領収書の偽造・改ざんは違法!原因・不正事例・罰則から防ぐ方法まで解説

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領収書の偽造・改ざんは違法!原因・不正事例・罰則から防ぐ方法まで解説

経費申請を行う際に欠かせない領収書について、確認を怠ると不正が蔓延する環境を招きかねません。領収書を偽造・改ざんし税務調査で指摘された場合、罰則を課され、社会的信用を失うリスクもあります。 本記事では、領収書や経費精算で不正が起こる要因・改ざん事例・発覚時の罰則・不正を防ぐ方法を解説します。理解を深め、今後の実務にお役立てください。

1.領収書や経費精算の不正・改ざんが起きる原因

領収書や経費精算の不正が発生する背景には、主に3つの要因があります。

1つ目は、従業員の故意による不正です。たとえば、個人的な出費を経費として計上したり、支出額を実際より多く申告したりするなどの行為が該当します。

2つ目は、税金の不正還付を目的とした虚偽申告です。実際に支払っていない経費を計上し、還付金を不正に得ようとするケースが見られます。

3つ目は、人為的ミスによる誤りです。金額の入力間違いや、割引適用を見落とした申請が重なると、不正と誤解される可能性があります。

2.領収書の不正・改ざん事例

本章では、領収書における不正や改ざんの主な事例を紹介します。

2-1.架空の領収書を作成する

実際に発生していない取引を偽装して架空の領収書を作成し、申請するのは違法です。存在しない費用を架空申請を通じて意図的に取得しようする悪意のある行為で、決して行ってはいけません。

2-2.領収書の日付・金額を変える

領収書には、日付や金額が記載されており、いずれかもしくは両方の項目を書き換えて申請すると、改ざんと判断されます。たとえば、実際の金額より高い金額に直して、多くの金額を不正に得ようとする場合が当てはまるでしょう。

日付は不正に結びつかないと考える方もいるかもしれませんが、日付のみの書き換えも改ざん行為とみなされ、罰則対象となるため注意しましょう。

日付や金額のミス・間違いについては、修正したうえで正式に領収書を再発行するのが原則です。

2-3.白紙の領収書に記入する

白紙の領収書に、申請者本人が取引の詳細を記載して様式を整えることは、偽造とみなされます。

領収書はお金を受け取る側が発行するものであり、支払い側が作成するものではありません。実際にあった取引であっても、従業員が自ら作成してしまうと不正と判断される可能性があるため、留意しましょう。

宛名漏れや記載漏れの領収書を受け取った場合は、自分で書き直さず発行元に依頼する決まりがあります。

詳しくは以下の記事で解説していますので、対応に不安がある方はお読みください。

関連記事:宛名なしの領収書は有効?法律や経理上の取り扱いと対処法を解説

2-4.偽物の領収書で申請する

本来の発行元とは異なる業者から不正に取得した偽物の領収書を使って申請することは、違法です。領収書を紛失したり発行依頼を忘れたりして、手元に現物がない場合は、偽物を用意するのではなく、発行元に再発行を依頼します。

内容を訂正する際の対応については、以下の記事をご一読ください。

関連記事:領収書の宛名や金額に間違いがある場合の訂正方法は?項目別に解説

3.経費精算の不正・改ざん事例

本章では、経費精算の場面でよく見られる不正・改ざん事例を紹介します。

3-1.通勤手当の経費精算における不正事例

故意・過失によらず、通勤手当申請の場面で不正が起こりやすい傾向です。たとえば、以下のようなケースが挙げられます。

  • 新幹線代を請求しているが、実際は安い交通機関を使用している
  • 会社の近くに引っ越したが、会社に伝えず以前と同額の手当を受けている
  • 定期代を申請しているが、自転車で通勤している

また、内訳を確認していないことで意図せず不正受給となっており、不正について会社も本人も気づいていないケースがあります。

3-2.消耗品の購入における不正事例

消耗品の購入でも、不正は起こりやすいです。

たとえば、会社の備品と一緒に私物を購入するといった事例が該当します。備品や消耗品の購入は価格が大きくないため、不正にも気づきにくいのが特徴です。

消耗品として申請できるのは業務に使うものだけで、従業員が個人的に利用する文具などを、会社の経費を使って購入することは認められません。私的に使うものを一緒に購入・精算すると不正となるため注意が必要です。

3-3.接待交際費の経費精算における不正事例

取引先との接待で発生した費用は接待交際費となりますが、不正が起こりやすい項目のため、扱いに気をつけなくてはいけません。

たとえば、業務につながらない個人的な食事会を開催し、会場代や飲食代を接待交際費とした場合は不正です。また、社内での打ち合わせを社外で行ったと偽装して、接待交際費の請求をすることも認められません。

経理担当者は、多くの経費申請を確認・処理しています。経費精算の件数が多くなると、細かな内容まで確認できないこともあり、不正に気づきにくいのが実情です。

4.領収書の偽造・改ざんが発覚するのはなぜ?

近年、税務署の監視体制は高度化しており、領収書の偽造や改ざんは発覚しやすくなっています。

直筆の領収書であれば、筆跡やインクの違いといった視覚情報の分析によって、不自然な書き換えや複製も容易に見抜けるようになっています。止めやハネ、筆圧の差など、わずかな筆跡の癖も照合可能なため、手書き領収書の偽造は特にリスクが高い行為です。

また、近年のデジタル化に伴って専門の監査システムが導入され、電子申告や取引履歴を照合することで不自然な経費や金額の重複を瞬時に検出できます。

加えて、取引先へ直接確認を行う反面調査が実施される場合もあるでしょう。調査が入ると、会社の信用低下は避けられません。

税務署だけでなく、内部監査や従業員の匿名告発によって不正が露呈する事例も増えています。多角的な監視により、領収書の改ざんはほぼ確実に発覚する状況となっているといえるでしょう。

5.領収書の偽造や改ざんが発覚したときの罰則

領収書の偽造や改ざんが発覚した場合は、罰則を課されます。具体的な内容は、以下のとおりです。

5-1.重加算税・追徴課税

税務調査によって不正が発覚した場合、追徴課税と重加算税の2つの罰則が課される可能性があります。

追徴課税とは、申告漏れや誤りによって不足していた税金を後から徴収する措置です。計算ミスや記載漏れであっても対象とされます。

一方で、領収書の偽造や意図的な隠ぺいなど、悪質な行為が認められた場合には重加算税が適用されます。通常の税額に加え、本来の税金の35〜40%が上乗せされる非常に重い罰則です。適用された場合、会社に与える経済的ダメージも大きくなるでしょう。

参考:e-GOV法令検索「国税通則法(第六十八条)

5-2.有印私文書偽造罪・詐欺罪

領収書の偽造や改ざんは、税法上の罰則対象となるだけでなく、刑法においても重大な犯罪に該当します。

たとえば、印章や署名を無断で使用し、正規の領収書であるように偽造すると有印私文書偽造罪となり、3カ月以上5年以下の懲役刑が科されます。また、他人が作成した領収書を部分的に書き換える場合は有印私文書変造罪に該当し、同様に懲役刑の対象です。

偽造した領収書を使って不当に金銭を得た場合は、上記の他に詐欺罪が成立し、最長10年の懲役となる可能性もあるでしょう。

参考:e-GOV法令検索「刑法(第百五十九条)

参考:e-GOV法令検索「刑法(第二百四十六条)

5-3.社会的信用の喪失

偽造や改ざんは法的な罰則にとどまらず、会社の信用を失う事態を招き、経営にも大きな影響を与えます。

取引先や顧客からの信頼を失うと、契約解除や取引停止といった経営上の損失も招くでしょう。また、評判の低下は新規顧客・取引先の獲得や人材採用にも悪影響を及ぼし、ブランド価値の下落にも直結します。

6.不正や改ざんが発覚したときの対応方法

不正が発覚した場合は、故意によるものか過失なのかを確かめましょう。

故意によるもので悪質だと判断し、一方的に懲戒解雇などの処分を下すと、過失だった場合、従業員から提訴されるなどして企業側にリスクが生じます。故意・過失の調査は慎重に行わなくてはいけません。

実務上の対応としては、従業員の悪意の有無に関わらず、会社は過剰に支払った金額について返還請求を行うことが必要です。故意の場合は、利息付きの返還請求も行えます。

悪質な不正と判断した場合は、減給や停職、懲戒解雇など段階的に重い処分を下すことも推奨されます。被害が大きい場合は、刑事告訴を検討してもよいでしょう。

税務上の対応は、経費として計上された金額を正しく修正し、自主的に税務署へ申告することが求められます。

7.領収書・経費精算の不正を防ぐ方法とは

本章では、領収書や経費精算の不正を防止する方法を解説します。

7-1.交通費の経費精算時はICカードの履歴を確認する

交通費を支払う際は、ICカードで支払いましょう。

ICカードの場合、後から履歴の確認ができるため、実際にかかった交通費を正確に把握することが可能です。また、経費精算システムと連携して履歴を取り込むことで、手作業で交通費を入力せずに済み、人的ミスの削減効果も期待できます。

7-2.レシートの提出・出金伝票の作成を義務化する

経費の内容に関係なく、発行されたすべてのレシート・領収書の提出を従業員に義務付けることも有効です。証憑書類によって、実際に費用が発生したことを確認できます。特に、品目名が詳細に記載されたレシートは、改ざんが難しく信頼性が高いため、安心です。

レシートが入手できない場合や紛失した場合に備えて、出金伝票や支払明細書の作成も義務化しておくとよいでしょう。日付や金額などの詳細情報を記入することで、支出の透明性を確保できます。

出金伝票の書き方や使われる場面、注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。

関連記事:交通費に関する出金伝票の書き方とは?使われる場面や注意点なども解説!

7-3.クレジットカードを活用する

支払方法を、法人クレジットカードに統一する方法もあります。

クレジットカードで支払いをすることで、いつ・どこで・何に使ったのかを履歴から把握でき、怪しい点があってもすぐに確認できます。

ただし、従業員に会社のクレジットカードを渡すため、カードを適切に使用するためのルール作り・周知は必須です。

7-4.接待は事前申請制にする

接待がある場合は、事前に申請してもらいましょう。

事前に接待の内容を申請するルールにしておくと、会社も予定を把握でき、不正も起こりにくくなります。接待の相手先や目的、飲食店名などの情報も含めて申請を出してもらうと、かかる費用の目安も把握しやすくなります。

7-5.経費精算システムを導入して不正しにくい環境をつくる

経費精算システムの導入も不正防止に効果的な手段です。

たとえば、ICカードと連携すると、履歴をシステムに取り込み一覧で確認できるため、交通費の上乗せ・重複申請がないかすぐ照合できます。最短移動手段を算出する機能を備えているシステムであれば、故意に高い交通費の申請を防げます。

また、クレジットカードと連携することで、 領収書の金額改ざん等の不正申請が起こらない環境を構築することが可能です。クレジットカードの利用金額が自動的にシステム内へ反映されるため、申請者は請求金額をごまかせません。

さらに、過去に申請された金額と比較して不自然な点がないか、データを分析しながら調査できるため、不正に気づきやすくなります。

8.「バクラク経費精算」で領収書のチェックも簡単にできる

領収書の偽造や改ざんは、故意的でなくても違法行為です。悪質だと発覚した場合は、税法や刑法で重い罰則が課されます。

不正が起こりにくい環境にするためには、社内システムや申請ルールを改めて見直すことが重要です。経費の決済方法も多様化が進んでいるため、さまざまな決済手段とも連携できる経費精算システムの導入を検討するのもよいでしょう。

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