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領収書の訂正は可能?訂正のルールや再発行すべきケースを紹介

領収書を発行した後に、取引先から訂正を求められる場合があります。「そもそも領収書を訂正しても問題ないのか」「訂正する際に注意すべき点はあるか」など、気になる方も多いかもしれません。この記事では、領収書の訂正方法や注意点、訂正のリスクを解説します。訂正のルールや再発行すべきケースを知り、正しい運用を目指しましょう。

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領収書の訂正は可能?訂正のルールや再発行すべきケースを紹介

領収書の訂正を求められたら?

領収書にはさまざまな記載項目があるため、宛名や金額、但し書きなどに抜け漏れや誤りが生じることがあります。取引先から訂正を求められた場合、発行者として適切に対処しなければなりません。

原則として領収書の発行者は、記載された内容の訂正が可能です。ただし「訂正したものは無効」と記載されているものについては、再発行で対応します。また、金額の訂正は認められていないため再発行が基本です。

領収書を訂正する方法

まずは、領収書を訂正する具体的な方法を解説します。

二重線と訂正印を使う

領収書を訂正するときは、二重線と訂正印を用いるのが一般的な方法です。領収書の間違った箇所に二重線を引き、二重線を引いた箇所の上から訂正印を押します。

社内の書類であれば訂正印として担当者の印鑑を使っても構いませんが、取引先宛ての書類では角印などの会社のハンコが望ましいとされています。正しい文字や数字は、訂正箇所の近くに分かりやすく記載しましょう。

再発行する

受け取り側の社内規定により、二重線と訂正印による訂正を認めていない企業もあるため、領収書に間違いがあった場合は訂正ではなく再発行が確実です。領収書は確定申告に欠かせない重要な書類であり、不備があると取引先に迷惑をかけてしまう恐れがあります。

訂正したことで取引先に税務署のチェックが入る可能性もあるので、領収書に間違いがあったときは、特別な事情がない限り再発行で対処しましょう。

領収書を訂正する際の注意点

領収書の訂正は、方法次第で不正行為とみなされるケースがあります。ここでは、領収書を訂正する際の注意点を解説します。

修正テープや修正ペンを使わない

領収書の訂正には、修正テープや修正ペンは使えません。前述したように、間違った箇所には二重線を引いて訂正印を押すのが基本です。二重線を引くことで、訂正前と訂正後のチェックが容易にでき、領収書の透明性が確保されます。摩擦熱で消えるタイプのペンも不正行為を疑われるリスクがあるため、領収書の訂正に用いることは避けましょう。

訂正印はシャチハタ以外にする

領収書を訂正する際に用いる印鑑に明確な決まりはありません。ただし、簡単に入手できるシャチハタなどの印鑑は不向きです。訂正印としてシャチハタを使用してしまうと、発行者以外が訂正したのではないかと疑われてしまうリスクが高まります。

訂正の下書きをする

訂正の下書きを作っておくと記載ミスの防止に効果的です。訂正すべき内容を誤ってしまうと、さらに上から二重線と訂正印で対応することになり、領収書の視認性が低下してしまいます。特に訂正を手書きでする場合は、書き損じを防ぐためにも下書きを作っておくのがおすすめです。

発行者のみが訂正できる

領収書の訂正は発行者のみに認められており、たとえ受領者が間違いに気づいても訂正することはできません。領収書の日付が書き忘れにより空欄になっていても、受領者が書き足すのではなく発行者側が解決する必要があります。手間がかかるとはいえ、正しい対応ができれば取引先との信頼関係も深まりやすいでしょう。

領収書で訂正すべきでない項目

領収書で訂正すべきでない項目としては、日付、宛名、金額の3つが挙げられます。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

領収書の日付

領収書の日付を変更することで、納税額が変わる可能性があります。日付の変更は小さな問題と捉えられがちですが、訂正ではなく再発行による対応が原則です。たとえば、実際の取引とは異なる日付を記載し、特定の期間だけ支出が多かったことにすれば納税額を低くできてしまいます。

領収書の金額が大きいほどトラブルに発展しやすいため、事実と異なる訂正を依頼された場合は、しっかりと断りましょう。

領収書の宛名

領収書が法的に有効であるためには宛名が必須です。領収書の宛名が間違っていると、税務署から正式な書類として認めてもらえない可能性があります。取引先にとっても会社名を間違えられるのは印象が悪いため、謝罪したうえで再発行するなど、誠実な対応を心がけましょう。

領収書の金額

金額は領収書のなかでも、とくに重要な項目です。金額の記載ミスは取引先から不信感を持たれてしまう原因にもなるため、誤りがあった場合は迅速な対応が必要です。対応が遅れると自社や取引先に損失が生じるケースもあるので、できるだけ早く領収書を再発行します。

領収書訂正のリスク

二重線と訂正印による領収書の訂正はリスクが高いため、再発行がおすすめです。税務調査の結果、疑わしい領収書は指摘される可能性があります。事実と異なる記載があったり、適切な方法で訂正できていなかったりすると、私文書偽造罪(刑法159条)に該当する恐れがあるため注意が必要です。

また、5万円以上の領収書には金額に応じた収入印紙を貼る必要がありますが、再発行をする場合は新たに収入印紙を貼付しなければなりません。

領収書訂正・再発行のポイント

領収書の訂正や再発行した際は、訂正または再発行したという証拠を残す必要があります。再発行の場合も古い領収書を破棄するのではなく、発行者の責任として保存することが必須です。

誤りのある領収書であることが後から確認できるように、「×印」を書いておくなど運用の工夫も欠かせません。再発行した新しい領収書も取り違えることがないように、再発行したものである旨を明確に記載しておきましょう。紛失による再発行は、経費の架空計上などの不正に使われてしまうリスクがあるため、対応を見送った方が賢明です。

領収書の訂正を生じさせない方法

領収書の訂正は自社の業務負担が増えるだけでなく、取引先に迷惑をかけてしまうことにもつながります。最後に、領収書の訂正を生じさせない方法を解説します。

取引先の名刺をもらう

取引先の名刺をもらっておくと、領収書の宛名を間違えにくくなります。名刺があれば、必要なタイミングで取引先の正しい会社名や個人名を確認することも可能です。宛名は漢字やアルファベットなども正確に記載することを心がけましょう。

領収書の下書きを作成する

領収書の訂正を発生させないには、下書きの作成も効果的です。金額の大きい取引などは、領収書の下書きを取引先にあらかじめ確認してもらうことも検討しましょう。手間はかかるものの、トラブルのリスクが軽減でき、取引先との信頼関係も築けます。

細部まで確認する

領収書を取引先に渡す前には、必ず細部まで確認しましょう。「日付の記載漏れはないか」「宛名は間違っていないか」「金額に誤りがないか」など、あらかじめチェックすべき項目を決めておくのもおすすめです。重要な取引は、複数の担当者で確認作業を行うと訂正が生じるリスクを減らせます。

まとめ

領収書の訂正は、基本的に二重線と訂正印で対応します。ただし、日付、宛名、金額などの重要箇所の誤りについては、再発行で対応しましょう。また、領収書の訂正・再発行が続くと会社の信頼喪失につながるため、チェック体制を整えることも大切です。

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