ソフトウェア・システムの年間使用料に使える勘定科目と仕訳例を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2025-01-17
- この記事の3つのポイント
- ソフトウェアの年間使用料の勘定科目には、通信費や消耗品費、固定資産(ソフトウェア)を使う
- インストール型ソフトウェアは、10万円以上か未満で勘定科目が異なる
- 年会費やサポート費用などの勘定科目には、支払手数料や諸経費を使う
ソフトウェア・システムの年間使用料に使える勘定科目には、どのようなものがあるかご存じでしょうか。
使用するソフトウェアの性質によって、適切な勘定科目は異なります。自社の状況に最も適した勘定科目を選択し、途中で勘定科目を変えることなく一貫性を持って処理することが重要です。
本記事ではソフトウェア・システムに関わる勘定科目と仕訳例を解説するので、仕訳にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
ソフトウェア・システムの年間使用料に使える勘定科目と仕訳例を解説
ソフトウェアの年間使用料に使える勘定科目
ソフトウェアの年間使用料の勘定科目には、法的に決められたものはありません。一般的には通信費、消耗品費、固定資産(ソフトウェア)の3種類を使用します。
ソフトウェアの種類に対する勘定科目は以下のとおりです。
ソフトウェアの種類 | 勘定科目 | |
クラウド型 | 通信費 | |
インストール型 | 10万円未満 | 消耗品費 |
10万円以上 | 固定資産(ソフトウェア) |
クラウド型ソフトウェアの仕訳
クラウド型ソフトウェア(インターネット上で利用するソフトウェア)の仕訳時に、よく使用される勘定科目は「通信費」です。
通信費は一般的に、業務に関わるインターネット通信費用や郵便代、電話代などを計上する際に使います。クラウド型ソフトウェアの場合、利用料が10万円以上でも全額を費用計上できます。
月額6,000円のクラウド型会計ソフトの使用料を現金で支払った場合、仕訳例は以下のようになります。
借方 | 貸方 | ||
通信費 | 6,000円 | 現金 | 6,000円 |
通信費の詳細や仕訳について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
インストール型ソフトウェアの仕訳
インストール型ソフトウェア(買い切りタイプのソフトウェア)の仕訳については、取得価額が10万円未満の場合と10万円以上の場合で異なる処理が必要です。
取得価額が10万円未満の場合
取得価額が10万円未満のインストール型ソフトウェアは、一般的に勘定科目「消耗品費」として処理します。
消耗品費とは事業で使用する消耗品や消耗性のある資材の購入費用を計上するための勘定科目です。購入価格が10万円未満であることと、使用可能期間(法定耐用年数)が1年未満であることが条件です。
8万円のインストール型ソフトウェアの導入費用をクレジットカードで支払った場合の仕訳例を、支払い時と引き落とし時それぞれで見ていきましょう。
<支払い時>
借方 | 貸方 | ||
消耗品費 | 80,000円 | 未払金 | 80,000円 |
<引き落とし時>
借方 | 貸方 | ||
未払金 | 80,000円 | 普通預金 | 80,000円 |
消耗品費の詳細や他の費用との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
関連記事:「消耗品費」とはどんな勘定科目?具体例の一覧と他の費用との違いを解説
取得価額が10万円以上の場合
取得価額が10万円以上のインストール型ソフトウェアは「ソフトウェア」という勘定科目を選びます。長期間にわたって使用できるため無形固定資産として計上し、毎期、減価償却しなくてはなりません。
ソフトウェアの場合の耐用年数は一般的には5年なので、年間の減価償却費は「ソフトウェアの費用÷5年」となります。
15万円のインストール型ソフトウェアの購入費用を普通預金から支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。
<支払い時>
借方 | 貸方 | ||
ソフトウェア | 150,000円 | 普通預金 | 150,000円 |
<年間の決算時>
借方 | 貸方 | ||
減価償却費 | 30,000円 | ソフトウェア | 30,000円 |
10万円以上のソフトウェアでも、条件に合えば「一括償却資産の損金算入制度」や「中小企業等の少額減価償却資産の損金算入制度」を適用できる場合があります。
固定資産の詳細や基準や特例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
年会費やサポート費用の勘定科目と仕訳例
年会費やサポート費用などの勘定科目には「支払手数料」や「諸経費」が使用できます。ただし、購入・導入・環境構築がセットになったサービスや、月額にサポート料金を含むプランを利用する場合は「消耗品費」「通信費」「ソフトウェア」などの勘定科目に含めて計上します。
以下は、3000円のサポート手数料を現金で支払った場合の仕訳例です。
借方 | 貸方 | ||
支払手数料 | 3,000円 | 現金 | 3,000円 |
支払手数料になる経費と仕訳例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
簡単で正確な経費精算を実現する「バクラク経費精算」
ソフトウェアの年間使用料の勘定科目には、通信費や消耗品費、固定資産(ソフトウェア)を使用します。インストール型ソフトウェアは、10万円以上か未満で勘定科目が異なるので注意しましょう。年会費やサポート費用などは、支払手数料や諸経費で処理してください。
勘定科目の設定や仕訳が難しい場合は、経費精算システムを導入してはいかがでしょうか。バクラク経費精算は自動仕訳と会計ソフト連携機能もあり、業務効率化が図れます。
ご興味のある方は以下のページよりご検討ください。無料トライアルもございます。