点に注意が必要です。
5-2.課税事業者になると消費税の納税義務が生じる
適格請求書発行事業者の登録を行い課税事業者になると、資本金に関係なく事業設立1期目から消費税の納税義務が生じます。
インボイス制度に対応する場合は、消費税分の収入減少による事業資金への影響を事前に確認しておきましょう。
5-3.病院が発行する請求書・領収書に変更が生じる
インボイス制度に対応する際は、医療機関が発行する請求書や領収書の様式を変更しなければなりません。場合によっては会計機のシステム入れ替えや新たな会計ソフトの導入が必要となり、臨時コストが発生する可能性があります。
また、取引先から受領した書類がインボイスの記載要件を満たしているかどうか確認したり、保管のために整理したりする手間も生じます。書類の不備が発覚した場合は、取引先に請求書の修正を依頼しなければなりません。
インボイス制度に対応することで経理業務が今まで以上に煩雑化し、経理担当者の負担増大が懸念されるでしょう。
なおインボイス制度に伴う請求書発行業務は、フォーマットを活用することで効率化を図れます。以下のページから無料ダウンロードできますので、インボイス制度の要件を満たす請求書テンプレートをお探しの方はぜひご活用ください。
関連記事:インボイス制度への対応方法も解説!そのまま使える請求書テンプレート
6.「バクラク請求書発行」「バクラク請求書受取」なら効率的にインボイス対応
非課税取引に該当する保険診療はインボイス制度対象外のため、医療機関の主な収益が患者への診療行為による診療報酬の場合は無理に対応しなくてもよいといえます。
しかし事業者との間で課税売上に該当する取引があるケースや、自費診療の売り上げが年間1,000万円を超える場合はインボイス制度への対応を検討しましょう。
また、副業や業務委託の場合も対応の必要性を考える必要があります。インボイス制度に対応していないと、企業から消費税分の値下げ要求や取引の打ち切りを言い渡される可能性があるため注意が必要です。
しかしインボイス制度への対応に伴い、経理担当者の負担増大が懸念されることも忘れてはなりません。医療機関側が発行する請求書や領収書の様式が変わるほか、受領した書類の整合性確認や保管に時間と手間がかかります。
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