請求書に同封する送付状の文面と書き方の解説【例文&テンプレート付き】
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-12-12
取引で必ず発生する請求書は、どのように送るのがよいかご存知でしょうか。近年では、メールに請求書を添付して送付することも増えていますが、郵送のケースも完全になくなったわけではありません。郵送時に請求書に添付するのが「送付状」であり、送付状の文面や書き方に困っている方も少なくはないでしょう。
本記事では、請求書に添付する送付状について、目的と意味、記載すべき内容をテンプレートをもとに解説します。
請求書に同封する送付状の文面と書き方の解説【例文&テンプレート付き】
請求書の送付状の目的と意味
請求書に添付する送付状は、別名、「挨拶状」や「添え状」、「カバーレター」等と称されます。この送付状の書式をはじめ、送付状を送付しなければいけないといったような明確な決まりはありません。
しかし、送付する請求書の概要や、請求書を何枚送付しているのか等を記載することで、万が一誤りがあったとしても、発送側及び受領側双方共にその誤りに気づきやすいというメリットがあります。加えて、受領側に丁寧な印象を与えることができるといった観点から、送付状を添えることは、一般的なビジネスマナーとして当たり前となっているのが現状です。
特に発送側においては、送付状に発行した請求書の枚数を記載することから、請求書の枚数と照らし合わせることができ、取引先に発送する前の段階で枚数に誤差があれば発見できます。何らかの理由で請求書を再発行する場合には、取引先において二重支払いとなることのないよう、送付状に再発行分の請求書である旨を記載することもできます。
このように、普段から何気なく同送している送付状には、実は様々な目的や意味が存在しているのです。
請求書の送付状の書き方
請求書の送付状の書き方には明確な決まりはありません。しかし、一般的なビジネスマナーとして、慣例の書き方が存在します。ちなみに添え状はA4用紙1枚に収め、さらに横書きで書く一般的な書式を前提としています。
<宛先>
宛先は、左上部に記載します。個人名や役職名がはっきりとしている場合には「社名+部署名+役職名+個人名+様」と記載しますが、個人名や役職名が不明な場合等には「社名+部署名+ご担当者様」または「社名+部署名+御中」と記載します。
「社名+部署名+御中+ご担当者様」や「社名+部署名+御中+役職名+個人名+様」というように「御中」と「様」を併用してしまうと二重敬語となってしまい、逆にマナー違反となるため、併用しないように注意しましょう。
<送付日>
送付日は、請求書の日付と異なっても問題ありませんので、発送予定日あるいは送付状の記入日を右上に記載します。
<送信者の社名・部署名・担当者名・連絡先>
送信者の詳細を送付日の下に記載します。この時、送付先の社名よりも上の位置になると、取引先に失礼だと思われてしまうため、送付先の社名よりも必ず下の位置になるようにします。また、取引先から問い合わせが来る可能性があるため、社名や部署名、担当者名はもちろんのこと、何かあった時のために詳細な連絡先(住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス等)の記載をしておきましょう。
<内容>
送付状の内容は、下記のような3部構成で記載します。
前文 | 挨拶にあたる部分 |
主文 | 請求書の内容に言及する部分 |
末文 | 今後もスムーズに取引を行うことができるように文章を整える部分 |
「前文」「主文」「末文」の文例に関しては、後述する例文でご確認下さい。
<書類の内容と送付枚数>
請求書の送付状には、前述した「前文」「主文」「末文」の3部構成の下部分に「記書き」で何に対する請求書であるのか、何枚発行しているのか等を記載します。
「記書き」の書き方としては、書き出しの行の中心に「記」と記載し、直後の1行を空白にします。その後、箇条書きで書類の内容と送付枚数を簡潔に記載し、右下に「以上」と締めくくりとします。
請求書送付状のテンプレートと例文
ここからは、実際に請求書送付状のテンプレートを確認することで、送付状のイメージを具体的なものにしていきます。
<請求書送付状テンプレート1>
2022年2月10日
〇〇株式会社
販売促進課
課長 □□様
株式会社△△
〒000-0000
北海道〇〇市〇〇町〇〇1-1-1
□□ビル3階
TEL:0000-00-0000
FAX:0000-00-0001
email:abcd@△△co.jp
営業部 営業推進1課
担当:□□
請求書送付のご案内
拝啓
平素は、格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。
早速ではありますが、納品させていただきましたセール販促物に関しまして、請求書を同送致します。
ご査収の上、2022年2月25日の期日までにお振り込みいただけますでしょうか。
ご多忙の中とは存じますが、ご確認の程宜しくお願い申し上げます。
敬具
記
セール販促物請求書:1通
以上
<請求書送付状テンプレート2>
2022年2月14日
〇〇株式会社 カスタマーサービス課 課長 □□様
株式会社△△ 〒000-0000 北海道〇〇市〇〇町〇〇1-1-1 □□ビル3階 TEL:0000-00-0000 FAX:0000-00-0001 email:abcd@△△co.jp 営業部 営業推進1課 担当:□□
請求書送付のご案内
拝啓 日頃より格別のご高配を賜りまして厚く御礼申し上げます。 先日、各店舗のスタッフ様にご参加いただきましたオンライン研修に関しまして、請求書を送付させていただきます。 内容をご確認の上、2022年2月25日の期日までにご入金いただけますよう、何卒よろしくお願い致します。 大変お忙しいとは存じますが、ご査収の程宜しくお願い申し上げます。
敬具
記
-
2022年2月3日開催オンライン研修分請求書:1通
以上
<請求書送付状の例文>
テンプレート以外にも、請求書送付状に使用できる例文は数多くあります。
請求書の送付状における「前文」の挨拶文には、時候の挨拶を述べる代わりに頭語と結語を用います。最も一般的に用いられるのは「拝啓」「敬具」の組み合わせですが、場合によっては「謹啓」「謹言」や「前略」「草々」という組み合わせでも問題はありません。
「前文」の挨拶文では、「拝啓」等の頭語の後に下記のような挨拶を述べるのが自然です。
- 平素は、格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。
- 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 日頃より格別のご高配を賜りまして厚く御礼申し上げます。
- 請求書を同送致します。
- 〇〇の請求書を送付致します。
- 下記の通り請求書を送付致します。
- 下記書類を送付致します。
支払い期日等やその他確認しておきたい事項があれば主文で述べるようにしましょう。
「末文」では、取引先へ失礼のないように配慮しつつ、今後もスムーズに取引を続けることができるように下記のような文章で結びます。
- ご多忙の中とは存じますが、ご査収の程宜しくお願い申し上げます。
- 大変お忙しいとは思いますが、ご査収の程宜しくお願い申し上げます。
- 今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
- ご査収下さいますようお願い申し上げます。
- 引き続き、ご高配の程何卒宜しくお願い申し上げます。
上記文章の後、頭語に対応した「敬具」等の結語で3部構成は完成です。3部構成の後は既にご説明した通り「記書き」を記載しましょう。
請求書の送付時に送付状が不要なケース
ビジネスマナーとして請求書を送付する際に送付状を添える必要があると説明しましたが、下記の2つのケースでは、例外的に送付状は不要です。
- Eメールで請求書を送る場合(メール文面が送付状を兼ねる)
- FAXで請求書を送る場合
<Eメールで請求書を送る場合(メール文面が送付状を兼ねる)>
テレワークの増加や、ペーパーレス化が推進されていることから、Eメールで請求書を送るケースもあるかと思います。Eメールで請求書を送付する場合には、メール本文が送付状を兼ねているため、別途送付状のデータを添付する必要はありません。
ただし、取引先が紙媒体の請求書しか受領しないというケースもあるため、Eメールで請求書を送付する際には、電子請求書でも受領可能かを事前確認しておくとよいでしょう。
さらに、電子請求書は改ざん等の不正を防ぐためにPDFファイルで添付することを徹底し、Eメールでは送信すべき宛先を間違いやすいため、誤りのないように細心の注意を払いましょう。
請求書をメールで送付する場合のテンプレートをご紹介します。
<メールテンプレート1>
メール件名:「2022年2月分請求書送付につきまして【株式会社△△】」
〇〇株式会社
商品部
商品開発3課
課長 □□様
いつも大変お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日、各店舗様に納品させていただきました「新商品〇〇」に関する請求書をPDFファイルにて送付させていただきます。
お忙しいとは存じますが、納品数量やお支払い金額等をご確認いただき、2022年2月25日の支払い期日までにご入金いただけますと幸いです。
ご不明な点等ございましたら、些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡下さい。
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<添付内容>
2022年2月分請求書(PDF):1通
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以上、お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い致します。
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株式会社△△ 営業部 営業推進1課
苗字 名前
〒000-0000
北海道〇〇市〇〇町〇〇1-1-1
□□ビル3階
TEL:0000-00-0000
FAX:0000-00-0001
email:abcd@△△co.jp
URL:https://△△.jp
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<メールテンプレート2>
メール件名:「2022年2月分請求書のご送付について【株式会社△△】」
〇〇株式会社
経理部
経理課
課長 □□様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日、各店舗様に設置させていただきました「デジタルサイネージ」に関する請求書を添付ファイルにてお送りさせていただきます。
ご多忙の中とは存じますが、詳細をご確認いただき、2022年2月25日の支払い期日までにご入金下さい。
なお、万が一添付ファイルが開封できない等の不具合がございましたら、お手数ではありますが、ご連絡いただけますでしょうか。
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<添付内容>
デジタルサイネージ請求書(PDF):1通
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今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。
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株式会社△△ 営業部 営業推進1課
苗字 名前
〒000-0000
北海道〇〇市〇〇町〇〇1-1-1
□□ビル3階
TEL:0000-00-0000
FAX:0000-00-0001
email:abcd@△△co.jp
URL:https://△△.jp
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まとめ
請求書の送付状について、本記事では、請求書に添付する送付状の目的と意味、記載すべき内容をテンプレートをもとに解説しました。
普段何気なく用意している送付状には、明確な決まりはなくとも一般的なビジネスマナーとして様々な慣習があることが理解いただけたのではないでしょうか。取引先と良好な関係を保つためには、地道な積み重ねが大切です。たかが送付状と軽く見ることなく、送付状を用意する際にも様々な点に配慮しながら取引先のことを考えて丁寧に対応することが必要です。
監修 畠山謙人
2010年に公認会計士試験合格後、約10年間大手監査法人や事業会社で主に上場企業での財務経理業務に従事。現在は畠山謙人公認会計士事務所の代表及び税理士法人赤坂共同事務所のパートナーとして、税務顧問、スタートアップ支援、財務アドバイザリー等を行う。